里芋
お正月のシーズンになると米国に住む日系人の人達は今の日本人以上にお正月料理をしっかり作る人が多い。私の知る日系人ファミリーは、少なくとも、お雑煮や煮物ぐらいは毎年、用意する。その時に登場するのが里芋。こちらではタロ芋とも呼ばれている。
知り合いの日系人でこの里芋に、とてもこだわっている人がいる。何故なら病気をしてからこの里芋の持つ成分がとても彼の回復を助けたという事なのだ。
里芋の栄養価を調べてみるとカリウムやガラクタン、ムチン、B6、モリブデンなどの栄養価があって素晴らしい食品なのだ。
美味しい日本産もしくは米国産の里芋が食べたくて探していたら、ある時、スプラウトマーケットでコスタリカ産の里芋を見つけた。試しに買ってみたら自然な甘さがあり美味だった。ただ里芋の入荷は不定期で、最近は殆ど見かけない。里芋のルーツは東アジアで日本には縄文時代の頃から食べられていたそうだ。そんな里芋はアメリカではあまり知られていない類の芋だろうし、どうやって料理するかも知らないのだろう。だから店で仕入れても、あまり買う人は多くないのだろうと思う。
里芋にこだわっている、その友人は昔グロッサリーストアーを経営していた事がある。その彼が中国産の野菜だけは絶対買わないと避けている。
ただ、残念な事に、こちらLAの日系マーケットで売られている里芋の殆どが中国産なのだ。以前、米国産の里芋も見かけたけれどあまり質の良くないものだった。ラッキーな事に私の場合は食材をいつも様々なマーケットで見るチャンスがあるので、どのマーケットにどこ産の何が売っていて、どこのものが美味しいとか比較する事が出来る。最近、PVにあるラルフマーケットで、またコスタリカ産の里芋を見つけた。手に取ってみると土地が肥沃なのか丸まるとして元気そうに育った里芋だった。早速スチームして皮をむいて一口そのままで食べたら自然な甘みがあってホクホクしてとても美味しかった。
里芋にこだわっている友人に連絡をしたら、すぐにメールの返信があった。
何の味付けをしなくても、少しだけパラリと塩をふってもいい。私は柚子味噌を出来立ての里芋に付けて食べてみた。薄く切って片栗粉を付けてフライにしても美味しいらしい。
昔からおめでたい時に料理され郷土料理としても愛されてきたらしい。
実りの季節、収穫の季節の秋。暑かった夏も終わり来週末は秋たけなわの日本へ出発だ。
茶子 スパイス研究家 |