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1135号

NO.1135     Ryo Onishi              2/11/2018

 weekly
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雑貨屋のひとり言

住宅修繕工事が5ヶ月目に入り、終盤に近づいています。塗装のニオイがする工事中の建物の中で生活するという滅多にできない経験をしています。ベランダ側の修繕工事が終わり、足場の解体が始まります。黒っぽいシートで覆われていた建物がリニューアルされて姿を表すので楽しみです。 ≪R.O≫

 

説得による納得

私は当地ロサンゼルスを中心とする日系バイリンガル新聞である羅府新報の『磁針』欄に、ほぼ月一度寄稿をしています。ここで磁針寄稿250回を迎え、これまでの寄稿文を整理しています。

ほとんどの文章は当、雑貨屋ウイークリーに投稿しているコメントですが、『磁針』のほうはロサンゼルスを中心に滞在している日本人や日系人を対象にしており、また紙面の都合上、文字数に制限があり(860文字)、雑貨屋用とは若干ニュアンスが異なった書き方、内容になっています。

そこで過去の磁針寄稿文をここにも連載させていただき、ご参考に供します。

『説得による納得 』(羅府新報、2000年12月掲載)
 自分の生まれ育った国を離れ、海外で生活するメリットのひとつは自他の比較により、自国を客観的に観察出来ることだろう。

 私も滞米期間15年になったが、中年を過ぎてからのアメリカ生活のためか、いまだにカルチャー・ショックは多い。11月24日付の当紙「たつ子の相談室」にも掲載されていたが、こちらでは対人関係において、よほど親しい人を除いては、以心伝心に頼る事は不可能に近い。

たつ子先生のようなクロス・カルチャー・コンサルタントなどという仕事が存在する事自体、それを物語っている。
 
人が何かを発言する時、「何を言うのか」 が重要であるのは当然だが、日本人の場合、それと同じ位、またはもっと重要なのが 「どういう言い方をするのか」 だったりする。

 「私はその案には反対だ」 と明確に言うより, 「私はどうもその案には必ずしも賛成しかねるのですが・・」 などと歯切れの悪い婉曲的な言い方をしがちであり、こちらの方が受け入れられやすい日本語と言われている。

 英語の世界(と言っても私はほんの一部しか知らないが)でも当然、相手の立場を充分配慮した言い回しはするが、それでも最重要なのは内容をいかに論理的に説得するかだ。

 相手を出来るだけ傷つけず、こちらの気持を察してくれるのを待つのか、それとも気持を明確に伝えた上でお互い納得し合うかの差だろう。

論理的に説得する為には曖昧な言い方より明確な表現の方が都合がよい。

 私自身も何か意見を述べる時、英語での場合はイエス、ノーも含めて比較的明快な言い方をするくせに、まったく同じ内容を日本語で言う場合はなぜか言葉の語尾に余計な言い回しを付けたりしてしまう。

尤も私の場合は英語の語彙不足のため、英語で微妙な言い方が出来ない事が最大の理由なのだろうが、でも “どうもその理由だけとは必ずしも限らない、と言ってもあながち正しくないとは言い切れないと思うのだが・・”(?!)

どうも「正しい日本語」と「良い日本語」は別らしい。


河合 将介( skawai@earthlink.net )

 

    

川柳(東京・成近)

 


( 川 柳 )


海鮮丼ですにちょっぴり蟹が付き

金魚もう鮒の自由に戻れない

ネズミ見て逃げる子ネコの血統書

猛犬に注意の犬にじゃれつかれ

雑踏を尻目にシャンシャンの昼寝



( ニュースひとりよがり )


「極寒の開会式」
北の軍事パレードに負けられない −平昌五輪

「黒田日銀総裁再任へ」
よっし! −デフレ

「区立小で8万円の制服」
インスタ映えします −泰明小学校


河合成近
nakawai@adachi.ne.jp

http://homepage3.nifty.com/itukabouzu/

龍翁余話

龍翁余話(511)「紀元節の思い出、再び」(拡大版)

翁が、自宅マンションのベランダに国旗(日の丸)を掲揚するのは『正月』、『建国記念日』(2月11日=旧・紀元節=神武天皇即位の日)、『昭和の日』(4月29日=旧・昭和天皇誕生日)、『終戦記念日』(8月15日)、『今上天皇誕生日』(12月23日)の年5回。10階のベランダから見渡す戸越の町には、数10年前までは幾つかの日の丸を見ることが出来たが、近年、全く見当たらなくなった。世代が変わり、日の丸への思いが薄らいで来たのだろうか、それとも“日の丸は右翼のシンボル”と思い違いをし、敬遠しているのだろうか・・・中道右翼(穏健右派)を自認・自称する翁の日の丸への愛着は、思想以前に、日本国を愛し、日本人としての誇りの表れである、と自覚しているからにほかならない。

さて、今日(2月11日)は『建国記念日』(旧・紀元節)である。表題に『紀元節の思い出、再び』としたのは、実は、5年前の2013年2月10日に配信した『龍翁余話』(265)「紀元節の思い出・高千穂峰」を“再び”(【概要】と*追加を)書きたいからである。5年前にお読みいただいた読者各位はご容赦を――

【古い話で恐縮だが、今から40年前(今年では45年前)のこと、紀元節の時期にテレビ番組のロケハン(ロケーション・ハンティング=事前調査)で神話の国(宮崎県)をドライブした時の話――某年2月9日午前10時、就航間もない日本カーフェリー「フェニックス号」に(川崎港から)購入したばかりの新車を乗せ、約21時間かけて宮崎県日向・細島港へ。冬の太平洋は波高く、もともと船に弱い翁、船酔いを心配したがスポンサーのご厚意で1等船室(個室)に乗せて貰い、お蔭で快適な船旅を楽しむことが出来た】

*と言っても、行けども行けども海ばかり。出航してしばらくは船内見学・早めのランチ(コーヒーとサンド)をとりながら右側に見える陸や灯台(石廊崎、神子元島、御前崎など)を楽しんだが渥美半島あたりでだんだん退屈のムシが・・・今ならパソコン・スマホで時間つぶしが出来ようが、当時は勿論、そんなものはない、翁の好きな時代小説数冊と取材先の資料をバッグの中に入れてあるが、睡魔に襲われ(それらに目を通す気がしなくて)船室で昼寝してしまった。5時過ぎだったろうか、ボーイに起こされてレストランへ。冬の5時過ぎはもう暗い。右側の遠くに見える(どこらあたりか分からなかったが)暗い陸影のあちこちに、冷たく光る灯りが何となくうすら寒かった。

*よく眠った。翌朝5時頃、目が覚めた。まずはコーヒー。ウエイターが「今、室戸岬を通過しました」と教えてくれた。太平洋に突き出た四国の南端、明治32年初点灯の歴史的価値を持つ灯台。ホエールウォッチングで多くの観光客を呼んでいるが、夏から秋にかけては台風の通過が多く、枕崎市(鹿児島県・薩摩半島南西部)、潮岬(和歌山県串本町)などと並んで台風銀座の1つ・・・っと、そんなことを思い浮かべながら、朝食(多分、コーヒーとハムエッグ・トースト?)を済ませ、やっと(取材先の)資料に目を通した。

【10日の朝9時頃、日向・細島に着港、愛車に乗ってまず向かったのが美々津(みみつ)港。ここは神武天皇(初代天皇=紀元前660年?〜585年?)ご親卒の水軍が編成され東征(大和国=奈良への侵攻)のために出航した港と言う伝説に基づいて紀元2600年(昭和15年)に『日本海軍発祥之地』と定められた。なお“日本海軍発祥の地”と言われる場所は他にもある。神戸・ポートアイランドへ渡る神戸大橋の麓、幕末の海軍操練所跡と、東京・築地の魚河岸水神社境内、ここにも幕末の軍艦操練所跡がある。この2ヶ所、いずれも翁が敬愛する幕臣・勝 海舟と坂本龍馬の足跡である。】

【宮崎神宮参拝――(*社務所で貰った“由緒”によると)ここには神武天皇を主祭神とし、父神・鵜草葺不合尊(ウガヤフキアエズノミコト)、母神・玉依姫(タマヨリヒメ)が祀られている。参拝のあと(当時、新婚旅行のメッカだった)国定公園日南海岸の青島の隆起海床と奇形波食痕(鬼の洗濯板=天然記念物)、フエニックス並木のビュースポット堀切峠を経て鵜戸神宮(うどじんぐう)へ。ここは日本でも珍しい岩窟に掘られた社、朱塗りの神殿が青い海に映え、亀の姿をした奇岩(亀石)にも目が奪われる。神武天皇の父神・鵜茅葺不合尊を主祭神とし、天照大神以後、神武天皇に至るまでの(天照大神直系の)神々が祀られている。(*後日『古事記』を読んで)神武天皇のご先祖を学習する。神武天皇の曽祖父は天照大神の孫(天孫)・邇邇芸尊(ニニギノミコト)で、天照大神のご下命を拝して高天原(タカマガハラ=神々が住む所)から豊葦原中津国(トヨアシハラナカツクニ=人間が住む所)の高千穂峰に降り立ち、荒んでいた人間世界を平定した神様。曾祖母は木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)、祖父は彦火々出見尊(ヒコホホデミノミコト=一般的には山幸彦が有名)、祖母は豊玉姫(トヨタマヒメ)、父母は(前述の)鵜茅葺不合尊と玉依姫。それぞれの神様がどんな神格、逸話をお持ちか想像をめぐらせながら寒々とした聖域(洞窟)の中を歩く。翁は既に神話の世界へ入り込んでいる。と、その時、岩天上から落ちている雫に目が止まる。これは豊玉姫が、赤ん坊の(神武天皇の父神)鵜茅葺不合尊を置き去りにして海へ帰った時に残して行った“お乳岩”・・・】

【さて『紀元節の思い出・高千穂峰』へ急がねばならない。カーナビが無い時代だったから地図を頼りに日南市から都城市を経由して鹿児島県国分市(現・霧島市)から一気に霧島温泉郷へ。どこをどう通ったか、まるで記憶がない。到着した時は既に陽は落ちていた。
予約していたホテルに宿泊。翌・紀元節(2月11日)の早朝に霧島神宮参拝。“しばれる”寒さだったが、眩しいばかりの朝陽が朱塗りの神殿を照らし、いっそう神々しい神話の世界を演出している。このお社は天孫降臨の邇邇芸尊を主祭神とし、木花咲耶姫、彦火々出見尊、豊玉姫、それに神武天皇の父母神・鵜草葺不合尊、玉依姫の5神を祀っている。】
【予約しておいたガイド(アルバイトの大学生)が翁の車のタイヤにチェーンを取り付けてくれ(彼の車の後から)いざ、天孫降臨の地・高千穂峰へ。高千穂峰は霧島連峰の一山で鹿児島県と宮崎県の県境に位置し、標高約1600m、山頂には青銅製の天逆鉾(あめのさかほこ)。幕末の志士・坂本龍馬と妻おりょうが訪れた時、大胆にも龍馬がこの鉾を引き抜いたというエピソードがあるが「実のところ、天逆鉾の確たる由来は不明です」とはガイド君の説明。それと、残念ながら「この道路状況(凍結)では山頂までは危険」というガイド君の冷静(適切)な判断で天逆鉾を見ることは出来なかったが、山頂手前の巨大岩に刻まれた『天孫降臨之地』の碑の前で神々に恭しく拝礼。眼下に広がる白銀の樹氷林は、まさに神秘の世界。初めて見るその感動的光景は今でも忘れ難い。】

【樹氷林を抜けて、ガイド君は翁を『えびの高原』まで送ってくれた。お礼に温かな蕎麦でも、ということで2人、(当時)たった1軒しかない茶屋に入った(その後『えびの高原』は観光のメッカとなり、ハイカラなレストランや珈琲ショップが立ち並んでいるとか)。茶屋の土間の左側に“落書き板”が架けられており、所狭しとばかり旅人の“思い思い”が寄せ書きされている。「お客さんもどうぞ」と老主人に薦められて翁も少しばかりの空きスペースに1句書いた。その句とは(江戸時代の国学者・本居宣長の“敷島の大和心を人問はば”をもじって)先ほど『天孫降臨之地』の碑の前に立った時の、翁の率直な心情を詠んだ句である。
≪高千穂に 日本精神(やまとごころ)をたづぬれば 樹氷こたへし 天をみるべし≫
(『天孫降臨之地』碑の傍で眼下に広がる樹氷林を眺めながら、日本精神とは何ぞや、を考えた。“天を仰げ、天が答えを出してくれる”樹氷林からそんな声が聞こえて来るようだった)。茶屋の老主人が奥から縦横80cmほどの無地の(中折り)屏風、筆、硯箱を持って来た。「あんたのような人を待っていた。どうぞ、これに書いて貰いたい」と懇願された。幾度か丁重にお断りしたが「どうしても」、それにガイド君の薦めもあって「ならば左側だけを使わせていただく。右側は、しかるべき人物が来られた時に書いて貰って下さい」ということで筆をとった。句の左端に日付と翁の雅号“龍雲”を署名した。

【もう一度、あの高千穂峰の樹氷林を見たい、あの茶屋にも行って翁が記した句の屏風も見たい。もしかして茶屋も屏風も無くなっているかも。あの時のガイド君にも会いたい。あのガイド君、多分、地元の学生だったろう。お元気なら60歳代か――遠い遠い『紀元節』の思い出である。】

*2月11日の今朝、ベランダに日の丸を掲げる時、♪雲に聳(そび)ゆる高千穂の 高嶺おろしに草も木も・・・(『紀元節』の歌)を口ずさんだ。毎年、同じことを繰り返しているが、情けなや≪日本精神とは何ぞや≫の確たる答えが、いまだ見つからず・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。

 

茶子のスパイス研究

今週はお休みです。

茶子 スパイス研究家

 

さくらの独り言

今週はお休みです。 

 

ジャズライフ−今週のお奨めアルバム

雑貨屋ウィークリー590号、995号で紹介したオランダ生まれのジャズピアニストKarel Boehleeは私の好きなアーティストです。もっと聴いてみたいと思っていましたがAmazon Prime Musicで数枚見つけました。その中の一枚"Blue Prelude"を紹介します。Amazon Prime Musicは私にとって貴重なジャズライブラリーです。
ゆったりと聴けるピアノジャズです。2曲目の"Che Voule Questa Musika Stasera"は芸人ひろしの語りのバックミュージックで使われている曲です。Karel Boehlee Trioのアルバムの表紙はほとんどが女性で、"Blue Prelude"はちょっとセクシーなアルバムになっています。
 

"Blue Prelude" Karel Boehlee Trio

01-My Ideal
02-Che Voule Questa Musika Stasera
03-Blue Prelude
04-High Times
05-Tangonato
06-Missing You
07-Sweet & Lovely
08-Anastasia
09-Rhythm Of Changes
10-Goodbye
11-Serenity



ジャズアルバムの紹介リスト
http://www.zakkayanews.com/jazzlist.htm  
《R.O.》

 

編集後記

孫のY君が明日、1歳になるのでみんなでお祝いします。毎週会う孫たちですが、会うたびに成長しているので楽しみです。今年もたくさんイベントがあります。今年のイベントの予算を多めにしています。

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http://www.zakkayanews.com/zwback.htm

Zakkaya Weekly No.1135

雑貨屋 店主 大西良衛   http://www.zakkayanews.com/
              
tenshu@zakkayanews.com