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NO.512                Ryo Onishi              3/5/2006   

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河合さんの さくらの独り言 川柳 & コント 森田さんから ホームページ
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雑貨屋のひとり言

久しぶりに雪化粧の六甲山を見ました。朝は各駅停車に乗って出勤しているのですが、ドアが開くたびに冷たい風が入ってきてまだまだ冬を感じます。でも今週末は日中、暖かい日差しで気持ちがよく、公園では多くの人が楽しんでいました。春はもう確実に近づいてきています。(R.O.)

あまり知られていないL.A. 観光スポット(190)

 トーレンスお花見情報、2006年
暖かい南カリフォルニアは桜のお花見の季節を迎えています。前回の「バルボア湖畔の桜」でも紹介しましたが、1990年代はじめに南カリフォルニアの土地にも馴染む“ピンク・クラウド(Pink Cloud)”という品種の桜が出現して以来、同品種の桜の苗木が私たちの周辺にも植えられるようになりました。

今回はColumbia Park (Torrance市)の桜新名所をご紹介します。Columbia Park はトーレンス市にある市民の憩いの場としてお馴染みの公園です。場所は190th Streetと Prairie Ave. の北西角です。

数十エーカーにも及ぶ広い緑の公園には舗装されたジョギングコース、ピクニックやハイキングを楽しむ各種設備が整い、また子どもたちが楽しめる遊具のコーナーなどが揃っています。

この公園の一角に現在約60本の桜の苗木が植えられています。樹木はまだ若く、6〜7フィートのものばかりですが、それでも蕾をつけ、一部は咲き始めています。

トーレンス周辺の方は近いところですのでぜひ一度お出かけください。(添付の写真は3月2日に撮影したものですが、まだ多くは蕾の状態です。見頃は3月中旬頃と思われます)

桜の季節でなくてもバーベキュー・ピクニックをしたり、遊園施設で楽しんだり、一人でも、二人でも、家族全員でも楽しむことが出来る、思いきり明るいところです。

 トーレンス市にはこのほか、ホンダ・アメリカ本社周辺(Torrance Blvd.とVan Ness Ave.)の桜(ピンク・クラウド)も咲き始めています。
                     河合 将介(skawai@earthlink.net)

さくらの独り言「 弥生・・・三月」

一月は行ってしまい、二月は逃げてしまい、そして去ってしまう三月になってしまった。なんとなく別れの響き漂うこの三月だが、別称“弥生”と呼ぶはいとおかし。この弥生は、「いやおい」が「やよい」になったと言われており、「弥(いや)」は「いよいよ」の意味らしい。「生(おい)」は文字通り「生まれる」だから、つまり「いよいよ新しい芽が生まれる」ということで3月を弥生と呼ぶようになったのだろう。今日、枯草の残る佃公園で細い若緑の葉を見つけた。はかり知れない大地の息吹、その神秘を感じる。佃で迎える6度目の春。

隅田川に面した、私の住む高層マンション群の周辺には、桜並木をはじめ、多種多様な樹木や草花が所狭しと植えられている。つい先ごろまでは隅田川の木枯らしにさらされていたこれらの樹木や草花たちだが、近頃は、木の芽張り、花の芽ふくらみ、草青みを見受けるようになった。いよいよ隅田川の「木の芽風」がこれらの樹木や草花の芽を温かくはぐくみ、春節のプロローグが始まるというもの。

マンション1階のエントランスを出ると、右手にナズナ(ナズ菜)の白い花たちが、すでに春を告げている。ナズナは“春の七草”の一つ。平安時代に四辻の左大臣という人が『せり なづな 御形(ごぎょう) はこべら 仏の座 すずな すずしろ これぞ七草』と詠んでから“春の七草”が定着したと言い伝えられている。このナズナは、もともとは雑草らしいが、菜の花と同じアブラナ科の越年草。種子の形が三味線の撥(ばち)に似ているところから、べんべん草とも言われている。そのナズナに見送られ、佃公園を横切るあたりに白い端正な花をつけたコブシに出会う。コブシはモクレン科の木で、本来は山野に咲き春を告げる花として知られているが、現代では街々にも植えられており、純白で清楚な芳香を漂わせる。沈丁花(じんちょうげ)も“見送り花”のひとつ。いまはまだ蕾(つぼみ)で、小豆色をしているが、お彼岸の頃になると小さな手鞠(まり)のような白い花を咲かせる。これもまた何とも愛らしい。毎年のことながら私は、“花つ月(花続き月)”(三月の、もう一つの呼び名)のこの時期、これらの花々に励まされてニンマリしながら、出勤に精出しているのである。

ところで、百人一首に光孝天皇(こうこうてんのう=830年〜887年)の御製『君がため 春の野に出でて 若菜つむ 我が衣手に 雪はふりつつ』(古今集)がある。着物の袖に降りかかる雪の粉を払い除けながら“君のため”に、七草を摘んでいる情景は、いかにも優美で微笑ましく、待ち望んだ春の訪れへの賛歌だ。さて、私は誰のために若菜を摘もうかな・・・っと呟く、さくらの独り言。
 

川柳 & コント(東京・成近)


( 川 柳 )

満々のやる気がボタン掛け違い

調子外れのラッパに尻を叩かれる

渋柿に騙されている机上論

裏面史に踊るピエロの使命感

過労死に花輪一つが贈られる

( ニュースやぶにらみ )

「3月3日は耳の日」
小泉さん聞こえますか −国民の声

「日本アカデミー賞12部門独占」
輝きを増した −三丁目の夕日

「序盤は互角が18対2に」
今国会の自民・民主戦かい −半可通

河合成近
nakawai@adachi.ne.jp

http://www.adachi.ne.jp./users/itsukabz/index.htm

森田さんから

連載「夫と私 」  
                   避けたい共倒れ( 22 )
  Sunny Breezy という気候の良い二月初めの日曜日である。
 夫の体調がいい。私たちはT夫妻に会うために日系マーケットへ久しぶりに出かけた。八十過ぎのT夫婦と知り合ったのは日系マーケットのフード・コートである。日曜日のお昼は必ずといっていいほど日系マーケッにきていたT夫妻を見かけるうちに、どちらかともなく言葉を交わすようになった。そして、共に食事をするようになった。
 T夫妻は第二次世界大戦中にカリフォルニヤのマンザナ強制収容所からアメリカ陸軍へ志願し、日系二世で編成された第四四二部隊に所属。大理石で有名なイタリアのカラーラに配属されたときのことや、終戦後、両親のイチゴ農園を手伝った話などをよく聞かせてもらった。
  まだ夫が食道癌だと分からないころ、どことなく体調が悪いというと、
「レントゲンはダメですよ。CTスキャンでなきゃ」
 と、忠告してくれたのはT夫妻であった。
 その日もT夫妻はフード・コートへきていた。
「大変ですねぇ、奥さん」
 という。私は夫にも聞いてほしいと思い、こんな話をした。
「癌になったことは不運だけれども、誰しも病気にかからない保証はないから、不幸だと思わず番がまわってきた、と考えるように努めています。主人の満足するような介護はできないけれど、私は健康ですから夫の世話ができます。それは夫にとっても私にとっても幸せなことです。もし、夫に先立たれ後私が病気になった時のことを考えると、寂しくなります。子供には彼らの生活があるから親の介護を押し付ける訳にはいきません。なるべく子供には迷惑をかけないようにと、長期介護保険を検討しなければと考えています」
 私の正直な気持ちであった。
 外出は気晴らしになった。毎日「屁が匂わない。便秘だ。浣腸だ」という話に付き合っている私も気が詰まってしまいそうだった。
 馴染みになった漬物売り場の女性が、
「いかがですか。調子は?」
 と、訊く。
「良い日もあるし、具合の悪い時もあるのよ。時には気弱になるのでしょうね。『もし、オレが死んだら』なんて書くの」
「苦しいのでしょうねぇ」
「喉に穴を開けたんだもの、話せないってことはとても辛いでしょうよ」
「奥さん、代わってあげたいでしょ?」
心の奥底を覗けば、自分でなくてよかったと思っている。私は言葉に窮した。

夫はベッドに臥せっている日が多い。気分転換になるのではないかと私は夫を車椅子に乗せて連れ出してみたが、振動が喉に響くといって嫌がった。右鎖骨の下辺りが赤く腫れた。触ると痛がった。
「この痛みさえとれたら」
 夫も私も、そういい続けた。治ると思った。
 薬は抗生物質と痛み止め。だが、薬の副作用で便秘に悩まされつづけた。右腕が異常にむくんできた。それでも夫は自分で痰を吸引し、液体食を腹につけたGチューブへ入れた。
 夫にできる範囲のことは、自分でして欲しかった。私も相当まいっている。ここで共倒れになる訳にはいかないのである。
                                                                                   つづく

 

編集後記

昨年末、オールワンインコミュニケーションツール(W-ZERO3)がウィルコムという会社から発売されました。ものすごく売れているようで、私も息子が購入したので、メモリーに映画やファイルを入れて電車の中で使わせてもらっています。DVDの映画をMPEG4ファイルに変換するなど、また新たな出会いを楽しんでいます。
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Zakkaya Weekly No.512

雑貨屋 店主 大西良衛   http://www.zakkayanews.com/
              
tenshu@zakkayanews.com