前々号(544号)にも書きましたが、当Zakkaya
Weekly大西店主が紹介していた(その後、茅野市の友人からも教えてもらいました)Google
Earthソフトを使ってパソコンに自宅の住所を入力してみたら、上空からの我が家がはっきりと写し出され、さらに正確な緯度・経度まで表示されるのにはびっくりしました。
敷地、家(屋根)、さらに猫の額ほどの前庭・裏庭、隣家の赤い車、家の前の街路樹まで、見事にはっきりと写っていました。
ビバリーヒルズのような高級住宅地では他人様の豪邸と広い庭、プールやテニスコートなどが写っているのが確認できますが、我が家のような一般庶民住宅ではそんな贅沢なものはなく、隣近所の家々が肩寄せ合う姿がいじらしく、写真は正直そのものです。
Google Earth とはフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によれば、「Google社が無料で配布しているバーチャル地球儀ソフト」のことであり、現にこれを使えば世界中ほとんどの場所を衛星(または航空)写真によって上空から見下ろすことが出来るのです。
このソフトでは地域によって異なるようですが、基本的には人工衛星からの写真を使用(一部は航空機写真)しているのだそうで、数百キロ・メートルの上空からこれほど鮮明に地上が撮影されるとはまさに驚きです。
私たちに無料で頒布されるものでもこれだけの精度ですから、軍事用スパイ衛生の写真なら解像度はさらに高いことが想像され、その気になればすべてお見通しということなのでしょう。今時うっかり外で行水も出来ない世の中であることがよくわかります。
それだけに米国の治安上、問題あるいくつかの場所についてはモザイクがかけられ見えないようになっているようです。
映像の解像度は地域によって異なりますが、米国はじめ、欧州各国の主要都市についてはかなりの地域で建物はもちろん、車から場所によっては人影まで確認出来ます。
日本国内についても東京、大阪はじめ主要都市は高い解像度で見ることが出来ますが、地方都市までは今のところ含まれず、例えば私と縁の深い長野県諏訪地方は広域画像のみで家の判別までは不可能でした。でも地形は充分鮮明に判読できました。
映像の拡大、縮小、方角変更、チルト角(遠近法による眺め)は自在であり、さらに一部主要地域では建物をバーチャル立体映像にしたり、道路名、観光地、公園、施設、レストラン、ホテルなどの表示も画像上に表示可能です。
バチカン、エッフェル塔、ピラミッド、グランド・キャニオン、ディズニー・ランド、ラスベガス、それに日本の皇居などなど、世界中の観光名所や話題の場所や建物を自宅に居ながらにして次々と瞬時に上空から訪れて眺め旅行気分に浸れるので、この画面を開いているとつい時間の経つのを忘れます。
このソフトに使われている上空写真はリアルタイムのものではなく、過去数年間にわたって撮影したものを繋ぎ合わせたものだとのことで、したがって最近造られた道路や建造物が写っていなかったり、住所表示が違っていたりしているのを私も数件見つけました。今後も定期的に更新されるとのことですのできっとより良く改良されることでしょう。
いずれにしてもこのような空中写真が私たちのような一般人にも無料(特別上級版などは別途有料)で楽しめるようになったとは科学音痴の私には驚嘆の一言に尽きます。
Yahoo やGoogleで検索してみると、Google
Earth愛好家たちによる“旅行同好会”までがあり、バーチャル旅行の感想や、珍しい場所の発見などコメントを寄せ合って楽しんでいるのを知りました。
これら“バーチャル同好会”では単なる観光地だけではなく、普通の旅では実現不可能な場所、例えば北朝鮮の核施設などのようなところを探し当て、画像提供をしたりしています。こんなことは数年前までは考えられなかったことではないでしょうか。
私もこれまで十数年かけて取材してきた「ロサンゼルス周辺の観光スポット」のすべてについて改めてGoogle
Earthを使って上空からの取材を試みてみようと思っています。地上で実際に訪問して書いたこれら「観光スポット」ですが、上空からの映像によってこれまで気づかなかった新しい発見をさせてくれるかもしれません。
これからも当分、私はこの“バーチャル地球儀”にはまり込みそうです。
河合 将介(skawai@earthlink.net)
|