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1061号

 

NO.1061     Ryo Onishi              9/11/2016

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雑貨屋のひとり言

日中の気温はまだ真夏並みですが、朝夕の気温が下がり、暑さはすこし和らいできてちょっとほっとしています。今年は大変厳しい夏でした。疲れがでてくる時期かもしれませんので体調を崩さないようにしましょう。
暑い夏の年は寒い冬がくるといわれていますので、今年の冬は今と全く逆のことを書くのかなあと今から想像しています。≪R.O≫

 

 変幻自在の憲法解釈

当地ロサンゼルスを中心とする日系バイリンガル新聞である羅府新報『磁針』欄に、ほぼ月に一度、私は寄稿をしています。次回で250回目を迎えます。当、雑貨屋ウイークリーに投稿しているコメントも時々、この『磁針』寄稿用に使っています。

先週、当欄に書いた『変幻自在の憲法解釈』は、実は以前にも、似た内容で書いた記憶がありますが、最近の日本は相変わらず解釈改憲が蔓延しているので、再度同じ趣旨で書きました。それを今月の『磁針』欄に寄稿しました。(掲載日:9月7日)

以下は、『磁針』欄に今回寄稿した文章です。先週、当欄に書いた『変幻自在の憲法解釈』と内容はほぼ同じですが、文字数などの制約があるため、少し違っています。

日本語では何かをいう時、正しい表現かどうかとは別に、なるべく穏やかな言葉で表現するのが一般的に良い日本語であるとされている。例えば『女中さん』 という代わりに『家政婦さん』と呼び、『百姓』(この言葉はもともとは由緒正しい言葉なのだが)を『農業従事者』などと言い換えて満足している。

何か問題が発生すると、基本はそのままにして、表現だけを変えて(即ち解釈を変更して)お互い暗黙のうちに納得・了解しあう癖があるようだ。

1945年8月15日は日本にとって『敗戦の日』であるのに我々はこれを『終戦記念日』と呼び慣れてきた。日本の終戦(敗戦)秘話について書かれた書物によると、当時、連合国側からポツダム宣言を突きつけられ、無条件降伏を迫られた時、当時の日本政府は最後まで『国体の護持』、即ち天皇制の維持にこだわったという。

そして連合国側からの解答を意図的に誤訳してまでして、国体の護持が維持されることにして徹底抗戦派を説得したという。

日本国憲法は施行されて満69年、国家も社会も世界もこんなに大きく変化しているのに我々の憲法が不変なのは日本が変化に応じ、都合よくその解釈を変えているからだろう。

例えていうならば長さを測るモノサシを生ゴムで作っておいて、必要に応じて伸ばしたり縮めたりして長さを測っているようなものだ。日本とは実にフレキシブルで便利な国だ。

特に最近の日本は、現行憲法を本文の一字一句も変更せず、解釈を変更する離れ業をやってのけるのが目立つ。こんなことが許されるのも、古来日本人の持つ国民的性癖なのだろうか。

日本内外を取り巻く変化に対応するため、日本国憲法の見直しこそ最重要課題であり、国民的議論を喚起すべき時ではないだろうか。それが立憲民主主義を謳う本来の姿だろう。

今、改憲論議をやっても国民の理解を得ることが困難であるというならば、まずは国民に対しわかりやすく丁寧に説明して説得することが必要だと思う。日本国憲法を都合よく解釈だけ変えて現状に当てはめていると、将来に禍根を残すことになりそうだ。

河合 将介( skawai@earthlink.net )

 

    

川柳(東京・成近)

 


( 川 柳 )


千鳥足我が一筋の道ながら

IT化そんな急いでどこへ行く

自分史のこんなに雑な句読点

自分史という名の笑えない漫画

一宿の恩を地球に返さねば


( ニュースやぶにらみ )


「結婚」

ダブルスで頑張ります −福原愛

「北朝鮮の核実験に絶句」

過ちは繰り返しま… −原爆碑

「豊洲市場」

おたくも大変だね −新国立競技場

河合成近
nakawai@adachi.ne.jp

http://homepage3.nifty.com/itukabouzu/

龍翁余話

龍翁余話(441)「十五夜 雑感」

今年の『十五夜』(中秋の名月)は9月15日(旧暦8月15日)。『十五夜』は『満月』を意味するそうだ。この時期、ちょうど里芋などの季節なので、その収穫を感謝して『芋名月』とも呼ばれている。翁の子どもの頃、芋類を(お月様に)お供えしたかどうか記憶にないが、思い出されるのは“ススキ”と“お月見団子“。団子は、月に似せた白い丸団子と、団子の上に餡子(あんこ)を乗せたオハギ風の団子。縁側の中央に2つの三方(さんぽう=神仏へお供え物を乗せる木の器)を置き、半紙を敷いて2種類の団子を(山盛りに)乗せ、三方の両側に”ススキ“と(花の名前は知らないが)季節の花を挿した花瓶が置かれ、家族揃って月見をするのが『十五夜』の我が家の習慣だった。戦争が激しくなって(敗戦の色が濃くなって)から終戦までの2,3年は、翁の田舎でも町全体がお月見どころではなかったのだろう、その間の我が家の観月会も中断した。終戦の翌年(昭和21年)の秋から我が家の観月会は復活した。

翁がギターを習い始めたのが昭和21年(小学校4年)春からだった。その年の『十五夜』に翁のギター伴奏で(家族皆で)童謡『十五夜お月さん』(作詞:野口雨情、作曲:本居長世)などを歌った。♪十五夜お月さん ごきげんさん 婆やはお暇(いとま)とりました 十五夜お月さん 妹は 田舎へ貰(も)られて ゆきました 十五夜お月さん 母(かか)さんに も一度わたしは 逢いたいな――その時、母親が「わたしゃ、いつでも、あんたたちの傍に、おるばい(いるよ)」と言って微笑んだ顔が今でも懐かしく思い出される。
『花かげ』(作詞:大村主計、作曲:豊田義一)♪十五夜お月様 一人ぼち 桜吹雪の花かげに 花嫁姿の お姉さま 俥(くるま)にゆられて ゆきました――『十五夜お月さん』の時期に何で“桜吹雪“か?多分、これから秋に向かって樹木の葉が風に吹かれて散り始めるのを”桜吹雪“に譬えたのだろう、と勝手に解釈している。
『うさぎ』(文部省唱歌)♪うさぎ うさぎ なに見てはねる 十五夜お月さま 見てはねる――これらの3曲は、今でも(楽譜なしで)弾ける。しかし、弾くたびに思う、(3曲とも)同じような節回しで、何でこんなに寂しい(哀し気な)メロディだろうかと・・・

子どもの頃、誰からか「お月様には、ウサギが住んでいて、十五夜になると餅つきをするんだよ」と言われ、じっと(満月を)眺めていると、何となくウサギが餅つきをしているように見えたものだ。“月とウサギ伝説”を調べてみたら、インド神話「ウサギの善行とお釈迦様」や中国伝説「不老不死の薬作り」、そして日本伝説「“満月”を表す言葉の“望月(もちづき)“が転じて”餅つき“になった」など、(インド神話以外は)月とウサギを結び付ける決定的な伝説(由緒)は見当たらない。それに”お月様の中でウサギが餅つきしている“ように見えるのは、どうやら日本だけの感じ方のようだ。

ところで、翁がお世話になっている週刊エッセイ集『ZAKKAYA WEEKLY』の読者ならご存知と思うが、河合将介さんというベテランのエッセイストがおられる(米国ロス在住)。長年の米国生活体験を通して論評される日本(人)観・米国(人)観には大いに定評がある。その河合さん、漢詩(詩吟)にも造詣が深いご仁だ。実は翁も漢詩が好きで、特に日本人による漢詩を好む。河合さんのように本格的な吟詠は出来ないが、時々、自己流で(漢詩の幾つかを)吟ずることがある。例えば――
伊達政宗『馬上少年過』【馬上 少年過ぐ 世平らかにして白髪多し 残躯天の赦すところ
楽しまざる是 如何せん】(戦場に馳せた青春の日々は遠く過ぎ去った 今は天下泰平 俺の髪の毛はすっかり白くなった 老後くらい好きに楽しむことを 天はお許しになるだろう)・・・後期高齢者となった翁、今、まさにこの詩に共感を覚える。「若い頃、まあまあ頑張った。白髪(老齢)になった今、ゴルフやドライブを楽しむくらいは神様も認めて下さるだろう」と思っている――
広瀬淡窓『桂林荘雑詠』【道(い)ふを休めよ 他郷苦辛多しと 同袍友あり 自(おのずか)ら相親しむ(以下、略)】(故郷を離れて苦労が多いなどと言うなかれ ここには志を同じくする仲間がいるではないか)思い返せば翁、中学3年の時、単独で故郷を離れ神戸に遊学、それなりに辛酸をなめたが、大勢の仲間を得、その人たちに支えられて(人生を)投げ出すこともなく、今、振り返るに“恵まれた過半生”であった――
頼山陽『川中島』【鞭聲肅肅 夜 河を過る 曉に見る 千兵の大牙を擁するを 遺恨十年一劍を磨き 流星 光底 長蛇を逸す】(馬に当てる鞭の音も静かに 夜中(上杉軍は)千曲川を渡り川中島にたどり着く (武田軍は)明け方になって目前に敵(上杉軍)の大軍が戦旗を擁して迫り来るを見る (上杉謙信は)この10年間 (武田信玄を討つために)剣を磨いた そしてある日、謙信、信玄におどりかかる機会があった。信玄に一撃を与えた瞬間、剣の閃光がきらめく(が、信玄を仕留めるには至らず)・・・余談だが謙信が信玄に3太刀浴びせたが、それを受けた信玄の軍扇には8つの刀傷が残されていた――
そして、実は『十五夜』に紹介したかった漢詩が、中江藤樹の『諸生と月を見る』である。
【清風 坐に満ち炎暑を忘る 名月 天に当って世塵を絶つ 同志偶然 興に乗ずるところ 知らず識(し)らず 帝堯の民(たみ)】(今宵は清々しい風が座敷に心地よく吹き込み 暑さを忘れる 名月は天に輝き 煩わしい世間を離れ清らかな気持ちになる)・・・

すがすがしい秋風が、10階の翁のマンションの部屋に心地よく吹き込むものの、月が見られるのは寝室とベランダからだけ。ベランダでコーヒーを啜りながら煌々たるお月様を見ていると、確かに心が和む。しかし、何故か(これまでに)『十五夜』が満月であった記憶が少ない。中秋の夜、月が雲にかくれたり(『無月』)、雨だったり(『雨月』)が多かったのかもしれない。それはともかく、2002年までの9月15日は『敬老の日』であった。もし15日の夜が満月なら、これまで翁を支えてくれた多くの人たちへの感謝の気持ちをお月様に伝え、余生の安寧と世の安泰を祈ろう・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。

 

茶子のスパイス研究

今週はお休みです。

茶子 スパイス研究家

 

さくらの独り言

今週はお休みです。

 

ジャズライフ−今週のお奨めアルバム

日中はまだ真夏並みに暑いですが朝夕は涼しくなって過ごしやすくなってきましたのでジャズも聴きやすいですね。
新たにジャズを仕入れてありますが、今週は候補リストの中から秋らしいアルバムを選びました。Manhattan TrinityのCharadeです。アルバムはスタンダード曲ばかりですが、きれいな音のピアノで疲れず安心して聴けるジャズです。Manhattan Trinityは1997年に結成されたニューヨークのピアノトリオです。

"Charade" Manhattan Trinity

01-Charade
02-Stolen Moments
03-I Remember Clifford
04-Five Spot After Dark
05-'Round Midnight
06-Yesterdays
07-A Nightingale Sang In Berkeley Square
08-You Better Go Now
09-Jordu
10-Lotus Bloosom

Cyrus Chestnut(P)
George Mraz(B)
Lewis Nash(Ds)

ジャズアルバムの紹介リスト
http://www.zakkayanews.com/jazzlist.htm  
《R.O.》

 

編集後記

健康に関する内容のテレビ番組が多いです。健康の話題を取り上げている経済番組もありますね。それだけ健康に関心を持っている人が多いということでしょう。
私たちは気が付かないうちに便利さや快適さと引き換えに生活の中でたくさんのストレスを自分でかけています。それが生活習慣病になっている場合もあります。呼吸一つをとっても浅い呼吸しかしていない自分に気付かされます。生活習慣をちょっと見直すだけでストレスを減らせると思います。ヨガは私にとって健康のためにやっているのですが、最近、自分の身体との対話の時間だと思うようにしています。《R.O.》


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Zakkaya Weekly No.1061

雑貨屋 店主 大西良衛   http://www.zakkayanews.com/
              
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