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NO.556                Ryo Onishi              1/7/2006   

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賀正

河合さんの さくらの独り言 川柳 & コント 森田さんから ホームページ
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雑貨屋のひとり言

皆様、明けましておめでとうございます。どんな休日を過ごされたでしょうか?暖かいお正月で過ごしやすかったですが、スキーなどを予定していた人はがっかりだったでしょうね。娘は近場のスキー場で泥スキーを楽しんだ?ようです。アメリカ北東部もエルニーニョ現象でとても暖かいそうですね。暖冬だと夏が心配ですね。
長い休みももう終わりです。さあ普通の生活に戻します。
ところで日曜日はテレビ番組でサザエさんをやっていますが、微笑ましい漫画でついつい観てしまいます。でもそこに登場する電話器はいまだにダイアル式なのでとても懐かしく思っています。(R.O.)

2007年を迎える

 あけましておめでとうございます。みなさん、各地でそれぞれ良い新年をお迎えのこととお喜びいたします。ロサンゼルスの元日はたいへん穏やかな天気でした。

今年も当地の元日名物である『お正月イン・リトル東京』の催しがロサンゼルス・ダウンタウン内の小東京で若尾龍彦さん(南カリフォルニア日系商工会議所新会頭)の総指揮のもとで行われました。

会場はウエラコート、ホテル・ニューオータニ、ジャパニーズ・ビレッジ・プラザなどで一日中賑わいました。

私は別件の予定があったので終日参加とはゆきませんでしたが、カメラ持参で取材に行きました。今年も日本人・日系人はもとより、地元・旅行客など多くの人々が家族連れ、カップル、個人で各地会場につめかけたいへんな盛り上がりでした。最終的には1万人を超える人々が参集し、日本の正月文化を楽しんだのではないでしょうか。

今回も多彩な催しものが用意され、羽根つき、凧つくり、和太鼓演奏、獅子舞い、書初め、カルタとり、餅つき、折り紙教室など、親子で楽しむ風景がみられました。また、着物着付け教室、新春お茶会、新春寄席なども現地の人々にも評判だったようです。

さらに会場敷地内には焼きそば、甘酒、今川焼きなどの店もあり、いまや日本国内でもこれほど日本的な正月風景がみられるところは少ないのではないでしょうか。

この『お正月イン・リトル東京』は海外で暮らす日本人、日系人にとって日本の伝統文化に接する貴重な機会であると同時に日系以外の皆さんに日本の良き文化を紹介する重要な役割を果たしています。

どんな行事・催しも同じですが、主催者の苦労は並大抵ではありません。若尾さんはじめ関係者の努力には頭が下がります。若尾さんご苦労様でした。

 私は今年の誕生日が来れば古稀を迎えます。【古希・古稀:杜甫「曲江詩」「人生七十古来稀」70歳の称(岩波書店、広辞苑)】

本来の古稀とは数え年の70歳を言うのでしょうから、そうなれば私はこの新年で既に古稀を迎えたというべきかもしれません。

いまや高齢化の時代になり、70歳など稀(まれ)でない時代とはいえ、私ももはや若さを売りにする年ではなくなったようです。

私もそろそろ自分の年齢を自覚し、無理に粋がって若さを鼓舞することはやめ、これからは後に続く人々のため何ができるかを考え、実行するよう、頭を切り替える必要もあるかなと思いはじめているところです。

我ら朗(老)夫婦は今年も “コトシ”(こだわらず、とらわれず、しばられず)も “アスカ”(明るく、素直に、感謝の気持ち)でつつがなく過ごせればと願っています。
(陰の声:いつも生臭いオマエが急にそんな達観した余生が送れるの? ムリじゃあない?)
(私の本音:そうかもね)

今日は2007年1月1日、でもあと数分で元日も終わります。あわただしく過ぎた元日でした。これから日課のエクササイズ(トレッドミル ―― ルームランナーでの今年初のトレーニング)をしながら録画しておいたNHK紅白歌合戦を観ようとしています。
今年もよろしくお願い申し上げます。                                                   河合 将介(skawai@earthlink.net)

さくらの独り言「 愛」

今日は七日、人日の節句(松の内も今日まで)。6日未明から日本列島を襲った暴風雨が嘘のように、昼間は雲ひとつない青空。このまま夜になると、きっとこの大都会東京でも星が見えるだろうと、ワクワクする。387年前の今日、ガリレオ・カリレイが木星の衛星(ガリレオ衛星)を発見した。そう思うと1月7日は、なんとも宇宙規模の夢がある日のように思える。夜、刺すような冬の冷気、遠く輝く星の光、澄みきった都会の夜空を眺めていると、不思議なことに自分の心に愛が充満する。決めた! 今年の私のテーマ、それは“愛”。

今年は、元旦から久しぶりに故郷の家族を訪ね、団欒はもとより書初めや凧揚げなど、日本のお正月を満喫した。家族それぞれが思い思いに、一筆書きで綴る。私がその日3杯目のお雑煮を食べている最中、ふいに番が回ってきた。書初めなんて、何十年ぶりのこと。そんな私が咄嗟に書いた文字、それが“愛”。「うおぅ〜」と家族から一斉に感嘆の声、私にしてはなかなかの出来栄えで、書いた本人もご満足。頂くお屠蘇の杯も、団欒の深みとともに進む。家族と交わり、正月文化の共有と伝承、暖かさ充満の年の始めに、愛で心もおなかもいっぱい。光村教育図書の漢字学習辞典によると愛という字の古い形は、『食べすぎで胸がつかえ後ろへのけずる様子の字と、心と久しく歩く字とを合わせたもの』であったらしいから、思わず笑ってしまう。

ところで、日本国内のお正月文化やその違いなどをみてみると、なかなか面白いものがある。お正月を迎える準備もそうだし、お雑煮ひとつとってもそうだ。漁師町の網元で育った私は、鏡餅を飾るのは大晦日の満ち潮時と決まっていた。しかし、他の多くの地方では、一夜飾りは神をおろそかにするとし、また29日は二重苦との音合わせから、飾り付けを双方避けるのが常識とされている。お雑煮にしても地方や家庭によって、ダシ、餅の形、汁の味や具などは多種多様で、どれひとつ同じものがない。こう考えるとお正月は、単に新しい年を迎え祝うにとどまらず、家庭や地域の慣わしの共有と伝承の貴重な場であると、再認識する。その中でも一番大切なこと、それが自分自身への“愛”、そして家族や友人への“愛”なのではないだろうか。

先日、門松の竹と松の意味について、俗説とはちょっと違う珍しい話を聞いた。竹は節目節目があることから、始まりと終わり、生と死、出会いと別れ、苦と楽、悲しみと喜びがあり、人や物事が斬ったり斬られたりすること、つまり人の生の容赦なき時の節目を意味するという。一方、松は、その変わらぬ緑が、斬ったり斬られたりする人の生の定めや運命という厳しき区切りを貫くひとつの変わらない何か、終わりや区切りや変化のないもの、つまり愛情、信念、信頼、希望といったものを意味するという。年神を迎え入れる依代(よりしろ)という門松の竹松に、今年の始まりにふさわしい言葉を頂いた気がした。そして書初めにとっさに書いた“愛”という文字が、偶然ではないように思えた。お転婆で照れ屋の自分にとって“愛”なんてテーマは、ちょっと気恥ずかしくてムズムズする。しかし今年は、色々な意味での“愛”とそのあり方を、生活や仕事を通して見つめたいと思う。今年のテーマはなんと高尚なんでしょう、っと呟く、さくらの独り言。
 

週間五日坊主(東京・成近)

昨年も1年間ありがとうございました。
今年も607号までよろしくお願いいたします。   


( 川 柳 )

新年を伸びた寿命に励まされ

猪突とはいかないまでもマイペース

関節はまだ錆びてないマイペース

余白にもまだまだ夢の透かし文字

傘寿なお東海林太郎の歌元気

( ニュースやぶにらみ )

「初夢」
松坂投手からホームランを打った −松井選手
松井選手から三振を奪った     −松坂投手

「初詣」
これ以上閣僚から不祥事が出ませんように −安倍首相

「初荷」
来年は何%かな −消費税

河合成近
nakawai@adachi.ne.jp

http://www.adachi.ne.jp./users/itsukabz/index.htm

森田さんから

  チベット紀行(10 )
森田のりえ
 ホテルのロビーへ下りて行くと、ソファに座って、何やら四、五人が談笑していた。
「男女の別がないんだよ」
 何の話かと思ったら、一昨年チベットへ来たことがあるミュージシャンのハシル君が、これから見学に行くポタラ宮のトイレ事情を説明しているところだった。
「入り口にカーテンがあるだけでドアがなくてさ、中を覗くと一段下がった床に二十センチ幅で長さ六十センチくらいの長方形の穴がずらり並んでいるだけなんだよ。男も女も一緒だよ。一瞬ギョとなったけれど、出物なんとかで使ったけれど、底が深くてさ・・・」
 ハシル君はカバンから紙とポールペンを出して絵に描いて見せてくれた。
 考えてみると、並んで用足しをするのは驚くことではない。昨年、ギリシャの古代遺跡をまわったときにも丸い穴が並んでいた。当時の人たちは隣同士で話をしながら用を足していたに違いない。しかし、排泄行為は当然の生理だから恥ずかしく思うほうが、どうもおかしいのかもしれない。
「しまった!」
その話をもっと早く聴いておけば今朝水を控えたのに。高山病予防にはお水をたくさん飲むことが大事だというので、たっぷり飲んできた。大変だ! 困った、どうしょうと思っているところへ迎えのマイクロバスが来た。
 バスは街路樹の茂る大通りを走る。
 店の看板は漢語で書かれ、その下にチベット文字が小さく書かれていた。店の奥には、天井から裸電球が一個にぶい光を散らし、店の前に机と椅子を持ち出してお茶を飲んでいる人たちがいた。オート三輪車のような車にぎゅうぎゅう詰めになって人が乗っていた。
 戦後、ダイハツが出していたオート三輪自動車があった。私の生まれ育った広島界隈ではバタンコと呼んでいた。町工場を持っていた兄が出かける時、たまにバタンコに乗せて小学校へ連れていってくれた。風を切って走るさまが誇らしく、嬉しかった。エンジンはオートバイのようにペダルを踏んでかけるのだが、これが一度や二度ではかからない。ストストという音がし始めればしめたものだ。ストン、と音が切れるともういけない。近所の子供たちと私は脱兎の如く走り出した。昭和二十七、八年頃の話である。
 話が横にそれすぎてしまった。
 チベット自治区政府と塀に大きく書いてある建物を横目に見ると、門前に兵士が直立不動の姿勢で立っていた。
 聖なる都ラサのポタラ宮が見えてきた。
 マイクロバスから下りると、突如、白色とベンガラ色に塗り分けられた巨大な建物が目前にそそり立っていた。高い位置にたくさん窓があり、まるで要塞のようである。
 ポタラという名の由来は、観音菩薩が住むと伝えられる山の名でPotalaka。白色の部分は、歴代法王の居住区と政治を執り行う場所であり、ベンガラ色の部分は宗教にかかわる部屋になっている。全部屋数は千を越えるともいわれ、一九五九年の春、ダライ・ラマ十四世がインドへ亡命するまでの約三百年間にわたり、チベット聖俗両界の中心となった場所である。
 私たち一行はポタラ宮の館長直々の出迎えをうけた。なぜなら、以前にも書いたが引率者の森下住職は、チベット仏教ゲルク派の高僧からラサの大昭寺で受戒し世界初の女性ラマ僧になった、有名人なのだ。
 高山病の症状が出た娘は、丸一日ホテルで休んでいると元気になり、同行している。酸素が平地の七十%しかないので、焦らずゆっくりが鉄則だ。階段を一段上がる毎に呼吸を整えていると、チベットの若者が手を差し伸べてくれた。歳が姿に現れているのだろう。まさに奥様お手をどうぞである。
 ポタラ宮の内部は薄暗く迷宮のように入り組んでいた。金ぴかの仏像、一般公開されていない場所など案内される。宝石がちりばめられた黄金の塑像の説明などは聴く端から忘れてしまった。だが、どうしても問うてみたいことがあった。それは古い文化を憎悪の対象にした文化大革命の嵐が吹き荒れた時代、どのようにしてこれらを護り通したのかということである。だが、政治的なことは質問しないようにと注意を受けていたので、訊くことを控えた。
 ダライ・ラマ十三世が使っていたお椀に入っていた飴玉をもらう。ありがたく押し頂くべきだろうが、ただの飴。法王が実際に暮していた部屋、会議室などを見学して、屋上に出ると、ラサ市街が見渡せた。
 中国政府はポタラ宮を観光資源とみているそうで、多くの旅行者や移住者を運ぶために青海省のコルムドとラサを結ぶ鉄道の建設を始めた。これからラサは大きく様相が変わるだろう。しかし、敬虔な仏教徒の多いチベット人は、どんなに近代的な町に変貌を遂げようと、心の中では、衆生を救い導く人のいないお寺のようだと思っている。彼らは、ダライ・ラマ十四世の帰還を待ち望んでいるという。しかし、法王が再びポタラ宮に足を踏み入れること自体、非常に難しいことのように思えてならなかった。
 蛇足ながら、恐れていたトイレのお世話にならずにすんだことは幸いであった。
                つづく               

 

編集後記

息子がもうすぐ家を出ていくことになったので、年末からその準備で大忙しでした。私たちのスペースが増えるのはうれしいのですが、やっぱりちょっと寂しいです。でも近所なのでしょっちゅう来るんだろうなあと思っています。
今週お薦めのジャズ
携帯プレーヤーを持ち歩いていますが容量の大きいHDD式はバッテリーの持ちが悪く、しょっちゅう充電しているという感じがします。持ち歩くなら1ギガくらいのプレーヤーで十分だと思います。ずいぶん安くなりましたから買いやすいですし・・。今週は”The Dave Brubeck Quartet”の”Take Out”というアルバムをご紹介します。 この中の“Take Five”は聞き覚えのある曲だと思います。Paul DesmondのSaxが中心のはずなのに、途中ドラムの演奏が長く入り、こちらがメインなのかなと思ってしまいます。

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Zakkaya Weekly No.556

雑貨屋 店主 大西良衛   http://www.zakkayanews.com/
              
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