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NO.958           Ryo Onishi              9/21/2014

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雑貨屋のひとり言

急激に円安になりました。2012年にハワイに行ったときは異常な円高で1ドルが75円前後でしたから買い物をするときはとても安く感じたものでした。それから40パーセントも円が安くなりました。輸出企業は円安の恩恵を受けますが、円高時に海外に工場を移転しているので、以前ほどの大きなメリットはあるのでしょか?逆に、いろんなものを輸入に頼っている日本はこの円安でさらに物価が高くなるいう皮肉なことになっています。為替のバランスというのは実に厄介です。≪R.O≫

 

日本的発想のすすめ

「閑(しずか)さや 岩にしみいる 蝉の声」 ―― 「奥の細道(芭蕉)」で詠まれたこの句は、なぜか私の心に「しみいる」 なにかを感じます。日本人は、どちらかというと一語一語の奥に広がる宇宙を想像し、楽しむことが得意な民族なのではないかと私は思っています。

この句をみて“蝉が鳴いているのになぜ閑(しず)かなの?”、“堅い岩にどうして染み込むの?”、“蝉は何匹?”、“だからそれが何なの”など、論理的に詰めていくと 疑問と矛盾だらけです。でも殆どの日本人はこの句を何の疑問や矛盾も感じることなく、すんなりと受け入れるのが普通ではないでしょうか。

いわゆる日本的発想とは、欧米的な理詰めで分析・細分化していくのではなく、むしろその逆で、見えない又は表に現れていないものも含めて、全体を心とか感性で捉えようとする発想といえると思います。

特に 「感性」というものを重視するといわれる俳句の世界では、尚更のことだと思います。俳句のような短い形式の表現だけでなく、日本人の日常会話でも「省略」の多いのが、日本語の特徴の一つであり、例えば「こんにちは」、「さようなら」などは それぞれ「今日は...」 「左様ならば...」と続いた言葉を省略した結果、できたのだそうです。

日本人は基本的に均質化した島国民族といわれ、お互いの常識にそれほど差がなく、従ってこまかくいわなくとも理解し合えるので言葉をすぐ短く省略してしまう―― それを更に進めると、「ものは言わない方が良い」、特に「言い訳はするな、見苦しい」などという発想につながってきますが、少ない言葉で多くを理解する為 「気のきく」、 「察しの良い」 人間が出来上がり、これまた日本人の美点になっていると思います。

最近、日本でも 国際化の荒波の中、「人の開国論」 について 色々な議論がなされています。国際社会で、もはや一国孤立主義は許されない日本ですから、海外からの「モノ」は受け入れるが 「人」は受け入れないでは 済まされないのは 当然ですが、そのために日本的メンタリティが失われてしまうのはさびしい限りです。

また日本人でも 最近の教育・生活環境に慣れた若い人々は、しっかりした自分の意見や主義主張を持つようになっています。これはこれで結構なことですが、その根底には、いわゆる日本的発想もしっかり根付いたものであって欲しいと思います。

多くを語らなくとも、互いに理解し、察しあえるという素晴らしい日本古来の美点も、一旦 海外に出ると、今度はそれが大変な誤解の根源になり、「あの日本人は何を考えているのだ」といわれたり、ひどい時は「完全無視」され、泣きたい思いの経験をされた方も多いと思います。

日本的発想の美点は残しつつ、国際社会の中で尊敬され 生き続けるにはどうすればよいか、21世紀の日本が生き続けるための、私達に与えられたテーマのような気がしてなりません。

河合 将介( skawai@earthlink.net )

 

川柳(東京・成近)


 


( 川 柳 )


ローン完済ガタピシ家も関節も

地境のセンチ隣りと揉めている

銀行の隣りに住んでカネがない

両隣ビルで孤独な鬼瓦

助け合いみんな貧乏だった頃


( ニュースやぶにらみ )


「みんなの党分裂騒ぎ」

くだらん −スコットランド

「関東で震度5弱」

思わず椅子にしがみついた −新大臣

「哀悼 山口洋子さん」

♪あのひとは行って行ってしまった −五木ひろし


河合成近
nakawai@adachi.ne.jp

http://homepage3.nifty.com/itukabouzu/

龍翁余話

龍翁余話(344)「葡萄と梨、芭蕉と祭りと彼岸花」

翁、今まで“葡萄狩り”だの“梨狩り”など一度もしたことがない。「ならば、バスツアーをご一緒しませんか」と誘ってくれたのが旧友のA・Mさん(元・某美術大学教授)。A・Mさんが主宰する『スケッチの会』の皆さんたちとの”親睦ツアー“は、今回が4度目である。顔ぶれはリーダーのA・MさんとアシスタントのKさん(A・Mさんの、かつての教え子で普段はアシスタントだが”親睦ツアー“の際は、いつも世話役をしてくれる)以下、毎回参加の2組のご夫婦と(翁を含め)1人組4人の計10人、すでに顔馴染の人たちばかりである。

出発前に、世話役のKさんから「栃木・太平山南山麓の葡萄は(山梨同様に)有名ですが、残念ながら今年は台風や豪雨にやられて味と形は例年よりかなり落ちるとのことです。梨は大丈夫です」との事前情報を得ていたので“葡萄狩り”は期待していなかったのだが、予想以上の“クズ葡萄“にバスツアー客の多くが落胆の溜息を漏らしていた。誰かが言った「私たちは、まるで廃物処理係みたいだ」。それは少し言い過ぎだろう。農家だって良質の葡萄を提供したいと思っているに違いない。毎年”葡萄狩り“を商売にしているのだから評判を落としたくはないはず。気象条件のいたずらで、こんな年もあるのだ。この大平町地域の60軒の葡萄農家は、ほとんどが風雨被害に遭ったそうだ。いつもは文句たらたらの翁にしては珍しく穏やかな気持ちで葡萄農家に同情した。と言うのも翁は“葡萄狩り・梨狩り”より『スケッチの会』の皆さんとのバス旅行を楽しんでいるのだ。40人のバスツアー客のうち『スケッチの会』10人は、後部座席(5席)を陣取った(指定されていた)。バス酔いを心配していた翁は『スケッチの会』メンバーの弾む会話に救われた。

栃木県の南西部に、桃、梨、リンゴ、柿、プラム、ラ・フフランス(西洋梨の一種)などを季節ごとに生産・直売している“佐野市フルーツライン”と呼ばれる果樹街道がある。一帯の果樹農園は14軒だとか。今は梨のシーズン。バスが着いたのは佐野市上羽田町の某梨園。先ほどの葡萄園と違って、ここでは姿形の立派な梨がツアー客を喜ばせた。種類は『豊水』、2片試食したが、なかなか美味。翁は太目の『豊水』を5個ちぎってビニール袋に入れた。(ちぎる、とは大分県など九州地方の方言で、もぐ、もぎとる、の意。)

ところで、葡萄狩りや梨狩りより翁を喜ばせたのは“奥の細道”の途上、鹿沼に宿泊した『芭蕉伝説』と『ぶっつけ秋祭りの彫刻屋台』(国の重要無形民俗文化財)であった。葡萄園、梨園に向かう途中で立ち寄った『まちの駅・新鹿沼宿』(写真左=HPより)の中央(角)に芭蕉・曾良主従の旅姿の全身彫刻(チェーンソー・アート)が展示されている(写真中)。芭蕉がここ鹿沼宿に泊まったのは、曾良日記によると「元禄2年(1689年)3月29日(旧暦)鹿沼ニ泊ル」とあり、宿泊先は曹洞禅寺・光太寺と伝えられている。芭蕉は出立の朝、笠を新調し、古い笠をこの寺に残した。寺の境内には、今も“芭蕉の笠塚”があるそうだ。【入逢(いりあひ)の鐘もきこえず春の暮】((鹿沼の里は)日暮れの鐘も聞こえず、ただひっそりとして春は寂しく暮れようとしている)の句が遺されている。

翁を喜ばせたもう1つは『ぶっつけ秋祭りの彫刻屋台』(写真右)。『屋台』とは山車の形の1つ。旧市街に27台あり、そのうちの3台が『まちの駅』の近くの『屋台展示館』に展示されている。見事だ!この彫刻(芸術)の作者“匠”に会いたい。時間が許せば、ゆっくり鑑賞したかった。『ぶっつけ秋祭り』と言うから屋台をぶっつけ合う“喧嘩祭り”と思ったら、そうではなく『屋台』同士の囃子の競演だそうだ(10月11日、12日に開催)。

実は、今回のバスツアーには、もう1つ、おまけがあった。帰路、立ち寄ったのが埼玉県幸手市の『権現堂堤・曼珠沙華祭り』。約100万本の曼珠沙華(群生地)は一見の価値がある。曼珠沙華(天上の花)は秋のお彼岸の時期に咲くので一般的には“彼岸花”で知られる。そのせいか、翁は秋の“法要花”というイメージが強い。花言葉に「独立・情熱・再会・悲しい思い出・想うはあなた独り」というのがあるが、翁は自己流に「(出来ることなら)あなたと再会し、楽しかった思い出を語り合いたい」と解釈して、その願いを彼岸花に託し、お彼岸の7日間、遺影の前の焼香を絶やすことなく故人を偲びたい。今回もまた『スケッチの会』の皆さんに感謝して・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。

 

茶子のスパイス研究

旬菜

季節ごとにファーマーズマーケットに現れるお野菜や果物はどれもパワフルで美味しい。旬の食材は栄養も高く味も一番美味しい上、たくさん出回るので値段も安く経済的だ。今まであまり気にとめていなかった季節の野菜や果物をファーマーズマーケットに行くようになってから改めて感じるようになった。
特に私の行くサウスベイのファーマーズマーケットでは其々の店頭の前に試食用の果物が気前よく山盛りで飾られて無くなるとまたすぐに御代わりが出てくる。其々の店の試食用のフルーツを食べ比べしていくだけでお腹が一杯になってしまう。試食してみると同じ果物でも野菜でも味が微妙に違う事がわかる。プラムは、あのお店、オレンジはあそこ、ストロベリーはこっちが美味しいとだんだんわかって自分のお気に入りのお店を見つけるのも楽しいものだ。育て方や肥料、土地によっても味が違ってくるのでやっぱり買う前の試食は必要だ。いつも買うお店でさえ気候や時期によって時々外れる事があるので念の為に必ず食べてみる必要がある。
オクラ ゴーヤ ザクロ
ナツメグ ペティトマト ラズベリー

ところでLAはこの数日インディアンサマーかと思われるほど暑い日が続いて寝苦しい夜を過ごした。普段は涼しいはずのこのサウスベイでさえも97度の暑さになって久しぶりに家の人は寝る前にクーラーを使った。このあたりの古い家はクーラーが付いていない家も多いそうなので大変だったと思う。あまりの暑さだったので体の熱をとるためにスイカとメロンを買いに近くのマーケットに走った。ところがメロンの方があまりにまずくて一口食べて捨ててしまった。久しぶりに、あんな、まずいメロンに出くわして驚いてしまった。味覚と脳とは深く繫がっているので美味しいものを食べた時の反応とまずいものを食
リンゴ 茄子
新生姜 落花生

べた時の反応は体にも何かしら影響があるのだと思う。腐敗したものや毒性のものを食べた時と同じように、まずいものを食べた時にも体がストレスを感じているはずだ。ファーマーズマーケットに比べるとスーパーマーケットのお野菜や果物は値段も安いのであまり文句は言えないが最近は鮮度や味を考えるとやっぱりファーマーズマーケットで買うべきだな〜と思ってしまう。近頃はアメリカの消費者も自分たちが食べる食品の事に関心を持つ人も多くなってきたせいか、ファーマーズマーケットの店舗も増え益々活気にあふれている。最近は駐車場も開店と同時にすぐに一杯になってしまうので少し早めに到着して公園の前の駐車場に車を停めゆっくり見て回る。ノースカリフォルニアから来た農家の人たちが採れたての野菜や果物を店頭に並べている様子を見ながら、花売り場では季節の花を眺め香りを楽しみ、そして今週はどんなお野菜や果物を買おうかサラッと一通り見て歩く。そんな朝のひと時が私のヒーリングタイムでもあったりする。
今年の夏もオックスナードからここの家の御主人であり畑のオーナーの方が日本野菜をたくさん持ってきてくれた。それに加え日系人の方々の庭で採れた、たくさんの果物や野菜も頂いて今年の夏も豊富なお野菜や果物に恵まれた。
先週、友人と行ったオレンジカウンティーのファーマーズマーケットではこのシーズン初めて柿や梨を見かけた。もう、そんな季節になったのだな〜と…ふと空を見上げたら真っ青な空にモクモクとした白い入道雲が広がっていた。夏の強い日差しが照りつける空の下のファーマーズマーケットで一足早い、小さな秋を見つけた。

茶子 スパイス研究家

 

 

ジャズ&ポップ−今週のお奨 めアルバム

今回はギターのJohn Tropeaのアルバム"NY Cats Direct"です。
サウスベイにいたころから持っていたCDですが、あらためて聴くととても素晴らしいアルバムです。John Tropeaのギターは品のある良い音を奏でています。共演者も蒼蒼たるメンバーです。4曲目の"Mr.Music"はJohn TropeaとWarren Bernhardtのピアノの共演で、心が洗われるような気持ちのいい曲です。全体にとても聴きやすく完成度の高いアルバムだと思います。


"NY Cats Direct" John Tropea 

1. Free Lunch
2. Moroccan Nights
3. The Chant
4. Mr. Music
5. Honky Tonk (Part I)
6. Just Blue
7. NYC Direct
8. Tamborine
9. Super Ascension

Credits
John Tropea(g)
David Spinozza(g)
Warren Bernhardt(p)
Don Grolnick(p)
Richard Tee(p)
Anthony Jackson(b)
Neil Jason(b)
Steve Gadd(ds)
Lou Marini(reeds)
George Young (reeds)
ジャズアルバムの紹介リスト
http://www.zakkayanews.com/jazzlist.htm
《R.O.》

編集後記

先週は喉の調子がちょっとよくないなあと思っていたら、熱が出てきて、一日しんどい思いをしました。この時期は油断をすると体調を崩すので注意をしようと、自分に言い聞かせています。土曜日にはヨガクラスに参加できていますので今は大丈夫です。
iPhone6が発売されました。すごい人気のようです。しかしスマホと一日中にらめっこしている人が増えています。スマホをずっといじっていると猫背になるそうです。そうでなくても猫背の多い日本人ですからさらに悪くなります。スマホは便利に賢く使いたいものです。《R.O.》


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Zakkaya Weekly No.958

雑貨屋 店主 大西良衛   http://www.zakkayanews.com/
              
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