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1121号

NO.1121     Ryo Onishi              11/5/2017

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雑貨屋のひとり言

家庭用のAIスピーカーが各社から販売されています。面白い使い方ができそうなのでわたしも興味があります。こういう製品が一般向けに売られているということはAI技術が相当進んできているということだと思います。
AIロボットが単純作業や3Kと言われている仕事をやってくれたら効率的に仕事ができるので助かる人もたくさんいると思います。しかしAIロボットが人間の補助的なことをやってくれているうちは良いのですが、AIロボットが学習し、一般の人のやっている仕事もやれるようになって来ると喜んではいられません。人間はAIロボットができない職種にしか就けなくなり、職種の選択が難しくなっていきます。SFの世界であったことが現実のものになろうとしています。メガバンクはAIロボットを使いたくさんの行員を削減していこうと計画しています。削減される人たちはこれから何をするのでしょうか?≪R.O≫

 

 歴史から学ぶ

私は当地ロサンゼルスを中心とする日系バイリンガル新聞である羅府新報の『磁針』欄に、ほぼ月一度寄稿をしています。ここで磁針寄稿250回を迎え、これまでの寄稿文を整理しています。

ほとんどの文章は当、雑貨屋ウイークリーに投稿しているコメントですが、『磁針』のほうはロサンゼルスを中心に滞在している日本人や日系人を対象にしており、また紙面の都合上、文字数に制限があり(860文字)、雑貨屋用とは若干ニュアンスが異なった書き方、内容になっています。そこで過去の磁針寄稿文をここにも連載させていただき、ご参考に供します。

『 歴史から学ぶ』(羅府新報、1999年11月掲載)
振り返ってみると私にとって「歴史」とは、中学や高校時代に学んだ授業の一科目であり、更にその授業とはイコール“受験勉強”だった。 

最近日本の歴史教育のあり方について一部に見直しの議論があるという。年号や出来事をむやみに丸暗記させるのではなく、大きな時代の流れと歴史の学び方だけを教え、あとは生徒各個人が関心と興味のあるテーマを自分で選び、自分で学ぶようにさせるのだという。

こんな歴史教育に私は大賛成だ。歴史教育とは過去を学ぶのではなく、未来を学ぶためにある筈であり、生きた歴史であるべきだからだ。

 時代の流れをつかむ場合でも、先史時代から現代への流れでなく、先ず今の時代から始め、過去に遡った方がかえって時代背景、因果関係がはっきり見えるのではないだろうか。

それにどうせ太古の遺跡や遺物について学んでも、考古学上の新発見がある都度それまでの定説は簡単に覆えってしまうのだから。

 私が学校時代に使った歴史の教科書には、日本で初めて鋳造された貨幣は「和同開珎(わどうかいちん、又はわどうかいほう)」とあり、日本での米作りは、弥生時代に始まったと書いてあったが、最近では「和同開珎」より古い「富本銭(ふほんせん)」が発掘され、またコメとほかの穀物を組み合わせた農耕が縄文時代前期からすでに存在していたことを示す発見もあったという事だ。

 学校時代、「歴史」嫌いだった私は最近、身近な歴史をも含めて「歴史もの」に大変興味を持っている。

例えば、ここ広いアメリカの「道」について、個々の道路とその生い立ち、沿線住民へのかかわり、「ルート66」の光と影等々・・。

資料や本で調べたり、実際に現地に行ってみたり、すべてがわくわくするほど興味がわいてくる。そしてその結果、本来のテーマであった「道」だけでなく、そこから発展して自分でも驚くほどいろいろな事を学んでいる事に気付く。

 歴史とは「それを学ぶ」ものではなく、「それから学ぶ」ものだという事を最近身をもって感じている。

河合 将介( skawai@earthlink.net )

 

    

川柳(東京・成近)

 


( 川 柳 )


SLを父の童話が走らせる

馬齢積み重ねて父の歳を越え

金婚を罪は時効にして祝う

生命線伸ばしてガンの手術終え

人の字で生きる一病支え合い



( ニュースひとりよがり )


「イグ沢村賞」
丸投げで −前原前代表

「ドラフト指名選手」
破れますか −ガラスの天井、鉄の天井

「窓口」
ロボットに番号で呼ばれそう −人間


河合成近
nakawai@adachi.ne.jp

http://homepage3.nifty.com/itukabouzu/

龍翁余話

龍翁余話(498)「府中の森公園で“芸術の秋”」

翁、気のせいだろうか、今年の秋は短いように思う――「暑さ寒さも彼岸まで」と言うが、今年は9月26日の秋彼岸明けでも(東京は)まだ真夏日が残った。ところが10月中旬になって関東地方を中心に冷たい雨が降り続き、昼間の気温11度、これは真冬の2月並みの寒さだったとか。10月中旬で東京がこれほど低い気温になったのは(気象観測史上)初めての記録だそうだ。関東周辺で標高の高い所では積雪が見られた(というニュースも伝わった)。そして10月22日に発生した台風21号が豪雨を伴って南西諸島を直撃、23日には本州にも上陸して各地に大きな被害をもたらした。更に1週間後の29日から30日にかけて台風22号が(日本列島上陸はなかったものの)広範囲に大雨を降らせ、東の海上を暴れ回って通過した。この2つの超大型台風の後、関東地方はようやく爽やかな秋空が広がった。これから本格的なスポーツの秋、芸術の秋、味覚の秋とホッとしていたら、もう立冬(11月7日)だ。寒がりの翁は朝晩の冷え込みで、すでに暖房(エアコン)を必要としている。11月の別名““霜降月(しもふりづき)”“雪待月(ゆきまちづき)”そのものの今日この頃。だから、余計に“短い秋”と思うのだ。

そんな“短い秋”の貴重な晴れ間の某日、都立『府中の森公園』へ出かけた。紅葉にはまだ少し早いが、目的は園内各所に設置されている“彫刻”鑑賞である。と言っても翁、それほど彫刻に造詣が深い訳ではないが、観るのは好きだ。たまたまドライブの行き先などで彫刻を見かけると、しばし足(車)を止めて鑑賞したりする。今回『府中の森公園』行きを思い立ったのは、今年の文化功労者の1人に選ばれた彫刻家・雨宮敬子(あめのみやけいこ=1931年〜)の作品を観たいと思ったのが動機だ。(蒙御免:敬称略=以下、同じ)

『府中の森公園』は東京都府中市浅間町にある都立公園。旧米軍基地の跡地、道路を挟んで東隣に航空自衛隊府中基地がある。航空基地と言っても滑走路はなくヘリポートがあるだけ。公園の面積は約17万1,500u、東京ドームの約3倍だとか。JR中央線武蔵小金井駅から府中駅行きのバスに乗り(小金井街道)一本木バス停で降りて公園正門に入ると一直線のプロムナード(中央の噴水まで約250m)が目の前に延びる(写真)。直ぐ左側に府中市美術館、小野球場、テニスコート、サッカー・ホッケー場、ゲートボール場、バーベキュー場、市民聖苑、公園サービスセンター、右側には子ども水遊び場、遊具広場、(噴水に近づくと)広々とした芝生広場。サービスセンターで公園マップとアートマップ(彫刻設置案内図)を貰って早速、散策開始。噴水から左に曲がり、日本庭園を過ぎると(公園に隣接した)『府中の森芸術劇場』。その辺りから本格的な“森”が広がる。森の中の植物はキリ・クヌギ・ケヤキ・ヒマラヤスギ・金木犀・ツバキ・ハナミズキなど。それらの樹木の中に雨宮敬子の作品『少年』が真っ先に翁の目に飛び込んで来た(写真左)。それにしても翁が知っている雨宮敬子の作品は裸婦像が多いのに“少年像”とは珍しい。「爽やかな少年の美的躍動感を表現した」との作者の言葉がアートマップに掲載されている。

『少年』の近くに、笹戸千津子(ささどちづこ=1948年〜)作の『少女』(像)がある。(写真中)「少しおどけたポーズの、子どもらしい優しさを表現した」そうだ。そういう作者の“製作意図”を感じながら1つ1つの作品を鑑賞していると時間が経つのも忘れるほど魅入ってしまう。ちょっと離れた場所に(人物ではないが)大きな鳥の彫刻があった(写真右)。柳原義達(やなぎはらよしたつ=1910年〜2004年)作『道標・鴉(カラス)』の題名が付いていた。(解説には)「柳原は自宅で本物のカラスを飼うほどカラス好きで、カラスの躍動的なエネルギーを表現した」とある。その他、同公園内には朝倉響子(あさくらきょうこ=1925年〜2016年、朝倉文夫の次女)の『アンとミッシェル』、舟越保武(ふなこしやすたけ=1912年〜2002年)の『鳩を持つ少年』など全部で10点の作品が展示されているが紙面の都合上、7点は割愛させていただく。

“彫刻鑑賞”もいいが、せっかく来たのだから“紅葉鑑賞”もと思い、もう一度日本庭園に戻って(少し早めの)紅葉を味わった。彫刻も紅葉も満喫。長雨・寒冷・台風での憂鬱を一挙に晴らしてくれた“芸術の秋”であった・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。

 

茶子のスパイス研究

おクジラさま

今年の9月頃だったろうかLAの日系TV番組で、たまたま“おくじらさま”というタイトルの映画紹介を見た。監督の女性はNY在住の人だという。何年か前に日本で捕鯨協会の人と話す機会があって何となくこのくじらの映画の事は気になっていた。
NY在住の監督さんならLAなどでも映画は上映されるのだろうか、是非、上映してくれたらいいと思っているうちに10月の後半から11月は日本に帰る事になった。毎年この時期に帰ってくる事を知っている友人から11月に入って電話があった。明日は仕事が休みになったのでどこかで会おうという事になった。その時に、あの、おくじらさまの映画を検索してみたら偶然今月は東京で3日間だけ渋谷でそれも一日一回だけ上映会をやるという事がわかった。友人を誘って、ついでに前から行ってみたかった元祖くじら屋という所でランチもする事にした。何でも昭和25年から経営している老舗の鯨レストランなのだそうだ。そのレストランで私は鯨の天ぷらを友人は鯨の竜田揚げを注文した。子供の頃、赤い縁取りをしたクジラのベーコンを食べた事や鯨の生姜焼きを食べた記憶が蘇ってきた。甘い味付けの鯨の缶詰めの味も覚えている。

ランチが終わって支払をするカウンターの前に”ビハインド・ザ・コーヴ”のDVDが販売用に置かれてあった。鯨の絵が描かれてあったので、この映画も鯨関係なのだろうと思った。映画のタイトルは聞いた事があったけれど詳しい内容は知らなかった。おくじらさまの映画は夕方から上映された。会社が終わる時間より早い時間帯にもかかわらずわりと人は入っていた。映画の舞台は和歌山県の大地町。ここで巻き起こった反捕鯨派の活動家と昔から捕鯨で生活をしてきた漁民の人や村の人との葛藤の映画だった。その映画が終わると予期していなかった映画の監督さんが舞台に出てきた。この映画を作った動機は “The Cove ザ・コーヴ”という映画を見た事で大変なショックを受けたからだそうだ。映画は日本人が鯨やイルカに対して、いかに残酷で野蛮な民族なのかという事を白人側から一方的に作られた映画だったそうだ。その映画が2010年に米国アカデミー賞のドキュメンタリー部門で賞を取った。その頃、私はこのハリウッドの映画界は赤くて黒いチャイナマネーがかなり入り込んでいるという噂を聞いていたので日本人に対してのネガティブキャンペーンの一環なのだろうと思って興味も無かった。その“The Cove ザ・コーヴ”と言う映画を見て、もう1人の日本人女性が立ち上がった。そして”ビハインド・ザ・コーヴ”という映画を作った。それは“The Cove ザ・コーヴ”という映画に対する反証作品というか反論映画なのだそうだ。あの元祖くじら屋に置いてあった映画はそんな内容の映画だったのだという事を、おくじらさまの映画を見てから、その後で知った。何でもネット映像配信で21言語もの字幕があるそうだ。こうやって世界に真実を発信していかないと人のいいおとなしい日本人はやられっぱなしでいつもなめられている。

おくじらさまの映画監督はどちらの言い分が正しいとか正しくないとかではなくまっすぐに中同に立って映画を作りたかったという。だから映画のタイトルの後にふたつの正義の物語とつけたのだろう。
だから素直な気持ちで私も真っ直ぐに映画を見てみたけれど、どうしてもシーシェパードの連中はただのチンピラヤクザにしか見えなかった。背後には在米反日韓国人や在米反日華僑、怪しい活動家や人種差別の組織が見え隠れしているように感じた。

それにしても最近は女性のジャーナリストや論客も頼もしく輝いている人がたくさん活躍しはじめている。まだまだ表舞台に登場する回数は少ないけれど。

茶子 スパイス研究家

 

さくらの独り言

今週はお休みです。前回の記事は「風景・・・小さな写真館」です。http://www.zakkayanews.com/zw/zw1119.htm

 

ジャズライフ−今週のお奨めアルバム

ジャズファンならだれでも知っているテナーサックスのStan GetzとピアノのBill Evansがコラボした珍しいアルバムを紹介します。うっとりさせられるStanのサックスとEvansのピアノの共演はいつまでも聴いていられる素晴らしいアルバムで、名盤中の名盤です。
 

“Stan Getz & Bill Evans"  Stan Getz

01-Night And Day 6:45
02-But Beautiful 4:41
03-Funkallero 6:40
04-My Heart Stood Still 8:37
05-Melinda 5:04
06-Grandfather's Waltz 6:28
07-Carpetbagger's Theme 1:47
08-WNEW (Theme Song) 2:50
09-My Heard Stoo Still (Alternate Take) 6:45
10-Grandfather's Waltz (Alternate Take) 5:32
11-Night And Day (Alternate Take) 6:34

ジャズアルバムの紹介リスト
http://www.zakkayanews.com/jazzlist.htm  
《R.O.》

 

編集後記

私が住んでいる高層ビルの改修工事が10月から始まり、16階の我が家のベランダも組付け足場と養生シートで覆われてしまいました。これから数ヶ月、洗濯物干しも制限されます。洗濯物情報が施工会社からWEBで提供されているので毎日スマホでチェックしています。改修が終了する来年の春が楽しみです。

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雑貨屋ニュースレターのバックナンバーは下記のURLでご覧いただけます。

http://www.zakkayanews.com/zwback.htm

Zakkaya Weekly No.1121

雑貨屋 店主 大西良衛   http://www.zakkayanews.com/
              
tenshu@zakkayanews.com