北京オリンピックも全日程の半分が過ぎようとしています。アメリカのメジャー・テレビ・ネットワークではチャンネル4(NBC)から開会式や競技の様子が全米に放映されており、私たち夫婦も連日画面に釘付けです。北京と当地ロサンゼルスとは時差15時間、生で中継を観たければ真夜中過ぎの場合が多く、連日寝不足気味です。
アジアで開催の夏季オリンピックは、過去に東京(1964年)、ソウル(1988年)があり、今回の2008年北京が3度目です。
オリンピックは都市が開催するもので、国家の行事ではありません。とはいうものの、実質的には国を挙げての一大イベントです。過去の東京、ソウルも単にその都市だけでなく国全体が大きく変わるきっかけとなりました。
先週開催された友人の若尾さんが主催する月例会(JACAL)では、今回のオリンピックをテーマとして取り上げました。
このオリンピックが中国にどのような影響を与えるのか、中国はオリンピックを機にどのように変わってゆくのか、周辺国に与える影響は・・・、と興味が尽きないからです。主催者の若尾さんから『オリンピックが中国に与える影響』として、次のような例示が提出され、項目別に語り合い、有意義な会でした。(例示の詳細は省略)
(1)国内の民主化、(2)北京の市街地整備、(3)少数民族の自治(独立)促進、(4)科学技術の進歩、(5)文化の発信、(6)国内・海外の中国人に与えた誇りと自信、(7)国内の中国人のマナーの向上、(8)国際的なスタンダードへの適合。
同時に、このミーティングで今回のオリンピックでの日本人および各国選手の活躍度、メダル獲得数の予想などについて、私が『予想クイズ』表を作成し、各出席メンバーに記入してもらいました。次回(来月)の会で、予想がどれ的中したかを評価し、表彰式を行なうことにしており楽しみです。
ところで、8月11日の競泳男子100メートル平泳ぎ決勝で北島康介選手が世界新記録で優勝した瞬間は私たちも思わずテレビの前で歓声をあげました。NBCテレビはその後の表彰式も中継しました。全米向けのメジャー・テレビで日本国旗(日の丸)掲揚、国家(君が代)演奏の
場面が流れる様子に私たち夫婦も感激でした。『今、この瞬間を全米のテレビ視聴者が画面を観ているのか!』と、思うと全身を熱いものが駆け巡るようでした。
北島選手は続く14日の200m平泳ぎでも2大会連続の金メダルを獲得、私たちに感激と自信を与えてくれました。
インターネットのニュースによると、彼は中国では「蛙王」と呼ばれているとのこと、優勝の瞬間、満員に埋まった現地オリンピック会場の観客席は日本人応援団だけでなく、中国の水泳ファンからも「好!(ハオ)」という賛美の声が聞かれたとありました。中国メディアも北島選手の金メダルを、「不振の続く日本を蛙王が奮い立たせた」、「蛙王の名にふさわしく、北島世界新で金」などと速報されたそうです。
日本政府は偉業を達成した北島康介選手への国民栄誉賞授与の検討に入ったというニュースが流れています。同賞の授与の基準は、〈1〉国民の幅広い敬愛〈2〉国民に親しみのある分野〈3〉前人未到の業績〈4〉国民的盛り上がり――なのだそうで、この基準からすれば、北島選手は充分に資格ありといえると思います。
河合将介(skawai@earthlink.net) |