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1179号

No.1179     Ryo Onishi              12/16/2018

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雑貨屋のひとり言

先週はソフトバンクのPayPay100億円キャンペーンが話題になっていました。スマホのアプリPayPayで決済をすれば買い物した金額の20パーセントが還元される(ただし50000円が上限)キャンペーンは開始からわずか10日で終了しました。このキャンペーンを知って高価なものをPayPayで購入した人は大変ラッキーでしたね。キャッシュレスが遅れている日本ですがキャッシュレス決済が広がることに期待したいと思います。もちろん安全に。≪R.O≫

 

河合将介さんのコーナー 

休止中です。

河合 将介( skawai@earthlink.net )

 

    

川柳(東京・成近)

 


( 川 柳 )


設計図描いて終わった古机

無位無官です自己流の名取です

起承転転五コマ目が付け足され

晩鐘に諸行有情と励まされ

要介護付かぬ長生きが褒美



( ニュースひとりよがり )


「今年の漢字は『災』」
そだねー −日本列島

「最年少・最速100勝」
藤井 半端ないって −将棋連盟

「元貴乃花親方職金満額」
それだけなの? −ゴーン前会長


河合成近
nakawai@adachi.ne.jp

http://homepage3.nifty.com/itukabouzu/

龍翁余話

龍翁余話(552)「田道間守(たじまもり)の歌」

年の瀬だと言うのに、今号は時期性も公共性もない極個人的な単なる“つぶやき”である――どういうわけか最近、やたら1つの歌ばかりを口ずさむようになった。しかも、長い間、ついぞ歌ったことのない、と言うか、ほとんど記憶にもなかった歌、それが突然、口をついて出るようになった。しかも(不思議なことに)哀愁を帯びたメロディと1番・2番の歌詞とも、ほぼ間違いなく歌えるのだ。その歌とは、旧文部省唱歌『田道間守(たじまもり)の歌』――

♪@香りも高い橘を 積んだお船が今帰る 君の仰せを畏(かしこ)みて 万里の海をまっしぐら 今帰る田道間守 田道間守
 Aおわさぬ君の陵(みささぎ)に哭(な)いて還らぬ真心(まごころ)よ 遠い国から摘んで来た 花橘の香と共に 名は薫る田道間守 田道間守

明治から昭和20年(1945年)にかけての文部省唱歌であるから当然、翁より年上の人は知っているだろうと思い、翁の田舎(大分県)に住む89歳の姉に電話で訊いたら「覚えていない」。時々『龍翁余話』に登場して貰っている親友の(翁と同年輩の)Jさんに訊いても「全く知らない」とのこと。ちなみにJさんは唱歌・懐メロ・軍歌は評論家並みに造詣が深い御仁。その人が「知らない」と言うのだから翁“いったい『田道間守の歌』が、いつ、どこで翁の記憶の中に入り込んできたのだろう”と、未だ解明されないで、モヤついている始末。

そこで――とにかく『田道間守』そのものを明らかにしようと手元にある百科事典やネットで調べて見た。『田道間守』とは、「古事記」では「多遅摩毛理」、「日本書紀」では「田道間守」という表記で登場する伝説の人物。垂仁(すいにん)天皇(第11代天皇、紀元前29年=紀元前の最後の天皇)の勅命で、永久不変・不老長寿の秘薬“非時香果(ときじくのかぐのこのみ=橘)”を求めて常世国(とこよのくに=海の彼方の異世界=それがどこの国かは未だ歴史学者は特定していないが、翁は朝鮮半島ではないだろうかと推測する。その理由は後述)に渡り10年もの艱難辛苦の末やっと探し当て“非時香果”の実を積んで波涛を乗り越え、必死の思いで帰国したら、垂仁天皇はすでに崩御されていた。我が君(垂仁天皇)への忠義一筋に生きた『田道間守』は垂仁天皇御陵(奈良=宝来山古墳)にひれ伏し慟哭の末、その場で殉死した忠臣の鏡として伝えられている。“殉死”と言えば『龍翁余話』(528)「乃木将軍、大義に殉ず」で紹介した明治天皇の忠臣・乃木希典大将(夫妻)を思い出すが、それはさておき――

植物辞典によると『橘』とは、日本に古くから野生している柑橘類であり、和歌山県・山口県・四国地方・九州地方の海岸に近い山地に自生するとある。その橘のルーツを考えると紀元前の垂仁天皇の御世、『田道間守』が常世国(とこよのくに)から持ち帰った非時香果(ときじくのかぐのこのみ)であると翁は推測する。推測と言えば、前述の“常世国とは朝鮮半島ではないだろうか”と推測した。その根拠として、橘の近縁種の中に“高麗橘(こうらいたちばな)”と言うのがあって山口県萩市と韓国の済州島だけに自生する“ミカン”がある、という事実。また(日本書紀には)「『田道間守』は朝鮮半島・新羅国(しらぎこく=前57〜935年)から渡来した天日槍(あめのひぼこ)の末裔である、と記されているからだ。(そのことを明言している資料はないものかと探してみたが見当たらない。)

さて『橘』が永久不変・不老長寿の秘薬であることから、この『橘』を家紋に用いた武将や大名が多くいた。代々“橘”を氏の名とする氏族は当然だが、翁の記憶に残る武将・大名と言えば井伊氏(彦根=大河ドラマ「おんな城主・直虎)、安芸氏(土佐)、山中氏(近江)、渋江氏(島原)、小寺氏(姫路=大河ドラマ「軍師官兵衛」)など。橘家紋は藤紋・桐紋・鷹羽紋・木瓜紋(もっこうもん)・片喰紋(かたばみもん)・蔦紋・茗荷紋・沢瀉紋(おもだかもん)に次いで9番目に多い家紋だそうだ(10番目は柏紋)。なお『橘の花』は、「文化勲章」にも使用されている。もともとは桜の花が用いられていたが、昭和天皇のご意向で『橘』になった。理由は「桜は花も葉も散ることで武将の潔さを表すが、橘の葉は季節に関わらず勢いよく繁っており、永遠を意味する。文化勲章もまた永遠に讃えられるものなのだから、橘がふさわしい」とのことだったそうだ。

ところで(いろいろと調べて行くうちに)『田道間守』が何とお菓子の神様になったと言う話に辿り着いた――翁はまだ参詣したことはないが、和歌山県海南市に鎮座する(田道間守をご祭神とする)「橘本(きつもと)神社」は“ミカンと菓子の神社“だそうだ。(由緒によると)「古代の菓子は果物であった。当時は田道間守が持ち帰った『橘』を改良して生まれたミカンが果物(菓子)の王様。平安時代に小麦粉を使って揚げた唐菓子や飴、餅などが中国から入り、鎌倉・室町時代には甘い茶菓子が作られるようになった。江戸時代以降、果物と菓子を区別するため果物を“水菓子”と呼ぶようになった」とあるが「田道間守は菓子の神様」の説はやや苦しい。昔は果物を菓子と呼んでいた。果物の王様ミカンの元祖は『橘』、それを持ち帰ったのが田道間守、故に「田道間守は果物と菓子の神様」、と言うことだろうか――

何故、この時期に『田道間守の歌』を口ずさむようになったか?翁の脳裡に潜む忠孝思想がこの歌を呼び起こしているのだろうか?『天皇ご退位』による『平成』への惜別の情だろうか?モヤつきが治まらないまま2018年を終わろうとしている・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。

 

茶子のスパイス研究

今週はお休みです。

茶子 スパイス研究家

 

さくらの独り言

今週はお休みです。
 

 

ジャズライフ−今週のお奨めアルバム

クリスマスにちなんだアルバムを探していたら美人ヴォーカリストのアルバムを見つけました。ベルギー人のCaroll Vanweldenのアルバムです。Ella Fizgeraldに捧げるアルバムで1930年代のスタンダード曲を集めています。クリスマスソングではありませんがこんなレトロな感じのジャズもいいと思います。


"Cheek To Cheek"  Caroll Vanwelden

01-Cheek to cheek
02-It's only a papermoon
03-'s Wonderful
04-They can't take that away from me
05-Please, don't talk about me when I'm gone
06-How deep is the ocean
07-A-tisket a-tasket
08-Let's call the whole thing off
09-Them there eyes
10-Our love is here to stay
11-On the sunny side of the street
12-Undecided
13-As time goes

Caroll Vanwelden (vo)
Dirk Van Der Linden (g)
Janos Bruneel (b)
Stijn Wauters (p)


ジャズアルバムの紹介リスト
http://www.zakkayanews.com/jazzlist.htm  
《R.O.》

 

編集後記

朝はテレビ東京のモーニングサテライト(月曜〜金曜 6:45-7:05)を観ています。番組の中で経済の知力が試されるクイズがあります。4択ですがなかなかの難問です。1週間で100点(1日2回出題され正解すれば20点、不正解でも10点)を獲得すると番組特製ノートが当たる抽選に応募できるというささやかな楽しみもあります。リモコンのボタンで気楽に回答できるのでチャレンジしています。これまで数回、応募しましたが果たしてどうなるか楽しみです。

貿易戦争に加えて中国の通信会社ファーウェイをめぐってまたまた米中の対立が激化しています。通信情報が裏側でどんなふうに扱われているかわからないだけに厄介です。覇権を争うアメリカと中国のゴタゴタに世界が振り回されていますが、簡単に解決されるとは思えないですね。

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http://www.zakkayanews.com/zwback.htm

Zakkaya Weekly No.1179

雑貨屋 店主 大西良衛   http://www.zakkayanews.com/
              
tenshu@zakkayanews.com