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NO.802               Ryo Onishi              9/25/2011  

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雑貨屋のひとり言

10月1日からロードショーの映画「はやぶさ」を試写会で観ました。昨年の6月に「はやぶさ」がイトカワから帰還し、イトカワの砂を持ち帰ったことはまだ記憶に新しいと思います。2002年5月に打ち上げられた「はやぶさ」が地球からはるか3.2億キロメートルのところにある小さな星(最長部分がわずか535メートルしかない小さなピーナッツみたいな形をした星)イトカワに着地し、地表の砂を採取して持ち帰って来るという壮大なミッションをプロジェクトチームが困難な問題に苦しみながらも、あきらめず、8年をかけ成功させるストーリーです。実話に基づいた映画なのでとてもわかりやすく興味ぶかく観ました。遠く離れたはやぶさに信号を送り制御し、少ないエネルギーで長期間、宇宙を移動するために燃料ではなく電気を使ったイオンエンジンを開発するなど日本のすごい技術が紹介されています。限られた少ない予算の中でNASAもできなかったことを成し遂げたプロジェクトチームの偉業に改めて感動させられました。この映画を観た子供達が将来、技術者になって活躍してくれると良いなあと思いました。
≪R.O≫

 

日 本 化 ?

 先日(8月はじめ)、英国の経済誌『エコノミスト』(7月30日発売)が、オバマ米大統領やメルケル独首相らが、財政赤字削減やユーロ危機収拾などで痛みを伴う決断を避け続けており、そのことを「日本化している」と批判する巻頭記事を掲載したというニュースが流れました。記事は、Turning Japanese --- Debt, default and the West's new politics of paralysis.(進む日本化−−借金、債務不履行、マヒし始めた欧米の政治)という見出しなのだそうです。

また、別のニュースによると、英紙フィナンシャル・タイムズも「日本化」という言葉を使った記事を載せた(9月7日付)そうで、「日本化」という表現が欧米メディアに登場しているようです。欧米における経済の低迷に対し、政治家が痛みの伴う決断を先送りする様子を「日本化」と呼んでいるのです。

 「日本化」を示す英語は 〈japanification〉〈japanization〉〈turning japanese〉 など様々で、欧米メディアにはその後も連日のようにこれらの言葉が使われているようです。

 「オバマ大統領もメルケル首相も財政赤字の削減やユーロ危機への対応で痛みを伴う決断を避け続けている」、「こうした現象は初めてのことではない。日本では20年前にバブルがはじけて以来、指導者たちが問題をずるずると先延ばししてきた」、「日本のように決断を先延ばしすれば、問題の解決は難しくなる。欧米の指導者はこうした前例を忘れてはならない」と記事は警告しているのです。以上からもわかるとおり、ここでいう「日本化」とは決して良い意味で使われていません。

そういえば日本の野田首相も先日行われた国会での所信表明演説の中で、「日本化」の問題に触れ、以下のように述べています。

 *********************
 『大震災後も世界は歩みを止めていません。そして、日本への視線も日に日に厳しく変化しています。日本人の気高い精神を称賛する声は、この国の 「政治」に向けられる厳しい見方にかき消されつつあります。「政治が指導力を発揮せず、物事を先送りする」ことを「日本化する」と表現して、やゆする海外 の論調があります。これまで積み上げてきた「国家の信用」が今、危機にひんしています』
  **********************

このように今、欧米で進行中の経済危機は「(バブルが崩壊した)20年前の日本で起きたことの再現だ」としたうえで、事態の先送りをすればするほど解決が難しくなるのは、すでに日本で実証済みであり、決断・実行こそが必要なのだと、これら記事はリーダーの決断・実行を求めているのです。決断・実行を求めること自体は間違っていないと思うが、この危機的状況を「日本化」という言葉で表現されるのは日本人として少々気になるところです。

たしかに一般的傾向として、日本人には、対立を避け、調整を重んじ、痛みはできるだけ伴わないようにすることを重視する側面があります。時には相手の立場を重んじ、配慮するあまり、解決に時間を要することもあります。それは伝統的な日本的文化の一部でもあります。 

しかし、これは日本の文化についてであり、国家としての根幹をなす政治、経済、外交などについてはそうはゆきません。国家のリーダーたるものは、対決と決断を求められる局面が日常でしょう。そのとき決断をしない、または先送りすることは国益上たいへんなマイナスであり、国家存亡の危機をも招きかねません。

欧米における財政赤字やユーロ危機などの経済危機に対し、リーダーが痛みを伴う決断を避け続ける事態を「日本化している」と批判する記事を発表した英誌『エコノミスト』ほか欧米の報道に私は麗しい誇るべき日本伝統文化を擁護する立場から強く残念に思います。

ただ、現実問題として日本のトップ・リーダーが重要政治案件に逃げたり、先送りしたりし、そのツケを国民がこうむっている現実がある以上、欧米のマスコミばかりに文句がいえないことにフラストレーションを感じざるをえません
 河合 将介( skawai@earthlink.net )

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さくらの独り 言

今週はお休みです。

川柳(東京・成近)


 


( 川 柳 )

子の世話が済めば今度は孫の世話

夫婦仲切れぬ鋏を笑い合う

日々好日のんき眼鏡を手放さず

自画像にせめて豪華なネックレス

百薬の長百歳の顔の艶


( ニュースやぶにらみ )

「光より速い素粒子観測」
温暖化のせいかな ーノー天気

「白鵬連敗」
土俵まで荒れた −台風15号

「風評被害、セシュウム検出」
モモクリザンネン −南相馬市、伊達市


河合成近
nakawai@adachi.ne.jp

http://homepage3.nifty.com/itukabouzu/

句会場(千駄木)周辺散歩(52)
*中村不折(1866-1943)

http://www1.tmtv.ne.jp/~hsh/20seiki16-a1.jpg

左の看板は皆さんご存じの、新宿中村屋で す。この字を書いた中村不折が自ら収集した大量の資料を保管していた蔵が発見されたとの記事が9月15日の読売新聞に出ていましたので、不折についてしらべてみました。
例によってウィキペディアからの抜粋です。「1887年22歳の時に、小山正太郎・浅井忠について洋画を学ぶ。 1901渡仏、ジャン=ポール=ローランスに師事、1905年帰国。太平洋画http://www1.tmtv.ne.jp/~hsh/20seiki16-g1.jpg会に属し、太平洋美術学校長・代表作に「建国そう業」がある。また書に深い理解と造詣を示し、自らも 六朝書に傾倒。1936年書道博物館設立」とあります。 正岡子規、夏目漱石、森鴎外などとも親交があり、『吾輩は猫である』の初版本の挿絵は不折が描いています。 また、森鴎外は「〜森 林太郎トシテ死セントス墓ハ 森 林太郎墓ノ外一字モホル可ラス 書ハ中村不折ニ依託シ〜」の遺言を残しましたが、その遺言通り、不折の書による「森林太郎 墓」とだけ彫られた墓石が三鷹の禅林寺にあり、その向かい側には太宰治の墓があります。
 書道博物館は谷根千(谷中、根津、千駄木)と呼ばれているその谷中にあり、現在は台東区に寄贈され、台東区立書道博物館として平成12年に再開館しました。この博物館の真ん前に正岡子規の旧居「子規庵」があります。

龍翁余話

龍翁余話(199)「和洋文化が溶け合う街・広尾」

今年1月9日号の『余話』「始めようメタボ予防」から“龍翁のご近所散歩”が始まり、
「梅は咲いたか・・・」(164号)、「文豪・尾崎士郎と大相撲」(167号)、「馬込文士村」(169号)、「等々力渓谷」(193号)に続いて今号で6回目の“ご近所散歩”は「和洋文化が溶け合う街・広尾」。翁の住む西五反田から徒歩だと約1時間、ご近所散歩にしてはちょっと遠いので車で出かけた。現地(広尾界隈)で散歩すればいいのだから、と都合のいいように解釈して・・・その広尾という所、翁はしょっちゅう車で通っているのだが、これまでにゆっくりと散策したことがない。では、何故、今ごろ広尾へ?実はつい先日、俳優・地井武男のポルタージュ番組『ちい散歩』(テレビ朝日系)を視て急に思い立ったのだ。台風一過、お彼岸の中日(23日)、ようやく訪れた秋風に誘われて・・・

広尾は、グルメ飲食、ビューティ、ファッション、趣味・雑貨、食品など約124軒がショップリストに登録されており、渋谷、恵比寿、六本木と並ぶセレブ・エリア、とされているが、翁の印象としては「ここはまるで外国の街」それもそのはず広尾界隈にはフランス、オーストリア、ノルウエー、スイス、パキスタン、イラン、ラオスなど30カ国以上の駐日大使館が点在しており、まるで“エンバシイ・タウン(大使館の町)”の観を呈している。広尾の町のランドマーク的存在の『広尾プラザ(明治屋)フードセンター』近くの路上(パーキング・エリア)に車を止めて歩く。広尾交差点から有栖川宮記念公園へ行く途中にあるオープン・カフェはアメリカやヨーロッパの街角を連想させる雰囲気。公園入口のはす向かいにあるスーパーマーケット『ナショナル麻布』(1962年開業)も外観からして日本のスーパーではない。中に入って見た。

買い物客は大使館員の家族や外資系企業の関係者だろうか、殆んど外国人。陳列品も“舶来品”が多い。そのスーパーの入口付近にワゴン・カーがあり、インド人らしき若者が「ドネルケバブ・サンド、美味しいよ」と叫んでいる。翁「ドネルケバブ・サンドって何だ?」と訊ねたら、その若者が「ドネルケバブは、トルコ語で“回る焼肉”という意味です。肉を何重にも巻いてグリルでグルグル回しながら焼くと、余分な脂が落ち、ヘルシーな焼肉になります。その肉を削ぎ取ってパンの中に野菜と一緒に挟みこみ、ピリ辛の特製ソースをかけて食べます。美味しいですよ」実に流暢な日本語だ。「日本に来て何年になる?」「4年です」好印象のインド青年だったから、そのサンドイッチを買おうと思ったが(次回にしよう)・・・と、ここまでは外国ムードがいっぱいの表情だが『有栖川宮記念公園』に入ると、そこはもう完全な日本文化のエリア。 

この公園は、もともとは忠臣蔵で有名な浅野家下屋敷があったところ。適度の起伏があってちょっとしたハイキングコース風、翁のメタボ対策散歩には格好の場所。有栖川宮 熾仁親王(ありすがわのみや たるひとしんのう)――幕末に(親王が17歳の時)孝明天皇(明治天皇の父君)の妹・和宮様と婚約していたのに、時の大老・井伊直弼らの策略で第14代徳川将軍家茂(いえもち)との結婚話が進められ、熾仁親王は(和宮様との婚約を)泣く泣く辞退させられた話は有名。有栖川宮は江戸時代に創設された宮家であったが、1913年(大正2年)に断絶、しかし大正天皇の第3皇子・光宮宣仁親王(てるのみやのぶひとしんのう)(昭和天皇の弟君)が高松宮を興し有栖川宮の祭祀を継承した。ところで、2003年に東京で発生した“有栖川宮詐欺事件”ご記憶だろうか?有栖川宮の祭祀継承者であると偽った男がニセの結婚披露宴を開催、約400人の招待客を集め、かなりの祝儀を騙し取った。その男、3年の刑の後、出所して今でも “有栖川宮何某”を名乗っているそうだ。

広尾散歩街を縦断する広い道(外苑西通り)をはさんで日本最初の女子大学の1つ『聖心女子大学』がある。1916年(大正5年)に創立された聖心女子学院高等専門学校を前身とし、1948年(昭和23年)の新学制により聖心女子大学として新しく発足、元国連難民高等弁務官の緒方貞子さんは新生大学の第1期生であり、皇后陛下美智子様も当大学のご出身。実は翁の恩人のお嬢さんも同校の卒業生で、20数年前、彼女が結婚する時、同大学構内のチャペル(聖堂)で挙式した。その時、翁もキャンパスを案内して貰ったが、この大学はイエス・キリストの聖心(みこころ)を中心とした共同体で「神と向き合う(祈りの)時間は、自分を見失うことなく愛によって生きていくための糧となる」というコンセプトが強烈に印象に残っている。

「和洋文化が溶け合う街・広尾」の散策は日本文化で締めようと(『ちい散歩』同様)外苑西通りと明治通りが交差する場所にある『多門山・天現寺』へ行った。狛犬ならぬ狛虎の話が面白いのだが、スペースの関係で後日改めて・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。

ジャズ&ポップ−今週のお奨 めアルバム

ジョンレノンが歌うImagineを一度は聴いたことがあると思います。彼の死からもう30年も経つのにまったく色褪せない名曲です。
今日ご紹介するアルバムはこのImagineのイントロから始まります。
Herbie HancockのThe Imagine Projectというアルバムです。
途中、何語かわからない言葉の歌が入ります。

Herbie Hancock - The Imagine Project

1."Imagine Intro" (featuring P!nk and Seal)
2."Imagine" (featuring India.Arie and Jeff Beck)
3."Don't Give Up" (featuring P!nk and John Legend)
4."Tempo de Amor" (featuring CeU)
5."Space Captain" (featuring Susan Tedeschi and Derek Trucks)
6."The Times, They Are A Changin" (featuring The Chieftans and Lisa Hannigan)
7."La Tierra" (featuring Juanes)
8."Tamitant Tilay/Exodus" (featuring K'naan and Los Lobos)
9."Tomorrow Never Knows" (featuring Dave Matthews)
10."A Change Is Gonna Come" (featuring James Morrison)
11."The Song Goes On" (featuring Chaka Kahn, Anoushka Shankar, and Wayne Shorter)

ジャズアルバムの紹介リスト
http://www.zakkayanews.com/jazzlist.htm
《R.O.》

 

編集後記

台風15号が日本列島に大きな爪痕を残しました。へんな言い方ですが台風らしい台風でした。特定の地域で豪雨による土砂崩れで大きな被害がでました。皆さんに被害は無かったでしょうか?確かに記録的な雨量だったのかも知れませんが、山がこんなにも簡単に崩れるなんて驚きです。本来、山は保水力があって水を吸収したり、うまくバイパスさせるようになっていると思うのですが、観た目以上に、山は弱かったですね。自然と言えども、放ったらかしにしているとだめになるのかもしれません。自然と共存しているのですから、それなりに手入れをしていかないとだめですね。
それにしても経済も政治も衰弱している日本に次々と災害が襲いかかります。ますます日本の将来を不安に思う人が増えたのではないでしょうか。
唯一、嬉しいことは、秋らしくなって爽やかな気候を楽しめるようになったことです。
≪iPad≫
英語力UP 英単8000
最近、英語を使う機会が減っています。このままだとレベルが下がるので少しでも努力した方が良いかなと思いました。せこいですが、セールだったので購入しました。
英語力UP 英単8000 は日常会話からTOIEC受験に必要な英単語を初級・中級・上級・至難の4段階のレベル選択で学習できるアプリです。全部で8000単語を収録、発音はもちろんのこと、英単語入力や外部辞書機能も充実しています。暇つぶしにのなります。いや、それより毎週アプリを紹介する方が実はもっと大変だと思っています。

雑貨屋のブログ→ http://zakkayanews.jugem.jp/
雑貨屋ニュースレターのバックナンバーは下記のURLでご覧いただけます。

http://www.zakkayanews.com/zwback.htm

Zakkaya Weekly No.802

雑貨屋 店主 大西良衛   http://www.zakkayanews.com/
              
tenshu@zakkayanews.com