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1151号

NO.1151     Ryo Onishi              6/3/2018

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雑貨屋のひとり言

昨年3月に購入したダイソンの掃除機の調子がおかしくなってきたので、ダイソンのコールセンターに電話してみました。意外とすんなりと繋がりました。担当の方に状況を説明し、現象の音も聞いてもらいました。電話でトラブルシュートをしてくれて、モーター部分に付いているフィルタにたどり着きました。それを外し、水洗いしてきれいにしたら問題は解決しました。同じような問題を抱えたユーザーからたくさん電話があるんだろうなあと想像していますが、てきぱきとした対応が素晴らしく感心しました。≪R.O≫

 

 複雑と単純の妙

私は当地ロサンゼルスを中心とする日系バイリンガル新聞である羅府新報の『磁針』欄に、ほぼ月一度寄稿をしています。ここで磁針寄稿250回を迎え、これまでの寄稿文を整理しています。

ほとんどの文章は当、雑貨屋ウイークリーに投稿しているコメントですが、『磁針』のほうはロサンゼルスを中心に滞在している日本人や日系人を対象にしており、また紙面の都合上、文字数に制限があり(860文字)、雑貨屋用とは若干ニュアンスが異なった書き方、内容になっています。

そこで過去の磁針寄稿文をここにも連載させていただき、ご参考に供します。

『 複 雑 と 単 純 の 妙 』(羅府新報、2002年3月掲載)
 こんな話を聞いたことがある。詩人、島崎藤村と民俗学者の柳田国男の二人は親友であり、ある時二人が伊良湖岬(愛知県渥美半島の先端)まで行ったそうだ。

海を眺めながら語り合っていた二人の目の前の海岸に 「椰子(やし)の実」 が一つ流れ着いた。

「椰子の実」といえば遥か南の国々にしかないものなので、その椰子の実は遠い南から流れ着いたことになる。

それを見た 柳田国男は海上にもきっと南から日本へ向かう潮の道があるに違いないと考え、それが彼の有名な 「日本民族、南方渡来説」 のもとになったのだそうだ。

  一方、島崎藤村はその椰子の実を題材にして “名も知らぬ遠き島より・・” という不朽の名詩 「椰子の実」 を詠んだという。

 もっとも最近、私が出会った文献によると、伊良湖岬へ実際に行ったのは柳田国男だけであり、藤村は後日、国男から椰子の実の話を聞いて詩を創ったのだそうだ。

 柳田国男のように民族渡来という複雑な問題を 「流れ着いた椰子の実」 という単純な事実を手掛かりの一つとして、偉大な仮説にまで導くやり方は、何か示唆的だ。

「複雑なことは出来るだけ単純なことから」考えるのは複雑な現代をいかに生きるかという難問に対する一つの答えではないだろうか。

また同時に、このエピソードは 「単純な事柄は出来るだけ複雑に」 と言う、先程とは反対の示唆も含んでいそうだ。

たかが一個の 「椰子の実」 という単純なものから 複雑な学説、名詩が生まれるのだから、ふだん単純・明快で疑問を感じない事象も、追求して行けば意外と重大な発見・発明にたどり着くかも知れないからだ。

「複雑なことは単純化して考え」、「単純なことは複雑に考え」ること。これもストレスのない人生を有意義に送る一つのヒントになりそうだ。

ところで、もし私が椰子の実を見つけたとしたら、早速、実を割ってみて、食べられそうにないことを知り、蹴っ飛ばして終わり、なんてところがオチかもネ。


河合 将介( skawai@earthlink.net )

 

    

川柳(東京・成近)

 


( 川 柳 )


東京を変える五輪の合言葉

震度6築百年が動じない

七坂のどこかで夢の落とし物

8パーに慣れたころには10が待ち

九条に無理は承知と無理を言う



( ニュースひとりよがり )


「不起訴の書類」
書き替えはないでしょうね −佐川元国税庁長官

「財政健全化見通せず」
骨粗鬆です −骨太の方針

「清宮、二軍落ち」
勝負はそれから −栃ノ心


河合成近
nakawai@adachi.ne.jp

http://homepage3.nifty.com/itukabouzu/

龍翁余話

龍翁余話(527)「芸能の神様」

6月――ご承知のように6月を別名“水無月“と言う。雨がたくさん降る(であろう)雨季に”水の無い月“と言うのはおかしい。で、調べてみたら”水無月“の”無“は、(英語のof、つまり)”の“にあたる連体助詞とのこと。したがって”水の月“ということだそうだ。
また、田植えが済んで田んぼに水を張る必要があることから“水の月”(水無月)と呼ばれるようになったと言う説もある。(適当な時期に水抜きをしなければならないそうだが。)

6月初旬の歳時記を拾ってみたら「横浜開港記念日」(2日)、「歯の衛生週間」(4日〜10日)、「熱田神宮・尚武祭」(5日)「よさこいソーラン祭り」(6日〜10日)、「芒種(ぼうしゅ)」(6日)、「時の記念日」(10日)などある。「芒種」とはコメやムギなどイネ科の穀物の種を蒔くことを言うそうだが、現代の種蒔き時期は、うんと早まっている。

6月6日は「芒種」のほかに『芸事の日』というのが制定されている。「芸事は6歳の6月6日から始めると上達する」との言い伝えがあると言う。その訳を聞いて翁は少々笑った。「手のひらを開いて親指1、人差し指2、中指3、薬指4、小指5と折りながら数え、6では(5で折った)小指が立つ、即ち“子が立つ”、つまり6の数字が子どもの芸事を助ける」などと訳の分からないこじつけで強引に6月6日を“芸事の日”と決めてしまったようだ。何で6月と“指折り数え”の6が“芸事”と関係あるのか、いくら考えても理解し難い。全国楽器協会が1970年に「楽器の日」、東京邦楽器商工業協同組合が1985年に「邦楽の日」、兵庫県いけばな協会と京都いけばな協会が揃って2015年に「生け花の日」を制定したとのこと。「こじつけで強引に」と書いたが、どうせなら、もう少しまともな“こじつけ”はないものか、を考えてみた。6月6日は「芒種」、つまり穀物の種を蒔く日に因んで、子どもたちに芸事やスポーツの種を蒔いてあげる日(チャンスを与える日)としたいが、いかが?ただし、始める時期は、6歳に限ることではなかろう。

翁、旅に出ると必ず(その土地の)神社仏閣にお参りする。これまでに多くの神社やお寺を参詣したが、その中で(偶然にも)幾つかの“芸能の神様”を参拝したことがある。例えば京都の『車折(くるまざき)神社』参詣の折り、境内摂社(境内に鎮座する社)その名もずばり『芸能神社』にお参りした。何故、この神社が“芸能の神様”かと言うと、ご祭神が天宇受売命(アメノウズメノミコト)――天照大神が弟・素戔嗚尊(スサノオノミコト)の乱暴を嘆いて天岩戸にお隠れになり、世の中が暗闇になった。その時、天宇受売命が岩戸の前で大いに演舞し天照大神の御神慮をお慰めしたところ大神がようやくご出現になり世の中に再び光を取り戻した、と言う神話に基づいて、後年、天宇受売命は芸能・芸術の祖神(日本最古の踊り子)として崇敬されるようになった、とのこと。ほかに“芸能に関係する神社”として記憶にあるのは、伊勢市の『長峯神社』(ご祭神は、やはり天宇受売命)。歌舞伎・映画・舞台・舞踊・音楽関係者の参詣が多いそうだ。同じ伊勢市内の『猿田彦神社』も芸能に関係のある神社。何故なら、天照大神が孫神のニニギノミコトを地上(日向=宮崎・高千穂峰)に送り出した際(天孫降臨の際)、その道案内をしたのが猿田彦大神(サルタヒコノカミ)と言う国津神(国土を治める地上の神)で、その妻が(天岩戸で踊った)天宇受売命、このご夫妻がご祭神であるから“芸能の神様”だと言う。そう言えば都内にも『杉並猿田彦神社』と言う神社があるそうだが、翁はまだ参詣していない。

都内で“芸能の神様”として有名なのは、新宿の『花園神社』の境内摂社『芸能浅間神社』(げいのうあさまじんじゃ)だ(写真左)。1928年(昭和3年)に創祀。全国に1300社ある『浅間神社』(せんげんじんじゃ)の本山は『富士山本宮浅間大社』で、ご祭神は木花之佐久夜毘売(コノハナサクヤビメ)。当然『花園神社』境内摂社『芸能浅間神社』のご祭神も木花之佐久夜毘売。その女神が何故、芸能と関係あるのか(翁は)は知らないが、古事記には「桜の花よりも美しい女神」(絶世の美女)と記されているそうだから、多分、女優やモデル志願者が崇敬したのであろう。祠の横に、かつての演歌歌手・藤 圭子(1951年7月5日〜2013年8月22日)のヒット曲『圭子の夢は夜ひらく』の歌詞石碑が建てられている(写真中)。翁が想像するに、彼女がデビュー曲『新宿の女』(1969年9月にリリース)のヒット祈願で(地元の)『芸能浅間神社』に参拝、それがヒットしたことで“芸能の神様”の評判が広がり、その後、八代亜紀、ビリーバンバン、湯原昌幸、門倉有希、中川翔子、ビートたけし、吉本興業ほか、多くの歌手・芸能人・芸能団体が参詣、朱色で100人を超える名を刻んだ銅板(玉垣)が祠を囲んでいる(写真右)。

『芸能浅間神社』の建立については確かな記録はなく詳細は不明だが、『花園神社』そのものが昔から境内に仮設劇場を作り、見世物や芝居、歌、踊りなどの興行を催した芸能色の強い神社であったそうだ。

6月6日には、もう1つ『梅の日』がある。和歌山県田辺市「紀州梅の会」が2006年に制定した。室町時代の1545年6月6日、京都・賀茂神社の例祭・葵祭で後奈良天皇の神事の際、梅が献上されたという故事に因むとか。「紀州梅の会」では毎年6月6日に上賀茂神社と下鴨神社に梅を奉納しPRしているそうだ。“芸能”とは無関係と思っていたら、上賀茂神社の摂社に『大田神社』というのがあって、そこのご祭神が(芸能の女神)天宇受売命。今号は、こじつけの多いエッセイであった・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。

 

 

茶子のスパイス研究

物忘れと認知

“もう、父親は母親の事はわかっても、私の事がわからないのよ”と最近田舎に帰った
友人が言った。その友人から最近、メールをしても返事が来ないな〜と思っていたら1か月ぐらいタブレットを使わなかったらパスワードを忘れてしまいアクセスできなくなってしまったのだそうだ。そのパスワードのメモをどこかにしまい忘れて探せないでそのままになっていたらしい。2年前に日本に帰った時に便利だからとその友人に勧めてスカイプやメールを設定し何度か米国と日本でやりとりしていた。 その友人にとって初めてのタブレットの操作は案外ストレスだったのかもしれない。2年目ぐらいからプツンと連絡が途切れた理由が今回初めてわかった。その友人と久しぶりに昭和の面影が残る根津で待ち合わせする事になった。友人は “ちょうど田舎の両親が作っている新鮮なお野菜があるからそれを持っていくわね ” と言った。仕事場は根津付近なのに仕事が終わってからわざわざ一旦家に帰ってお野菜を持ってくると言うので会う時間をずらした。友人はその日、バスを使って来たら渋滞もあって慌てたらしく、そのお野菜をうっかりバスの中に忘れてきてしまった。会った途端 “ 肝心のお野菜をバスの中に置き忘れてきちゃった〜 ”と残念そうに言った。私だって何か用事があって2階に行ったら何を取にきたのか忘れて思い出せないまま下に降りて、また思い出して取りに行くという事がある。この物忘れと認知の境目は何なのだろう…約束した事や時間を忘れてしまうというのが、物忘れで約束した事自体そのものを忘れてしまうのが認知症で全く思い出せないのだそうだ。人の名前がパッと出てこない。思い出すのに時間がかかるのは、物忘れで、名前を聞いても思い出せないのが認知症なのだそうだ。
一昨日、約一か月と2週間ぶりに日本からLAに戻ってきた。早速、昨日、軽い認知症のClientさんの家を訪ねた。ドアを開けた途端Clientさんは“あ〜久しぶりね”と言って出迎えてくれた。私の名前は思い出せなくても、まだ私の事を覚えていてくれた事に少しホッとした。 “もう、年だから体も頭も弱っていくのよ。特に頭がね〜でも、どこも痛い所も無いし丈夫だから”とカラカラ明るく笑う。自分の認知をちゃんと意識している。そして自分の考え方や意見もちゃんと持っている。時々英語のイディオムの言い回しなども教えてくれるし聞けば何でも教えてくれる。会話も弾むし、ユーモアもある。直前に話した事を何度も聞く事があるけれど、そんな事はたいした事ではないし恥ずべき事でもないと思う。
“私だって人の名前を最近思い出せないのよ。”と彼女に言ったら、すかさず “Welcome my Club” と言われたので大笑いしてしまった。私もいずれ認知症になったら彼女のように、明るい認知症でありたいと思う。先日、お習字を習っているクライアントさんが見せてくれた教材に”かあさん、忘れてもいいよ“という言葉が書かれてあった。それを見て何だか暖かい気持ちになった。いつまでも若者と同じように、しっかりしているお年寄りばかりだったら若者の出番が無くなる。だから忘れてもいいのだ…


茶子 スパイス研究家

 

さくらの独り言

今週はお休みです。

 

ジャズライフ−今週のお奨めアルバム

懐かしい、素晴らしい名曲ばかりを集めたアルバムです。癒しのジャスだけあって、聴いているとホッとします。たまにはこんなアルバムを聴くのもいいなあと思います。

"癒しのジャスBest"

01-ワルツ・フォー・デビイ/The Bill Evans Trio
02-アルフィー/Art Farmer
03-マイ・ワン・アンド・オンリー・ラヴ/Johnny Hartman
04-酒とバラの日々/The Oscar Peterson Trio
05-YOU’D BE SO NICE TO COME HOME TO/Clifford Brown
06-サテン・ドール/McCoy Tyner
07-雨に唄えば/Jamie Cullum
08-星影のステラ/Anita O'Day
09-フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン/Astrud Gilberto
10-ミスティ/Erroll Garner
11-素顔のままで/Diana Krall
12-マイ・ファニー・ヴァレンタイン/The Miles Davis Quintet
13-星に願いを [Remastered]/Kenny Drew Trio
14-いつか王子様が [Album Version]/Bill Evans
15-この素晴らしき世界/Louis Armstrong

ジャズアルバムの紹介リスト
http://www.zakkayanews.com/jazzlist.htm  
《R.O.》

 

編集後記

6月になりました。我が家のリビングルームは西向きのため、夕方は西陽に悩まされます。ベランダの改装前に17年使用した日よけシェードを処分したので、新しい物を探しています。今日はホームセンターにそれをチェックしに行こうと思っています。

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http://www.zakkayanews.com/zwback.htm

Zakkaya Weekly No.1151

雑貨屋 店主 大西良衛   http://www.zakkayanews.com/
              
tenshu@zakkayanews.com