秋の味覚
久しぶりにサウスベイに青空が戻った。ふと気が付くと庭に少し色が付いた柿の実が落ちていた。柿の木の上の方で熟した実を鳥がつついて落としたのだろう。
もう、そんな季節になったのだな〜とコロナ騒ぎの中でも自然が知らせてくれた。
クライアントさんの家の庭でもザクロやイチジクの実が生り始めている。
昨日、カナダの娘さんを訪ねて滞在している友人から“松茸をGet!”というメールと写真が送られてきた。裏庭で散策をしていたら松茸を見つけたのだそうだ。現在ユタに在住している友人はユタでも2つのマシュルームクラブに所属し今回ユタで購入したキノコの参考書も持参してきた。広島生まれの彼女は昔、お爺さんに連れられて子供の頃に松茸を山に取に行き食べられる野草も教えてもらっていたそうだ。ご両親も草花が好きで、その影響で彼女も植物に詳しい。たった5分ぐらいの間に大きな松茸を16本も採取出来たと大喜びだった。カナダの片田舎でこんな食材に出会った事に興奮気味だった。日本にいる弟さんとユタのマシュルームクラブ2個所に自分のとった松茸の写真を送り鑑定依頼を頼んだところ早速、弟さんから連絡があったそうだ。
知り合いで松茸の輸入をしている人にも見てもらったところ松茸の確立は高いそうだったらしい。ところが米国育ちの娘さんとカナダ育ちの旦那様からしたら松茸の匂いも初めてらしく臭いと一蹴されたらしい。まして日本料理を知らない人からすると旬の季節だけに食べられる高級な松茸の価値などわかるはずもない。娘さんたちからすると強烈な匂いを放す松茸は毒キノコとしか思えないらしく、けして食べてくれるなと言われたそうだ。仕方なくキッチンにも持ち込む事が出来ず自分のいるベースメントの部屋に保存したそうだ。生まれて間もない赤ちゃんもいるので神経質になっているらしい。昨日、スカイプでその松茸の大きさを見せてくれた。目の前にこんな大きな松茸があってその匂いが松茸ご飯や土瓶蒸しを彷彿させてたまらないと言っていた。お預けを食らった彼女は、ここでは食べられないから乾燥させてでも持ち帰りたいと言っていた。彼女の話には、おまけ付く。何と娘さんから昨晩、もしも、こっそりお母さんがキノコを食べて死ぬような事があったら困るので遺言状まで書かされたのだそうだ。急に死んでも困るのでどこに何があるのか困らないように書いておいてくれと書類を作って渡されたと言うのだ。そのフォームには彼女の情報を書き入れる所があって、びっくりしたらしい。食文化の違いは大きい。日本で育って日本食を楽しんできた友人にとっては、さぞかしジレンマだろう、、、、
家の庭の柿の実は、まだ殆ど色が付いていない。来週はインディアンサマーが来るらしい。もう一度、LAも暑い日が一週間ぐらい続く。そして本格的な秋がやってきて
間もなく、また柿の収穫が始まる。
茶子 スパイス研究家 |