森林公園サイクリング
先週、平日が休みの友人と、この寒い最中、都心(池袋)から東武東上線の電車に揺られて東へ1時間ほど行った所にある森林公園駅に行ってきた。途中、電車の中から雪化粧した富士山がくっきり青空に映えて綺麗だった。前々から行ってみたかった国営武蔵丘森林公園のサイクリングコース。都内では狭い道をひっきりなしに車や自転車が走りその隙間を人が歩くので危ない。車の運転もカリフォルニアのドライバーライセンスだけではとてもとても東京では通用しない。自転車でさえ都内を走るのはサーカス並みの技が必要だ。時々道を歩いているとヒュッと風を切って自分の脇を擦れ擦れで通り抜けていく自転車に遭遇する。前にも後ろにも子供を乗せているママさんたちの自転車でさえ、かなりのスピードで走っている。ボーっとして歩いてはいられないのだ。東京ではボーっと歩いていると徘徊していると思われてしまうほど目的を持ってスタスタと歩いていなければいけないような気分になってくる。今回、サイクリングにお付き合いしてくれた友人は仕事でもプライベートでも普段から都内を自転車であちこち走り回っているので慣れているが私は何十年ぶりの自転車だったので車や歩行者を気にしないで走れるサイクリングコース専門の道があるところを走りたかった。森林公園駅に到着すると左手にバスの停留所があって森林公園行のバス乗り場があった。ふと見ると右手には自転車の貸し出し所があった。どうせ自転車をレンタルつもりだったので私たちは公園内では無く駅から自転車をレンタルして公園入口まで行ってみることにした。自転車のレンタルショップに行くと“今日は寒いのに良く来たね〜”と係りの人から感心された。自転車のマップをもらい見どころのアドバイスを受け自転車の高さを調節してもらいながら注意事項と使い方を簡単に教えてもらった。平日で殆ど人がいなかったせいか係りの人は “今日はいいや、まけてやるよ”と自転車のレンタル代をディスカウントしてもらった。
そこから自転車に乗って森林公園の入り口まで15分から20分ほど走る。流石に風は身を切るように冷たい。だけれど空が真っ青でお天気が良く実に気持ちがいい。久しぶりに広々とした自然の中で解放感を感じながらペダルをこいで走っていった。この駅から公園までのサイクリングコースも緑道が整備されていて一方通行になっているので誰にでも走りやすい。
森林公園の入り口が見えてくる頃には体がポカポカ温まっていた。入口で入場チケットを購入してとりあえず友人と記念撮影を公園のスタッフの方にお願いした。流石に12月に入っての師走時に自転車で公園を走る人はいなかったのだろう…やけにスタッフの人は親切だった。“せっかくだから、あそこの前でも、それから、こちらもバックに入れるといいですよ”と親切にパチリパチリと私たちの写真を撮ってくれた。“あ、手はVサインをした方が明るく見えていいですよ” とポーズのアドバイスまでしてくれた。
”ついでに、せっかくだから自転車も一緒に写真に写しましょう”と大サービスしてくれた。”駅まで帰る余力を残してサイクリングを楽しんできてくださいね。”と係りの人に見送られて公園内に入って行った。そこは、まるで私達だけの貸切りサイクリングロードのようだった。途中立ち寄ったハーブガーデンで初めて撮影用のカメラを持った2人組を見かけた。トランポリンの遊び場でも通常は列が出来るのに誰もいなかった。途中休憩にレストランに入った時も店の人は注文を受けてから作っていたようで手作りのデザートと豆から挽いたコーヒーが出てくるまでは結構、時間がかかった。レストラン内でも家族連れの1組を見かけただけで公園内は本当に静かな時間が流れていた。
総面積304ヘクタール、南北4キロ、東西約1キロの公園内を約4時間走り、これで久しぶりに筋肉痛になるかと思ったら全く筋肉痛が無かった。と言う事はあの程度のサイクリングでは殆ど筋肉を使っていないのだと言う事がわかった。毎日自転車に乗って運動をしているつもりだった友人は医者から血圧やコレステロールが高くなってきているのでもっと運動するように言われて”これだけ自転車に乗っているのに”と頭にきたらしい。やはり全身運動には、緊張感を持って自転車や車に気を配り人にぶつからないようにさっさと都会の街中を歩くのもいい運動になるのかもしれない。
茶子 スパイス研究家 |