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1103号

NO.1103     Ryo Onishi              7/2/2017

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雑貨屋のひとり言

閣僚や議員の問題発言が相次いでいます。情報があっという間に拡散する時代なのに安易な発言、思慮のない発言をすればどうなるかぐらいわからないのかと思ってしまいます。撤回と訳の分からない説明を繰り返されて国民はもううんざりしていることにも気づいていないとしたら悲しいことです。野党が頼りないのは認めますが、まともな議論も説明もなく数の論理だけで押しとおす傲慢な政治はもうめないと大きなしっぺ返しがあるかもしれません。≪R.O≫

 

 オブチゲーション

私は当地ロサンゼルスを中心とする日系バイリンガル新聞である羅府新報の『磁針』欄に、ほぼ月一度寄稿をしています。ここで磁針寄稿250回を迎え、これまでの寄稿文を整理しています。

ほとんどの文章は当、雑貨屋ウイークリーに投稿しているコメントですが、『磁針』のほうはロサンゼルスを中心に滞在している日本人や日系人を対象にしており、また紙面の都合上、文字数に制限があり(860文字)、雑貨屋用とは若干ニュアンスが異なった書き方、内容になっています。そこで過去の磁針寄稿文をここにも連載させていただき、ご参考に供します。

『オブチゲーション』(磁針寄稿文、1998年8月掲載)

日本では小渕新内閣が発足したが、この内閣は果たして今、日本がなすべき抜本改革と緊急課題に強力に対処できるのか内外の目は殊のほか厳しいようだ。

どうも日本には調整型のリーダーしか出てこないのが現実らしい。先日、私の友人が冗談交じりに次のような事を言い出した。

 「明治の初め、維新政府は欧米から多くの専門家を招聘し、彼らから指導を受け日本の近代化に役に立てた。今、世界を見渡すと結構な大物が第一線を退いて暇そうにしているので、こういう人々を国家として高給で招聘し、日本国の役職に就いてもらうなんていうのはどうだろう。

外圧に弱い日本だから案外一気に国内の刷新が出来、国際社会でも日本は“名誉ある地位”を占められるようになるんじゃあないだろうか。

サッチャー(イギリス)、ゴルバチョフ(旧ソ連)、キッシンジャー(アメリカ)などと、元大統領・首相などがうようよしている。こういう人々に日本国首相特別顧問、外務大臣特別顧問などの肩書きとしかるべき権限を与え、日本の為に働いてもらったらどうだろう。

アメリカFRBのグリーンスパン議長もどうせそのうち 現職を降りるだろうから、今のうちに「内定通知」を送っておこう。

サッチャーさんには鉄の決断力とビッグバンの実行、キッシンジャーさんには外交交渉、そしてグリーンスパンさんには金融政策、等々。日本も一気に世界の一流国の仲間入り間違いなしだろう・・・。」

この話、実現性はありえないが、日本の実態を真剣に考えればあながち不真面目とも言い切れぬものを感じた。

でもやはり、当面は小渕新内閣に期待するより仕方がない。小渕さんだってご自分で名乗りをあげて自民党総裁〜総理大臣になられたのだから、オブリゲーション(obligation=義務、責務)は果たしていただこう。

オブチ(小渕)さんのオブリゲーションだから こういうのは“オブチゲーション”とでも言うんですかね。

河合 将介( skawai@earthlink.net )

 

    

川柳(東京・成近)

 


( 川 柳 )


蛙の子は蛙見事に跳んで見せ

鰯にも尾頭付きの自負がある

春を飛ぶ蝶に毛虫の過去があり

抜擢の椅子にトカゲの尾が座り

雑魚なりに職退いた後の水が合い

( ニュースひとりよがり )


「今年前半の特別賞」
自民党のお騒がせ議員一同様 −USO放送

「法科大学院の撤退相次ぐ」
無理をして作るとこうなる −獣医学部

「長野で震度5」
10秒の壁も少し揺れた −ヤンマースタジアム


河合成近
nakawai@adachi.ne.jp

http://homepage3.nifty.com/itukabouzu/

龍翁余話

龍翁余話(483)「七夕」

7月を別名『文月(ふみづき)』と言う。国語辞書によると「文被月(ふみひらきづき・ふみひろげづき)が転じたもので、七夕に詩歌や願い事を書いた短冊を笹竹に吊るしたり、書物(ふみ)を夜風にさらす風習があったところから『文月』と呼ばれるようになった」とある。

翁も子どもの頃、兄が馬糞紙(ばふんし=今の茶色のボール紙)で作ってくれた短冊に筆で(どんな文句だったか忘れたが)願い事を書いて笹竹に結び付けたり、叔父(父親の弟)が戦地に赴く時(1943年の春、翁が小学校1年生になった時)、「形見にあげよう」と言って翁にプレゼントしてくれた『宮本武蔵』全8巻(各巻黒の布張り、タイトル金文字)を縁側に陰干ししたり・・・それが何故、七夕の日だったか理由は知らなかったが兄の指示に従っただけだったが、後で思うに“カビ防止”のほかに“書物を大切にする人間(読書好きの人間)になれ”という願いが込められていたのでは・・・ところで翁、子ども心にも“叔父に貰った『宮本武蔵』を大切にしていれば、叔父は必ず生きて還って来る”と信じ、七夕様に祈ったものだった。その叔父が支那(中国)から無事、小倉市(今の北九州市)の自宅に帰還したことを知らされたのは、終戦(1945年8月15日)の翌年の夏だったと記憶する。したがって叔父に貰った『宮本武蔵』は“形見”にならなくて済んだし、勿論、翁はそれからもずっと大切にしていた――余談だが、実は翁がその『宮本武蔵』を読んだのは(読んで内容を理解したのは)神戸に遊学してから(高校生になってから)のことだった。高校2年の時、『宮本武蔵』の影響を受けて自己流の小論文(『自己解脱論』)を書いた。武蔵の精神修行には“チベット伝承の悟りの道”(ゾクチェンの教え=煩悩が生じても無理に抑えたり、浄化したり、善悪を区別しようと焦らないで、じっと耐えていれば、全ての煩悩から解放され、知恵が生まれる、の教え)と重なるものがあるが、翁の『自己解脱論』は、ただ単に「第1の己れを律するは、第2の己れの制御(コントロール)が必要である」という“これからの己れの覚悟”をしたためた程度のものだった。だが、その“覚悟”がいまだに続いているのだから、『宮本武蔵』を与えてくれた(今は亡き)叔父には大感謝、毎年の『七夕』には叔父のご冥福を祈っている――

さて、話を戻そう。『七夕』について今更説明するまでもないと思うが、梅雨時の有閑にまかせて“日本における『七夕』の歴史や意味など”について調べ直してみた。『七夕』は古くから行なわれて来たお祭り行事で1年間の重要な5節句の1つ。ご節句とは言うまでもなく『人日』(じんじつ=1月7日、七草の節句)、『上巳)』(じょうし=3月3日、桃の節句)、『端午』(たんご=5月5日、端午の節句・菖蒲の節句)、『七夕』(7月7日)、『重陽』(ちょうよう=9月9日、重陽の節句、栗の節句)・・・『七夕』は、もともとは日本の神事であった『棚機』(たなばた)と、『織姫・彦星伝説』が合わさったもの、と言われている。
『棚機』は古い日本の禊(みそぎ)の行事で、乙女が布を織って神棚に供え(神様に)その年の農作物の豊作を祈願するお祭り。『七夕』を、たなばた、と呼ぶ(読む)のは『棚機』が語源である、とする説が有力である。

『七夕』は、平安時代に宮中行事として行なわれ、季節の果物や野菜を供え、香を焚いて楽を奏で、梶の木(カジノキ)の葉に和歌を書いて楽しんだと言う。(梶の木は古くから祭具に使われた神聖な木とされている。)江戸時代になって『七夕』は庶民の間に広まり、季節の果物や野菜を供えるのは平安時代と同じだが、詩歌・書道・茶道・芸事などの上達の願い事は、梶の葉ではなく5色の短冊に書いて笹竹に吊るしお星様に祈るお祭りに変化して行った。♪笹の葉さらさら 軒端(のきば)に揺れる お星様きらきら ぎんぎん砂子(すなご)・・・【沢山の短冊を吊るされた笹の葉が、夏の夜風に吹かれてサラサラと揺れる。無数の星が、砂子(細かく粉にした金銀の箔)のようにキラキラと輝いている】――金銀の箔のように見える無数の星が『天の川』だろう。

『天の川』には有名な『織姫・彦星伝説』がある。“織女性(しょくじょせい=織姫)”と“牽牛星(けんぎゅうせい=彦星)”が、年に1度だけ7月7日に『天の川』で出逢うことが出来る、という切ない物語だ。『天の川』の近くに勢力を誇っていた神様に、“織姫”と言う機織り名人の娘がいた。神様は、この娘をいい婿に嫁がせたいと思い『天の川』の向こう側に住む“彦星”と言う働き者(牛飼い)の青年と結婚させた。ところが2人は仕事が手につかなくなるほど愛し合った。“仕事をしなのは罪悪だ”とばかり、神様は怒って、2人を別れさせた。“彦星”と引き離された“織姫”は悲しさのあまり毎日泣いてばかり。見かねた親神様は「では、年に1度だけ“彦星”と逢うのを許そう」それが7月7日の夜である――この伝説に、どんな教訓が含まれているのか分からないが、翁思うに「働かずして恋に溺れるは身の破滅」、「気のゆるみは、大切なものを失う」ではなかろうか・・・
ちなみに、織姫星は(こと座の1等星)『ペガ』、彦星は(わし座の1等星)『アルタイル』
であることを数年前、翁の住まいの近くにある品川区立五反田文化センター・プラネタリウムを見学した際、初めて知った。

もう1つ“初めて知った”ことがある。それは何と古くから『七夕』の時にソーメンを食べる慣わしがあった、とか。これには驚いた。調べて見たら今のソーメンとは全く異なる代物。平安時代に中国から伝わった“索餅”(さくべい)と言うお菓子。小麦粉と米粉を練って、縄の形にねじった、まるで“ねじりドーナツ”そっくり。それが、いつ、どんな経緯で今風のソーメンになったか、ご存知の方がおられたら是非、お教え願いたい。それにしても、既に八十路を超え『静寂諦観・孤高の老人』を気取っている翁、『七夕』に際して1句献上。<七夕に 何を願うや 齢星(よわいぼし) 天の川辺に 辿る道なし>・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。

 

茶子のスパイス研究

秋田から青森へ

ジャパンレイルパスでの日帰り旅行最後の日に選んだのは秋田。今まで盛岡から東には行った事がなかったので何も考えずにそれだけの理由で決めた。朝一番で東京駅から秋田新幹線に乗り込んだ。秋田まで東京からは4時間弱。車窓から見る景色は盛岡を離れると、どんどん変わっていった。川の水は透明感を増し野性味のある森や木々の緑が広がっていた。座席に置いてあった秋田のパンフレットを見ていたら五能線という日本海沿いを走るリゾート列車がある事がわかった。眺めがいいので人気があるらしい。 秋田から青森を走っている五能線の列車に乗るには秋田駅で降りてそのリゾート列車の指定席を手に入れないと乗れないらしい。車掌さんに五能線のリゾート列車の乗り継ぎ時間を聞くと秋田に到着して五能線の列車が出発するまで10分間。思いっきり走って緑の窓口に行って指定席を手に入れてすぐにホームに走れば何とか間に合うかもしれないとの事。もし間に合わなければ次の列車は約3時間半後以上待たないとない。乗れなかったら秋田だけに留まって観光局で近場を見て東京に帰ろうと思った。でも、とりあえずチャレンジしてみる事にした。“転ばないようにしてくださいね”と係の人から言われて緑の窓口に向かって走った。
上の写真  秋田新幹線 車窓から

 

 

           右の写真 五能線

緑の窓口にたどり着くと窓口にはすでに4人ぐらい人が並んでいた。前の人は何やらいろいろ質問していて時間がかかっているようだ。やっぱり今回は駄目かな〜と思ったら自動販売機の前でお客さんのエスコートをしていた人の手が空いて私の持っているジャパンレイルパスに気が付いて声をかけてくれた。そして空いている自動販売機の前に案内してくれた。私が“五能線に乗って青森まで行って遅くならないうちに今日中に、また新幹線で東京に帰りたいのですが”と告げると五能線のリゾート車の指定席と新青森駅への乗り換え切符と東京駅行きの新幹線の指定席を発券してくれた。五能線のリゾート列車の出発まで後3分。ホームの乗り場を聞くと“こちらです”と係の人が一緒にホームまで走ってくれた。感激した。お礼を言ってその列車に飛び乗ると間もなく列車は出発した。ギリギリセーフだった。これから五能線の列車の旅は5時間あまり。どの車両からの眺めがいいのだろうと4両列車を一通り歩いてみた。すると2両目にはイベント空間がある列車、3両目にはボックス席があった。その座席は足を伸ばしたり寝転がれるようになっていて旅の疲れを癒すには良さそうな座席だった。特別席のようだけれど他の座席と同じ料金なのだそうだ。その日はボックス席に空席がポツポツあったので途中から移動してのんびり眺めを楽しむ事にした。 (続く)

茶子 スパイス研究家

 

さくらの独り言

今週はお休みです。

 

ジャズライフ−今週のお奨めアルバム

7月になるとアメリカ独立記念日にトーランスの公園で観た花火を思い出します。ほぼ真上にあがる花火を首がおかしくなるのではと思いながら観ていました。花火の形や技術は日本が世界一かもしれないですが、あの雰囲気で観た花火は最高で今でも眼に焼き付いています。あのころサウスベイにいたときに聴いていたヒュージョンが聴きたくなることがあります。今週ご紹介するアルバムはあの当時聴いていた感じのきれいな音を奏でます。1994年のレコーディングですのできっと聴いていたと思います。まったく色あせないDavid BenoitのピアノとRuss Freemanのギターが共演した素晴らしいアルバムです。

"Mirage"  The Benoit Freeman Projects

01-Reunion
02-When She Believed In Me
03-Mediterranean Nights
04-Swept Away
05-The End Of Our Season
06-After The Love Has Gone
07-Smartypants
08-It's The Thought That Counts
09-Mirage
10-That's All I Could Say

ジャズアルバムの紹介リスト
http://www.zakkayanews.com/jazzlist.htm  
《R.O.》

 

編集後記

スポーツジムではたくさんの人と顔見知りになっています。でも一部の方を除いて名前を知りません。挨拶や会話をするのですがお互いの名前を言い合うことがないからです。ワイフとジムで会う人の話をする時、『あの元気印の方』とか、『あの上品な方』『あの派手な方』といった具合に人の特徴で話をしています。たまに誰のことかわからないこともありますが、名前を知っていてもその方は誰だっけということになるかもしれないので別にいいかなと思っています。

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Zakkaya Weekly No.1103

雑貨屋 店主 大西良衛   http://www.zakkayanews.com/
              
tenshu@zakkayanews.com