庭のある風景2
昨年、たくさんの実を付けてくれた柿の木。欲張って採りすぎたので今年は実が少ないかもしれない、、、、でも、ちゃんとお礼と感謝の念を込めて柿の木にお願いしておいた。“貴方から収穫された柿の実はたくさんの人を喜ばせてくれました。また、来年もお願いしますね“と心の中で呟きながら柿の幹に手をあてた。柿の実を採り終えて少し経つと葉はオレンジ色に染まり枯れてハラハラと地面に落ちていった。だんだん枯れ枝だけになって見通しが良くなった柿の下で空を見上げたら夕焼け空が綺麗だった。ある日枯れ枝に新芽が出始めたのに気が付いた。時は春、あっという間に新緑の緑は柿の枝を覆い始め空が見えないくらい柿の葉で覆われた。先日、花を摘みに庭に出て柿の木を見たら、いつの間にか小さい緑の柿の実が実っていた。目を凝らして見るとすでにたくさんの実が生っている。今年も夏を越して秋になったらいよいよ、その実は大きく赤く成長する気配だ。春のフリージアから始まってカメリア、マグノリア、リンゴの花、レモンの花、ネギ坊主の花、名前はわからないけれど様々な花が庭に咲き始めた。そんな、ある日、庭の隅に死んだようなサボテンの葉から艶やかな真っ赤な大輪の花が咲いた。
庭の主は、こんな花が咲いたのは見た事が無いと言った。その華やかさは3日ほどしか持たない。全身全霊をかけて力いっぱい咲いた後はしおれてうなだれている。ただ、次から次に花が咲くのでしばらくは、楽しめる。今年は外出制限もあるので庭に食べられるものを植えてみようと私もチャレンジしてみた。だいぶ種を蒔いたけれど残っていた種が古かったのか芽が出てきたのは、ほんの少しだけ。それでもズッキーニとグリーンビーンズの芽はグングン成長している。先週は残っている箱庭の方にも頂いたラッキョウを植えてみた。見るだけでなく食べる楽しみもあると励みになる。
毎日目まぐるしく世の中が変化している中で、毎日変化している庭の景色を見る事は楽しく心が癒される。
茶子 スパイス研究家 |