Zakkaya Weekly No.398
Ryo Onishi                                      12/28/2003

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みなさん今年のクリスマスはいかがお過ごしでしたか?ロスは雨と強い風で被害を受けたところもあったようで、お見舞い申し上げます。関西も本格的な冬となり、年末のゴルフが雪でキャンセルになってしまいました。
さあ今年もあとわずかです。みなさんにとって今年はどんな一年でしたでしょうか?
阪神タイガースが18年ぶりに優勝するなど、なかなか面白い一年だったと思います。
雑貨屋は次々回にちょうど400号になります。すごいと思いませんか?みなさんから何かひと言メッセージをいただけたらうれしく思います。よろしくお願いします。良いお年をお迎えください。雑貨屋 店主(R.O.)

あまり 知られていないL.A. 観光スポット(169)

Heritage Park, Santa Fe Springs
南カリフォルニアの中心的存在であるロサンゼルスは近年急速な開発が進み、その変化は周辺地域をも巻き込み、ロサンゼルス・カウンティ全体を大きく変貌させています。

ロサンゼルス・ダウンタウンの南東約15マイルにある、サンタ・フェ・スプリングス(Santa Fe Springs)市も、300年以上前は先住民である“Tongva / Gabrieleno 族”といった人達が暮らしていました。

その後開拓者達の入植、油田開発による“Black Gold”成金の誕生など、この地も幾多の変化を経たのち、現在は新産業・住宅都市として、ロサンゼルス・カウンティの中で位置付けられるまでに発展し、変貌をとげています。


ヘリテイジ・パークはこんな市の歴史を保存し、今の人達に知らせると同時に、次の世代に伝え残そうとするための施設(公園)です。National Register of Historic Places にも指定されています。

正面入口を入って右側にパーク・オフィスがあり、案内書などをもらうことが出来ます。入口付近で一段と目立つクラッシックなビクトリア朝スタイルの建物(Carriage Barn)は1880年に建てられたものを1987年に再現したものです。

現在は博物館となっており、この地域の300年にわたる推移の説明パネルとともに、往時を偲ばせる乗り物、器具、道具、生活用品、衣装などが展示されています。

また、見学者はそこに用意された衣装を身につけ、即席の西部娘やカウボ−イ姿での写真撮影も可能です。(衣装貸出しは無料、但し、博物館備え付けのインスタント・カメラで係員に撮ってもらう場合$1)

広く明るい公園の西端には、先住民達の村が再現されています。中でも小川のほとりに再現された葦船や、柳の枝と葦で造られた直径32フィートのドーム住居などは当時の生活を知る貴重なレプリカと言えるでしょう。

このほか、周囲の庭園に水を供給するための風車小屋、ビクトリア・スタイルの整然とした庭園、植物用温室、小鳥小屋などが敷地内に点在しています。これら手入れの行き届いた敷地・施設は市民にとってこの上ない憩いの場所となっています。

公園入口の道路を挟んだ反対側には古い蒸気機関車とサンタ・フェ・スプリングス駅舎として使われた建物が展示・保存されている一画もあります。

ロサンゼルス郊外に位置する街の歴史を学べる貴重な場所と言えるでしょう。

●住   所 :12100 Mora Drive, Santa Fe Springs CA 90670
●オープン日 :毎 日(但し、Carriage Barn、鉄道展示場は月曜日休み)
●時   間 :7:00am ? 10:00pm
(但し、Carriage Barn、鉄道展示場は 正午− 4:00pm)
●料   金 :無 料
●電   話 :(562) 946 -6476
●Web Site :http://www.caohwy.com/h/heritpar.htm
行き方は次の通り(Torrance方面よりの場合)
(1)FWY #110(北)― FWY #105(東) ― FWY #605(北)へ。
(2)Telegraph Road出口でFWY #605を降り、Telegraph Road を右折(東へ)、約1.5マイル進み、Heritage Park Road を右折(南へ)
(3)Heritage Park Road の突き当たり(Mora Drive)を左折、すぐの Ontiveros Pl. を右折したところに駐車場入口がある。
(4)ここまでの行程 ;(Torrance方面からの場合)約20マイル、ドライブ約40分。
                             河合将介(skawai@earthlink.netbut_up.gif (232 バイト)

 

2004年12月26日、煤払いの終わったマンションメインロビーの正面玄関に、立派な門松が飾られた。ゆく年くる年の交差点に差し掛かるこの時期の窓ガラスは、いつになく光沢を帯び、高い透明度を感じる。一夜を境に、昨日までそこにあったクリスマスツリーの光も影も走馬灯の如く、様々な一年の想いに終結される。なんとなく簡素に整理整頓された空気だけが静かに流れている。そんな掃除したての空間は、貯まった垢を落としきった無垢の言葉に相応しく、新しいキャンバスを準備する画家の気分に似ている。気分とはこんなものだろうか、と、思いたくなる年の瀬だ。

2ケ月あまりギブスの中に居た私の右足は、12月26日、無事「垢おとし」の儀にこぎつけた。ビニルハウスによる温室栽培ならぬギブス監禁同様だった右足は、8針の跡が刻まれたゾウさんのお鼻の様だ。シャワーを流しながら摩ると、伸びた手の爪もそんなゾウの皮膚に食い込むことなく、皮膚表面に浮き出した「垢」を鉋の如く削った。痛みを残し、未だ一人前の右足には戻りきっていないものの、この世に帰り咲いた再デビューの祝儀、まるで柿落としの様で面白い。水と共に流れ去る右足の垢を眺めながら、ふとその垢の下に生き出している新しい細胞の凄さに目を見張った。その時、体内の血流の音さえ聞こえた気がした。人間は、身心の垢をすり落としながらも尚垢を残し、そしてまた新しく垢を作りながら生きていくものなのだろうなと、思った。そう思うと日頃不潔だと嫌う「垢」にも、愛着や親しみが湧くから不思議なものだ。これを親心ならず「垢心」(さくらの造語)とでも呼ぼうか・・・(笑い)。

ところで、“右足の垢“とは異なる「耳の垢」という、とてもユニークな本を見つけた。著者は、秋田藩士の長山盛晃、彼が耳にした秋田の不思議話や怪奇現象に出遭った時の心得などが収められている。ユニークなのはその内容のみならず、その「耳の垢」全てが、反故紙(一度使用した紙の裏:再生紙)を使用していることだ。これは、江戸時代の当時、秋田藩の財政を考え、経費節減を目的としたリサイクル政策、「反故紙再利用の勧め」によると考えられている。『長山盛晃は、秋田藩から出される大量の反故紙の有効な再利用方法として、自分が見聞きし、後世に残したいと思った興味深い話を「耳の垢」として書きまとめた』(広報あきた2001年12月28日号より)のだろう。本とその内容に貫かれた「再生」という理念が、「耳の垢」をホコリ高きものにしているに違いない。

「今年一年に貯まった不要な垢も流れておくれ」とつぶやきながら、右足の垢を洗い流した。薄くなった日めくりを横目に、垢を落とした自分が心身共に無垢になって再生したい、と願いながら年越しの準備に入る。年の瀬の「垢心」にかけて「赤心(あかごころ・せきしん)」の思いを大切に新しい年を迎えたいものだ・・・っとつぶやくさくらの独り言!
kukimi@ff.iij4u.or.jpbut_up.gif (232 バイト)

 

川 柳 & コント(東京・成近)

( 川 柳 )

万国旗揺れ硝煙のそこかしこ

万感を遺書にひと言ありがとう

十万人ライブ若さというマグマ

荷を曳かぬ馬が華麗に稼ぐ億

しらけた目気にせぬ億の披露宴

( ニュースやぶにらみ )

「推進委員二氏、抗議の辞任」
今度は向こうが抵抗勢力だ −道路族

「空から大量の1ドル札」
   思わず拾った  −サンタクローズ

「行く年来る年」
景気回復は未だ未だだった −未年回顧
人偏に申で景気が伸びる  −申年の夢

(東京・成近) E-mail nakawai@adachi.ne.jpbut_up.gif (232 バイト)
http://www.adachi.ne.jp./users/itsukabz/index.htm

ロスの森田のりえさんから

人生儲けもの
                                  
 シェラ・ネバダ山脈の麓の道、三九五号線を北に向かっている。
 真っ青な空だ。カリフォルニヤ州を越えネバダ州に入ったころだった。雷鳴のようなエンジン音が後から追ってきたかと思うと、疾風のように、追い越していった。磨きあげたハーレー・ダビッドソンに乗った集団である。ハンドルを握った腕に刺青がのぞく。後でしがみついている女の金髪が風になびく。
 日本なら、さしずめ暴走族と決めつけ眉をひそめられるだろう。しかし、アメリカではバイク同好会があり、あらゆる職種の人たちが社会的な肩書きにとらわれることなく、スポーツとして愉しんでいる。そう教えてくれたのはK子である。K子のご主人トムは根っからのバイク愛好家だ。澄んだ星空が見える田舎で、自分のしたいことをするため、二十年前にロサンゼルス市からネバダ州のリノ市郊外に引っ越してきた。
 トムがバイクに興味を持ったのは十四歳の時だった。スピードがあって面白い。砂漠だろうが雪道だろうが自由自在。トム少年はバイクが欲しくてたまらない。新聞配達にゴルフのキャディ、本屋の店員などをして百ドル稼ぎ、友だちから中古のハーレーを買った。仮免許まであと一年。トムの両親は反対するより、自己責任についてきっちりと教えたそうだ。十五で仮免をとり、母親に頼んで後に乗ってもらい走り回っていたが、いつもという訳にはいかない。何度もポリスに捕まった。ついにトムはポリスから厳しい苦言をもらってしまった。
「こんど捕まえたら、親をブタ箱に入れるぞ!」
トムは自分の将来について考えた。趣味を優先させる生き方はないものだろうかと。機械いじりの好きなトム少年は、学校を出るとコンピュター技師になった。生活のために仕事は重要だけれども、人生をたった一つの視点でしかみられないのはつまらない。トムは、自分の趣味に合う友を求めた。いわゆる『自尊好縁』である。
 リノ市郊外のK子の家に着くと「オレのガレージを見てくれ」といわんばかりに、トムは裏庭の建物に案内してくれた。整備された工具類に工作機械。まるで修理工場のようだった。埃をかぶった数十台のバイクはトムの歴史でもあろう。修理は無論のこと、部品も自分で作る。
「バイク・スポーツの醍醐味はここなんだよ」
 トムはそういって、いたずらっぽい仕草でウインクした。
「バイク屋ができそうね」
 私がいうと、
「趣味を金儲けにはしないそうよ。愉しみがなくなるから。トムったらね、何でも中古を買って直すの。毎日コツコツやってるわ。夕方になると裏木戸からすーっと出て、仲間が集まる酒場へ行くの。だから、私はいつも独りぼっち。もう慣れたわ」
 K子はそういって笑っていた。
「バイクであちこち旅行したわよ。一番印象に残っているのは、南アメリカの最南端の街『ウシュワ』。南極リサーチの船が世界中から集まっている港街なんだけど、夜は十一時ごろまで明るくて、空気が澄んでるの」
 K子は過ぎた日々を懐かしむような視線をした。
「レースに出場してたくさんトロフィをもらったけど、その中でも、男女ダブルスの砂漠レースで二位になったときのトロフィは宝物よ。難しい急な坂を、私はバイクから下りて這うようにして登ったわ。トムは坂の上で『早く、早く』と急がせるし、その後の一週間は身動きできないほど痛かった。でも、いい思い出。私たち、人が真似できないことをたくさんしたから、思い残すことないわ」
 大きく息を吸いこんで、K子は話をつづけた。
「トムはね。三十四歳でパイパス手術をし、医者から半年の命だと宣告されたの。それから、禁煙、禁酒、食事療法、規則的な運動。身体にいいということは全部やったわ。その後に頸動脈と膝の手術を二回、もう満身創痍。トムはいつも言うの『オレはラッキーだ。いまの人生は儲けもの』だって。若者のようなトキメキを大切に持ち続けているのよ」
 無理をしているような様子はどこにもない。自然なふるまい。私は、K子夫婦のユニークな生き方に好感をいだいたのであった。

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休み中にPCをアップグレードしようと思っています。雑貨屋の発行に支障をきたさないように注意してやります。
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Zakkaya Weekly No.398

雑貨屋 店主 大西良衛  but_up.gif (232 バイト) zakkaya@news.email.ne.jp