龍翁余話(655)「新型コロナウイルス接触確認アプリ“COCOA”」
昨年12月上旬に中国・武漢で発生した“新型コロナウイルス騒動”は1年の間で世界中を“コロナ禍”に巻き込んだ。現在、世界には249の国や地域がある。そのうち“コロナ禍”は220の国・地域に拡大、まさに“世界コロナ戦争”の様相を呈している。厚労省が発表した12月4日現在の全世界の感染者は6,522万557人、死者150万6251人。うちアメリカは感染者13,921,374人・死者273,799人、インドは感染者9,534,964人・死者138,648人、ブラジルは感染者6,446,650人・死者174,515人、以下、ロシア、フランス、メキシコ、スペイン、イギリス、イタリアと続く。日本では(12月4日現在)感染者156,215人・死者2,264人(チャーター機・クルーズ船を含む)。(註:数字は日々増加の傾向にある。)
「中国共産党の不手際と隠ぺい工作が世界中を“コロナ禍”に陥れた」(米中安全保障調査委員会の談話)、その中国の感染者数、死者数はどうだろうか。とかく“自慢話”は2倍、“不利な話”は半分以下で発表する中国だからあまり信用出来ないが、最近、中国の保健当局が発表した数字は、中国全土で感染者86,567人・死者4634人。(実数はその数倍?)
振り返れば、新型コロナウイルス感染騒動が始まって以来、小欄(『龍翁余話』)では毎号のように“コロナ禍”(関連情報)を取り上げて来た。その中で翁自身の“コロナ禍による生活行動や心の持ち方への影響”を述べて来た。八十路を迎えてからは常に“死”と向き合う心づもりは出来ているが、“コロナ野郎に殺されるのはご免だ”とばかり、可能な限りの自己防衛(予防)に努めている。自分でやること、それは「三密回避」、「マスク・うがい・手(指先)洗い・咳エチケット」、「身辺衛生(除菌・消毒)の徹底」、「外出自粛」など。それらのことは今では何の抵抗もなく、ごく自然に出来ている。だから(原則的には「外出自粛」だが心身健康保持のため)たまに散歩や買い物にも出るしゴルフにも行く。勿論、それなりの対処法を整えてのことだが――けっして“コロナ恐怖”が薄らいでいる訳ではない。いや、恐怖心は常に付きまとう。だから対処に関する情報は素直に聴き入れることにしている。その1つが『新型コロナウイルス接触アプリ“COCOA”』だ。
先日、親友から『COCOA』を勧められて、早速、翁のスマホ(携帯電話)にインストールした(取り込んだ)。『COCOA』とは、自分が知らない間に新型コロナウイルス感染者との接触を知ることが出来るアプリ(正式名称“COVID-19
Contact-Confirming
Application”)のことで今年6月20日に厚労省が発表した(以下、『COCOA』と記す)。もう半年も経ったので多くの人が知っていると思うが、知っている割には利用者が少ないようだ(認知率80%、利用率15%)。翁も”面倒くさい“、“たいして役には立つまい”とタカをくくっていたので、その存在すら忘れていたのだが、先日、親友から強く勧められて詳しく調べてみたら、これは“身の安全”を確認する上では“安心出来るアプリ”かも知れないと思って早速インストールした。そこで今号に“にわか知識”(概要)を披露したくて取り上げた次第。スマホをやっていない人には関係ない話かも知れないが・・・
前述の通り『COCOA』は、自分が知らないうちにコロナ感染“陽性者”と接触していた可能性がある場合、このアプリから通知が送られてくる。「陽性者との接触あり」の通知が送られてきた際には、自分の症状や周囲の人の状態を入力すると検査の受診などが案内される。つまり、このアプリを利用することで“陽性者”との接触があったことが直ぐに分かり、保健所や医療機関のサポートを早く受けるための方法が示される。
その仕組みは実にシンプルだ。スマホに『COCOA』をインストールした者同士が1m以内、15分以上接触すると、(前述のように)「陽性者との接触あり」がアプリに自動的に記録される。その際、アプリにその旨を報告(管理者の厚労省へ送信)すると、その人が過去に接触した人全員に注意を促す通知が送られ、陽性反応が出た人が取るべき適切な行動が指示される。問題は、このメリットが効力を発揮するのは“『COCOA』をインストールした者同士に限られる”と言う点だ。しかし出会う人に、いちいち「あなたはスマホに『COCOA』をインストールしていますか?」と訊く訳にはいかない。だから本当に『COCOA』を有効に機能させるにはスマホ所有者の大多数が登録する必要がある。ちなみにドコモの調査による「スマホ普及率」を見ると、15歳台から60歳台までは90%以上、70歳以上の高齢者でも50%を超えている(男性56.2%、女性53.4)。厚労省では「これらスマホ所有者の、せめて6割が『COCOA』に登録してくれれば、陽性であった場合の情報を早く正しく入手することで国民全体の感染拡大防止が期待出来る」と訴えている。
翁が『COCOA』アプリをインストールした理由は、“知らないうちに感染しているのではないか”という不安を解消したいのと、もう1つ、このアプリで陽性者との接触の可能性が確認された、との通知を受けた場合、「受診・相談センターに相談の上で“要検査”と判定されたら費用は無料でPCRなどの検査を受けることが出来る」と言う点だ。これはかなり魅力的なメリットだ。(但し医療機関における“初診料”は必要。)
さて、コロナに振り回された2020年もあと3週間あまり。例年だと忘年会、クリスマス、スポーツ・音楽・芸能などの各種イベントで賑わう12月だが、どっこい、今年は“自粛・中止”が叫ばれ“静かな師走”(不景気な歳末)になりそうだ。コロナ感染拡大傾向が著しくなっている昨今、それもやむを得まい。したがって我々がやるべきことは「うつさない、うつされない」――すなわち“三密回避”(特に密なる接触)、“マスク・うがい・手(指先)洗い・咳エチケット”、“身辺衛生(除菌・消毒)の徹底”、“外出自粛”の励行だ。その上で安心ツールの1つ『COCOA』登録を考えたらどうだろうか。翁が『COCOA』登録して2週間経った。外出ごとにチェックしているが幸いに「陽性者との接触は確認されていません」――ずっと、そうでありたい・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。 |