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1156号

NO.1156     Ryo Onishi              7/8/2018

 weekly
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雑貨屋のひとり言

地震の心配をしているところに記録的豪雨に襲われてたくさんの犠牲者がでる悲惨な状況になっています。
毎年、繰り返される豪雨、そしてその被害はどんどん拡大しています。街が破壊されている映像を観ると自然の恐ろしさを痛感します。山と川が多い日本には安全な場所などないのかと思ってしまいます。
過疎地や高齢者が多く住む地域で大きな自然災害でダメージを受けると復興再生が困難になります。
国は生きる希望を失ってしまわないような支援をしてあげてほしいと思います。

人類のエゴのせいで地球が悲鳴を上げているのに、そんなことに見向きもせず、くだらない貿易戦争なんかしていると本当に地球が壊れてしまうのではないかと心配します。≪R.O≫

 

 貧困への宣戦布告も

私は当地ロサンゼルスを中心とする日系バイリンガル新聞である羅府新報の『磁針』欄に、ほぼ月一度寄稿をしています。ここで磁針寄稿250回を迎え、これまでの寄稿文を整理しています。

ほとんどの文章は当、雑貨屋ウイークリーに投稿しているコメントですが、『磁針』のほうはロサンゼルスを中心に滞在している日本人や日系人を対象にしており、また紙面の都合上、文字数に制限があり(860文字)、雑貨屋用とは若干ニュアンスが異なった書き方、内容になっています。

そこで過去の磁針寄稿文をここにも連載させていただき、ご参考に供します。

『 貧困への宣戦布告も 』(羅府新報2002年10月度掲載)
米国の国勢調査局のデータによると、米国内の貧困人口が8年ぶりに増加し、なんと3,290万人にも達しているのだそうだ。

2001年の平均一世帯収入は対前年比2.2%減で2連続の下落。特に黒人貧困層が不景気の直撃を受け、平均収入が19年ぶりに2万ドル台に落ち込み、全黒人人口の22・7%が貧困層となっているという。(「貧困」の基準は、2001年の場合は、4人家族で年収約1万8千ドル以下をいうとのこと)厳しい経済環境下であえぐ国民の姿を浮き彫りにする実態だ。

そして一方ではブッシュ政権の閣僚達の大資産家(大金持ち)ぶりが話題になっている。

米国の場合、閣僚の資産公開は資産の種類別に、いくらからいくらまでの間という大まかな分類でしか判らないそうだが、第一位はオニール財務長官で日本円に換算して310億円から82億円の間。

次いでラムズフェルド国防長官、チェイニー副大統領と続き、副大統領と閣僚15人のうち、資産が1千万ドル(約12億円)を超える人が5人、百万ドル(約1億2千万円)を超える人が10人もいるという。

高所得者に有利な減税策などから「金持ち優遇」と批判されるブッシュ米政権の面目躍如ともいえる側面を見る思いだ。

 米国は競争原理を旨とする資本主義国家であり、アメリカン・ドリームを求めて世界から集まった移民国家である以上、貧富の格差が発生するのは当然のこと、何をいまさら、と言われそうだが、私は何かしら割り切れない矛盾を感じずにはいられない。

いま、ブッシュ大統領は、国内外からの反対・抑制の声にもかかわらず、強力にイラク攻撃への意欲を示しており、リーダーシップを発揮している。

私はブッシュ政権のこの施策には一定の理解を示す立場だが、同時にこのリーダーシップを国内の貧困層開放にも向け、“貧困への宣戦布告”も宣言して欲しいと思っている。

アメリカの繁栄は世界の繁栄と不可分であり、日本の不況脱出にとって不可欠のものだと思うからだ。


河合 将介( skawai@earthlink.net )

 

    

川柳(東京・成近)

 


( 川 柳 )


石っころども等とカラットの奢り

カラットの石に沢庵石の意地

無駄足に蹴る石もないアスファルト

石投げてから気が付いた勘違い

石一つ楽観論を躓かせ



( ニュースひとりよがり )


「人材豊富」
反面教師 −文科省

「自慢」
一番黒星の少ない横綱 −稀勢の里

「上空通過」」
ミサイルがなくなったら台風が −日本海


河合成近
nakawai@adachi.ne.jp

http://homepage3.nifty.com/itukabouzu/

龍翁余話

龍翁余話(532)「日本地図――忠敬の前に赤水がいた!」

この歳(高齢)になっても、あまりにも知らないことが多過ぎる。普段、豪気を装っている翁でも、知らないことにぶつかと「こんなことも知らなかったのか」と、時折、消沈したり卑屈になったりすることがあるが、子供の頃、「聞くは一時(いっとき)の恥、聞かぬ(知らぬ)は一生の恥」と親に教えて貰った“三つ子の魂”がいまだに残っているのと、長年、テレビ番組取材で、いろんな国の多くの人と出会い、なりふり構わず聞きまくる(調べまくる)習性が残っているのか、知らなかった情報、特に興味深い情報を得ると(暇人の翁)直ぐに“取材の虫”が動き出し“見たり聞いたり試したり”をしたがる。と言っても、体力などに心配があるので数日間を要する遠距離は難しいが、半日とか1日単位の取材なら(今のところ)まだ何とか動き回れる気がしている。

今号の『日本地図――忠敬の前に赤水がいた!』のタイトルは、7月の“政府広報”で見つけたものだ。“政府広報”とは、各省庁の(月ごとの)重要施策を国民に知って貰い理解と協力を得るためのPR手段。媒体として主にラジオ・テレビ・新聞・雑誌を利用しているが、実は翁、若い時(30歳、会社設立時)は、この“政府広報”のラジオ・テレビ番組の1部を受託制作していた(当時は総理府、現在は内閣府)。だから、いまだに“政府広報”に目を通すのが習慣になっており、たまに『龍翁余話』のテーマ探しにも参考にさせて貰っている。その“政府広報”で、つい先日、表題の『日本地図――忠敬の前に赤水がいた!』が目にとまった時、ちょっとした衝撃が走った。何故なら今まで「日本地図の最初の作成者は伊能忠敬(いのうただたか=1745年〜1818年、江戸時代の商人・天文学者・測量学者)だと思い込んでいたのと、実は今年2018年は伊能忠敬没後200年の節目に当たるので、近いうちに『龍翁余話』で「日本地図を初めて作った男・伊能忠敬」(仮題)を書こうと企画し、昨年12月に刺殺事件があった富岡八幡宮の境内に建つ“忠敬像”参拝や、彼の出身地・下総の佐原(千葉県香取市)を取材しようと目論んでいた矢先だった。故に「忠敬の前に赤水がいた!」はかなりのショックだったのだ。

伊能忠敬は、生まれは千葉県九十九里町、幼名・神保三治郎。17歳の時、佐原の酒造家・伊能家の婿養子となり、酒造業や米穀商で辣腕を振い、36歳で名主となり、1783年の“天明の大飢饉”では私財を投げうって地域窮民の救済に尽力、その間、独学で暦学(天文学)を修め、49歳で家業を長男に譲るや50歳で本格的に天文学に取り組むため江戸に出て、20歳も年下の天文学者・高橋至時(よしとき)に弟子入りし、55歳から足かけ17年かけて蝦夷地(北海道)から全国各地を歩測・間縄(けんなわ=1間(約1.82m)ごとに印をつけた縄)の方法による実測地図「大日本沿海輿地全図」(だいにほんえんかいよちぜんず)の原図を作り上げた。この地図は忠敬没後3年かけ1821年、弟子たちの手によって完成。
その伊能忠敬より42年も前に、緯度と経線(京都を標準とした等間隔の南北線)を記した、
かなり精巧な日本地図があった。その名を「日本輿地路程全図」(にほんよちろていぜんず)と言い、作成者は長久保赤水(ながくぼせきすい=1717年〜1801年、江戸中期の地理学者・漢学者、常陸国多賀郡(茨城県高萩市)の出身)。伊能忠敬の地図を“伊能図”と言い、長久保赤水の地図を“赤水図”と呼ぶそうだ。その『長久保赤水展』が今、日比谷の市政会館(B1)で開催されている(7月2日〜8月4日)。翁、初日の2日に参観した。10時開場で翁が一番乗り。学芸員らしきスタッフに訊きまくった。赤水の人となりは(長くなるので)割愛、彼が作成した“赤水図”の特徴が面白いので、それを紹介する。

原図(1765年) 初版(1774年) 改正版(1779年)

“伊能図”も“赤水図”も経緯線が投影されていることで、両方ともかなり精度の高い地図であるとされている。沿岸部のほとんどを測量した“伊能図”には劣るが、諸藩から集めた“藩図”を参考に20年以上に亘る考証の末、完成させた“赤水図”は、当時としては驚異的な正確さであったそうだ。特に翁が注目したのは、ドイツ国立民族博物館のシーボルト・コレクションやイギリス議会図書館などにも収蔵され、当時の外国が日本を知る資料として活用された点だ。もう1つの注目点は(日本と韓国と間で領有権問題が起きている)「竹島」が、当時の名称「松島」で記されており、「竹島」が日本領土であることを裏付ける資料となっている。そして更に翁が驚いたのは、赤水が『改正地球万国全図』(世界地図)(写真左)と『唐十道図』(中国地図)(写真右)を作り上げたことだ。これらの地図作成に必要な情報は清国(中国)経由だったそうだ。と言うことは、赤水は、よほど優秀な清国知識人(研究者)を抱えていたのでは、と想像する。

もう1つの逸話――幕末の志士・吉田松陰も「我が旅の必需品」とばかり380文(現在価格約4560円)を投じて“赤水図”を買い求め、仙台まで旅をし、長州(山口県)への帰路、常陸国多賀郡にある“長久保赤水之墓“に参詣したそうだ。翁、今回の『長久保赤水展』を観て”驚嘆“と”感動“を味わうことが出来たが、ただ、難解な用語や地名について、中高生にも分かる説明文がほしいことを主催者にお願いした。それにしても(この歳にして)新たな知識を得た悦びは格別であった・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。

 

茶子のスパイス研究

花火

今週7月4日は米国の建国記念日だった。毎年恒例行事になっているボートクルーズはサンペドロ湾にボートを持っているハイキング仲間のリビーさんが招待してくれる。
夕方からボートを出発させサンペドロ湾をゆっくり回る。行きかうボートや船に乗っている人も愛想よく手を振ってくれる。サンペドロ湾沿いにあるシーフードレストランのお客さんたちも花火を見る為に窓際やパティオに早くから人が来て賑わっている。

サンペドロ湾 サンペドロ湾夕日

ポットラックのフードやワインでお腹が満たされ眠くなる9時頃、ようやく待っていた花火の打ち上げが始まった。ボートだと花火が打ち上げられる対岸の近くまで行ける。
今年も爆音と共に約30分花火は打ち上げられた。今年は気のせいか、何だかしょぼい花火だった。あまり歓声もあがらなかったし印象に残る綺麗な花火が無かったような気がした。おまけに風向きだったのか火薬が目に染みて途中から何人かサングラスをかけはじめた。煙の匂いにむせそうな感じで今年は安物の花火でも使ったのかな〜と思った。
家に帰って何気なくニュースを見たら今年の独立記念日の花火は99%が輸入品で国別でいくと70%が中国製品の花火だったらしい。

バイアメリカン!アメリカンファースト!とトランプさんが声高々に言うわりには、こういう所は見逃されているのだろうか、、、、では、日本では、どうなのかと調べたら
やっぱり安価な花火を輸入しているケースが多いらしい。 そのせいか事故が多発しているようだ。80年代までは日本で行われる有名な花火大会は20〜30ぐらいだったのが近年では大小合わせると1000近くもあるそうだ。
数より質のいい安全優先の花火大会であって欲しい。以前、TVで日本の花火師の活躍をドキュメンタリー番組で見た事がある。手間暇かけ創作し、なおかつ安全性を考え遠隔装置で発火する花火の研究や開発も独自で考え出したそうだ。その日本の芸術的な花火の様子をYouTubeでアメリカ人の友人に送ったら感嘆していた。
米国建国記念日が終わった7月6日、米国は中国に対して輸入規制を発動した。知的財産権侵害もありトランプ砲弾は今後も順々に放たれる。

茶子 スパイス研究家

 

さくらの独り言

今週はお休みです。

 

ジャズライフ−今週のお奨めアルバム

聴き慣れたスタンダード曲を集めたアルバムを見つけました。Tenderly Jazz Pianoの"Quiet Time"を紹介します。ジャズピアノを聴くとゆったりした気持ちになれます。
 

"Quiet Time "  Tenderly Jazz Piano

01-Someday My Prince Will Come
02-Tea For Two
03-Smoke Gets in Your Eyes
04-Summertime
05-Moon River
06-Gelsomina
07-Let It Go

ジャズアルバムの紹介リスト
http://www.zakkayanews.com/jazzlist.htm  
《R.O.》

 

編集後記

駅前に竣工してから一年くらい経つマンションがあります。我が家のベランダからよく見えるのですが、生活感のない部屋が結構あります。転売目的で買った人が多いのではないかと勝手に想像しています。
 

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http://www.zakkayanews.com/zwback.htm

Zakkaya Weekly No.1156

雑貨屋 店主 大西良衛   http://www.zakkayanews.com/
              
tenshu@zakkayanews.com