ガスミュージアム
いつ頃からだろう、オール電化という言葉を聞くようになったのは…家をリフォームする時に一つだけこだわったのはキッチンだけはガスにしたいという事だった。料理に匙加減、味加減、火加減という言葉があるが火加減を見ながら料理をしたかったのと祖母が使っていた鉄釜を今後もずっと使いたかったからだ。
先日、近所に新しくキッチンが使用出来るショールームがあるガス会社がオープンした。最近の日本のキッチン事情にうとくなっている私はどんなガスキッチンがあるか興味があったので立ち寄ってみた。その時応対してくださったOさんといろいろ話をするうちに私のスパイスセミナーにOさんが興味を持ってくださった。それが縁で今回スパイスワークショップをそのショールームでさせていただく事になった。
それで以前から行こうと思っていたガスミュージアムにもこの機会に訪れてみることにした。場所は武蔵小金井駅北口からバスに乗って徒歩3分。駐車場も入場料も無料。ミュージアムの中は食べる所は無いけれど中庭にあるガスライトガーデンに座って赤レンガの博物館を眺めながら持参したランチなども食べられるスペースがある。夕暮れの少し前に訪れればガス灯の暖かい灯が夜の空に浮かび上がりなかなか雰囲気のある場所だ。2時間ぐらいのちょっとしたツアーが出来るので、この近くに立ち寄る機会があれば、お勧めのスポットだ。建物はガス灯館とギャラリーそれにくらし館といって生活の中のガスの歴史120年が見られるようになっている。ギャラリーは2カ月ぐらいの割合で入れ替えているようで私が訪れた時は〜光の浮世絵師〜小林清親展が開催されていた。
くらし館の方は昔のガスの広告と時代の流れにそって移り変わってきた台所が見られる。昔はガスでご飯を炊いたりパンをトーストしたりコーヒーもガスを使用していた頃があったようだ。ディスプレイのコンガリ美味しそうに焼けているパンを見てそのガス調理器が欲しくなってしまった。今でも母は時々、ガス台に付いている焼き物用の場所でパンをトーストする。その方が早いし電気のトースターと変わらないくらいきれいに焼けるから便利だという。それにガスでパンを焼くと外はコンガリ中がフワフワに焼けるのはガスの方がパンの水分が逃げないからだそうだ。ただし傍についていないとすぐに焦げてしまうので張り付いていないとならない。でも美味しいものを食べる為にはそのくらいの努力は惜しまないようにしないとならないと思う。最近は ″吹きこぼれにくい土鍋 ″というのでご飯を炊くのが流行ったらしい。友達は電気釜より断然美味しいという。進化したガス釜は自動で炊け保温まで出来るものもあるらしい。ガスミュージアムの帰り今夜は久しぶりになってしまった祖母の鉄釜でご飯を炊いてみようと思った。
茶子 スパイス研究家 |