weekly

1062号

 

NO.1062     Ryo Onishi              9/18/2016

 weekly
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雑貨屋のひとり言

豊洲市場への移転をめぐる問題が毎日、報道されていますが、知れば知るほど東京都の無責任さが表面化してきて、呆れています。なぜこのような無責任なことが行われているのか、徹底的に追求したほうが良いと思います。東京オリンピックに関しても隠蔽されることがないよう情報をオープンにすることが求められると思います。芸能人のくだらないゴシップなんかどうでもいいですから。≪R.O≫

 

 幸せは心で感じるもの(磁針寄稿文)

 前号でも書きましたが、私は当地ロサンゼルスを中心とする日系バイリンガル新聞である羅府新報の『磁針』欄に、ほぼ月一度寄稿をしています。ここで磁針寄稿250回を迎え、これまでの寄稿文を整理しています。ほとんどの文章は当、雑貨屋ウイークリーに投稿しているコメントですが、『磁針』のほうはロサンゼルスを中心に滞在している日本人や日系人を対象にしており、また紙面の都合上、文字数に制限があり(860文字)、雑貨屋用とは若干ニュアンスが異なった書き方、内容になっています。そこで時折、磁針寄稿文をここにも連載させていただき、ご参考に供します。

 『幸せは心で感じるもの(磁針寄稿文、2016年3月掲載)』
脳科学の立場からの説明によると、私たち人間が感じる幸福感とは脳内に分泌されるドーパミンが引き起こす化学反応によるものだという。分泌されるドーパミンの量が多ければ多いほど、より幸福感を感じるのだそうで、結局、幸福感の強弱は脳内ドーパミン分泌量の多寡によって決まるのだそうだ。

脳の中のドーパミンという特定物質の量によって人間の幸不幸の感情を左右されてしまうとは、科学の立場からは正しい説明なのかもしれないが、人間の感情はそんな単純な物理的説明で割り切れるものなのだろうか。

私には科学的説明に反論する材料も根拠も持ち合わせていないが、上記の説明だけでは納得しづらいところがある。なぜなら私たちは心を持ったヒトという情感あふれた生命体であり、単なるモノではなく、無機物同様に扱えないものだからだ。

私たちはもっと人間らしく、心ときめくロマンティックな存在でありたいと思う。それを化学物質の分泌によるとの結論では生きている意味すら喪失しかねない。人間の心とはそのくらい摩訶不思議な存在なのではないだろうか。
 
私は若いころ、日本の会社に就職し、勤務先は諏訪(長野県)だったが、真冬を除いて会社の休日はほとんど信州の山か高原を歩いていた。山を登っている時は「なぜ、こんな苦労して登山などしているのだろう。もう金輪際こんなことはやめよう」と思ったことはしばしばだった。

でもまた次の休日になると足は自然に山に向かっていたのだった。これも“ドーパミン”のなせるわざといえばそれまでだが、それは今でも私の青春の思い出として忘れられない大切な宝であり、なにものにも代えがたい人生の貴重な1ページとして心に刻みついている。

私も科学の真実は尊重するが、喜怒哀楽の感情はやはり崇高な心の問題としてとらえ、心の持ち方こそが大切なのだと強調したい。もっとも、その心の持ち方次第で脳内ドーパミンの分泌量が増減するということならば、私の主張は科学的説明を情緒的側面から述べたに過ぎないものであり、結局、同じことを述べているにすぎないのかもしれない。

河合 将介( skawai@earthlink.net )

 

    

川柳(東京・成近)

 


( 川 柳 )


本心はどっちも欲しい愛とカネ

膨らんだ財布テッシュが詰めてある

見比べて大きい方の偽を取り

バカでした愛もダイヤも偽でした

年金にラストチャンスと言われても


( ニュースやぶにらみ )


「党を立て直す」

地下に空洞は作りません −蓮舫新代表

「国民医療費41.5兆円」

重症です −医療行政

「オセチ商戦スタート」

♪もういくつ寝るとお正月 −デパート

河合成近
nakawai@adachi.ne.jp

http://homepage3.nifty.com/itukabouzu/

龍翁余話

龍翁余話(442)「秋彼岸」

「暑さ寒さも彼岸まで」――昔の人は、うまいことを言ったものだ。激寒の冬を経て春が近づく頃の寒さ(余寒)は春彼岸(春分)頃まで。それが過ぎると間もなく夏日(25℃以上)、真夏日(30℃以上)、猛暑日(35℃以上)、厳しい残暑と、うだるような日々が待ち受けている。歳を重ねるたびに「今年の夏の暑さは、こたえる」の愚痴が多くなる。しかし、それも秋彼岸(秋分)までには、何とか和らぎ凌ぎやすくなる。そして、ちょうど今から“爽秋の候”が始まる。冬の厳寒の後に『春彼岸』が温暖な緑風と芽生えの季節を運んでくる。夏の酷暑の後に『秋彼岸』が涼風と豊かな実りを運んで来る。「四季に恵まれた日本は、本当に住みよい、美しい国だ」を実感する。それもこれも『彼岸』が日本の四季を演出するコーディネーター(統合・調整役)である、と翁は思う。

以前にも『余話』に取り上げたことがあるが“三途の川”の向こう岸を『彼岸』(あの世の極楽浄土)と言い、“三途の川”のこちら岸を煩悩の多きこの世『此岸(しがん)』と言う。春秋2回の『彼岸』の間(それぞれ7日間)は、いろいろな仏事(彼岸会の法要)が催され、人々はお墓参りなどをして亡き先祖に感謝し、その霊を慰める供養を行なうが、この仏教行事は日本独自のものだそうだ。翁も人並みに『彼岸』の間、お茶・お花(秋はコスモス・萩・リンドウなど)・オハギをお供えして亡き人を偲び、ご冥福を祈る。翁の“彼岸行き”も、そう遠くはないので(ついでに)「極楽浄土へ行けるよう」ご先祖様にお導きを願う。しかし、何しろ『此岸』で煩悩の多い余生を過ごしている翁を、果たして阿弥陀仏(極楽浄土にいる仏様)が、快く迎えてくれるかどうか疑問ではあるが・・・

生来、餅や芋、豆類の好きな翁、『秋彼岸』の間、オハギを絶やさない。スーパーで4個入りパック(餡子2個、黄な粉2個)を買い、仏壇(と言っても翁宅は故人の遺影だけ)にお供えして夕方は生き仏(翁)が、お下がりを頂戴する(餡子・黄な粉を1個ずつ)。近年のオハギは小さいから2個がちょうどいい。お供え分が無くなると、再びスーパーへ。『秋彼岸』の間、同じことを繰り返す。それは故人へのお供えが第1の目的ではあるが、この時期、翁自身がたらふく食べたいからでもある。そのことをよく知る友人は「毎晩、オハギが主食?気持ち悪い、想像しただけで胸焼けしそうだ」と呆れ顔をするが、それほどに翁はオハギが好きだ。但し、メタボが気になる。間違いなく(1週間で)1.5kgは太る。今まさに“食欲の秋”、毎年秋は、だいたい2kgは増える。だからこの時期の翁のメタボはオハギのせいばかりではない、と言い訳をしている。冬季に2kg減量する。しかし『春彼岸』には、ぼた餅を欠かさないから、また1.5kgは増える。だから、翁のメタボリック症候群は一向に改善されない。

さて『秋彼岸』には“オハギ”『春彼岸』には“ぼた餅”と書いた。基本的には“オハギ”も“ぼた餅”も同じだと思うのだが“お萩”、“牡丹餅”という漢字が当てられているので、萩の時期(秋彼岸)には“オハギ”、牡丹の時期(春彼岸)には、“ぼた餅”と呼ぶようになったのだろう。だが、翁は、上品ぶった(都会風の)小ぶりな“オハギ”より、茶碗一杯分くらいの大きさがある(田舎風の)“ぼた餅”の方が好きだ。“オハギ”と“ぼた餅”の違いの俗説に「小豆餡が“ぼた餅”、黄な粉が“オハギ”」とか「こし餡が“ぼた餅”、粒餡が“オハギ”」更に「丸くて大きいのが“ぼた餅”、小ぶりで長めが“オハギ”」などがあるが、翁、この3番目の俗説を支持する。

ところで、春分と秋分の日は、1日の昼と夜の長さがほぼ同じであることは、よく知られているところだが、先日、翁たちが時々集うシニアグループの会合の時、メンバーの1人(元高校校長)から『お彼岸』の時期にピッタリの話を聴かせて貰った。「昼夜の長さが同じという自然現象が、お釈迦様の説く“右にも左にも偏らない中道の思想”と重ね合わされて、この時期に彼岸という仏教行事になった」、「お彼岸の期間は故人・先祖への感謝と慰霊は勿論だが、同時に、我が身を省みる期間でもある。我々も、いずれは彼岸に行く。僧侶も我々俗人も極楽浄土の世界へ到達するために“六波羅蜜(ろくはらみつ)”を実践しておかなければならない」――“六波羅蜜”とは6つの徳目(修行)のこと、即ち@布施(ふせ=他人に施しをすること=親切にすること)A持戒(じかい=戒律、俗世間では社会規範を守ること)B精進(しょうじん=常に努力すること)C忍辱(にんにく=辛苦に耐えること)D禅定(ぜんじょう=平穏な気持ちを持ち、常に反省を忘れないことE智慧(ちえ=正しい判断力を持ち、真実を見極める目をもつこと)・・・

翁、この話を聴いて“6つの徳目”を現在の我が身に照らして見た。@布施=親切心はあると思うのだが、人様に施しをする器量はないA持戒=社会規範は守っているB精進=生来、努力は好きではないが、唯一、楽しみながら努力しているのはゴルフだけC忍辱=辛苦に耐える忍耐力が薄らいで来たD禅定=常に平穏な気持ちでいようと心がけているがE智慧=若い時から物事の正邪・是非を判断する訓練はして来たつもり・・・ここで翁、改めて思う「ルール・マナー・忍耐・判断・研鑽、調和が求められるゴルフこそ人間修業の場」これ即ち「6つの徳目なり」と・・・

お釈迦様が説く“右にも左にも偏らない中道の思想”は(観念的には)そうありたいと思うのだが、翁はどうしても思想的には右傾向の人間であると自認・他認しているから、それだけでも翁はお釈迦様の教えに反しているので極楽浄土行きは難しいかも知れない。しかし今更、思想変更は出来ない。冒頭に「供養の際、極楽浄土へ行けるよう、ご先祖様にお導きを願う」と書いたが、正直なところ翁にとっては“彼(か)の世界“のことより、
”現世をどう生きるか”が問題、そのために、この『秋彼岸』の時くらい(せっかく教えて貰った)六波羅蜜を静かに考える機会にしたい・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。

 

茶子のスパイス研究

日本食とおもてなし

先日、日本の鰹節の工場がフランスに出来たというニュースを聞いた。かなり前からヨーロッパでも日本のダシに関しては研究されていて彼らの料理にも活用されてきたようだ。柚子や山椒など日本独特のスパイスもシェフの間では人気が高いと業者の人が言っていた。

先週の日曜日、毎年恒例になっているハイキンググループのポットラックパーティーが行われた。今年は何を持って行こうか考えていたらオックスナードの畑で育った旬のお野菜が届いた。シシトウ、スダチ、柚子、イチジクをたくさん頂いた。これらの旬の食材の中で昨年、皆に好評だったのが日本のシシトウ。熱い鉄板の上で焦げ目がつくくらい焼いたシシトウにポン酢をかけ漬け込んだものを今年も持参する事にした。毎年、様々な手料理がにぎやかにテーブルの上に並ぶ。料理をお皿に取り分けていると先週日本の旅行から戻ってきたばかりだというアメリカ人の人から話しかけられた。まだ旅行の余韻が残っているようで初めての日本旅行に感動した話をし始めた。日本の食事の美味しさは、もちろんの事、日本人のサービスに驚いたと言う。その人は日本のホテルに到着した時にスーツケースのチャックが壊れて抱きかかえるようにスーツケースを運んでいたらホテルの人がそれをノーチャージで修理してくれた上、次の泊るホテルまで送り届けてくれたと言うのだ。無事にホテルに届けてくれたうえ汚れていたスーツケースの埃まで綺麗に拭いてくれていたというのだ。このアメリカではあり得ないと絶賛していた。クライアントさんのお孫さんも同じ頃、初めて日本に行って東京、広島、京都と旅行から戻ってきたばかりだった。初めて見る景色や人や食べものに感動した事など目を輝かせて話してくれた。私達日本人は気が付かない事やあたりまえの事が外国人からすると驚きと讃嘆に変わるのだ。日本の中にいると日本の良さが見えない事もある。かえって悪い所ばかり目に付いてしまったりもする。でも、こうして外から日本を客観的に見てみるとやっぱりおもてなしの心粋は世界1かもしれない。

茶子 スパイス研究家

 

さくらの独り言

今週はお休みです。

 

ジャズライフ−今週のお奨めアルバム

今週は候補リストからJim Hallのアルバム"By Arrangement"です。
Jim Hallがスタンダードナンバーをアレンジしたアルバムですが、620号で紹介したCoceiertoや893号のPaul Desmondと共演したTake Tenの有名なアルバムのギターを期待してこのアルバムを聴くとJim Hallのギターがあまり目立たなくてちょっと拍子抜けするかもしれません。落ち着いたアルバムって感じです。

"By Arrangement" Jim Hall

1.Django 作曲: John Lewis
2.Waltz for Debby 作曲:Bill Evans,Gene Lees
3.Ruby, My Dear 作曲:Thelonious Monk
4.Goodbye 作曲: Gordon Jenkins
5.Art Song 作曲:Jim Hall
6.October Song 作曲: Jim Hall
7.Wendy 作曲:Paul Desmond
8.The Wind 作曲:Jerry Gladstone,Russ Freeman
9.Whisper Not 作曲:Benny Golson

Jim Hall:electric guitar,acoustic guitar,fletless classical guitar,12-strings guitar
Scott Colley:bass
Terry Clarke:drums
Pat Metheny:acoustic guitar (on track 1)
The New York Voices:vocal,chorus(on track 2,8)
Tom Harrell:flugelhorn (on tracks 3,5,7,9)
Jim Pugh:trombone (on track 3)
Marcus Rojas:tuba (on track 3)
Joe Lovano:clarinet,soprano sax (on track 4)
Loise Schuman:viola (on track 6)
Greg Osby:alto sax (on track 8)
Alex Brofsky:horns (on track 9)
ジャズアルバムの紹介リスト
http://www.zakkayanews.com/jazzlist.htm  
《R.O.》

 

編集後記

いつごろからかわかりませんが自動ドアのセンサーの感度が変化してきていると感じています。以前ならドアの1,2メートル手前でドアが開いていたのですが、今は直前でないと開きません。今住んでいる建物もそうですし、ショッピングセンターの自動ドアもそうなっています。何のためにこうしたのだろうと考えているのは私だけでしょうか?《R.O.》


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http://www.zakkayanews.com/zwback.htm

Zakkaya Weekly No.1062

雑貨屋 店主 大西良衛   http://www.zakkayanews.com/
              
tenshu@zakkayanews.com