Zakkaya Weekly No.350
祝350号
Ryo Onishi                                        
1/26/2003

雑貨屋のひとり言 戦争は始まっている? さくらの独り言 川 柳 & コント バックナンバー
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今週号は、区切りのいい350号です。2002年2月10日に発行した300号からあっという間の1年(50週間)でした。月日の経つのは・・・。この雑貨屋ウィークリーを編集するたびに、サウスベイやトロントのことを思い出します。そして雑貨屋にかかわってくださっているレギュラー執筆者のみなさん、読者のみなさんのことを思い出しながら。お陰様で、雑貨屋は元気です。これからも末永くよろしくお願いします。
(R.O.)

先日(1月17日)、我が夫婦は「ロサンゼルス周辺の観光スポット」取材のため、ロサンゼルスの南110マイル、メキシコ国境に近いサン・ディエゴ(San Diego)へ行きました。

サン・ディエゴは米国でも6番目の人口を有する大都市でありながら、風光明媚な港町であり、見どころも多く毎年、国内外から二千万人を遥かに超える観光客が訪れるところです。

中でも、眼下に港と太平洋、港の向こうにダウンタウンの高層ビル群を一望できるポイント・ロマ(Point Loma)のカブリヨ公園(Cabrillo National Monument)の高台からの眺望はまさに値千金と言えるところです。

また、ここサン・ディエゴは米国西海岸最大の海軍と海兵隊の基地でもあり、太平洋艦隊の本部が置かれているところでもあります。
 
私たちが昼過ぎにカブリヨ公園に到着した時、ビジター・センターからの拡声器によるアナウンスが流れていました。

アナウンスを注意深く聞いていなかったため、一部を聞き漏らしましたが、アナウンスは「今、ここの展望台の下をLSDの“S.S. パール・ハーバー”が出航して通過しています」と言ったような趣旨のものでした。

早速、私たちも展望台へ急ぎました。すぐ眼下を先導船と数艘の小船群にとり囲まれた大きな灰色の軍用艦が港内から外海に向ってゆっくりと航行しているところでした。展望台には既に数十人の人々が集まっていました。

見物人の群れから少し離れたところに水玉模様のスカート姿の若い女性が一人立っていました。彼女はハイヒールの靴を脱ぎ捨て、ストッキングの足のまゝ展望台の縁に登り、また時には地面に降り、前を通過している艦に向って、手を思いきり高くかざして振り続けているのです。

“LSD、パール・ハーバー”という軍用艦について私は帰宅後インターネットで調べてみて、次のことがわかりました。

LSD とは、「Dock Landing Ship」のことで、日本語では「ドック型揚陸艦」と言い、敵前上陸などを敢行する時に小型上陸用舟艇や兵員、武器、資材などを艦内に搭載し運ぶドック型の揚陸艦のことであり、“ パール・ハーバー”はサン・ディエゴを母港とするLSD(#52)なのだということです。確かに、私達が見た軍用艦の船首には“52”の数字が大きく書かれていました。

私達はビジター・センターのアナウンスでは聞き漏らしましたが、多分この“パール・ハーバー”という揚陸艦はイラクとの戦争に備え、中東ペルシャ湾へ向っての出航(と言うより出撃)だと想像できました。

後に私からメールを受けた日本の知人から、NHKのニュースでも、揚陸艦『パールハーバー』の、出航風景は放映されたとの知らせがあり、間違いなかったことがわかりました。

このところ、当地米国のテレビ、新聞では毎日のように対イラク攻撃に備え、中東に派遣される兵士の姿が報道されています。私たちがサン・ディエゴへ出かけたこの日だけでも、この軍港から艦艇7艘と海兵隊員一万人がペルシャ湾に向け出航したと新聞が報じていました。

この揚陸艦の出航もこの一連の戦争準備行動のひとつであり、私達は偶然、それを高台の展望台から見たことになります。

カブリヨ公園の展望台で手を振って『パール・ハーバー』を見送っていた女性は多分、愛する夫か恋人の出征を見送りに来たのでしょう。愛する人が乗船している艦が真下を通過している時はもちろん、艦が米粒ほどの大きさになっても手を振り続けていました。彼女が左手に握りしめていたハンカチが印象的でした。きっと、艦上でも彼女を想いながら手を振っていた人がいたに違いありません。

彼女は30分以上も振り続けていたでしょうか。手を振っている間、一切無言でした。しかし、心の中の悲痛な叫び声は私達にもじゅうぶん聞こえました。―― “死なないで!、お願い、無事帰ってきて!”
 
レジャー・ボートやヨットを操り、平和を満喫している若者達で賑わう同じハーバーの中を、戦うために兵士や資材を乗せて粛々と進む軍用艦の姿。そしていつまでも手を振っている若い女性。これをどう見たら良いのでしょうか。

 米国の国益、立場はともかく、なぜ米国は遠い中東まで出かけて戦争準備をしなければならないのだろう。ふと、そんな疑問も感じさせる強烈な印象を与える風景でした。

帰りの車の中で、私の妻が独り言のようにつぶやくのが聞こえました。「この国と、この国の人にとって、戦争は既に始まっているのね!」
河合将介( skawai@earthlink.net )but_up.gif (232 バイト)

さくらの独り言いい男

今週、三人の「いい男」に出会った。出会ったといっても、それぞれとは10年来の交流があるのだから、久しぶりに会ったという方が正しい。それぞれと知合った時から、人間的に魅力があり素敵な人だと想ってはいたが、「いい男」になったなぁ、と、マジマジと感じたのは今回が初めてだった。私は瞳をクルクルにしてマジマジと彼(ら)を見つめた。そして彼(ら)から躍動する何かと真底なる平安が伝わってくることに気づいた。それぞれから伝わってきたことをあえて一言で表現するならば、彼(ら)は「今の自分(人生)を本当に楽しんでいる」ということかもしれない。

15年前に知合ったK.Tさんは、今年55歳。社長就任後12年が過ぎた。私がゴルフを始めるきっかけを作ってくれた「義理」の人である。ここ数年私たちが会う度ごとに、経営に関する話で盛り上がる。「社長業」をやっと楽しんでいる彼に「戦いと成熟」を学ぶ。遠くにいても近くに居ても彼の傍に私が居る、幸いと想う。世界的に有名なベアリング会社社長室長を昨年隠退したO.Mさん、今年63歳。弁慶に劣らぬ凛々しい眉の持ち主。やっと「引退後」の生活を楽しみ始めている彼に「戦いと休息」を学ぶ。社会的地位が変わっても、変わらぬ距離・関係/存在を幸いと感謝する。そしてP.Y、45歳。会長就任後半年が過ぎた。私の日本着任を創った「カリスマ」の人である。ひと月ぶりに、日本オフィスで会った。かけてもらった「おぉ〜元気?」の一声に、疲れた心身が癒される。「この人がここに居る限り!」と、仕事人の自分が熱くなる。「戦いと戦友」を学ぶ。

「いい男」定義には、色々あるだろう。同性異性や仕事・その位置関係の違いによって視点もスケールも違うだろう。しかし、共通の何かが「いい男」にあると思うのは、私だけだろうか。この三人の「いい男」における共通点をあげてみる。まず、「個性的」な顔・身なりをしている。彼らは顔やスタイルが決していいとはいえないが、その容姿に独特の雰囲気を持っている。ゆえに説得力があり、意思表示と同時にこだわりの意義を感じとれる。第二に、「喜怒哀楽」が美しい(喜楽だけでなく怒哀もある)。喜怒哀楽を隠せず、その上好き嫌いも激しいが、道の曲がったことはできない。だから大切にするものは、時を経てもどんな状況でも変わらない。第三に、戦う者としての孤立と孤独の違いを熟知している。それは自分の世界を持ち、孤独を味わう能力を持っているので、自分を深め極める味がある。第四に、「ロマン」は持っているが現実からの出発をしている。つまり理想からの出発をしていないので、それらのギャップがないため、不平不満が少ない。だから、ロマンがロマンになるのである。第五に、それなりの修羅場をリーダーとしてくぐってきているため、戦友も多い。ゆえに「ありがとう」(感謝)の数が多い。さらに、一番身近な人から大切なことを「聴く姿勢」を持っているので、家庭・家族を大切にしている。だから他人が大切にしているもの(こと)の意味をよく理解してくれる。そして最後に、何よりも、どこにどのように生まれ育ち、何ゆえ今があって、それがいかようであろうとも、「自分(命・人生)を楽しんでいる」ということだ。

「いい男」というその人たちに、男性的魅力を女性として感じるかと問われると、それはノーコメント。だって、「いい男」と書いて「いいオトコ」とは限らず、「いいヒト」と読むのかもしれない。だから、プロジェクト協業でも、もしくはその合間に、彼(ら)のような「いい男」を見つめる機会が与えられると、「私も男に生まれてきたかった」と神や親を恨はする。また「いい男」に出会うと、自分が「いい女」でない事実も知らされる。しかし同時に、「いい男」に出会う(再会する)たび、何か一つ自分のなかで燃える、もしくは育まれるなにかがあり、「いい女」になりたいと淡い願いを自分に問う、つまり「今の自分(人生)を喜び楽しむ」ことから出発するのである、と、喜びいっぱいさくらの独り言!
sakuratsubomi@earthlink.netbut_up.gif (232 バイト)

川 柳 & コント(東京・成近)


( 川 柳 )

不器用な汗がしてきた回り道

ボロボロの地図十字路でまだ迷い

賞味期限切れのコントを持ち歩く

ヤジロベーなれど軸足まで売らず

ラストチャンスに補聴器が疼く

( ニュースやぶにらみ )

「大寒」
一年中   −景気

「両国界隈」
ジンギスカン鍋もあります −ちゃんこ料理店

「思惑の握手」
右手と左手とで  −自民候補、連合

(東京・成近) E-mail 
nakawai@adachi.ne.jp
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http://www.adachi.ne.jp./users/itsukabz/index.htm

あっこのおいしいロサンゼルス

レストラン案内
「しぶ長」―― 移転して再び、ベテランの味
590 West. 19th St.,Costa Mesa CA 92627949・642・2677
月・祭日休み  ランチ 水−金  12:00pm〜2:00pm 
ディナー 火−金6:00pm〜10:00pm  土・日5:30pm〜9:30pm

カウンター越しに見える包丁さばき。その正確な動きを目で追うだけで時間が過ぎていく。同時にそれがどんな寿司になって、どんな味になるのか、十分に期待させてくれる時間でもある。そしてその期待が裏切られることは無い。待つ時間イコール楽しみな時間にしてくれる寿司屋、それが「しぶ長」だ。

ロサンゼルスの日本人町、リトル東京で17年間営業の後、2年間の休息を経て、今年7月にオレンジ郡コスタメサに移転オープン。あの味をまた食べたいと、かつての常連達もはるばるやってくるという。

オーナーの渋谷さんは板前歴46年の大ベテラン。日本でのきびしい修業後、71年に渡米、それ以降のロサンゼルスの寿司の歴史を見つめてきた1人。「最近流行の凝った寿司は出来ないんですよ。」という言葉に、寿司一筋に生きてきた職人気質がうかがえる。一番動きやすいという下駄の音も心地良い。

メニューは江戸前の握りが中心。新鮮な寿司ネタは第一条件だが、その処理の仕方もネタによって随分違う。タイは皮付きのまま軽く塩を振ってさっと湯引きする。そうすると生で食べる以上の味わいが出てくる。また穴子はタレで食べることが多いが、ここでは藻塩(海藻を使った古代の製塩法)で食べる。穴子本来のうまみが引き出されて一味違う。

寿司のネタはもとより、もっとも気を遣うのがシャリ、つまり寿司飯。同じ銘柄の米でも収穫時期や場所によって出来が違うこともあり、そのときは納得のいく米に変えるという。握りの大きさや硬さもお客によって好みが違い、またその人のお腹の空き具合によっても違う。お客を見てタイミングよく出す、これも熟練した職人技の一つと言えようか。

メニューはマグロ、ハマチ、タイ、穴子、ウニ、イクラ(各2個3.00〜3.40)などのアラカルトはもちろんおいしいが、特におすすめなのがコンビネーション。その日のネタにより握りと巻物を組み合わせてくれる。内容的にも値段以上にお得である。ディナータイムでコンビネーション(9.50)、デラックス(12.50)、ちらし(9.95)、デラックスちらし(12.50)。他にバッテラ(6.50)、鉄火丼(12.00)もある。ランチタイムではいずれも1ドル〜2ドル安め。

さっか あきこ akikosk@webjapan.combut_up.gif (232 バイト)

編集後記

先週水曜日、突然愛用のパソコンが立ち上がらなくなりました。
カチャカチャと音がして40MBのハードディスクが壊れたのです。このハードディスク、半年ほど前から変な音がしてあやしい兆候がありました。このハードディスクをデータ保存専用にし、購入した80MBのハードディスクをメインにしていたので、最悪の事態は免れましたが、かなりのデータがパーになりました。バックアップを奨めていた私が、トラぶってしまいました。本当に大事なデータはやはりバックアップを取るべきだと改めて思いました。
1枚50円のCDRで650ー700MBのデータが保存できるのですから、これからは定期的にデータ保存しようと思います。
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http://www.ne.jp/asahi/zakkaya/weekly/zwback.htm

Zakkaya Weekly No.350

雑貨屋 店主 大西良衛  gp-bmail.gif (1852 バイト) zakkaya@news.email.ne.jp

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