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NO.962          Ryo Onishi              10/21/2014

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雑貨屋のひとり言

トロントで出会った南さんご夫妻と松本さんご夫妻に5年ぶりに再会しました。平均年齢65歳の六人がお互い変わらず元気で会えたことに感謝しています。今回は長野県を訪れ、日本の秋を満喫できました。地元の方々とお話しをさせていただき、長野県の素晴らしさをあらためて知ることができました。毎日が驚きと笑いの連続で、心身共にリフレッシュできました。いっぱいあって一度に書けないのでこれから小分けにして紹介していきたいと思います。台風19号が過ぎ去った後だったので、秋晴れの素晴らしい天気に恵まれた5日間でこれも感謝でした。(写真は軽井沢の霊場池にて。左端が筆者)≪R.O≫

 

短歌、川柳集の刊行

  私が親しくしていただいている日系友人には、趣味として短歌、俳句、川柳など日本古来の文化を学び、自らも作者として活躍している人が多くいます。海外で生活しているがゆえに、祖国の言葉を懐かしみ、その文化に関心を持つことは自然のことなのかもしれません。

 このたび、当地の私の友人2人から「合同歌集カリフォルニア(カリフォルニア短歌会、松江久志編集)」と「パイオニア川柳(パイオニア川柳吟社刊)」という2冊の本をいただいた。どちらもアメリカに滞在する短歌、川柳を趣味とする皆さんの作品をまとめたもので、「合同歌集カリフォルニア」は既に今回が第七集、「パイオニア川柳」は第一回創刊号ということでした。

 どちらの短歌、川柳集ともに自費出版の形式をとっているようで、本としての装丁に派手さはありませんが、かえって落ち着いた雰囲気を与えてくれ、作者の皆さんの日本語への想いがにじみ出ているようです。

 当地で発行されている日系新聞『羅府新報』には毎日のように短歌や俳句、そして川柳などの同好会の皆さんの作品が掲載されています。私自身は不調法で作者になれそうにありませんが、『羅府新報』に掲載される作品にふれることは大好きです。中には心に響く秀作も多く、最後まで作品を一首、一句、吟味しながら鑑賞するのも日々の楽しみのひとつとなっています。

 『羅府新報』に掲載されるこれら作品には南カリフォルニアからの投稿作品ばかりでなく、他州、時には南米からの作品も寄せられていますが、例えば俳句の場合、季節が逆の地域では季語はどうするのだろう、その地域独特の風物、現象で季語として定められていない場合、どうするのだろうなど疑問に思ったりします。多分、日本の伝統とは外れた「きまり」があるのでしょう。古来からのしきたりを維持しながら地域や時代とともに変化する日本文化の未来が楽しみです。

「海外で生活するものが日本語で短歌や川柳をたしなんでも国際感覚は身につかないのでは?」という声も聞こえてきそうですが、私の少ない海外経験から実感できるのは、国際感覚とは外国語に堪能になったり、外国の風俗・習慣・マナーに詳しくなることばかりではありません。こういうことも、もちろんたいへん重要であり、身につける必要があることは当然です。でも、その前にもっと基本とすべきものがあり、それは自分のルーツである日本の麗しき文化を理解することではないでしょうか。私は日本人が海外で生活するとき、居住地の言語や風習を身につけると同時に何かひとつ伝統的な日本文化を学び、身につけることが必須だと実感しています。

 これからも短歌や俳句、川柳など、海外からも日本語伝統文化の発信を続け、美しい日本語を継承していただきたいと思います。「合同歌集カリフォルニア」や「パイオニア川柳」がさらに継続、発展されることを期待したく思います。
河合 将介( skawai@earthlink.net )

 

川柳(東京・成近)


 


( 川 柳 )


痛み止め錆止め関節をなだめ

涙腺に父の沽券が笑われる

つっこみとぼけで我が家も恙ない

老猫の欠伸 世の垢飲み込んで

情に棹差した流れをよしとする


( ニュースやぶにらみ )


「政治資金疑惑」

―崖っぷちですね

―いえ小渕です

「食欲の秋」

食うか食われるか −ニッポンハム

「再エネ制度見直し」

晴れのち曇り −太陽光発電


河合成近
nakawai@adachi.ne.jp

http://homepage3.nifty.com/itukabouzu/

句会場(千駄木)周辺散歩(89)
*鴎外の子どもの名前
  鴎外は若いときに留学したヨーロッパで、本名の森林太郎を現地の人が言いずらそうにしていた経験から、将来世界で通用する名前を、5人の子供の名に付けました。よく知られた話なのでご存じの人も多いと思いますが、列挙してみます。
 長男、於菟(オト、オットー) 先妻の登志子の子。神聖ローマ帝国の、オットー大帝に代表される、ドイツの男性名。
次からは後妻の志げの子です。
 長女、茉莉(マリ、マリー) フランス革命で断頭台に消えたマリー・アントワネットが頭に浮かびますが、ヨーロッパでの一般的な女性名。
  次男、不律(フリツ、フリッツ) (生後六ヶ月で死亡)。 これも一般的な男性名らしいですが、私が知っているのはベルギーのフリッツ(フライドポテト)の方です。
次女、杏奴(アンヌ)フランス語圏の女性名。フランスを象徴する自由の女神像マリアンヌが有名です。姉の茉莉とセットで名づけられたのでしょうか。ルイ13世の王妃もアンヌです。
 三男、類(ルイ)この名はご存じ、フランスのルイ王朝に代表されている、フランス語圏の男性名。英語圏でも。
ちなみに於菟の子供たちの名前は、真章(マックス)、樊須(ハンス)、富(トム)、礼於(レオ)、常治(ジョージ)です。
 与謝野晶子も渡仏し、帰国後に生まれ四男にアウギュスト(ロダンの名前。ルイ16世も同じ)、五女にエレンヌと名付けていす。 サトウハチローの長女の名前はユリヤ(ジュリエット・Julietのドイツ語読み) だそうです。

龍翁余話

龍翁余話(348)「日本での“カジノ”を許すな!」

何を血迷ったか、日本をマフィア(組織的犯罪集団)の巣窟にしようと企む阿呆どもがいる。昨年12月に自民・日本維新(当時)・生活の3党が日本国内の数都市にカジノをつくろうと共同提案していた“カジノ解禁法案”を、今月16日に「国際観光産業振興議員連盟」(会長・細田博之自民党幹事長代行)の総会で再び『カジノなど統合型リゾート(IR)
を推進する法案(修正案)』をまとめた。つまり、カジノを中心にホテル・レストラン・ショッピングセンター・劇場などによって形成される複合観光施設をつくろうという訳だ。
「国際観光産業振興議員連盟」(IR議連)とはご立派な名称だし「統合型リゾート開発」もまた一見(一聞)夢が広がりそうに思えるが、要はカジノを導入して(バクチ客を集めて)ひと儲けしようとする(国策と言うにはあまりにもお粗末な)浅知恵。日本中にマフィアをはびこらせかねない愚かな政策、翁は、彼らIR議連を“亡国議連”と呼ぶ。

この“亡国議連”がカジノ幻霊に憑りつかれた要因は(翁の想像では)アメリカとオーストラリアの“陰謀”によるもの、そんな気がしてならない。アメリカとオーストラリアに(偶然にも)2人「ジェームス」と言う名のカジノ経営の親分がいる。その1人、アメリカのカジノ大手・MGMリゾーツ会長のジェームス・ムーレンは、先ごろ日本(大坂)にやって来て「大阪にIR施設を建設するなら、5千億円から1兆円規模の投資を行なう用意がある」と言い、更に「計画では、2500室の客室を備える高層ホテルを2棟、2万人収容のアリーナ(競技場・劇場などの施設)やカジノを設置、施設全体の売上高は5千億円を見込める」と焚きつけた。

一方(もう1人のジェームス)オーストラリアのカジノ王(カジノ運営会社クラウン・リゾーツの総師)ジェームス・パッカーも、日本の賭博市場化を図ろうと虎視眈々、「2020年には、カジノを中心とした総合型リゾート(IR)を大阪に建設したい」と広言を吐いている。7月に安倍晋三首相がオーストラリアを訪問した際、パッカーは、アボット豪首相にべったり寄り添い、安倍首相と握手しながら写真に収まった。その写真が通信社を通じて世界に配信された。安倍首相の側近は「安倍首相はパッカー氏がカジノ王とは知らず、アボット首相のブレーンだと思って写真撮影に応じた」と言うが、その真偽はともかく、日本の首相が、オーストラリアのカジノ王とがっちり握手した写真を見れば、“安倍首相、カジノ解禁法案に理解を示す”などと宣伝(利用)されても仕方あるまい。日本民族の伝統(精神)文化、日本の治安や人心の乱れ(社会道徳の荒廃)などは一切お構いなし、ゼニ儲けさえ出来れば、外資どもはそれでいいのだ。エコノミック・アニマル(拝金主義者)は「何と言われようと、稼ぐが勝ち」それが外資どもの本質だ。IR議連のセンセイ方、米豪2人のジェームスの甘言にまんまと乗せられたと言うべきか。いや、乗せられただけでなく、上手くいけば(自分たちの)政治資金が見込める、という卑しい根性がIR推進の背景にひそんでいるのではあるまいか?だとしたら、翁は更に感情をむき出しにして言わなければならない「お前たちIR議連は、どうにも手が付けられない売国奴集団・阿呆議連”だ」と――

元来、翁は硬派の安倍晋三を支持しているのだが、実は、安倍自身が、カジノなど統合型リゾート(IR)構想に魅力を抱いているフシがある。その証拠に安倍首相は5月にシンガポールの(カジノを中心とする)IR施設を視察し、6月に改定した成長戦略にIRの検討を盛り込んだ。つまり、政府は(6月に)『観光立国実現に向けたアクション・プログラム』と呼ばれる観光振興計画書を閣議決定しているが、その中に「カジノなど統合型リゾート(IR)について」という項目がある。計画書には「IR推進法案の制定の前提は、犯罪防止・治安維持・青少年の健全育成・ギャンブル依存症などの問題を生じさせないために必要な制度上の措置を検討する」とある。つまり、暴力団など反社会的勢力の排除、青少年への悪影響、ギャンブル依存症――の3点について問題が起きないように制度上の対策を検討し、カジノ解禁に向けて体制を整える、という主旨だ。おかしいではないか?カジノそのものは、いかなる制度上の措置を講じようとも、その場所・施設はマフィア(暴力団)の温床となるは必定。そこは賭博のほかに麻薬・拳銃の密売・売春が横行し、青少年への悪影響どころか、善良なる市民の暮らしまでを脅かす危険性を孕んでいることは誰の目にも明らか。それが見えないのは“阿呆集団”だけである。

政府は東京五輪が開催される2020年までに外国人観光客を年に2000万人(現在は1000万人)にする目標を掲げている。カジノを解禁して外国人の賭博客を増やそうと(本気でそんなことを)考えているとしたら、とんでもない狂想だ。もしかしたら“国賊・阿呆集団”の親分は安倍晋三かもしれない。そうなると、安倍内閣が力強く掲げていた重要政策の1つ『青少年の健全育成』は、いったい、どうなるのだ?安倍内閣は「経済再生と並ぶ我が国の最重要課題として、21世紀の日本に相応しい教育体制を構築し教育の再生を実行に移す。つまり、教育を“未来への投資”として重視し、心と体の調和のとれた人間の育成に社会全体で取り組む」としていながら『カジノ』という反社会活動の場をつくろうと言うのだから矛盾も甚だしいし浅はかとしか言いようがない。

限られたスペースで“カジノの弊害”を言い尽くせないのは歯痒いが、とにかく、いかなる大義名分を連ねようとも絶対に『日本でのカジノを許してはならない』――ついでに言っておくが近年、米国・英国領・中国・シンガポールなどによる“日本の土地買い”が著しい。平成18年から25年までの外資による森林買収例を見ると北海道がダントツ(65件)以下、神奈川、山形、長野、兵庫、福岡、沖縄など計79件(980ha)にのぼる。日本の水源地が危ない!つまり、それだけの日本領土が外国に“侵略”されているのだ。北方領土・竹島・尖閣のほか敵は本能寺(日本国内)にあり・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。

 

茶子のスパイス研究

神嘗祭 初日

日本に戻ってくると時間がある限り食に関したイベントやセミナーに出かける事にしている。その中で “食と信仰のかかわりー東西世界でのさまざまなかたち” という面白そうなセミナーがある事を知った。主催は味の素食の文化センター。ここのセンターは食に関する本やビデオが揃っていて誰でも利用出来る。食に関してかなりの蔵書があって何か調べ物をする時にはここに来ると大抵の事は調べられる。2階は食文化の展示室があって戦前から戦後の今にいたるまで日本の台所がどのように変わっていったか展示されていて、なかなか充実している。いつもは、この食に関したセミナーが東京のセンター内にある講堂で開かれるのだが今回は何と伊勢シティホテルで開催される事になっていた。三重県と言われても行った事もなく足を運ぶには遠いな〜と思っていたが伊勢神宮にも行った事が無かったのでこの際、日本人ならば1度は伊勢神宮にも訪れてみるのもいいだろうと一泊2日で出かける事にした。昨年はこの伊勢神宮、20年に1度行われる式年遷宮の年だったらしく東京都の人口全部を合わせた人数の人が各地から集まって伊勢神宮を参拝したらしい。私の友人もその一人で、とても良かったと聞いていたので機会があれば行ってみようと思っていたのだ。10月15日、伊勢市に到着して午後のセミナーの前にまずは外宮を参拝してみようと歩いていると何やら御神輿を担ぐ声が聞こえてきた。地元の人に聞くと今日と明日は神嘗祭といって伊勢神宮にとってはお正月のような大きなイベントなのだそうで秋の収穫際に神様にささげる初物を奉納して祝う時なのだそうだ。そういう日にちょうど“食と信仰のかかわり”についてのセミナーがこの伊勢で行われるというのも絶妙のタイミングだったと思う。
神嘗祭初日
神嘗祭

神嘗祭

食と信仰のかかわり

伊勢市駅から外宮に通じるまっすぐ伸びた通りにも縁日のようにたくさんの出店が出ていて伊勢市は平日にも関わらず賑やかな活気があった。普段、神道も含め宗教儀式に接する機会が無い私は失礼にならないようにお伊勢まいりの参拝マナーが書いてある本をサラサラ事前に目を通しておいた。お手水の作法、礼拝の作法、服装、どこからどうやって回るか、などなど…ところが見ていると鳥居の真ん中を歩いたり2拍手を3回したり2拝を1拝している人もいたりで4つ目5つ目と鳥居をくぐるうちに私も途中から何だかわからなくなってきてしまった。それでも形式よりは真心が大切だから多少おじぎの回数を間違っても神様は多めに見てくれるだろうと自分勝手な解釈をしながら外宮を回って遷宮記念会館にも訪れてみた。そこで館内のスタッフの方が伊勢神宮の歴史と伝統文化、建築技術の話をしてくださった。昨年LAから来た米国の建築家の人はその建築物の前で2時間も立ち尽くして熱心に観察し感心しておられたそうだ。私達が気に留めていなかった日本の素晴らしさを最近は外国の人の賞賛によって改めて気がつかされる事も多い。戦後、日本人の教育政策にも関わったGHQが行った様々な政策はこの伊勢神宮にも影響を及ぼしたようだ。それでも何千年も続いてきた伝統の灯は消される事なく粛々と伝えられてきた。その2000年という長い時間を考えると日本という国は一言で言い表せないくらい不思議な国だな〜と感慨深く自分の世界にひたっているうちにあっという間にセミナーの時間になっていたので慌てて”食と信仰のかかわり”の開場セミナーに向かった。

茶子 スパイス研究家

 

 

ジャズ&ポップ−今週のお奨 めアルバム

10月も中旬を過ぎすっかり秋になってきました。特別に秋をテーマに選んだわけではないのですがたまたまアルバムの一曲目が"Autumn In New York"でした。独特な響きのピアノと、ベース、ドラムのバランスのいいトリオ、"Al Haig Trio"のアルバムをご紹介します。このアルバムは聴けば聴くほど味があり、好きになります。最近トランペットのジャズをよく聴いていましたが、ピアノもいいなあと思わせてくれる素晴らしいアルバムです。私の中ではかなりレーティングの高いアルバムです。

"The Al Haig Trio(Esorteric)" Al Haig Trio 

01-Autumn In New York
02-Isn't It Romantic
03-They Can't Take That Away From Me
04-Royal Garden Blues
05-Don't Blame Me
06-Moonlight In Vermont
07-If I Should Lose You
08-April In Paris
09-All God's Chillun Got Rhythm
10-Body And Soul
11-Gone With The Wind
12-My Old Flame
13-On The Alamo

Al Haig(p)
Bill Crow(b)
Lee Abraams(ds)

ジャズアルバムの紹介リスト
http://www.zakkayanews.com/jazzlist.htm  
《R.O.》

編集後記

雑貨屋ウィークリー962号の発行が遅れました。
トロントで出会った二組の夫婦に会うために先週木曜日から出かけていて、月曜日の夕方に帰宅しました。大阪に着いたらずいぶん暖かく感じています。《R.O.》


雑貨屋のブログ→ http://zakkayanews.jugem.jp/
雑貨屋ニュースレターのバックナンバーは下記のURLでご覧いただけます。

http://www.zakkayanews.com/zwback.htm

Zakkaya Weekly No.962

雑貨屋 店主 大西良衛   http://www.zakkayanews.com/
              
tenshu@zakkayanews.com