weekly


1270号

No.1270     Ryo Onishi              9/13/2020

 weekly
LAの観光スポット ホームページ バックナンバー
 
雑貨屋のひとり言

とてもショックで悲しいお知らせです。
雑貨屋の創刊当時から(雑貨屋20号から1164号)記事を提供していただき雑貨屋を盛り立ててくれた河合将介さんが亡くなられました。83歳でした。
河合成近さんを通じて体調が悪いことは聞いていましたが、残念なことになりました。
雑貨屋を始めたころ、週一回の発行で困っていたときに河合さんの強力な支援をいただきました。河合さんのバックアップがなかったら雑貨屋はここまで続かなかったと思います。本当に感謝しています。
あとで知ったのですが、河合将介さんは一本指でキーボードを打ち時間をかけて記事を作成されていました。雑貨屋以外にも羅府新報などへの記事などいろいろ執筆されていたので相当な時間をかけておられたんだと感心させられていました。
カラオケにいっしょに行くと新しい歌を上手に歌われているので、いつも驚かされました。努力家でチャレンジ精神のある方でした。
私の心の中には元気な河合将介さんの記憶しかありません。これからもその記憶のままにしておきます。将介さん長いあいだありがとうございます。ゆっくりお休みください。将介さんのご冥福を心からお祈りします。《R.O.》

 

河合将介さんのコーナー 

河合将介さんをしのんで、みなさんからのメッセージを集めて掲載したいと思います。雑貨屋のメールアドレスに送信していただければと思います。
 

 

    

川柳(東京・成近)

 


( 川 柳 )

兄弟7人 櫛の歯みんな欠けちゃった

泣くもんか お前笑顔が好きだった

半生をロスで 江戸っ子のままで  

さあ駆けろ 透析の管もうないぞ

千の風だったか冷やり今朝の風


( ニュースひとりよがり )

「総裁選挙」

三本の矢がまとまらない −安倍首相

「寄り合い所帯」

一党二制度 −新立憲民主党

「両横綱休場」

出場自粛はないよなあ −コロナ

河合成近
nakawai@adachi.ne.jp

http://homepage3.nifty.com/itukabouzu/

龍翁余話

龍翁余話(643)「老人の生き甲斐を考える」

9月15日から21日までは『老人週間』、『老人の日』(現在名称は『敬老の日』)は毎年9月の第3月曜日、今年は21日。ところで翁が“老人”を自覚(自認)するようになったのは、いつ頃からだっただろうか?65歳の高齢期に入ってから博物館・美術館・公園・映画館・イベントホールなどで入場料の割引(場所によっては無料の公立施設)があったり、70歳になるとゴルフ場の利用税(約1,000円)が非課税になったりの特典が得られ、その場では「へー“老人”も悪くないな」と思ったりしたものだが、それでも自分が“老人”であることを(全くと言っていいほど)意識することはなかった(75歳からの後期高齢期に入っても、だ)。ところが傘寿を迎えた途端、急に体力・知力・記憶力の衰えを実感するようになり、やっと「俺も遂に“老人”になったか」を悟るようになった。“コロナ禍”の昨今は、更に更に“老人”を痛感している。

“老人”には、とかく社会的弱者のイメージが付きまとうが、翁には、さほどの悲哀感はない。時々ベランダの植木を見て「あと何年、愛でることが出来るだろうか」とか、街を歩いていて「あと何回、この場所に来ることが出来るだろうか」、そしてゴルフの時「プレー出来るのは、あと1年かな?」と、ちょっと寂しさを感じるくらい。しかし、直ぐに、ほんの少し残されている“未来”に、ほんの少し“希望”を持ち、“生きる意欲”だけは失わないようにしている。たとえ「憎まれっ子、世にはばかる」と言われようと――

“少ししかない未来”であっても、生きる以上は『甲斐』を求めたい。『生き甲斐』とは、(広辞苑によると)「生きる張り合い、生きていてよかったと思える気持ち」と定義されている。では高齢者はどのていど『生き甲斐』を感じているだろうか。数年前に(65歳以上の高齢者を対象に)内閣府が行なった『高齢者の生き甲斐調査』によると「十分感じている」38.5%、「多少感じている」40.7%、「あまり感じていない」16.4%、「全く感じていない」4.4%、このように「生き甲斐を感じている人」(79.2%)が「生き甲斐を感じていない人」(20.8%)を大きく上回っている(男女とも、ほとんど同比率)。では「どんな時に『生き甲斐』を感じるか」の内容を見ると、男性は「趣味などに熱中している時(49%)、「孫たちと家族団らんの時」(40.7%)、「旅行の時」(36.4%)。女性は「孫たちと家族団らんの時」55.4%、「友人と会食や談笑している時」50.9%、「旅行の時」40%。ついでに30年前の平成初期の同種調査結果を調べてみたら「生き甲斐を感じている」「感じていない」の数字(比率)がほとんど変わっていないことに驚く。これらの数字を見る限り「日本は高齢者にとって比較的優しい国」の印象を受ける。

ところが今年に入っての“コロナ禍”で、人々の「生活意識と生活行動」が著しく変わった。高齢者の『生き甲斐』感も変わって来たと思う。翁の周辺の老人たち(特にシニア会のメンバー)の声を聞くと、その変わりようが手に取るように分かる。今まで「趣味を楽しんだり、孫たちとの家族団らん、友人との会食、旅行」などで『生き甲斐』を感じていた老人たちは、昨今の“三密回避”“外出自粛”で、それらの『甲斐』をことごとく奪われた。“心の張り”を失ったばかりでなく“フレイル”の傾向が見られる、と専門家は警告を発している。“フレイル”とは本来“老衰・衰弱・脆弱”を意味し、直接的にはコロナ感染とは関係ないが、昨今の“コロナ禍”による“巣ごもり”“行動の制約”が高齢者の諸臓器の機能を低下させ、健康障害(フレイル)をもたらすケースが多いとのこと。現に、翁のグループ(シニア会)の1人・Kさん「1日中パジャマのまま家の中でゴロゴロ。趣味の将棋や盆栽には全く振り向きもせず、やたらオヤツを欲しがり食事時間は不定期、最近、かかりつけのクリニックで診断を受け、胃薬を常飲するようになった。それに時々、痴呆症を疑わせるような言動を見ることがある」(以上、Kさんの奥さんの話)と言う実例もある。翁も、趣味こそ放棄していないが(Kさんと似たり寄ったり)身なりはあまり構わず、毎日ほとんどパジャマ代わりの短パン・Tシャツ姿、買い物に出る時もそのまま。数日間、髭も剃らず、外出時は帽子・マスク・サングラスで髭面を隠している。テレビを視ながらのイヤシ食いは相変わらで、食事時間もバラバラ。時々(突然)「ウオ―」と奇声を発したり、テレビ画面に向かって「バカタレ!」と怒鳴ったり・・・傍から見ると“痴呆症?”と思われそうなことも。今のところ、自分でも分かっているので大丈夫と思うが・・・

少し本題から外れるが――前述の“フレイル”を予防・改善するにはどうしたらいいだろうか。専門家の話によると、ポイントは4つあるそうだ。「活動量を増やす」――テレビを視ながら(自己流でもいい)軽いストレッチをする、混まない時間帯を見て公園で散歩や体操をする、「バランスのいい食事」――1人暮らし老人は、食事が偏る傾向にあるので、栄養バランスを考えて特にたんぱく質の多い肉や魚を積極的に摂るようにする。(だが翁はあれこれ考えるのも面倒臭くて、どうしてもスーパー弁当やコンビニ弁当に頼りがちになる)。「口腔ケアで嚥下(えんげ)機能の低下を防ぐ」――これはとても大事な問題だ。嚥下機能とは“飲み込む力”のこと。加齢とともに“飲み込む力”が低下すると、食べ物が気管に入って“誤嚥(ごえん)性肺炎”を引き起こす危険性があるとのこと。この「嚥下機能」については改めて別の機会に・・・「孤独を避け社会性を保つ」――翁の場合は長年の独り暮らしに慣れているので“孤独感”はない。現役引退後は社会疎遠であるが、幸いなことに翁はゴルフ仲間やシニアグループの付き合いが継続している分、救われている。

さて――『生き甲斐』は十人十色、人それぞれの思いの中に生まれるもの。分類するとボランティア活動やサークル活動参加による“社会的生き甲斐”と、趣味や信仰による自己充足の“非社会的(個人的)生き甲斐”があるが、『老人の生き甲斐』は自分の能力(体力・知力・経済力など)を勘案して“個人的生き甲斐探求“がいいのではないか、翁はそうしたいと考えている「生きる意欲」を失わずに・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。

 

茶子のスパイス研究

カリフォルニアの青い空が無くなった

先週、クライアントさんのキッチンに行ったらガスストーブの上にフライパンが乗っていてガスの火がつけっぱなしだった。クライアントさんは台所を背中にしてダイニングテーブルに座ってTVを見ていた。山火事のニュースを見ながら“ 火事は怖いね〜”と言った。こっちの方が、もっと怖い、、、と心で思ったけれど彼女がパニックになると困るので黙って火を消した。彼女は少し前の事でも忘れてしまう記憶に問題があるクライアントさんなのだ。それにしても毎年起きている山火事に加え放火もあってサンフランシスコやシアトルはロスアンジェルスよりも酷い事になっている。サウスベイでさえこの山火事の為、灰が車に積もり空は、どんよりとした灰色の雲で覆われて青い空が見えない。もう、青空が見えなくなって一週間ぐらい経つだろうか、、、、

カリフォルニアでは青い空があたりまえになっているのに、こんな天気が続くと気分も晴れないものだ。
おまけに9月に入ってからは記録的な暑さで、このあたりでも40度を超す猛烈な暑さと湿気に見舞われた。サンペドロのハイキング仲間の人は自宅に冷房が無いのでレイバーウィークエンドの日曜日はホテルに避難したと言っていた。どこも人が一杯で3件目のホテルでやっと一つ空きを見つけて非難出来たと言っていた。こんな話は今まで聞いた事が無い。昼間は猛烈に暑くてもレイバーウィークエンドが過ぎてから夜は、だいぶしのぎやすくなった。先週、サンペドロの定例イブニングハイキングでボランティアリーダーを務めてくれているイタリアの90歳になるLさんが今日はサプライズハイキングだと言って自分の兄弟の庭にあるイチジクの木がある所まで案内してくれた。そこでイチジクをもいで食べ、たわわに実っているイチジクをお土産に持たせてくれた。その後でサンペドロの丘から夜景の見えるクラブに皆を案内してくれた。Lさんは、そのクラブでは、もう50年以上メンバーになっているので誰もが彼の事を知っていた。時々ハイキングの合間に一杯好きなドリンクを皆に振舞ってくれるLさんは“皆が喜んでくれる事が自分を幸せにしてくれる、あの世に金は持って行かれないのだから”と言った。久しぶりにシャンペンを飲みながらサンペドロの夜景を楽しんだ。いつもは地上の光も空の星ももっとクリアーに見えるのだけれど今回は薄ぼんやりしていた。今の所、カリフォルニアの山は、どこも危なくてキャンプは当分行けそうもない。この様子だと秋のキャンプもお預けになりそうだ、、、

茶子 スパイス研究家

 

さくらの独り言

さくらの独り言「じゃぁ、また(ね)!」

人と交信する手紙、e-mail、LINEや電話の最後に、また人と会った別れ際に、そして、誰かが永遠の旅立ちをする時に、私は「じゃあ、また(ね)!」と書いたり言ったりする。“又、いつか”を安易に当てた言葉でなく、「必ずまみえる時がある」と信じる私の、祈りのおまじないの、ことば。目の前に居たその人や自分が、振り返ったその瞬間、この世での『また』という機会がないかもしれない・・・それが私達の生。だからこそ、必ず会えると信じることにしている、地球上のどこかで、そして遠く空の上、神様の御前で。

“天命”とは、よく耳にする“天から授かる命や定め”だが、もっと深い意味があると学んだことがある、もう40年も前。『天命とは、自分は何ができるか、何を達成するかという視点の“ライフサイクル”から、何に聴き、何に従えば自分の人生を全うするのかという視点の“ソウルサイクル”へパラダイムシフトすること』だったと記憶する。それは、「どこから来て、何者として何処へ行くのか」を人が求めつづけるからだというアイディンティティの定義だった。つまり、自分の人生における出会いの連鎖、向い合うもの、人との出会い、自然界との出会い、宇宙的な存在との出会いとを通して、人は自分を図り続けるからだという。要するに「天命を知る」というのは、自分の限界認識を出発点として、人間存在・自分存在の根源を知ろうと求め、人生の意味と価値を図ろうとすることなのだろうと、私は理解した、当時20歳。

ところで、高校の漢文の授業で学んだ孔子の教え『15にして学を志し、30にして志をたてる、40にして惑わず、50にして天命を知る、60にして耳順、70にして矩(のり)をこえず』。15歳のあの頃、全く理解できなかったこの論語の教義、今も全く理解できはていない。でも、還暦、60歳を迎えた今年、不思議となんとな〜く、自分の生きてきた線が、ライフサイクルとソウルサイクルの二つを一つにした図を描いているように思える。つまり、人としてこの世に生まれ生活してきた自分のライフサイクルの成長も衰退も、それを支える原動力だったソウルサイクルも、同じひとつの方向に向かい、いつかそれはひとつになる。いや、この世に生まれ落ちた点に戻る、「天命」という感じかな。

なんと、この雑貨屋にお世話になって、22年の歳月が過ぎた。ここで出会ったお一人おひとり、そこで繋がった方々は、かけがえのない財産、まるで“雑貨屋学苑”の校長先生や教頭先生みたいだ。夫々が天職と信じ全とうした職を退き、第二、第三の様々な人生を地道に、しかも大胆に歩まれている。How to doより 、How to beが彼らの中に美しく存在している。何よりも自分や人の「生」に感謝と喜びを持っている。まさに「天命を知る」方々だ。こんな人生の先輩と出会いの場雑貨屋は、財宝がいっぱい貯まった心の玉手箱。感謝だわ。さて次回は、そんな先輩たちとの想い出に触れたいと思っている。今夜は“じゃあ、またね!”と言って別れた先輩たちに乾杯して・・・っと呟く、さくらの独り言。

 

ジャズライフ−今週のお奨めアルバム

今週の雑貨屋は残念なニュースで複雑な気持ちです。ジャズを探したのですが、なかなか集中できません。河合将介さんをしのんで静かにジャズを聴きたいと思います。

"Tenderly" George Shearing   

01-Tenderly
02-Wake Up and Live
03-Porgy and Bess
04-Easy to Love


ジャズアルバムの紹介リスト
http://www.zakkayanews.com/jazzlist.htm  
《R.O.》

 

編集後記

雑貨屋の創刊号から最新号まですべてご覧になれます。河合将介さんが記事として投稿してくれたのは20号からです。時間があれば読んでみてください。残念ながら19号だけが見当たりません。何度かPCのダウンに見舞われその時にファイルを失ったのだと思います。バックナンバーをとっていて良かったと思います。
http://www.zakkayanews.com/zwback.htm

河合将介さんの特集をやりたいと思います。みなさんのメッセージをお寄せください。

雑貨屋ウィークリーをスマホでお読みになる方は右のQRコードをコードリーダーで読み取ってください。
ホームページが出てきますので最新版をクリックしてください。
QRコードリーダーはアプリにありますのでダウンロードしてください。

雑貨屋ニュースレターのバックナンバーは下記のURLでご覧いただけます。

http://www.zakkayanews.com/zwback.htm

Zakkaya Weekly No.1270

雑貨屋 店主 大西良衛   http://www.zakkayanews.com/indexY.htm

              tenshu@zakkayanews.com