アメリカ合衆国第45代トランプ新大統領が1月20日正午、スタートしました。今回の大統領就任式は何かと話題の尽きないものでした。
選挙期間中、数々の暴言・失言、差別発言などで世界中から注目を集めていた新大統領の就任であり、どんな就任演説をするのか、私にとってもたいへんな関心事でした。
アメリカの大統領就任式での演説は、気品の高い高尚な語句で飾られ、聞いている人々をわくわくさせ、夢を与えるものというのが私の勝手なイメージでしたが、今回のトランプ新大統領が行った約18分間の演説は、自国民、それも先の選挙で自分に投票してくれた有権者に向けた演説の様相が見え見えの感じで、少々勝手が違ったというのが正直な第一印象でした。
尤も、オバマ前大統領の施策をほぼ全否定する立場のトランプ氏であり、もともと「アメリカ・ファースト」の合言葉のもとで孤立主義、独立主義を唱えて当選したのだから、「アメリカさえ良ければ・・・」という発想もやむを得ないことだったといえそうです。
その「アメリカさえ良ければ・・」も言葉として「全国民のために」といいながら、自分を支持してくれた主として中西部の白人労働者たちの雇用確保のため、メキシコなど他国からの移民・移住者を厳しく制限しようとしています。
アメリカ国民の不満の根源のひとつである格差問題(1%の富裕層と99%の貧困層格差)の解消は殆ど語っていませんでした。所得税や法人税の減税などは熱心に語っていましたが、これも自分が超富裕層に属するので、ご自分のためと思われても仕方ありません。
“Make America great
again”声を張り上げて「良きアメリカを取り戻す」とおっしゃっていましたが、いつの頃のアメリカに戻したいのか理解不能でした。
大統領就任式から一夜明け、テレビ・ニュースでは、首都ワシントンはじめ、全米各地で数百万人が参加した、トランプ政権に反発するデモや集会が行われたと報じ、中継映像が流れていました。参加者は女性や移民、性的マイノリティなどの権利を訴えていました。
国民の人気度を見てみると、去りゆくオバマ氏が約60%、就任早々のトランプ氏は40%なのだそうです。異例としかいいようがありません。
以上、トランプ氏の言動や就任演説に関して、私のコメントは、どちらかというとネガティブ的になってしまいました。
しかし、私は決して新大統領を否定したり、粗末に考えるつもりはありません。トランプ新大統領はアメリカの正式な選挙制度に従って国民から正当に選出された大統領であるのは事実だからです。
個人的な好き嫌いや、選挙制度の不備・疑問点はどうあれ、正式・正当に選ばれた大統領には敬意を表すべきであり、尊敬の念を表すべきものです。それが民主主義というものでしょう。
世界の強国であるアメリカ合衆国の大統領は世界最高の権力者であり、権限は強大です。その責任も重大です。これからアメリカと世界をどのように導いてくれるのか、トランプ新大統領のリーダーシップに大いに期待したく思います。
任期終了後、トランプ氏が偉大だった大統領として歴史にその名を残すであろうことを期待したく思い、また願っています。
河合 将介( skawai@earthlink.net ) |