Zakkaya Weekly No.426
Ryo Onishi                                      7/11/2004

雑貨屋のひとり言 さくらの独り言 川 柳 & コント バックナンバー
成岡流お酒の楽しみ方  河合さんの・・・ 森田さんの・・・ 健康のお話 雑貨屋ホーム

梅雨が明けたようです。暑い夏に突入しました。セミの声がにぎやかになってきました。今年の梅雨は雨が少なかったですから水不足にならないよう、節水を心がけたいものです。
毎朝の通勤時、汗をドバーッと掻くので、ちょっと、うっとおしいですが日頃、汗を掻かないので自然でいいかなと思っています。そんな風に思う私は、変なのでしょうか?
 (R.O.)
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150年前の日本開国(その6)

ペリー日本遠征記に記された“日本の女性について” 
――― 前回からの続き ―――
前回、ペリーの『アメリカ艦隊シナ近海および日本遠征記』に記された150年前当時の日本の技術力評価やペリーが日本の将来について、いかに鋭い予見をしていたかをご紹介しましたが、今回は『日本女性』に関する彼の記述です。

ここでもペリーは日本女性についてかなり高い評価をしています(“おはぐろ”の風習を除いて)。

ペリーの見た日本女性観については、在ニューヨーク日本国総領事館編、日米150年史「ペリー提督の日本遠征関連逸話集」に詳しく記載されていますので、これを以下に転載し、ご紹介いいたします。 

(1)嫌われた日本女性の“おはぐろ”
(ペリーが横浜の町役人宅を訪問した際の印象・・・)
穏やかに微笑してルビーのような唇が開いていたので、ひどく腐食された歯茎に生えている一列の黒い歯が見えた。

日本の既婚婦人だけが、歯を染める特権をもっており、染めるにはおはぐろという鉄の粉と酒とを含んだ汚い成分の混合物を用いる。

この混合物は、その成分から当然に推察されるように心地よい香りもないし、衛生的でもない。それは非常な腐食性のもので、それを歯につけるときには、歯茎や唇などの柔らかい組織を何かで覆う必要がある。

さもなくば、ちょっとでも肉にふれると直ぐにただれて、紫色の斑点が出来てしまう。いくら注意しても、歯茎は腐って赤い色と活力を失う。

この習慣は、夫婦間の幸福を導くことがほとんど無いと考えるべきであろう。また、当然、求婚時代の夢中なときに接吻してしまわなければならないことも推測されるだろう。

しかし、未来の花婿は往々にしてこの報酬さえ失ってしまう。なぜなら、ある若い婦人たちは、縁談を申し込まれたときに、このお歯黒をはじめることも珍しくないからである。

この厭うべき習慣は、他の習慣、即ち紅で唇を染めることで一層明らかになる。赤くした口は、黒い歯と著しい対照をなすからである。

「べに」と呼ばれる日本の化粧品は、紅花でつくられ、陶器の盃に入れてある。薄く一塗りすると鮮やかな赤色となるが、厚く塗ると暗紫色となる。この暗紫色が一番いいとされている。

(2)客を迎える日本女性の様子
(町役人宅の)妻や妹は、外国人の前ではいつも膝をついたままであった。このような不体裁な恰好をしていても、女たちは自分達の働きを妨げられるようでもなかった。なぜなら、銀の徳利をもって、非常に敏速に走り回っていたからである。

盃が小さいため、酒を注ぐことがたえず必要であった。二人の婦人はいつまでも慇懃(いんぎん)で、玩具の首振り人形のようにたえず頭を下げた。

また、たえず賓客に微笑をもって挨拶していたが、微笑しない方がよかったと思う。唇を動かすたびに、嫌な黒い歯と色のあせた歯茎が見えたからである。

(3)女 性 の 地 位 
日本の社会には、他の東洋諸国民に勝る日本人の美徳を明らかに示している一つの特質がある。

それは、女が伴侶と認められていて、単なる奴隷として待遇されてはいないことである。

女の地位が、キリスト教教義の影響下にある諸国におけると同様な高さではないことは確かだが、日本の母、妻、娘は、中国の女のように家畜でも家内奴隷でもなく、トルコのハーレムにおける女のように浮気な淫楽のために買い入れられたものでもない。

一夫多妻制が存在しないという事実は、日本があらゆる東洋諸国民のうちで、最も道徳的であり、洗練されている国民であるという勝れた特性を現す著しい特徴である。

この恥ずべき習慣がないことは、単に婦人の優れた性質のうちに現れているばかりでなく、家庭内の道徳が大いに一般化しているという当然の結果の中にも現れている。

(4)尊敬を受ける日本の女性
既婚女性が常に厭わしい歯黒をしていることを除けば、日本女性の容姿は悪くない。

若い娘はよい姿をして、どちらかといえば美しく、立ち振る舞いは大いに活発であり、自主的である。それは、彼女たちが比較的高い尊敬を受けているために生ずる品位の自覚から来るものである。

日常相互の友人同士、家族同士の交際には、女性も加わるのであって、相互の訪問、茶会は、合衆国におけると同じように日本でも盛んに行われている。

提督とその一行の面前に平伏した女たちのとった態度は、彼女たちが隷属的であるという証拠ではなく、むしろ外国人に対する尊敬のしるしと考えるべきだろう。

日本の大きな町々や都会には、大いに淫楽が行われているものと当然想像される、なぜならばこのようなことは、不幸にも、すべての大都会における普遍的な法則だからである。

しかし、日本女性の名誉のために言わなければならないことは、艦隊が江戸湾にある間、時々、種々の海員たちと女性たちが交渉を持ったときにも、普通の放逸淫蕩なようすが少しもなかったのである。

(引用資料:在ニューヨーク日本国総領事館編、日米150年史「ペリー提督の日本遠征関連逸話集」)                      河合将介(skawai@earthlink.netbut_up.gif (232 バイト)

 

さくらの独り言テフテフ

梅雨が明けぬ間に猛暑へ突入し、息もできないほどの真夏日が続く。東京のオフィス街は、エアコン神によって凍てつくオフィス内の環境とは裏腹に、熱風のため息が渦を巻く。信号で足を止められた人々が、勘弁してよと言わんばかりに街路樹の下に身を寄せる。木漏れ陽の中に白いチョウが2匹、音のない風鈴のように舞っている。公園や校庭では、夏の陽を喜ぶヒマワリや朝顔の花も、水のないままの暑さにうな垂れている。そこに、かすかな風を運ぶように、モンシロアゲハチョウが二匹、遊泳している。こんなチョウの舞いに、何となく厳しい暑さを忘れる一瞬がある。日本の美しき初夏の光景だろう。

「チョウ」というものの分類・科・種類は様々だが、メルヘンと自由を連想するのは何故だろう。日本人なら誰しも知っている「♪ちょうちょう ちょうちょう なのはにとまれ〜♪」は、性別や年齢を問わず、チョウのイメージを作ったのかもしれない。麦わら帽子、虫篭と網、スイカとかき氷、今も消えない夏の想い出。網なんて使わず、素手で、飛翔するチョウを掴んで捕らえた頃、チョウチョウが「テフテフ」と重なった遠き昔、なんとも懐かしい。いつの頃だったろうか、チョウが私の生活へとまり、趣をもたせてくれた。ハンカチ、スカーフ、ティーカップ、淡い色と小さく優しいチョウの模様が、子どもから少女、女性への移行時を楽しませてくれた。甘ずっぱい想い出、森英恵の地味な作品を好んだ頃だ。高級志向には全く縁も興味もなかった私の、唯一つ楽しんだ小さな贅沢だった。

7月7日、パリ市内のホテルで、トップデザイナー森英恵(78歳)が最後のファッションショーを開き引退、約50年にわたる活動に幕を閉じた。新作の発表はこれが最後となった。森英恵といえば、チョウの柄がトレードマークであることは誰もが知るところだ。日本の美意識、和服や伝統などを生かした色彩やデザインを創り出し世界的に脚光を浴び、評価された。その業績は、東洋人として初めてオートクチュール(パリの高級注文服組合店)に加入が許されたことでも揺るぐまい。またそれは、日本経済発展の象徴とさえ言われた。しかし、2002年、経営難に陥った株式会社「ハナエ・モリ」の既製服とライセンス事業は売却され、その後彼女は新会社を設立し、オートクチュールの仕事に専念していた。この最後のショーのテーマは「East meets West」(東と西の出会い)だった。これは1965年、森英恵が海外進出第一弾としてニューヨークで開いたショーに対し、地元メディアが評した言葉だったといい、「原点に戻ろう」という森英恵自身の思いを込めたものだった。引退後は、東京を中心に若手育成に努めるという。「東と西の出会い」がテーマとされたこの最後のショーが、おりしも日本でいうところの七夕であったことは、偶然にも意味があるように思える。

英語には、発音とスペルの違いがある。例えばAと書いてアだったりエと発音したりする。Often(しばしば)は、オフティンではなくオッフンと発音する。日本にも表記と発音の異なる時代があった。「テフテフ」と書いて、「チョウチョウ」と発音したのがそれだ。この様な文語・口語の食い違いは、戦後の国語教育要項や規則の廃止により姿を消したので、1960年生まれの私は、「チョウチョウ」は「チョウチョウ」で読み書きが一致する。そんな私だが、夏にチョウチョウを見たら、「あっ、テフテフだぁ」と指を指し、暑さを忘れる言葉遊びを探求している。この「テフテフ」の季は、間もなく「イテフ(イチョウ=銀杏)」の季になるんだろうな・・・なんて呟きながら、さくらの独り言。

kukimi@ff.iij4u.or.jpbut_up.gif (232 バイト)

 

川 柳 & コント(東京・成近)

( 川 柳 )

酒という名のガソリンで動き出す

酒がまた安請合いをして帰り

祝杯の味もカルテのお墨付き

一病が酒一合と妥協する

ジンフィズお洒落なゲームもう一度


( ニュースやぶにらみ )

「炎暑列島」
こちらは冷めてます −参議院選挙

「不評人名漢字削除へ」
私の名前は大丈夫だろうな ー参議院候補

「曽我さん一家再会」
よかったね −彦星、織姫

(東京・成近) E-mail nakawai@adachi.ne.jpbut_up.gif (232 バイト)
http://www.adachi.ne.jp./users/itsukabz/index.htm

連載短編小説  花惑い(8)                          
 夏の日差しが柔らかくなり、夕方には高い梢を吹く風にあおられユーカリの葉音が聞こえる夜だった。由香に夢中になっている浩二の本心を確かめたい。できるなら家庭を壊したくなかった。波立てまい。荒立てまいとして、言うべきことも言わなければ思わぬ結果を招く。道代は冷静になって、浩二と話し合ってみようと思った。この期に及んでも、道代はやはり一抹の望みを捨てきることはできなかった。
「私たち、もう一度やりなおしましょうよ。無一文からやっとここまで築いてきたのよ。私だって必死で働いたわ。ジュンも両親がそろっているということが大事なのよ。だからお願い……、考え直してください」
 道代は頭をさげた。だが、浩二はなにも云わず、虚空に目を這わせていた。
「由香さんの所へ行ったり、いいかげんな態度は止めてください」
「……」
 しばらくして浩二が口を開いた。
「オレは……」
「オレはもう由香なしでは生きていけない。あいつが必要なんだ」
「私とはどうしても?」
「うん……、由香といっしょになる」
 覚悟していた浩二の返事とはいえ、道代は背骨に針金を挿し込まれたようだった。もうなにをいっても無駄だ。結論が出た。迷うことはない。自分の考えていたことを実行するまでだと道代は心に決めた。
「ジュンは、私が責任を持って育てます。私たちも生活しなくちゃいけないから、会社は私が引き受けますから、あなたは由香さんと裸一貫から出なおしてください。それくらいのリスクは負ってもいいでしょ」
 道代は、毅然してとしていった。
「オレがおまえたちの面倒はみる。一週間のうち四日はこっちで、由香の所へ三日」
 と浩二がいった時、ついに道代は切れた。
「ふざけないでよ!」
 なにを考えているの! すまない、わがままを許してくれの一言はないの、と、喉元までこみ上げた怒りを道代は呑み込んだ。いま、この人になにをいっても通じない。盛りのついた犬だ。怒りで身体が小刻みにふるえのをどうしようもなかった。
 夏休みの始まったジュンを、道代はドライブに誘った。ロングビーチの海沿いの道を南に走りラグナニゲェールにある高級ホテル、リッツ・カールトンへ行った。昼食をとったあとふたりで浜辺を歩いた。人気のない土手に腰を下ろした。寄せてはかえす波と潮騒。

おだやかな海を見ながら道代は考えた。浩二のことをジュンにどう説明しようか、話しにくいけれど、現状を知らせるのは母親の義務だと思った。
「ダディはね。マミーやジュンと暮らすよりも由香さんと暮らしたいというの、この意味がわかる?」
ジュンが頷いた。
「マミーとダディが喧嘩ばかりしているの、嫌でしょ。ダディも好きな人と暮らしたほうが幸せだと思うのよ。マミーもジュンとの生活を大切にしたい。ディボースしてもいいかしら?」
 ジュンは海の彼方をじっと見ていた。
「でも、ジュンが淋しいといえば、考え直してもいいのよ」
 ジュンが、道代の目を覗き込むようにしていった。
「ディボースしてもいい。でも、マミー、お金は?」
「それは大丈夫よ。会社はマミーが経理を握っているから、やっていく。だから、ジュンの生活はいまとなにも変わらないの」
「ダディはどうするの?」
「由香さんと別の仕事をはじめるから、心配いらないわ」
 よもや、こんなことになるとは予想だにしなかった。世間並みに夫婦の小競り合いはあったにせよ。別れるのなんのと大きな騒ぎもなく過ぎた十五年なのに。家庭とは、こんなに脆いものだったのろうか。いったいなんのために、なにをやってきたのだろう。寝る間も惜しむように働いて、結果がこの有様。バカな、道代は自分を嘲笑うと、どっと涙が溢れた。涙がとめどもなく頬を伝わった。道代はジュンを抱きしめた。
 娘の気持ちを確かめた道代は、身体中の血が踊り狂っているような感じを抱きながら、ビバリーヒルスの離婚専門の弁護士事務所まで車を走らせていた。浩二に内緒で離婚訴訟とレストレニング・オーダーを申請したのである。 つづく

森田のりえ (noriem@JoiMail.com)
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先週は久しぶりに松村さんご夫妻、高島さんに会い、楽しいお酒を飲みました。久しぶりに吟醸ミュージアムで吟醸酒を飲ませていただきました。
いい仲間と飲む、お酒は本当においしいものです。
でも先週は4回も飲みに行ったのでちょっと疲れました。
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Zakkaya Weekly No.426

雑貨屋 店主 大西良衛  but_up.gif (232 バイト) zakkaya@news.email.ne.jp