最近の私は体調の関係で外出はすべて妻の運転に頼っており、また外食もドクターから厳しく制限されているため、旅行やコミュニティ活動は原則として控えることにしています。ただ、趣味の詩吟と仲間内の勉強会である「一期会」は継続するようにしています。詩吟は健康保全のため、また勉強会の「一期会」は会場が私の自宅に近く(小川不動産のオフイス会議室を使用させていただいています)歩いて行けるからです。今回は「一期会」について以下、ご紹介したいと思います。
日本の国際化にともない、日本の親会社から海外の子会社、支店、提携先などへ駐在派遣という形式で出向してくる人たちがおり、当地ロサンゼルスとその周辺にもそんな若い日本人たちが期待を担っておおぜい来ています。
私たち日本人にとって海外という、異文化の中で勤務することは特別のストレスを伴います。そんなストレスを出来るだけ解消するため、現地の風俗習慣、法律から日常生活術、子弟教育にいたるまでの問題について、駐在員たちが定期的に自発的に集い、勉強会を開催するケースをよく見かけます。
そんな勉強会のひとつに『一期会』というのがあり、私もメンバーの一員です。この会に私が入会したのは今から20年近く前で1995年でした。当時既に何度かの月例会合を持っていましたので、会の歴史はそれ以上になるはずです。故、三本松誠さん(公認会計士、経営コンサルタント)、高島
淳さん(Fujitsu Ten, America)、市川 徹さん(ANA Trading USA)、浜野好春さん(KMPG Peat
Marwick)などの皆さんが創った会と聞いています。因みに上記、浜野好春さんは一度日本へ帰られてから再び来米され、現在この会の会長職を担われています。
一期会の名称は『一期一会』に由来するものであり、1995年8月に制定された一期会の規約(その後、第8版までの改定あり)には、会の目的として『一期会は月に一度の勉強会を催し、会員の研鑽の場を提供すると同時に、異業種・異職種の会員がお互いの知識や経験を交換しあい、また、その名称の由来でもある「一期一会」の精神に則り、お互いの出会いを尊び、大切にしながら、その触れ合いを通じて自己啓発に努め、刎頚の友とならんことをその目的とする。』とあり、勉強会の運営に関しては、『勉強会におけるテーマの設定及び問題提起は会員の中から行い、基本的には、会員同士のディスカッションを中心に勉強会を進めるものとする。時には講師を招くこともあるが、あくまでも、会員の知識的援助またはディスカッションのサポートをお願いするためであることを念頭におき、その選定にあたるものとする』と定められています。
設立当初は日系異業種の企業での財務担当者による勉強、情報交換の会であり、お互いが本音で議論できるよう、一業種からは一社のみ、また、銀行業からの参加は認めないなどの制限を決めていました。その後、時を経るにしたがい、勉強内容は財務問題に限定せず、駐在員に役立つことなら何でも取り上げることにし、制限は取り外すことになりました。
月一度の定例勉強会の会場は会員企業のオフィスを持ち回りで使用させてもらって開催していましたが、数年前からGardena市にあるOgawa
Realty & Investment Groupさんのご好意でそこの会議室を格安の使用料で使わせてもらっています。
この会は少数精鋭主義を貫いており、会員数は現在10数名で和気藹々の楽しい会です。会費は年間で$50とし、会場使用料や講師の食事代にあてています。
今年の定例会のテーマは以下のとおりでした。
1月度:2012年大予測の結果発表と2013年の大予測(担当:河合)
2月度:お酒の造り方(講師:デビッド工藤さん)
3月度:知らないと怖い薬の話(講師:太田光子さん)
4月度:スポーツを通してみる日米の文化の違い(講師:マックス山口さん)
5月度:リフレクソロジー(講師:尾崎よしみさん)
6月度:墓地の生前購入について(講師:Tomoko Yamagataさん)
7月度:医者と薬が一生必要なくなる食事法(講師:小崎壮平さん)
8月度:ラフカデイオ・ハーン(小泉八雲)が惚れた日本(講師:今森貞夫さん)
9月度:年次総会、役員改選(全員留任)
10月度:メジャーリーグの楽しみ方(講師:梅田義元氏) |
定例会のあとは近くのレストランへ移動し、再び講師を交えて有意義なひと時を過ごします。
毎年、年末には忘年会を開催しています。会場は定例会と同じOgawaさんのオフィスを使わせてもらっていますが、ビールや寿司を取り寄せ、カラオケで盛り上がります。また、会員の太田
勉さん(Ogawa社長の右腕、大番頭役)のピアノ演奏(ベートーベン、月光の曲)が恒例名物です。大田さんは以前の商社を定年退職してから一念発起してピアノ演奏に挑戦し、今では楽譜なしで演奏し、年々その腕を上げています。
最近体調の都合でこの種の集まりに出られなくなっている私にとって、この『一期会』は数少ない楽しみの一つです。
河合 将介( skawai@earthlink.net ) |