ついこの間まで寒さにふるえ、南カリフォルニアといえども、特に朝夕の冷え具合には少々閉口していました。街中の街路樹も落葉樹はすっかり葉が散り、それでもわずかな食料を求めて群がる小鳥たちの姿が痛々しかったのですが、今、気が付くと殆どの樹木は新緑に覆われ、鳥たちも元気を取り戻した感じです。自然の偉大さを今更ながら感じます。
春の到来とともに我が家の小さな庭も一気に春の様相です。添付の写真の内、2枚(黄色い花のほう)は我が家の庭の様子で、初夏ともいえそうな陽光のもとで咲き誇るカリフォルニア・ポピーです。
この花はカリフォルニア州の州花(The State Flower)に指定されている花で、3
月中旬から5月中旬にかけて、南カリフォルニアの各地で目の醒めるような鮮やかな黄色、またはオレンジ色の可憐な花を一面に咲かせる、アメリカ大陸原産の「野生植物」です。
通常は荒野に群生し、カリフォルニアの青い空の下、キラキラと輝くその姿から、この花は、別名を“ゴールデン・ポピー”とも“copa de
oro (黄金の杯)”とも呼ばれ、ロサンゼルスの北、約100マイルの
アンテロープ・バレーにあるランキャスター市の郊外には保護区も設定されています。
これだけの花が見事に咲き、きれいに咲いているでしょう!! と、自慢したいところなのですが、実は我が家の庭はもともと、芝生だったのです。
今年に入って私は、体力の衰えがはなはだしく、特に腰の調子が悪く、歩行が苦痛になってきました。当地はロサンゼルスという土地柄、日本から名のある人が来て講演会を開催することが多いのですが、長時間椅子に座っているのがつらく、講演会の途中で席を外すようなことをしては講師や関係者に迷惑をかけるので、せっかくのチャンスを逸しています。(安倍首相も今月末から訪米、ロサンゼルスにも立ち寄られ、日系人との対話ミーティングもあるようですが・・・)
特に腰を曲げると眩暈に襲われ、庭で草の1本も抜けません。週3回の透析は休むわけにゆかず頑張って通っていますが、週3回のリハビリセンター通いは辛くて時々サボる癖がついてしまいました。
我が家の庭をほったらかし状態にしておいたため、お隣さんの庭のカリフォルニア・ポピーが境界の垣根を越えて侵入、我が家の一部を占拠されてしまったのです。たとえていうならば、もともと存在したどこか中近東の国家に新興部族が勢力を張ってきた感じです。
このカリフォルニア・ポピーという植物は、さすが「野生植物」出身だけあって、根性のある「原理主義」の植物といえそうです。この「原理主義」と今後どうお付き合いをするべきか、思案のしどころです。国際政治の世界では血なまぐさい戦いを繰り返していますが、せめて草花の世界では平和裏に仲良く共存共栄でゆきたいと思っています。
ところで、お隣さんは庭の手入れがよく、特にブーゲンビリアは今最高で見事です。ついでにお隣さんのブーゲンビリアもご紹介しましょう。
河合 将介( skawai@earthlink.net ) |