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NO.654                Ryo Onishi              11/23/2008  

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雑貨屋のひとり言

先日、結婚式に出席のため萩の馬場家にお邪魔させていただいたときのことです。馬場家は猫を5匹飼っておられます。どれも個性的な猫ばかりです。
そのうちの一匹の黒い猫(ルイちゃんといいます)がとても珍しいことをするのでご紹介します。ふつうの猫は水を飲むとき顔をボウルやコップに突っ込んで飲みます。でもこのルイちゃんは違います。前足(右手で)で水を飲むのです。右手をコップに突っ込み、その手についた水を飲むのです。この行動に驚かされ、時間の経つのを忘れて観ていました。なんとも愛らしいその姿に癒されました。
≪R.O≫

信じられない!(1)

前々回のこの欄でも書きましたが(Zakkaya Weekly No.652『フェアネスと大統領選挙結果』)、今回のアメリカ大統領選挙の結果、黒人系のバラク・オバマ氏が見事当選に必要な代議員数を獲得し、次期大統領になることが確定したことはアメリカの歴史を大きく変える節目となるまさに歴史的な出来事として後世に記憶されることになるでしょう。

選挙直後にいくつかの会合で私が聞いた日米の友人知人が発したコメントの多くは「まだ、信じられない!」という言葉でした。投票日前の予想ではオバマ氏(民主党)の優勢が伝えられ、主要対立候補であったマケイン氏(共和党)との間で10ポイント以上の差であったことから、選挙結果でオバマ氏が勝利したことは予想通りの帰結であり、「信じられない!」という言葉などありえないはずなのに、です。

 かく言う私自身も11月4日(投票日)の夜、テレビの開票速報が刻々と流す州ごとの結果色分けと、民主党優勢の数字(代議員数)を確認しながらも、最後の最後まで「本当なのかしら?」との思いでした。

 過去8年間の共和党政権に対する救いがたい不人気と、未曾有の金融危機という与党(共和党)に対する超逆風が民主党に対して大いに利することになったとはいえ、アメリカ合衆国にこれほど早く白人以外の大統領誕生が実現するとは、とても理解しがたいことだったからです。私も改めてこの国の変化と現実対応力に感動した一人です。

 もっともオバマ氏は黒人系といっても母親は白人であり、奴隷の子孫でもなく、自身も選挙運動期間中、アメリカ合衆国の代表として人種や党派の違いを超えた「統合」を訴え続け、国民の共感を得るように努力していましたので、決して黒人の代表ではありません。

ところが、今回の選挙の結果、主要メディアはいっせいに「合衆国史上、初の黒人大統領誕生」と報じました。米国民の意識が時代とともに変化してきたとはいえ、この国には建国以来、簡単には流しづらい差別の歴史があり、特に黒人に対する偏見・差別の意識の存在も認めざるをえないところです。

アメリカには嘗て「ワン・ドロップ・ルール」という考え方があったと聞いています。南北戦争ののち、多くの南部の州では白人と黒人の差別を徹底させるため、「黒人」の定義として「一滴でも黒人の血が混じっていると黒人とみなす」とされ、これを「ワン・ドロップ・ルール」と呼ぶのだそうです。オバマ氏もただ外見が黒人という理由だけでなく、このルールが暗黙のうちに適用されているのかも知れません。そういう意味ではこの国の黒人差別はそう簡単には卒業できそうにありません。まだまだ時間が必要なのでしょう。

 それだけに、又はだからこそ、今回の黒人系大統領の誕生は歴史上の画期的な出来事と言えるのではないでしょうか。

 新聞報道によると、米大統領選挙が終わって10日以上経ってもニューヨークのハーレム(黒人街)では、黒人のオバマ上院議員が勝利したことに、まだ、半信半疑の人が多いのだそうです。「時折、ほおをつねって、夢でないことを確認している」、「票を数えなおしてみたら、実は結果が逆転するのでは」との声すら聞こえるとのこと。それほどここの黒人たちは米社会に根強い不信感を抱き、「白人はみな人種差別主義者で、黒人候補には決して投票しない」と思い込んできたようです。長年の人種差別意識もオバマ氏の勝利で、こうした相互不信の解決の一歩になって欲しいものです。―-―- 次号へ続く ―――
  河合将介(skawai@earthlink.net)

さくらの独り 言

 

川柳(東京・成近)


 


( 川 柳 )

 フルムーン母は頑固を飼いならし

結局は妻の選んだものを買い

団欒の輪からタバコが締め出され

現実と夢が妥協をして夫婦

肉じゃがは母さんでなく祖母の味

( ニュースやぶにらみ )

「少年よ大志を抱け」
この程度の読み書きでも総理になれる −麻生首相

「対決→協調→対決」
チェンジ −小沢民主党

「危機的状況」
火の車 −米ビッグ3

「下がったもの」
株価、ガソリン、あと一つ −内閣支持率

河合成近
nakawai@adachi.ne.jp

http://homepage3.nifty.com/itukabouzu/

私が毎月参加している句会の一つが文京区千駄木で行われておりますが、この千駄木は近代文学と大変縁の深い町です。これからしばらくこの千駄木の街のぶらり散歩記を綴らせてもらおうかと思います。
川柳、時事コントともどもよろしくお付き合いください。

(1)千駄木と近代日本文学
千駄木というと先ず団子坂と、先の大戦で焼失しましたが森歐外の旧居観潮楼です。この観潮楼は当時の文学サロンとしても大きな役割を果たし、明治40〜43年にかけては観潮楼歌会も開かれました。 

以下歐外記念館のパンフレットより
「…この観潮楼を目指して、日本の近代文学を彩った人々が歩いて来ます。佐々木信綱が、上田敏が、石川啄木、与謝野鉄幹、与謝野晶子が歩いてきます。木下杢太郎が、斎藤茂吉が、永井荷風が歩いてきます。そして観潮楼のすぐ裏手にある青鞜社に向かって平塚らいてうが歩いてきます。東京美術学校の学生であった高村光太郎が上野の山を目指して坂を下っていきます。
また近代文学を代表する文学作品の主人公たち、二葉亭四迷の『浮雲』のヒロインが、夏目漱石の『三四郎』の主人公が、森鴎外の『青年』の主人公がと、明治の青春がこの坂道で交差します。」 

 森鴎外『団子坂』より 「男−三四郎が何とかという綺麗なお嬢さんと此処から曲ったのです  女−ええStray sheep!」
                             
他にも三人冗語の幸田露伴、齋藤緑雨、そして伊藤左千夫、坪内逍遥、尾崎紅葉、小山内薫、岡田三郎助・八千代、川田順、吉井勇、石井柏亭、北原白秋、等々枚挙にいとままがありません。 大正になって芥川龍之介も訪ねています。

 芥川龍之介『森先生』より。「或夏の夜、まだ文科大学の学生なりしが、友人山宮充君と、観潮楼へ参りし事ありき…部屋は根津界隈を見晴らす二階、永井荷風氏の日和下駄に書かれたると同じ部屋にあらずやと思う。その頃の先生は面の色日に焼け、如何にも軍人らしき心地したれど、謹厳などという堅苦しさは覚えず。英雄崇拝の念に充ち満ちたる我等には、快活なる先生とのみ思われたり」 とあります。
 

森田さんから

                                                                                               

龍翁余話

龍翁余話(58)「テロ事件」

初冬の寒気と、吹きまくる不況の風で、人々は、例年より一段と肌寒い年末を迎えようとしている時、更に凍(い)てつくような事件が起きた。二人の元厚生事務次官宅を襲った連続殺傷事件である。いかなる理由があろうと、人が人の命を奪う行為は、絶対に許されるものではない。痛ましいとか悲しいとかでは済まされない憎むべき犯罪である。警察は、威信をかけて犯人の特定を急ぎ早期逮捕にこぎつけてもらいたい・・・と、ここまで書いた時、テレビ画面に「“犯人”と名乗る男が警視庁に出頭」のテロップが流れた(22日夜10時過ぎ)。

実は翁、『龍翁余話』でこの事件をとりあげることに、かなり躊躇した。限られたスペースで犯人への怒りをぶちまけるには字数が足りず、いや、いくら書いても犯人への憎しみは収まらない、やりきれない気持ちに陥っていた。そんな時、神奈川県のIさんから「この事件に対する龍翁さんのご意見をうかがいたい」、また大分県のHさんから「テロ事件について書いてもらいたい」、の声を頂戴した。折しも、テレビ東京の“木曜洋画劇場”で『ユナイテッド93』(2006年、アメリカ映画)を観た。2001年9月11日、世界を震撼させた、あの“米国同時多発テロ”を題材にした映画だ。

“9.11テロ”では、4機の旅客機がハイジャックされた。ボストン発ロサンゼルス行きアメリカン航空11便(乗客81名、乗員11名)は午前8時46分にニューヨーク世界貿易センターの超高層ビル(110階建てツインタワー北棟)に突入し爆発炎上、同じくボストン発ロサンゼルス行きユナイテッド175便(乗客56名、乗員9名)は午前9時3分に世界貿易センタービル南棟に突っ込んだ。更にワシントンDC発ロサンゼルス行きアメリカン航空77便(乗客58名、乗員6名)は午前9時過ぎにバージニア州アーリントンのアメリカ国防省(ペンタゴン)本庁舎に激突、そしてもう1機、ニューアーク発サンフランシスコ行きユナイテッド93便(4人のテロリストと日本人大学生1名を含む乗客37名、乗員7名)は、午前9時27分ごろハイジャックされ、30分後、自爆テロと認識した乗客たちは機内電話や携帯電話で外部との交信を行ない、機の奪還に乗り出すものの午前10時03分、ペンシルバニア州シャンクスヴィルに墜落した。映画『ユナイテッド93』はテロリスト4人と果敢に闘った乗客たちの極限の有様を描いている。なお、乗客たちがテロリストたちに反撃した際に発した言葉“Let’s Roll”(さあ、やろうぜ)が、その後のアフガニスタン攻撃時、爆撃機の機体に書かれたりして、しばらくは“テロと戦うスローガン”とされた。

話を戻そう。今回の(二人の)元厚生事務次官宅を襲った連続殺傷事件、これもテロ事件と呼ぶべきか・・・テロリズムとは、一般に恐怖心を引き起こすことにより特定の政治的目的を達成しようとする組織的暴力行為、またはその手段を指すのだが、近年では単独犯行であっても何らかの政治的意図によって社会に大きな衝撃を与える犯罪を“テロ事件”と呼称するようになった。日本は、いくつかの法令にテロリズムに関係する規定を設けている。たとえば、『公衆等脅迫目的の犯罪行為の処罰に関する法律』の第1項に「人を殺害し、もしくは人の身体に重大な危害を及ぼし(傷害)、または誘拐、もしくは人質にする行為」(要旨)とある。したがって今回の事件も(政治的意図があったとは思えないが)当然“テロ事件”と呼ぶべきであろう。なお同法律は第2項、第3項に、航空機、船舶、電車、自動車、建物、道路、公園、ガス・可燃性天然ガス・電気・石油・上下水道・貯水場・核施設等に対し、銃刀、爆発物、毒薬物等により襲撃するものを“テロ行為”として処罰する旨を明記している。また、警視庁組織令(第39条)には、国際テロリズムに関する規定が設けられており、『テロの未然防止に関する行動計画』(国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部)などもある。

日本における過去の“テロ事件”で、翁が強烈に記憶に残る事件と言えば『岸信介首相襲撃事件(60年6月)、『浅沼稲次郎社会党委員長刺殺事件』(60年10月)、『大菩薩峠事件』(69年11月)、『よど号ハイジャック事件』(70年3月)、『浅間山荘事件』(72年2月)、74年8月の三菱重工ビル爆破に始まる『企業連続爆破事件』、『経団連襲撃事件』(77年3月)、80年代後半から90年代中頃にかけては、あの『オウム真理教事件』である。坂本弁護士一家殺害、滝本弁護士殺害、松本サリン事件、地下鉄サリン事件、新宿駅青酸ガス事件、警察庁長官狙撃事件など数々の事件は、日本中を恐怖のどん底に陥れた「憎っくきカルト(反社会的危険集団)め!」、思い出すだけでも、いまだに胸糞が悪い『本島長崎市長銃撃事件』(90年1月)と『伊藤長崎市長銃撃事件』(2007年4月)はまだ記憶に新しい。読者各位の中には、ほかにも忌まわしいテロ事件を思い起こされる方も多かろう。そうだ、
北朝鮮による拉致事件も(日本国および日本人に戦いを挑んだ)“テロリズム”であることを忘れてはいけない。

日本のテロ対策は近年急速に整備されてきた。しかし、テロリストからの真の挑戦を受けた時に、それらが有効に機能して、テロを未然に防止したり、被害を最小限に抑えることが出来るだろうか。また、今まで行なってきた国際協力もメニューだけは豊富だが、十分に戦略的かつ調整的に取り組んでいるとは言い難い。早急に改善策を練り、訓練を重ねることが肝要である。

大分県のHさんのご要望(テロ事件について)には少し応えられたが、神奈川県のIさんのご質問(厚生事務次官宅殺傷事件)は、事件の真相は何だったか、急展開で事件の全容が明らかになると思うので、翁の愚見はいずれかの機会に。今はただ、亡くなられた山口さんご夫妻のご冥福と、重傷を負わされた吉原夫人の早期ご回復を祈るばかり・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。
 

ジャズの魅力−今週のお奨めジャズ

最近少なくなってきてはいますが、この一ヶ月に聴いたアルバムは18枚ありました。でもジャズばかりではなく、フォークロックやポップスも聴いています。そんな中で出会ったアルバムが本日ご紹介する”The Return Of Art Pepper”です。
Art Pepperはすでに紹介していると思っていましたが未だでした。
アメリカ西海岸の白人アルト奏者です。
一曲目の"Pepper Returns"ってどこからリターンしたのかというと、刑務所なんだそうです。
彼は麻薬で捕まって刑務所に二年間服役していたそうです。
芸術家って苦しいんでしょうかね。このアルバムもジャズらしいジャズでいいですよ。

The Return of Art Pepper   Art Pepper

1. Pepper Returns
2. Broadway
3. You Go to My Head
4. Angel Wings
5. Funny Blues
6. Five More
7. Minority
8. Patricia
9. Mambo de la Pinta
10. Walkin' Out Blues
11. Pepper Steak
12. You're Driving Me Crazy
13. Tenor Blooz
14. Yardbird Suite
15. Straight Life
<R.O.>

編集後記

先週、ロスから来られていた中野さんと、高島さんの三人で、大阪の福島で会いました。中野さんとは3、4年ぶりでした。火曜日だったので店を予約せず、行き当たり場当たりで行きました。ワインバーからスタートし、お好み焼きと熱燗、マレーシア料理とマレーシア焼酎、小さなバーでハイボールを飲んで、最後はロシアのウォッカで締めました。なんと5軒も廻りました。久しぶり楽しい夜になりました。福島にはたくさんの面白い店があります。これから大阪に来られる方は声をかけてください。いっしょに探検をしたいと思います。
雑貨屋ニュースレターのバックナンバーは下記のURLでご覧いただけます。

http://www.zakkayanews.com/zwback.htm

Zakkaya Weekly No.654

雑貨屋 店主 大西良衛   http://www.zakkayanews.com/
              
tenshu@zakkayanews.com