Zakkaya Weekly No.414
Ryo Onishi                                      4/18/2004

雑貨屋のひとり言 さくらの独り言 川 柳 & コント バックナンバー
成岡流お酒の楽しみ方  河合さんの・・・ 森田さんの・・・ 健康のお話 雑貨屋ホーム

今、日本で旬のDVDレコーダーを購入しました。深夜や早朝に放映されるテレビ番組の録画に最適です。早速、先日のマスターズゴルフ最終戦を録画しました。編集してDVDにダビングできるので整理が簡単で、またPCでも観られるので便利です。昔、撮ったビデオをDVDにダビングして整理しています。ついに我が家ではビデオの時代が終わります。(R.O.) but_up.gif (232 バイト)

大 野 勝 彦 さ ん 作 品 展

農作業中に機械にはさまれ両手を切断するというたいへんな事故に遭遇したにもかかわらず、腕に筆をつけて水墨画風の絵を画く詩画家の大野勝彦さん(熊本県出身・在住)の作品展が当地ロサンゼルス、パサデナの Shumei Hall Galleryで開催中です。(4月1日−24日)

私たち夫婦は先週、行ってきました。会場入口には義手の先に筆をはさみ、画紙にむかう大野さんの写真入のポスターが貼ってありました。

そこにあった説明によると、大野さんは地元の高校を卒業後、家業の農業を営み中の1989年(45才の時)事故で両手を切断したにもかかわらず、入院中に字を書きはじめ、さらに事故2ヶ月目には“湧き出づる生への喜びを水墨画に表現”することに目覚めたのだそうです。

主として色紙サイズの画紙にカラーで人物、魚、野菜、植物などを素朴ながらも見事なタッチで描き、生きる喜びと感謝の言葉を添え書きした詩画には独特の雰囲気が感じられ、大野さんの心の温もりをみる思いです。

「出来る出来る必ず出来る。出来ないのは言い訳ばかりしている自分のせいだ」、「さよならも言った、お元気でも言った。でもいちばん大切なありがとうを忘れていた」、「人生後半が面白い。味が出るのはこれから これから」――― こんな添え書きが心に沁みます。

三年前の9月、やはり手と半身が不自由な星野富弘さんの詩画展がこちらでありましたが、こういう人たちの生きざまを知るにつけ、真の命の尊厳、生きる喜びを感じさせられ、また教えられる思いです。

大野さんをして「出来ないのは言い訳ばかりしている自分のせいだ」と言わしめる精神力はどこから涌き出るのでしょうか。

一応、五体満足の私ですが、わが身が震えるほどの感動を覚えました。

今回の作品展の期間中3回、大野勝彦さんの講演会が予定されています。私も講演会に参加し、大野さんのエネルギーの一端に触れたいと思っています。

河合将介(skawai@earthlink.netbut_up.gif (232 バイト)

 

さくらの独り言「ゼイ・ゼイ

元関連会社の大先輩H氏のエッセイが、カリフォルニア州で発行されているゴルフマガジン 「TEE UP」に連載されている。そのコラム名は、「ゼイゼイゴルフ」という。スポーツ界や時事を話題にとりあげ、それを国際的に「税」へと結び付け展開している。一般日本人が日頃は関心をもてない税に関する事項を、面白おかしく簡潔に、そして知的にまとめられているユニークなもので、なかなか示唆に富んでいる。この大先輩の作品を読むたび、ゴルフ(グリーン)ではゼイゼイ咳切る私が、日本における日常生活の税(金)に関しては、無呼吸症候群だと気づかされ反省する。私たち日本人はもっともっと、私たちの支払っている「税」に対する意識化、敏感になることが必要だと思う。

アメリカでは、「人間、一生で避けられないモノが2つある。死と税金」という有名な言い回しがある。これはアメリカにおける税文化を皮肉ったものだが、アメリカ人の生活と税金の密着度が高いことを表している。彼らは、企業や個人の税金に対する関心が日本人のそれに比較して非常に高く、したがって反応も敏感である。それは単なる経済政策に対する世論的な位置ではなく、個々人の消費生活・行動にも節税を顕著に示す。税金を支払うという義務を正しく遂行している誇りと同時に権利・主張が慣習として身についているし、また税法違反に対する処罰の厳しさも、日本人の想像を、はるかに超えていると思う。

ところで私は、米国税文化に大きなショックを受けたことを思い出す。今から16年ほど前、それは渡米して最初の2年間お世話になったホストファミリーの息子・ブレイクが、16歳の誕生日を迎えた前後の頃だったと記憶する。彼と彼の両親は、これからはブレイクが自分で税金申請・支払いをしていくのだと、高い誇りをもって話してくれたことだ。アメリカ税法では、16歳になると両親の扶養家族の該当から独立し、申告を個人で行うからだ。日本で働いていたとは言え、雇用主が源泉徴収をして年末調整を行ってくれていた為、個人で申請や手続きを行う必要もなく、また米国における税知識も全くないまま渡米した私は、自分の無知と税意識の低さに愕然とした。最近、退職金や年金問題がクローズアップされているが、社会保障や様々な制度(福祉、年金、税金など)への知識が不十分なまま、この年齢へ来てしまったと振り返ると、そこには、実用や変化に伴う学校や家庭における社会(制度)教育の欠如があるように思えてならない。

このところ「税金」について考え始めたのは、イラクにおける人質問題に端を発する。人間の命は尊く、何にも代えられないものである。故に解放の知らせは、同国人であれ異国人であれ、安堵と喜び、そして感謝であったに違いなく、日本人で冒険好きの私自身も他でもない。しかし、この一連の報道を通して観る限り・聴く限りの情報で、勝手ながらも怒りを覚える箇所があり、解放への祈りを捧げながらも、理解・同情できない部分さえあった。それは、個と国、自由と責任、権利と義務などの相反し共存することの定義や理解、つまり個の意志による自由な行動は、個において価値を有し、結果として社会的(国際的)意義を生むこともある。しかし、今回のような誘拐事件が起きれば、個の意志による自由な行動といっても、社会(国家)と無縁ではなくなる。“邦人救助”のために国は、あらゆる可能性を求めて人力、金力を使い、救出に全力を挙げる。の未成熟さえ感じたからだった。そんな時、あるトーク番組で「この費用の実費は当事者に支払ってもらうべきで、私たちの税金によって全てカバーするのはおかしい」との発言があった。その時「ゼイゼイゴルフ」ならぬ「ゼイゼイ税金」が私の頭をよぎった。今日、選択できなかった校区外への希望入学が可能になったり、地方自治の統合などにより出来なかった選択が可能な社会や制度・仕組みになったりと急変化している。どれもこれも、渡米までの私には想像できない変化だ。近い将来、自分の支払う税金の使い道なんてものが選択できる社会制度になったらいいなぁ、っと、税納者としてはゼイタクな夢を描いているさくらの独り言!

kukimi@ff.iij4u.or.jpbut_up.gif (232 バイト)

 

川 柳 & コント(東京・成近)

( 川 柳 )

デフレ インフレ僕にはいつも金がない

いい奴と貧乏神の保証印

お宝はないが無傷の保険証

ただの風邪ですに安堵の咳をする

運がよく失業率の外にいる 


( ニュースやぶにらみ )

「歯科医師汚職」
開けた口が塞がらない −患者

「イラク人質全員解放に安堵」
人命が重かった −関係者一同

「自己責任」
こっちに飛び火しそうだ −年金未納者

(東京・成近) E-mail nakawai@adachi.ne.jpbut_up.gif (232 バイト)
http://www.adachi.ne.jp./users/itsukabz/index.htm

森田さんから

焦げた切干大根 
 
 玄関ドアを開けると、焦げた匂いが鼻をつき、私は靴も脱がずにキッチンへすっ飛んで行った。急いでガス栓をひねり鍋の蓋を取るとキッチンじゅうに煙が充満した。放り投げるように流しへ鍋を置き、水道の蛇口をひねると、真中にかろうじて煮物の形がとどまり、まわりは真っ黒い炭になっていた。
 間一髪。冷たいものが背筋を流れた。
 勝手口の外へ鍋を出して、窓やドアを開けてまわった。
 夫は、アメリカ生活三十数年にもなるのに日本の田舎風の煮物が好きだった。とりわけ、義母の送ってくれた切干大根を煮ると機嫌がよかった。
 昨夜のことである。若い女性の影がちらつく深夜帰宅の夫を待ち構えて、私は噛みつこうとしていた。
「オマエなぁ、ダンナが疲れて帰ったのだ。笑顔で迎えられんか。こっちだって『すまん、わるい』と、思っているのだから、お疲れでしょくらい言ったらどうなのだ」
 何言ってるのよ。ポッチャリ型の若い女に相談があるとかなんとか言われて、鼻の下をのばして、夜中まで話し込むことないじゃない。それを笑顔で出迎えろって、冗談じゃあないわよ。私は考えただけでも頬の筋肉がひきつった。
 だが、亭主関白の遺伝子がDNAに組み込まれたような夫の言い分にも、一理あるかもしれない。事を荒立て相手を罵りあっていては問題をますます増幅させるだけだ。核心を外したところで、辺り障りのない会話ですます方が平穏な生活が送れるのではないか。
 そう思った私は、夫の好物の「切干大根」をちょろ火で煮込んでいていた。味をつけるだんになって、みりんを切らしているのに気がつき、日系マーケットへ買いに走った。途中、ガス栓を切ったような切らなかったような釈然としないまま、偶然出会った友達との立ち話がいけなかった。
 こんな時に限って早く帰るような、イヤな予感がする。夫は癇性で匂いには敏感なタチである。グチグチ説教するにきまっている。
――また焦がしたな、火を点けているときは離れるなと言っているだろう。結婚して何回目か覚えているか。火事にでもなったらどうする。大きな字で『火の用心』と書いてガスコンロの上に張っておけ――。
 今、怒らせる訳にはいかない。「時」が悪い。自分に不利になることは隠さねば。
 私は物置から扇風機を引っ張り出し、長いコードをつけて部屋じゅうをかけずりまわった。しかし、壁や天井にまで染み込んだような焦げた匂いは取れそうになかった。
 そうだ! 日本からのお土産にもらった『白檀香』がある。
 私は隠蔽工作を計った。
「おい、何だ! この匂い」
「あら、白檀の香りよ。噂ほどのいい香りではないわね」
 うまいことごまかせるかもしれない。
 もし夫がその手にのらなかったら、なんていい訳をしょう。白状するか。だが、真実を語ることは時として家庭平和を脅かすことにもなりかねない。
 と、その時、聞きなれた車のエンジン音が聞こえてきた。ギギギーとグラージの開く音がした。
 夫だ! 夫が帰ってきた。
 ああ、もうすぐドアが開く――。

森田のりえ(moritacn@earthlink.net)

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気持ちのいい季節です。ロスを思い出す季節です。今年は花粉が少ないようですが、温度の変化がトリガーになってくしゃみが出たりします。
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Zakkaya Weekly No.414

雑貨屋 店主 大西良衛  but_up.gif (232 バイト) zakkaya@news.email.ne.jp