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NO.653                Ryo Onishi              11/16/2008  

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雑貨屋のひとり言

ニュースでカリフォルニア州で山火事が発生して大きな被害が出ていることを知りました。自然現象で発生したとは言え、せっかく建てた家で幸せに暮らしてしたのにあっという間に不幸になってしまうなんて悲しいですね。
≪R.O≫

在日難民たちの証言

 先日、来米された知人のC氏から一冊の本と新聞記事のコピーなどをいただきました。本の題名は『私の人生、これなに?』というもので、副題として『絶望の深き淵より、在日難民たちの証言』となっていました。

C氏の説明によると、この本は彼が親しくさせてもらっている雨宮 剛先生(現青山学院大学名誉教授)と日本滞在中のクルド難民であるエルダル・トーガン氏の編著によるもので、今、日本政府に難民申請しているクルド人の多くが不法難民として日本の入国管理局において、人道上ひどい扱いを受けている実態を彼ら難民の証言をもとに著したものなのだそうです。雨宮先生は現在この難民救済をライフワークとして活動に取り組んでおられるとのことでした。

早速、私もこの本を読んでみました。この本の中で紹介され証言している難民の人たちの声により、日本の政府(入国管理局)がいかに非人道的な扱いをしているかショックでした。私はこの問題に対するコメントをまとめてC氏へ発信しました。以下が私のコメント文です。

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雨宮 剛先生とエルダル・トーガン氏の編著による在日難民たちの命の叫びである『私の人生、これなに?』を一気に拝読いたしました。日本の入国管理局の実態を知り、私自身が日本国民であることに恥ずかしさすら覚えます。
 
この書物を読みすすめながら、私の脳裏をよぎったのは、日本国憲法の前文の一部でした。第二次大戦直後、私たち日本と日本人は世界に向かって日本国憲法の前文で『・・われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ・・』と宣言し、『・・全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する・・』と誓いました。

 現在、私はアメリカ合衆国に滞在(永住ビサ)しています。この国はその成り立ちが特殊であり、建国以来、数え切れない数の難民を受け入れています。そもそもメイフラワー号に乗った清教徒たちも「政治難民」と呼ぶことができるのではないでしょうか。したがってこの国は難民受け入れに関する人道的扱いが進んでいると聞いています。

 日本はアメリカ合衆国とは歴史も文化も国土の広さも異なります。多民族により構成された移民国家でもありません。したがって、難民を含む外国人の入国移住に関して閉鎖的な側面があることは理解できます。しかし、そのことと難民受け入れ希望の人たちに対する人道的扱いとはまったく別でしょう。いかなる人であれ、人間である以上、人としての最低の扱い・配慮は絶対的に必要です。

 私たち日本と日本国民が世界に向かって宣言している『国際社会において、名誉ある地位を占め』、そして『国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ』とした日本国憲法の精神に反しない国でありたいものです。
      
日本のすべての入国管理局が不当な難民管理をしているとは信じたくありませんし、入管側にしてみれば仮装難民などの問題があり困難な側面もあるかと察しますが、現にこの本の中で証言している人たちが存在しているわけで、ことは人間としての尊厳、人権の問題です。

正当な在日難民の皆さんのすべてがひとりひとりの人間として人道的に扱われるよう改善されるよう強く訴えたく思います。
  河合将介(skawai@earthlink.net)

さくらの独り 言

 

川柳(東京・成近)


 


( 川 柳 )

 生命線長いが知能線がねえ

あの線に泣い私のあみだ籤

廃線の脳裏にD51の汽笛

点と線まだ繋がらぬ倭人伝

九条の譲れぬ線の後ずさり

( ニュースやぶにらみ )

「世界同時不況」
今年は少し荷が重い −お酉様の熊手

「不況風」
ー寒くなりましたねえ  −ハイ 懐も

「高額所得者」
カップ麺が400円以上と思ってる人 −定額給付金

河合成近
nakawai@adachi.ne.jp

http://homepage3.nifty.com/itukabouzu/

句会場(千駄木)周辺ぶらり散歩(19)
-★ 観潮楼跡―沙羅の木
本郷図書館歐外記念室の裏庭に、当時から残っている大銀杏、三人冗語の石、玄関の門柱の礎石と敷石があり、それとと共に、現在は二代目ですが鴎外が好んだ沙羅の木があります。 昭和29年鴎外の33回忌に当り長男於菟と弟妹がはかって建てた「沙羅の木」(永井荷風書)の碑も外壁に埋め込まれています。
  褐色の根府川石に  白き花はたと落ちたり
  ありとしも青葉がくれに  見えざりしさらの木の花
森於菟著「父親としての鴎外」庭の沙羅は初夏に白い花が咲くが、気を附けていないと見すごすほど淋しい花であった。(略)この時より二年前、私が東武線市川駅の近くに隠棲して居られる永井荷風さんを訪ねて執筆をお願いしたところ、世俗をきらうというので名高い荷風氏は一言の下に快諾され(略)出来上った見事な詩壁には、武石弘三郎作の大理石「森鴎外」胸像を配し、折柄白いほのかな花をつけた沙羅の木を植え、その前には根府川石も(略)昔のままに温和の相貌ながら翁さびて見える佐佐木信綱さんも心から喜んで碑前に和歌をたむけられた。
森茉莉著「父の帽子」「私がほっとして腰を下ろした時除幕の式が始まっていた。哲太郎とりよとの手で幕が落ち、父の白い石像が、眼に入った。さうして美奈子と万里男との手で「沙羅の木」の文字が現れた。瞬間私の心に、像の冷たい石を通して父と私の間の遠い愛情の影が現れた、静かな「沙羅の木」の歌の声の中で、私ははじめて今日の感動を、覚えた。

森田さんから

                                                                                               

龍翁余話

龍翁余話(57)「箱根ドライブ」

「箱根へ、紅葉と富士山を見に行こう」と、11月上旬、九州から来た客人を乗せて久しぶりに東名高速を走った。大井松田辺りで霞んだ富士の全景をみとめることが出来たが、よく見えるはずの足柄サービスエリアからは、厚い雲に覆われてサッパリ。「芦ノ湖スカイラインの三国峠からだったら多分、見られるはずだ」と期待をかけ、車を御殿場、乙女峠、仙石原へと走らせた。
運転免許取り立ての頃は(冬季を除き)たびたび“箱根ドライブ”をしていた。そして、ここ仙石原ゴルフコースの脇を通るたびに、いつも夢を膨らませていた「オレもいつか、この美しいゴルフ場でプレーが出来る身分になりたい」・・・そんな思い出話を客人にしながら芦ノ湖へと向かいかけたが、その時、ふと、親友Jさんからのメールが頭をよぎった。「先日、箱根ガラスの森へ行って来ました。よかったですよ」のお知らせ。「よし、まずは、そのガラスの森へ行ってみよう」Jさんには申し訳ないが、たいして期待も持たないでカーナビをセットした。カーナビに頼るまでもなく、あちこちに案内標識があり直ぐに到着。チケットを買って館内に足を踏み入れた途端「おっ、これはヨーロピアン・モードだ!」客人も感嘆の声を発した。早速、Jさんにお礼の電話。「箱根でイタリアを見ようとは・・・いやあ、実に気に入りました。情報提供に感謝します」Jさんも喜んでくれた。

後方に大涌谷を眺望するガラスの森の庭園中央に、滝をイメージしたガラスのカーテン


『光の回廊』。時々、雲間からこぼれる秋の太陽に反射してクリスタルガラスが絶妙な色彩を放つ。まさに芸術だ。
池の水面には数個のフォンターナ(噴水をイメージしたクリスタルガラス)。
パンフレットには「木の橋を渡って歩み入れば、そこは往年のヴェネチアの街」とある。なるほど、随所にそれらしき建物が点在する。小さな水車小屋の脇を通って、せせらぎ(早川)のほとりにある憩いの広場へ行く。途中にクリスタルガラスで作られた樹木の数々、幸福の鐘、クリスタルガラスのアジサイ園などが翁たちをメルヘンの世界へと誘(いざな)う。“ここで一服したら、さぞかし美味いだろう”とタバコに手をかけたが、止めた。こんなきれいな空気を汚してはいけない、ではない、吸う場所がなかっただけ。

メイン・スポット『ヴェネチアン・グラス美術館』に入る。日本初の本格的なヴェネチアン・グラス美術館として、1996年にオープンした、とある。ここには600点以上のヴェネチアン・グラスが所蔵されていて、常時100点位を展示しているそうだ。レース・グラス蓋付ゴブレット(16世紀〜17世紀)、ヴァンジェリスティ家紋章コンポート(16世紀末〜17世紀初)、ミルフィオリグラス花器(1890〜1910年)・・・と、展示品のキャプション(説明)をメモしていたが、止めた、正直、翁には何が何だか分からない。だが「15世紀から18世紀にかけてヨーロッパ貴族を熱狂させたヴェネチアン・グラスは卓越した技を尽くした美の極み」とパンフに書かれているだけあって、確かに芸術的な造形や色彩の美しさだけは充分に楽しむことが出来た。

さて昼食時、イタリアン・レストラン『カフェテラッツア』に入った。いいタイミングで本場イタリア人歌手によるカンツオーネが始まった。翁の知らない歌ばかりだったが、その声量はさすが。どうせなら日本人によく知られているイタリア民謡「オーソレミーオ」、「帰れソレントへ」、「サンタ・ルチア」、「カロ・ミオ・ベン」などを歌ってくれればいいのに、と思ったが、ともかく、秋の箱根で思いがけずイタリアの雰囲気に浸ることが出来たことは幸いだった。

この時季(11月上旬)、箱根の紅葉はまだ早かった。芦ノ湖で一服した後、スカイラインに乗る。願いは“遠来の客に何としても間近で富士の御山を拝ませたい”だったが、三国峠でも厚い雲に阻まれた。「あの雲が切れたら・・・」数組の観光客もカメラを片手に、長い時間、辛抱強く待っていた様子。「この先の山伏峠だったら、もしかして・・・」と微かな期待を抱いたが、そこでも御山の神は翁の願いを叶えてくれなかった。もう一つガッカリしたのは、三国峠のすぐ傍に、命の泉という湧き水があって、以前は、美味しい(と思える)水が飲めたのだが「この水は飲めません」の立て札。ああ、ここも環境汚染か・・・

このあとドライブは湘南バイパス経由で茅ヶ崎、江ノ島、鎌倉へと続く。鶴岡八幡宮に参拝して大仏へ。箱根〜湘南の大型ドライブに客人は大いに満足してくれたようだった。走行距離約180キロ。翁も自分の体力、健康に満足。それぞれの場所でも綴りたいエピソードはあるのだが、やはり、本日の最大のハイライトは箱根ガラスの森。もう一度、Jさんに感謝・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。

ジャズの魅力−今週のお奨めジャズ

今回はタイトルとアーティストの名前で選んだジャズです。天国への七つの階段というタイトルも変わってますし、初めてのアーティストです。
聴いてみると、アルトサックスの軽快な音が、ジャズの中のジャズって感じのするアルバムです。つまり私はこういうジャズが好きだということなんでしょうね。
アルバムのなかにあるYesterdaysやMy Funny Valentineはたくさんのアーティストが演奏しているのでよく聴きますがまったく違う曲に聴こえます。インナーフォーンで聴くよりスピーカーで聴く方がさらに魅力的に聴こえるということもわかります。お勧めのアルバムです。
先週、中條さんから電話があり、その中でジャズのコーナーを読んでいてくれていることを知りとてもうれしく思いました。参考になるかどうかわかりませんが気ままに紹介していきたいと思います。この場を借りて中條さんにお礼を申し上げます。

Seven Steps To Heaven
Francesco Cafiso


1. Seven Steps to Heaven
2. Green Chimneys
3. Yesterdays
4. On the Trail
5. My Funny Valentine
6. Milestones
7. Crazeology
8. Slylark

<R.O.>

編集後記

最近、ひき逃げのニュースが多くないですか。そういうニュースばかり選んでいるのかと思うくらいです。
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http://www.zakkayanews.com/zwback.htm

Zakkaya Weekly No.653

雑貨屋 店主 大西良衛   http://www.zakkayanews.com/
              
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