weekly

1064号

 

NO.1064     Ryo Onishi              10/2/2016

 weekly
LAの観光スポット ホームページ バックナンバー
 
雑貨屋のひとり言

10月に入りましたがまだ蒸し暑い日が続いています。台風も次々やってきて被害が心配です。さわやかな秋の日が来るのはいつになるのでしょうか?

歳をとると歯と歯の隙間が広がってきて食事の後、歯に食べ物のカスが挟まり気になります。食事の後は歯間ブラシで掃除し、歯をよく磨くようにしています。生きている間は自分の歯で食事したいので歯を大事にしようと思います。≪R.O≫

 

 時に范螽無きにしも非ず(秋季吟詠大会)

今年も恒例である私たちの詩吟流派の秋季吟詠大会が9月25日(日)に開催されました。吟詠大会は春・秋の年2回開催され、会場である「ロングビーチ市のハーバー日系人会館」の体育館に普段、小クラスにわかれて練習を続けてきた成果を発表するものです。

以前にも当欄で書きましたが、詩吟とは、漢詩に独自の節をつけて吟ずるもので、数百年の歴史を持つ日本古来の伝統文化です。東洋古今の偉人、賢人や詩仙・詩聖たちの磨きぬいた詩からは品位と人生に対する幾多の教訓を学ぶことができます。

詩吟は臍下丹田に力を込めて吟ずるため、健康向上に役立ちます。今回も参加吟士には93歳1名、92歳2名、90歳2名の方々が矍鑠(かくしゃく)として声を張り上げていました。もっともこれらの年輩者は全員女性で、男性の私としては少々肩身の狭い思いです。

また、詩吟は歴史とその教訓を知り、一般教養が身につくのだから健康指向・教養指向の現代人にもピッタリな趣味になりうるものです。最近は伴奏付きの詩吟など、カラオケ時代に合わせた工夫もされています。

 今回、私が舞台上で吟じたのは、『児島高徳(榛葉 竹庭作)』でした。

 独り 鸞輿を遂いて 火坑に入る
   (ひとり らんよをおいて かこうにいる)
秉忠憂国 烈夫の情
 (へいちゅうゆうこく れっぷのじょう)
胸懐 一に託す 荒庭の樹
 (きょうかいひとえにたくす こうていのじゅ)
十字 万世の名を留むるに堪えたり
 (じゅうじ ばんせいのなをとどむるにたえたり)
天 勾践を空しゅうする莫れ
(てん こうせんを むなしゅうするなかれ)
  時に 范螽 無きにしも非ず
(ときに はんれい なきにしもあらず)

太平記で有名な南朝方の忠臣・児島高徳は元弘の乱の際、北条方に敗れた後醍醐天皇が隠岐に流される時、天皇の奪還を試みるものゝ成功せず、庭木の幹を削って『天莫空勾践 時非無范螽』(天勾践〈こうせん〉を空〈むな〉しゅうする無かれ、時に范螽〈はんれい〉無きにしも非ず)と書きつけて立ち去ったという話はよく知られています。
因みに勾践は中国古代春秋時代の越の国王で、ライバルの呉王闔閭を破ったものゝその息子の夫差に敗れてしまった。――― 雌伏する勾践に仕え、後に夫差(呉王)を討って「会稽の恥」をすすがせた忠臣が范螽というわけです。児島高徳は自分を范螽になぞらえて、自分の気持ちを後醍醐天皇に伝えようとしたと言う逸話です。後醍醐天皇は良い忠臣を持っていたものです。児島高徳は仕える天皇の不遇に際しても変心することなく忠誠心を貫きました。
********************
戦前の古い小学唱歌に「児島高徳」という歌がありました。私自身は学校では習っていませんが、兄や姉が歌っていたのでしょう。なんとなくこの歌も私の「懐かしのメロディ」に含まれています。
♪ 船坂山や杉坂と 御あと慕いて 院の庄
  微衷をいかで 聞えんと 桜の幹に 十字の詩
  「天勾践を空しゅうする莫れ 時范螽無きにしも非ず」♪

今回の吟詠大会でも、最後の部分である「天勾践を空しゅうする莫れ 時范螽無きにしも非ず」は特に力をこめて吟じました。

河合 将介( skawai@earthlink.net )

 

    

川柳(東京・成近)

 


( 川 柳 )


均等法越え女子会の大ジョッキ

清純派でした不倫がばれるまで

汚れ役志願アイドル脱皮する

玉の輿素朴な愛を積み残す

ガラス玉でも幸せと薬指


( ニュースやぶにらみ )


「最終回」
あなたの暮らしがよくなりますように −とと姉ちゃん
 
「食欲の秋、スポーツの秋」
ハムが一番 ―パ・リーグ
 
「TPP文書に和訳ミス」
見張らなくっちゃ −案山子

河合成近
nakawai@adachi.ne.jp

http://homepage3.nifty.com/itukabouzu/

龍翁余話

龍翁余話(444)「高齢者の目の病気」

翁は、若い時から近視眼で、近くは見えやすいが遠くが見えにくい。しかし、翁の近視は
比較的軽く、左右の視力0.3だから、テレビを視たり、新聞や雑誌を読んだり、単行本を読んだりする時などは、近視のメガネはかえって邪魔。有り難いことに、後期高齢者になっても未だ老眼鏡を必要としない。つまり、家にいる時はメガネ類は必要としないのだが、外出時、特に車の運転時にはメガネは絶対に必要だ。普通免許の場合、視力が0.6以下は“眼鏡使用”が義務付けられている。それと(義務とは関係なく)ゴルフの時もメガネが無くては困る。遠くが見えにくいので自分が打ったボールの行方や落下地点がはっきりしないから競技同伴者にいちいち教えて貰わなければならない。キャディ(プレイヤーのクラブを運んだり、グリーン上でボールを拭いたり、プレイヤーに助言したりするスタッフ)が付いていれば別だが、(翁たちは)メンバーコースではキャディを付けないので競技同伴者同士が互いに助言し合う。助言、と言えば、翁は近視のほかに乱視(屈折異常、つまり、ピントが合いにくい目の病気)が混じっているので、パッティングの時、グリーンの傾斜を読むのが実に困難、そこで毎回のように、スライスライン(左から右曲がり)か、フックライン(右から左曲がり)かを同伴者に教えて貰う。有り難いことに近年、翁が訊ねなくても同伴者の誰かが必ず教えてくれる。それなのに翁の目(乱視)は、教えられた通りに見えないので、無意識のうちに自分が決めたラインにこだわり、結果的に間違った方向(ライン)に打ち出してパット数を増やす(スコアを崩す)。そして反省する「友の親切な助言を何故信じなかったのか」と・・・プロでもアマでも(最後の仕上げの)パットが不調なら、いいスコアには結びつかない。プロの世界では「パット イズ マネー」(パッティングの好・不調が賞金獲得に影響する)と言われている。

ゴルフ時に限らず、最近、日常生活でも翁の目のコンディションがだんだん悪くなって来ていることを実感する。例えば(前述のゴルフのグリーン上の傾斜の話のほか)地面の傾きを正しく判断する視力が低下して、地下鉄などの階段や坂道の上り下りには、かなり神経を使う。また、パソコン画面やテレビ画面を視ている時、たまに目の前を小虫が飛び(実は錯覚)、思わず手で払い除ける仕草をする。そのほか、時々、目が痒くなったり、普通の光でもやたら眩しかったり、目の渇きを感じて頻繁に瞬きをしたり・・・というようなことで先日、(翁の住まいの)近くの眼科医院を訪ねた。幾つかの検眼を済ませ、ドクターから、さまざまなお話(高齢者が罹りやすい目の病気と予防法)を聴かせて貰った。

『高齢者が罹りやすい目の病気』には、白内障(老人性白内障)、加齢黄斑変性症(かれいおうはんへんせいしょう)、飛蚊症(ひぶんしょう)、老眼、ドライアイなどがある。まず白内障――個人差はあるが、加齢によって生じることが多い(一種の)老化現象。症状としては、目がかすむ、光が眩しい、だんだんメガネが合わなくなる、など。年齢を重ねるほど発症率が高まるそうだ。翁も既に“老人性白内障”に罹っているが「老化によるものだから心配無用」とのこと。加齢黄斑変性症――視力が衰え、物や線が歪んで見えるので、よく転ぶようになる、青色が黄緑色に見える、遠近感がつかみにくくなる、などが症状。翁は、地下鉄などの階段や坂道の上り下りには、かなり用心して歩いていているが、それでも、たまにハッとする時がある。青色が黄緑色に見えたりしたら、もう運転免許証は返上しなければならない。幸いに、今のところ大丈夫だ。飛蚊症――虫が飛んでいるように見える、黒い点や糸くずが見える、などが症状で、翁の場合、黒点や糸くずは見えないが(前述のように)時々、小虫が目の前を横切る(錯覚を起こす)。ドクターいわく「龍翁さんも軽い飛蚊症だが、これも高齢者特有の現象だから全く心配は要らない」とのこと。老眼の話は(翁はその症状が無いので)省略する。

翁が、ドクターから特に注意されたのがドライアイ――目の乾き、充血、痒み、眩しい、ショボショボ、かすみ・・・これらは眼精疲労の範疇に入る。ドライアイの症状が重くなると角膜や結膜に障害をきたす怖れがあるとのこと。原因は言うまでもなく“目の酷使”。翁が注意しなければならないのは長時間のパソコンやスマホ。9月4日配信の『龍翁余話』(440)「今頃気づくスマホ障害」にも書いたが【翁のパソコンや携帯電話の使用頻度は(高齢者にしては)多いほうだ。と言ってもゲームをしたり音楽を聴いたり映画を観たりする訳ではなく、パソコンの場合は『余話』やその他の原稿を作成したり、インターネットで新聞(各紙)を読んだり各種の情報を検索したりする程度で、朝2時間、夜2時間の(平日は)4時間程度、休日は(延べ)6時間くらいパソコンと向かい合っている】――ドクターのアドバイス「定期的に目を休ませること、遠くを見たり、意識的に瞬きをすること」更に「20・20・20・20の眼精疲労回復のエクササイズを実行すること。つまり20分おきに20フィート(約6メートル)離れた場所を20秒間見つめながら、20回連続で瞬きをする」翁は、きちんと時間・距離・回数計算をするのが面倒くさいので“適時”に目を休ませ、遠くを見て(翁は空を見上げて)数秒間、数回、瞬きをすることにしている。

さて、本格的な秋の訪れ、過ごしやすい季節だが“目の病気”が増えるシーズンでもあることを、ドクターに教えて貰って初めて知った。原因は、夏に溜まった疲れ、夜長の読書や長時間のテレビ・ドラマ、あるいはレンタルDVDの長時間の映画鑑賞、それに長時間のパソコンやスマホ使用・・・空気の乾燥、紫外線の多さ(紫外線と言うと、夏のほうが強いように思うが、実際は春秋のほうが空気が澄んでいる分、紫外線が地上に届きやすくなる、とのこと)。そしてもう1つ、花粉アレルギーによって目をこする物理的刺激・・・

ドクターの助言のまとめ「目を休ませる、遠くを見る、緑を見る、時々、目を軽く冷やす、
目が痒い時は目をこすらないで瞬きを繰り返すか、目を閉じて柔らかい布で軽く抑える。とにかく“目も体の1部“を自覚しましょう」・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。

 

茶子のスパイス研究

お婆ちゃん、お爺ちゃんから孫へ

人と接していて、時々この人は、お爺ちゃんやお婆ちゃんと過ごす時間が長かったのだろうなと思う事がある。日系アメリカ人の人達を見ていても同じように感じる。親にとって最初の子供は経験が無いので、どうやって育てたらいいかわからず戸惑う事は当たり前だ。先日、こんな光景を見た。クライアントさんの娘さんが4歳の子供を連れて遊びに来ていた。何があったのかは、わからなかったけれど突然、娘さんが子供を怒鳴りつけ叱りとばした。その娘さんの態度に“ 子供は、わからないんだから、そんな大声で怒鳴らなくたっていいじゃない”と孫をかばった。子供はワーワー泣きじゃくってお婆ちゃんの腕の中に隠れて泣いた。何か月か前も、そんな光景を見た。その時は、ひいお婆ちゃんとひい孫の関係だった。やはり感情に任せて怒る母親を窘めるでもなく注意するでもなく、ただ、ひたすら、ひい孫に両手を広げて “こっちにおいで、ひい婆ちゃんが抱っこしてあげるから“と。4歳の坊やは、その大きな暖かい腕の中に飛び込んで泣きじゃくっていた。ひい婆ちゃんは何にも言わず坊やを抱きしめていた。これがUnconditional Love 無条件の愛情なのだろう。ひい婆ちゃんの愛情は両親の愛情ともまた違った慈悲に近い愛情に溢れている。こうやって子供はすくすく育っていくのだな〜と。お爺ちゃんやお婆ちゃんは自分の世代の子育てが終わり客観的に孫に接する事が出来る。ゆっくりとした時間の中で自分の子供を育てた記憶を辿りながら孫と向き合う余裕がある。余裕があるから優しく接する事が出来るのだろう。

最近、お婆ちゃんの影響を受けた日系4世の娘さんと話す機会があった。彼女は幼い頃からお婆ちゃんに折り紙を教わったという。お婆ちゃんは手先が器用で刺繍やクラフト作りもしていたらしい。そのお婆ちゃんから着物の端切れをもらって作ったという髪飾りを見せてもらった。今週末はクラフトショーがあってそこに展示するのだと言う。
お婆ちゃんのお蔭で彼女は日本のものは何でも興味を示すし大好きなのだ。先月、彼女は憧れの日本に生まれて初めて旅行に出かけた。帰ってくるなり、まだ興奮冷めやらぬ様子で京都の友禅や和紙の素晴らしさ、日本の食事の美味しさなどなど目をキラキラさせて話してくれた。まだ、彼女の母親は日本に行った事が無いと言うのに、もう彼女は次の日本旅行の予定を立てている。先週、茶わん蒸しの作り方を教えたら早速作って写真をメールに添付して送ってくれた。とても嬉しくほのぼのした気持ちにさせてくれた。彼女のお婆ちゃんは自分の子供の時代には与える事が出来なかったものをお孫さんには、しっかり伝えてくれたのだろう。そんな優しかったお婆ちゃんは昨年、旅立って逝ってしまった。最後まで毅然としてお婆ちゃんの世話をして支えたのがこのお孫さんだと母親は言っていた。日系4世5世のアメリカ人がいずれ日本との懸け橋になってくれたなら…
そう願わずにはいられない。
 

茶子 スパイス研究家

 

さくらの独り言

今週はお休みです。

 

ジャズライフ−今週のお奨めアルバム

オリンピック、パラリンピックが開催されたリオデジャネイロのことはもう報道されることがなくなりました。大きなイベントの終わったあとのリオの街はどうなったのかなあと思っています。ブラジルと言えばボサノヴァというイメージがありますので今回はブラジル生まれのピアニスト、ジョアン・ドナート (Joao Donato) のアルバム"Lugar Comum"を紹介します。さわやかで聴きやすいキレイ目系のボサノヴァって感じです。

"Lugar Comum" Joao Donato

01-Lugar Comum
02-Tudo Tem
03-A Bruxa de Mentira
04-E Menina
05-Bananeira
06-Patumbalacunde
07-Xango E De Bae
08-Pretty Dolly
09-Emorio
10-Naturalmente
11-Que Besteira
12-Deixei Recado

ジャズアルバムの紹介リスト
http://www.zakkayanews.com/jazzlist.htm  
《R.O.》

 

編集後記

ドイツ銀行に絡む法的な問題などで、ドイツ銀行の株価が暴落しています。フォルクスワーゲンのメイン銀行でもありたくさん訴訟をかかえていて経営体質もよろしくないようです。ドイツ銀行が破綻するとリーマンショックを超える規模の金融危機が起こるのではないかと言われています。日本の株価も為替も不穏な動きを示しています。金融危機が起こらないことを祈っています。《R.O.》


雑貨屋のブログ→ http://zakkayanews.jugem.jp/
雑貨屋ニュースレターのバックナンバーは下記のURLでご覧いただけます。

http://www.zakkayanews.com/zwback.htm

Zakkaya Weekly No.1064

雑貨屋 店主 大西良衛   http://www.zakkayanews.com/
              
tenshu@zakkayanews.com