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NO.567                Ryo Onishi              3/25/2006   

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河合さんの さくらの独り言 川柳 & コント 森田さんから ホームページ
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雑貨屋のひとり言

朝からなぜか目まいがするなあと思ったら地震でした。私の住んでいる16階は震度3でも結構揺れて気持ちが悪かったです。震源はどこだろうとテレビで確認したら石川県で震度6以上の地震だったことがわかりました。ホント、地震は忘れたころにやってきます。
フィギアスケート、シンクロスイミング、オシムジャパンのサッカー、日本人選手が活躍しています。相撲もがんばってほしいですね。(R.O.)

地 球 環 境 を 考 え る(1)

 先日行われた私たちの月例勉強会のテーマは「地球温暖化」でした。全員でこのテーマに関するNHKスペシャル番組のビデオテープを鑑賞したあと夜遅くまで語り合いました。

 このビデオテープの内容は過去からこれまでの地球各地のCO2などの変化と気温の上昇、温暖化に伴う海水位の上昇、生態系の変化などなど、私たちの地球環境の変化予測などが紹介され、人類破滅にもつながりかねない警告でもありました。

参加者の一人、O夫人から「地球温暖化に関する問題点が語られる場合、“このままゆくと50年後にはこうなる”、“100年後の地球は・・”といった指摘のされ方が殆どで、今を生きる私たちにとって切実感に欠ける表現が多いのではないでしょうか?」、「この問題は決して未来に関する問題ではなく、今この瞬間のことなのだという認識を地球人類ひとりひとりがもつことが大切です」、「地球環境という大きな課題に対し自分ひとりで頑張ってみたところで意味がない、という発想が最も危険です」・・などの発言があり、若干他人事のように認識していた私でしたが、これらの指摘に改めてことの重要さに気付かされた思いで、私自身大いに反省させられました。

 まさにOさんの指摘のとおりで、どんなに大きな問題でも個人の力の積み重ねがいつの日か国を動かし、世界を変える力になると信じ行動することが肝要だと思います。

 最近私が読んだ本に『地球と人間の関係そして真実』(同朋舎刊、船井幸雄編)というのがあります。実はこの本は既に10年ほど前に友人から贈られたもので、その時一度通し読み済みだったのですが、読み直してみたい衝動にかられ自室の本棚から引き出したのでした。

 この本の第6章(Part 6)にネットワーク地球村代表の高木善之氏の「転生と地球〜人は何のために生きるのか」と題する文章があります。高木氏はこの文の書き出しにこのように記しています。

 「私たちのふるさと、地球が泣いている。空も大地も海もすっかり汚れてしまった。人の心も汚れてしまった。美しい地球を取り戻すには、私たちの心に、忘れかけていた愛の灯をともさなければならない」

 さらに氏は続けています。「・・ダイオキシン、遺伝子組み換え食品、オゾン層破壊などの環境破壊、そして、いじめ、自殺、犯罪・・。結論から言うと、このままでは必ず地球は崩壊します。そう言われても、ピンとこない人も多いかもしれません。私は環境問題を軸に据え、地球が平和になることを願いながら十六年間、活動を続けてきました。できるだけ多くの人に真実を知っていただきたい。いい悪いを議論する前に、事実を知ることからすべてが始まると思うからです」

 このあと、「転生と地球」では、ダイオキシンによる日本の環境破壊の現実、日本の環境政策への取組みの遅れの指摘、壊れゆくオゾン層、加速する温暖化の危機などを説くと同時に、私たちひとりひとりの取り組むべき課題として、未来を考えて生活するグリーン・コンシューマ運動のすすめ、食料他資源の自給率の低い日本の問題などについての事実を明らかにし、私たちに警告しています。そしてこの文は最後に次のように締めくくっています。

 「地球環境は、一般に知られているよりも遥かに深刻な状況です。多くの人がこの事実に気付き、できることから始めることによって、未来を変えることができるのです。何ごとも初めは一人です。一人が変わることで、周りが変わり、世界が変わります。あなたも世界を変える一人になってください」

 以上の内容は私たちにきわめて重要な真実を教え、目覚めさせる何かを教えてくれます。
   ――― 以下、次号へ続く ―――

      河合将介( skawai@earthlink.net )

さくらの独り言「 泣き笑い」

春のこの時季は、一年の中で、別れと出会いが最も重なる時。例えば、合格と不合格、卒業と入学、退職と入社、異動や転勤がそれだ。色々な行事や催し、事件や出来事が、こどもからおとなに亘り、学校や会社・地域社会において、この時季に集中する。それは、喜びであり寂しさであり、安らぎであり不安であり、始まりであり終わりであるような、笑いと涙が交差する人生ドラマが描かれる。

個々人の希望を託した入学や入社の試験に合否があるように、会社の異動・転勤や昇格降格などにも、本人の希望や期待に対する合否みたいな答えが見られる。その時、人は、結果に対して、意気消沈したり、喜び勇んだりするものだ。それは、一概によくある話だと、簡単には片付けられないことが多い。来る6月1日付けで海外子会社の社長に着任が決まっていた友人から、メールを貰った。2週間前のこと。海外赴任取り消しの報告だった。海外子会社の経営体制や事情の急変に伴い、社長としては苦渋の決断だと、社長直々に告げられたという。友人は、会社の人事異動とはこんなものだとは重々わかっているものの、内示を受けた昨年7月から、彼も家族も勿論会社も、着々と海外赴任準備を進めてきていただけに、困惑は隠せない。きっと、涙を呑んだに違いない。あれから私は、友人とその奥さんに直接会ったり、電話やメールなどしたりして、彼らの泣き笑いドラマを共有させてもらっている。他人の私だが、いつかこのことが、「あぁ、この時のためだったのだ」と喜びの笑い、感謝の微笑みに変わる時がきっとくる、と直感している。

ところで、テレビの健康番組や新聞の記事でよく報じられていることに、「一日一回、大きな声で笑うことは、健康にいい」がある。さらに、どれぐらい毎日笑っているか、というのは、健康・不健康、そして幸・不幸のバロメーターとも言われるほど、生活の中の「笑」が説かれる。現に、あまりにもおかしくて、笑いながら涙を流す「笑い泣き」状態の血圧や脈拍は、ジョギングやウォーキングをしている数値と同じであったり、脳の鎮静作用を持つ化学物質の急増であったりと、「笑う」ことの効用を主張する医学者も多い。昔からどの国のどの宗教でも、「笑う」ことは重要視されてきた。「笑う門には福来たる」とあるように、それが健康や幸せへの入り口、出発点でもあるのではないだろうか。しかし、アリストテレスの時代から2000年が経った今、この「笑う」ことの効用のほどは科学実験で証明できても、人間はなぜ笑うのかという問題について解明した学者は未だにいない。今、私は、ある教育学部の学生が言っていた言葉を思い出す。『笑いを生む少なくともひとつの原因には、固定観念を捨てる、打破することがあるのではないか。つまり、固定観念から開放され自由になった快感が人間の“笑う”行為を起こすのではないか。笑いと自由には切っても切れない関係がある』と。涙を笑いに変えるのも、自分を拘束する何かから開放される自由を知る時なのかもしれないと、私は思う。

昨晩から強風雨だった東京、やっと静かになった午後、枝につぼみを蓄えた桜並木を歩いた。例年より遅いか早いかと話題に関係なく、桜は桜のペースで、つぼみを育て、時を待っている様子に見えた。その時、私の頭にかすかに残っている坂村真民の詩の一部、『咲くも無心、散るも無心、花は嘆かず今を生きる。花の命は短くてなど嘆かず今を生きる。ああ、咲くもよし、散るもよし、花は嘆かず』が口に出て、ふっと私は微笑んだ。これが、開放・自由ということかなと、再び桜の木を見上げた。今朝の激しい雨が、まだ桜の枝にしずくとして残り、まるで桜の涙のようでもあり、同時に開花への笑みのようでもあった。春のこの季節、泣くもよし、笑うもよし、嘆かずに生きたいもの・・・っと、呟く、さくらの独り言。

川柳(東京・成近)

 


( 川 柳 )

保護色を纏い互いの高い鼻

ブランドでびしっと決めて隙だらけ

ヘアピースにっこり歳のさばを読み

ブランドはないが笑顔を身に纏う

才媛がまだ糠味噌を漬けられず

( ニュースやぶにらみ )

「靖国神社に春」
来ました −サクラ  
まだです −玉砂利

「釣魚台」
つれないなあ −日本代表

「原発」
原子炉臨界 −電力各社
我慢限界   −地元住民

河合成近
nakawai@adachi.ne.jp

http://www.adachi.ne.jp./users/itsukabz/index.htm

森田さんから

  インド紀行( 7 ) ヒマラヤを望む
                                  森田のりえ

 日本にいたころの話である。
市電に乗ると、広島の爆心地にある原爆ドーム前の駅から頭にターバンを巻いた体格のいい威厳すら感じさせるインド人がよく乗ってきた。そのせいか私の頭にはインド人=ターバンの図式が自然にインプットされた。にもかかわらず、インドへ来て驚いた。空港にも観光地にいってもターバンの人に出会わないのだ。不思議だ、なぜだろうと思っていた。
 ところが、デリー発二十一時の特急夜行列車に乗って朝七時半過ぎパタンコットへ到着すると、いたいた。駅で働く男たちはターバンを巻いている。抱いていたイメージとは異なるが、ともかく、出会えた。
パタンコットは、いまだにインドとの間で領有権を争っているカシミールとパキスタン国境に近いインド最北部の街の一つである。
パキスタン国境まで数百キロ。駅に戦車を積んだ無蓋貨車や沿線には軍事基地や鉄条網を張りめぐらせた兵舎が点在していた。
この辺りはスィク教徒が多い。スィク教はヒンドゥ教を基盤にしながらイスラムの要素を取り入れたインドで生まれた宗教で、過激な宗徒である。インディラ・ガンディ首相を暗殺したのも彼らであった。インドでは少数派であるが社会的に影響力のある宗教集団である。生まれて死ぬまで毛髪を切らずひげも剃らず、頭にターバンを着用するのが一般的であるらしい。裕福な者が多く教育水準も高く、商才にも長けているので早くから海外で活躍し成功を収めた人が多い。それゆえ私たち日本人がインド人=ターバンを巻いた人というイメージを持っているのだという。
 一つ謎が解けた。
インド旅行の目的である「ダライ・ラマ法王特別謁見」のため、私たち一行三十一人はパタンコットから二台のバスに分乗し、チベット亡命政府のあるダラムシャーラーへ向かった。約九十キロ、所用時間六時間あまり。標高二千メートル。気をつけないと高山病にやられる。私は、チベットへ行ったときのことを思い出し、風呂はダメ、走ってもダメ、深呼吸をする、水を飲むなどの注意事項を改めて思い出し、友人にも伝えた。
バスは、市内を出て田舎道を走る。
小さく区切った段々畑は、日本の田舎とさほど変わらない風景だ。麦と米の二毛作だが、ちょうど刈り取った後らしく田には何も植わっていない。人家は見あたらない。行き交う車に出会わず狭いデコボコ道が続く。両側の樹木はすっぽりと砂埃にまみれ、
「息ができないよぉ、苦しい助けて!」
葉っぱが悲鳴を上げるのでないかとおもうほど砂塵が分厚く積っている。川に水はない。雨季になると濁流になるのだろうか。
ぽつりぽつりとコンクリートの二、三階建の建物が見えてきた。屋上はテラスになり大きな日傘が何本も立っている。民家ではなさそうだ。イギリスの植民地時代に建てられたものかもしれない。洒落たアーチ型の窓で、植木鉢も並ぶ。建物の周囲を低い木々が囲んでいる。放置されたかに見える建物もあった。
とある建物の前でバスがとまった。トイレ休憩である。屋上へあがった人が、
「ヒマラヤが見えますよ」
と、叫んだ。
「亡くなったお袋にヒマラヤを見せてやらなきゃ、見たいといっていたから」
写真を胸に屋上へ上がっていった心優しい人は、熱帯雨林保護運動の奉仕活動をしている石川県の嶋多龍夫氏であった。
「いや、あれはカラコルム山脈ですよ」
 誰かがいった。
 カラコルム、カラコルム、どこかで聞いたことがあるが地図上の位置がはっきりと思い出せない。あっ、と思い当たったのはずっと後のことである。世界第二の高峰K2で遭難した登山家の話をもとにして作られたテレビ・ドラマを観た。パキスタンと中国の国境に横たわるのがカラコルム山脈。あれだ。
 バスは、イギリス人たちの避暑地だったアッパーダラムサラに向けて九十九折の山道を登っている。ウーウー唸りながら疲れたようなエンジン音を出し、ゆっくりと上っていく。急カーブする。施錠が壊れドライバーを差込んだだけのドアの隙間から冷たい風がピューと入ってくる。車体の鉄板は一部剥げて中があらわになり、タイヤのボルトは一本ない。危ない場所は助手が降りて誘導するのだが、これがなんとも心もとない。
「あれがダライ・ラマの法王公邸です」
 ガイドのクマールさんが指差す方角に、レンガ色の屋根をした白い建物が見えた。
 やがてバスはホテルに到着。
外見と「ロイヤル・パレス・ホテル」の名前に、ともかくほっとした。
                つづく                           

 

編集後記

≪今週のお奨めジャズ≫
ジャズを聴いていると聞き覚えのある曲に出会います。
先日ご紹介した"Cleopatra's Dream"のように同じ曲をいろんなアーティストが演奏して(もしくは歌って)います。それだけ演奏しがいのある曲なのだと思います。
"You'd be so nice to come home to"もそのひとつです。
同じ曲なのにまったく違った曲にように聴こえるから不思議です。
こういう風にジャズを聴き比べるのも楽しいです。

左がアーティスト名で右がアルバム名/演奏時間です。
(1)Andre Previn's Trio/ King Size! 07:02
落ち着いたピアノジャズ
(2)Art Pepper / Art Pepper Meets The Rhythm 05:28
サックスがメイン
(3)Eddie Higgins / My Funny Valentine 07:00
サックスがメイン
(4)Hellen Merrill/ Best of Hellen Merrill  04:21
女性ボーカルHellen Merrillの雰囲気のある歌い方
(5)Jim Hall/ Concierto 07:06
エレキギターの音が前面にでた軽やかなジャズ
(6)New York Trio/ Begin The Beguine 08:07
まったく違う曲に聴こえるピアノジャズです
(7)Paul Chambers/Bass On Top 07:18
ベースがメイン
(8)Sarah Vaughan /The Portrait of Sarah Vaughan 04:04
女性ボーカルSarah Vaughan

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Zakkaya Weekly No.567

雑貨屋 店主 大西良衛   http://www.zakkayanews.com/
              
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