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1049号

 

NO.1049        Ryo Onishi              6/19/2016

 weekly
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雑貨屋のひとり言

就任当初はあれほど期待され人気のあった舛添さんが、週刊文春の記事がきっかけで、都民、国民の大批判を浴び、知事の座から引きずり降ろされてしまいました。これでザル法である政治資金規正法の核心をつかないまま幕引きされ、すべてがうやむやのままです。週刊文春の調査能力はすごいですが、週刊誌に載らないとわからないことが多すぎます。政治は国民の代表がやっているのですから政治家自身がもっと透明性を高める努力をしないと同じ事が繰り返されると思います。雑貨屋のひとりごとです。≪R.O≫

 

 6月、もう一つの記念日

前回のこの欄に『6月7日は癌からの解放記念日』と題し書いたところ、多数の方々からお祝いと励ましのメールをいただき、感謝いたしております。ありがとうございました。

私にとって、5年前に受けたがん手術へのCancer Doctor による完治宣言は、「再発・転移の心配はない、もう定期的にCTスキャンなどの検査を受け、その結果を心配する必要がない」という意味で、大きな開放感を味わえる瞬間でした。

さて、私たち夫婦にとって6月には、もう一つ記念日があります。1985年6月10日、私たち夫婦は当地アメリカ(ロサンゼルス)へ赴任しました。あれから31年、人生の山を越え、谷をわたり、決して平坦ではありませんでしたが、なんとか無事に生きてこられたのも家族をはじめ、周囲の皆さんのお蔭によるものと痛感しています。今更ながら感謝、感謝です。

 私たちの海外生活は前赴任地だったシンガポールを含めて39年となり、それまで日本で過ごした期間(38年)より長くなりました。

今から31年前、私たちがアメリカへ向かって日本を離れた時(1985年)は、G5(先進5カ国蔵相・中央銀行総裁会議)による為替レートに関する合意(プラザ合意)が発表された年で、日本も急速な円高が進行し、バブル景気につながった年でした。

このころの日本はバブル景気が始まり、ほとんどの経済指標が右肩上がりで推移する自信過剰のころでした。当時は日本から海外への過度な投資・投機熱による資産価格の高騰が続き、米国資産に対する日本資本からの買収が賑やかでした。

日本国内では土地の高騰が異常なまでに進み、「東京都千代田区だけの土地の時価総額とカナダ一国の土地総額が同じ金額」といわれていました。カナダの全面積はアメリカ合衆国よりも広いにもかかわらずです。

また、ロサンゼルスと周辺の有名ゴルフコースや高級ホテルも日本資本による買収が相次いでいました。カリフォルニア州の隣り、ネバダ州のラスベガスでも次々と日本資本のカジノ場がオープンしていました。でもこれらの日本からの投資ブームは、それから数年後、バブル崩壊とともに姿を消してしまいます。

この年(1985年)8月には日航ジャンボジェット機が群馬県の御巣鷹山の尾根に墜落、歌手の坂本九さんら乗客乗員520人が死亡するという、わが国航空史上最悪の惨事がありました。このとき私はアメリカ赴任直後でバミューダ島での営業会議に出席中で、ホテルで知ったニュースに大ショックだったことを昨日のことのように覚えています。

 駐在員としての本来の業務は当然のことながら苦労の連続でしたが、過ぎてしまえばどんなことでも貴重な経験であり、種々遭遇した厳しくつらい出来事も懐かしい思い出になっています。

滞米中の39年、地域コミュニティとのかかわりも数多くさせていただき、駐在員としての関与以外に、日系企業の駐在員や経営者たちのための月例勉強会や、子弟のためのサポート組織の立ち上げにかかわりました。

また、業務以外で思い出に残る活動といえば、「在外邦人の在外投票制度の実現運動」です。私たちはこの運動を通じて、署名運動、政府・国会への請願、日本弁護士連合会へ人権救済申し立て、日本の最高裁判所への違憲訴訟まで行いました。私も最高裁原告団13名の一人として参加し、結果、最高裁大法廷で違憲判決を得、私たち海外在留邦人も2000年6月の衆議院選挙から投票出来るようになったのです。

私たちのような一般国民でも国会を動かし、法律を作らせることが出来ることを実感しました。(実際に最高裁の違憲判決にもと改正公職選挙法改正による初めての選挙は2007年の参議院議員選挙から)

在外投票制度の実現についてはこの運動に参加したメンバーで途中経過を一冊の書籍にまとめました。(『海外から一票を――在外投票運動の航跡』明石書店刊、2004年10月発行)私はこの中で、街頭署名運動始末記の執筆を担当しました。

月例勉強会といえば、若尾龍彦さんが主宰した「JACALの会」とのつながりも深く、私の滞米生活で貴重な糧をたくさん得ることができた勉強会でした。ほぼ月に一度、若尾さん宅へ集まった日系企業の駐在員たちが、身分や立場を離れてトピカル(時局、時宜を得た)な話題をテーマにオープンな議論を重ねました。

私の滞米中、時代は急速にアナログからデジタルの時代に変わり、IT の波にしがみつくのが精一杯でしたが、なんとか頑張っています。「雑貨屋ウイークリー」も大西さんのご厚意、ご支援でこれまで続けさせていただいています。

一時(2000年から3年間)、当地の日本語ラジオ番組「さわやかサンデー」にレギュラー出演したり、日本の信越放送へ2004年8月から5年近く、月一回の割で、こちらから電話による生放送で「ロサンゼルス便り」を送りました。懐かしい思い出です。

このほか、「海外ロングステイ運動」で日本の有志の皆さんと交流できたのも私にとって貴重な財産でした。

企業定年で現役を退いたのは1997年8月で、引退後しばらくは健康に問題もなく、駐在員のように頭も身体も無理しなくてよいバラ色の期間があり、地域コミュニティなどへのボランティア活動や、趣味のドライブに毎日を費やしましたが、70歳を過ぎたころから体調を崩し、今では殆どの対外活動から身を引いています。

医療関係と買い物などは別にして、対外活動は趣味で唯一続けている週一度の「詩吟勉強会」と月一度、我が家から近い小川不動産のご厚意で会議室をお借りして行う勉強会「一期会」くらいで、これも私の体調次第で皆勤とはゆきません。

いまでは、あれほど好きだったドライブ旅行もストップ状態です。自宅で続けられる雑貨屋への原稿つくり、地元の日系新聞「羅府新報」一面のコラム欄(磁針)への月一度の寄稿に精を出すのが現時点では精一杯です。

一時は休日のドライブが一日100マイル(160キロメートル)を超えるのが普通だった観光スポット巡りでしたが、いつの日か元気になって、本当の意味の「病気全快記念日」を迎え、続きをスターさせたいと願っています。  

河合 将介( skawai@earthlink.net )

 

    

川柳(東京・成近)

 


( 川 柳 )


皿飛んだ過去は時効にして夫婦

退院を妻の緑茶に迎えられ

七転びネアカの妻に支えられ

お茶漬けの味で夫婦が恙無い

金婚にしみじみ人の字の形


( ニュースやぶにらみ )


「イチロー日米最多安打」

日本の誇りです −ニホニュウム

「不便」

公用車がは使えなくなる −舛添都知事

「航海(後悔)の真っ最中」

舛添丸も東京湾出航だね −円楽

河合成近
nakawai@adachi.ne.jp

http://homepage3.nifty.com/itukabouzu/

龍翁余話

龍翁余話(429)「18歳選挙権を考える」

昨年6月に、選挙権年齢を20歳以上から18歳以上へ引き下げる法律(公職選挙法)の改正によって、約240万人の18歳・19歳の若者が新たに有権者になる。各政党は、その240万の票を取り込もうと躍起。そして『18歳選挙権』は、いよいよ7月10日の参院選から実施される。そのことに関して翁は、(昨年6月配信の)『龍翁余話』(380)「18歳選挙権に思う」でこう述べた。【一般的な概念としては18歳・19歳は“未成年(少年)”であるのに、18歳から選挙権を与えると言うことは18歳・19歳を“成人”とみなすのだから、当然、民法の成人年齢及び少年法の(18歳・19歳の犯罪に対する)刑事処分も見直されてしかるべきだ】――具体的に言うと、選挙違反は勿論のこと、18歳・19歳の者が犯罪を行なった場合、実名公表・顔写真掲載・判決での量刑決定も従来の成人並みに改正するのが妥当である。すなわち、選挙権を与えるなら少年法を改正して、犯した罪に(相応の)責任を持たせるべきだ、と書いた。この翁の意見に対して、知人の弁護士から痛烈な批判を頂戴した。「少年法とは、少年が罪を犯した場合、少年の将来を考え、健全に育成するために、刑罰を科すより少年の性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分をもって臨むことを原則としている。龍翁さんの考え方は、この少年法の趣旨に著しく反する」。それに対して翁がまた吼えた「そんなことは分かっている。要は民法の少年法を改正して“少年”の定義を変える、すなわち、“少年とは17歳以下の者を言う”とすればいいのだ。権利だけを与えて義務を課さない法律って、そんなイビツな法律が罷り通る社会構造であってはならない」。

一方、翁の考えに近い友人(教育経験者)からは、こんな意見を頂戴した。「18歳と言えば高校3年生が加わる。3年生になって、いきなり“選挙(投票)に行きなさい”と言っても(政治を知らない)生徒たちは多分、戸惑うだろう。したがって当然、カリキュラム(教育課程)の中に“政治論”を組み込まなくてはならない。その教育をいつから始めるか、誰が教えるのか、生徒に教える前に、まず教師が勉強しなければならない。どれだけ政治的中立性をもって教えられる教師がいるか、が心配だ。ヘタをすると、教師の個人的政治思想を生徒たちに吹き込む危険性もある。日教組が喜びそうな教育現場になったら大変だ」(ちなみに、この友人は、翁同様、徹底的な“反日教組”である。)

18歳・19歳の中には、働いてお金を稼ぐ苦労と喜びを知り、納税義務を果たしている若者もいるが、親のスネをかじって“生活”の実態に身を置いていない若者が、圧倒的に多い。そんな彼らが政治に参加して本当に大丈夫だろうか、翁の老爺心が騒ぐ。(前述の)昨年6月配信の)『余話』(「18歳選挙権に思う」)には、更に次のようなことも書いた。【“物足りて心足らず”の現代において240万人の若者たちの何%が、人間を考え、家族を考え、社会(規範)を考え、(愛国心を持って)国家を考え、国際を考えることが出来るだろうか?学校においては、日の丸拒否、君が代拒否など日教組の左翼思想に毒された教師たちが、果たして人間とは何か、家族とは何か、社会とは何か、国家とは何かなどの正しい人間学・社会学を(生徒たちに)真っ当に教えることが出来るだろうか】という懸念が、翁は今もなお強く残っている。

政府が発表している『18歳選挙権のメリット・デメリット』は下記の通りである。まず、<メリット>――「若者の社会的責任が育ち、若者の政治離れに歯止めがかかる」、「社会保険などの負担の世代間格差などについて、若者の意見を政治に反映させることが出来る」
――翁は思う、これらが単に机上論、理想論でなければいいが・・・「世界の90%が選挙権年齢18歳であるので国際調和が図られる」――翁は吼える「その90%の国々が日本より優れている、とでも言いたいのか?18歳選挙権で国際調和?屁理屈も甚だしい」物事の判断基準を数字に頼り過ぎる役人どもの考えそうなことだ。<デメリット>――「政治的判断力が乏しい18歳・19歳の子供に国家を動かす選挙を託すのは危険だ」、「社会経験、政治感覚に乏しい18歳・19歳の選挙は“有名人への人気投票”になるのがオチ」――基本的に18歳選挙権反対の翁も、そういう危惧感を持っている。しかし――

NHKが行なった(新たに選挙権を得た若者を対象に)『参院選をどう思うか』の世論調査を見る限り、あながち『18歳選挙権』を危険視するだけでなく、期待感を抱かせる若者もいることに(少しばかり)安堵する。この調査結果の(翁が注目する)主な項目を拾ってみると「投票することに、戸惑いや不安はないか」の問いに「ある」が約40%、「ない」が約50%、「投票に行くか」の問いに「行く」が約60%、「政治に関心があるか」の問いに「ある」が約50%、ここまでは、まずは安心材料だが、問題は次の問答だ。「今の政治が変わってほしいと思うか」の問いに「変わってほしい」が約90%、調査では「どこを、どのように変えてほしいか」の具体的な突っ込みはしていない。左翼的発言の多いマスコミの体制批判を聴いて、ふと“そんな気になっている”と言うことかもしれないが、その傾向は“おとな(成人)”にも見られる。マスコミに影響される有権者がいかに多いか,ということだ。もう1つ厄介なのは「支持している政党があるか」の問いに「ない」が86%、今まで(ほとんど)政治に関心がなかった若者たちだから、この数字は当然だろう。しかし、この86%は、結局は“人気投票”になってしまいかねないし、日教組系教師は、この86%を狙い撃ちにする危険性がある、というのは翁の思い過ごしか?

若者が自分たちの声を政治に反映させたいなら、まずは投票所に足を運ぶことだ。今年に入って多くの高校などで主権者教育が行なわれるようになったと聞く。大切なのは、政治的中立性を担保しながら、民主主義の根幹である選挙の仕組みへの理解を深め、投票することによって参政権行使の実効が得られることの重要性を教えることだ。国政選挙が”人気タレント選び“の愚にならないことを願って・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。

 

茶子のスパイス研究

エディブルフラワー

先週、久しぶりにWilson Parkのファーマーズマーケットに立ち寄ってみた。今頃はどんな果物や花が出ているかな〜と見ていたら美味しそうなイチジクが並んでいた。
ネクタリンやプラムやピーチも出回っていた。ここに来ると季節を感じる。いつものように、あちこちのサンプルフルーツをつまみながら食材を買っていたら、鮮やかなパープルの花に目がいった。近くで見たらそれはアーティーチョークの花だった。以前、友人の家の花瓶に挿してあるのを見たのが最初だった。すごく存在感のある花だ。食べられる野菜の花でも片栗の花やナスの花も一輪挿しに飾れるほど綺麗な花が咲く。園芸ショップの花やハーブを見た後、オーガニックのお野菜が並べられているお店の前で今度は鮮やかなエディブルフラワーが目に付いた。カラフルで綺麗な食べられる花がパッケージに入っていた。手にとって花の種類を見ていたら昔の思い出が蘇ってきた。以前この同じファーマーズマーケットでエディブルフラワーの量り売りがあった。その日はブランチにちょっとおしゃれなサラダを作ろうと初めてそのエディブルフラワーを買ってみた。一緒に、いろんなグリーンサラダの種類も買った。それぞれの葉っぱや花の味を邪魔しないようにドレッシングはシンプルにした。
アーティーチョークの花 ファーマーズマーケット花 イチジク
ネクタリン プラム フラワー食用

オリーブオイルと塩、胡椒、それにミックススパイスを少しだけ加え軽くボールの中でグリーンサラダを和えて真っ白なお皿に盛った。そして最後にエディブルフラワーを綺麗にデコレートして盛り付けた。最初のエディブルフラワーサラダをパチリと写真にも納めた。一体どんな味なのだろうとわくわくしながら最初にサラダの上の花をすくって食べてみた。その花を噛んだ瞬間、強烈な衝撃が走った。その一噛みでその花は私の口から飛び出てお皿の上に戻された。本当にびっくりした。何か口の中で生き物の存在を感じたのだ。花が痛いと叫んだのか、どうかはわからないし、そんな声は聞こえなかったけれど正にイメージとしては、そんな感じだったのだ。何だか気味が悪いような不思議な何とも言えない感情になった。花が私に食べられるのを拒絶したのだろうか…
それから、その花だけをグリーンサラダから取り除き水を張ったクリスタルボールに浮かべて眺めてみた。今の衝撃は何だったのか、やっぱりこの花の中で食べられたくない花がオーラでも出していたのだろうか…それから私にとって、花は食べるものではなく、眺めるもの、コミュニケーションするものなのだとの意識に変わった。

茶子 スパイス研究家

 

さくらの独り言

今回はお休みです。

 

ジャズライフ−今週のお奨めアルバム

一週間があっという間に過ぎます。そして今週もアルバム探しをしました。音楽アプリを開いたら偶然、Kennyのつく名前のアーティストが出ていました。その中から未紹介で今日の自分のフィーリングに合うものを選びました。トランペット奏者のKenny Dorhamのアルバム"Round About Midnight At The Cafe Bohemia"です。タイトルの通りカフェボヘミアでのライブ演奏を収めたものです(1956年)。
ブルーノートに収録されていたオリジナルアルバムのCD複製盤です。
ジャズ通が好んで聴くようなアルバムではないかと思います。

"Round About Midnight At The Cafe Bohemia"     Kenny Dorham

01-Monaco
02-'Round About Midnight
03-Mexico City
04-A Night In Tunisia
05-Autumn In New York
06-Hill's Edge


ジャズアルバムの紹介リスト
http://www.zakkayanews.com/jazzlist.htm  
《R.O.》

編集後記

安倍首相のサミットの時や消費税延期の言動は矛盾だらけです。アベノミクスは行き詰って、日本の経済はうまくいっていないように見えるのに、海外経済の不安要素のせいにしていることからみてもわかります。「地方創生」「一億総活躍社会の実現」などと格好のいいスローガンがあがっていますが言葉遊びになっているような気がします。頼りない日本の政治なのに参議院選挙で国民の真を問うと言われても困ります。これもひとりごとです。《R.O.》


雑貨屋のブログ→ http://zakkayanews.jugem.jp/
雑貨屋ニュースレターのバックナンバーは下記のURLでご覧いただけます。

http://www.zakkayanews.com/zwback.htm

Zakkaya Weekly No.1049

雑貨屋 店主 大西良衛   http://www.zakkayanews.com/
              
tenshu@zakkayanews.com