高尾山の胡麻団子
この数年、春か秋に一度は訪れる高尾山。この山は新宿から50分で手軽に行ける東京近郊の山だ。駅から歩いてすぐに登山口があり歩くのが苦手な人でもケーブルカーとリフトの2種類があるので便利な山だ。
そこに行くと必ず食べるのがこの胡麻団子。高尾山には登山口から始まって頂上に行くまでの間あちこちでお団子屋さんを見かける。そば粉を使った蕎麦だんご、炭火焼だんご、天狗だんご、三福だんご、十穀だんご、焼きだんご等などお団子好きな人には楽しい場所だ。その中でやっぱり権現茶屋の
胡麻だんごが私は1番好きだ。あの、もっちりとしたお団子の柔らかさといい擦り胡麻の配分といいお団子のほどよい甘さといいそのバランスが絶妙なのだ。炭火でコンガリ焼き色をつけ仕上げにサッとハケでお醤油のタレを塗ってくれる。この素朴などこにでもあるような、ただのお団子なのに毎回ここに来るとこの胡麻団子が食べたくなる。初めてそのお団子を食べて一遍でこの胡麻団子のファンになってしまった。他でも胡麻団子を食べてみたがやっぱり高尾山のあの胡麻団子にはかなわなかった。自分でも、その味を真似て作ってみようと試みたが、その味にはならなかった。それから高尾山に登ったらあの胡麻団子を食べることに決めた。
ちなみに胡麻もスパイスのカテゴリーに入る。胡麻は漢方でも使われインドでは胡麻油を体に塗る治療方法もある。ミドルイースタン昔はアラビアの千一夜物語にも登場した胡麻だが日本には仏教とともに中国から伝えられ奈良時代に栽培が始まったそうだ。日本料理にも胡麻を使った料理がたくさんあるが胡麻を使うと大抵どんな料理でも美味しくなるので、そこから″ごまかす ″という言葉が出来たという説もあるらしい。何だか眉唾のようだが…
今年の秋はちょうど紅葉の見ごろでお天気に恵まれ青空に雪を頂く富士山を見ることが出来た。いつもは行列で見るだけだった願い石も今回は珍しく待つ人が少なかったので、この願いが叶うという石の輪をくぐりぬけてみた。
最近、出来て有名になったという高尾山のトイレも見学ついでに入ってみた。近代的な山小屋風の木作りトイレは全部ウオシュレット付きで着替える場所や赤ちゃんのオムツを替える場所まであり女性用のトイレの数も男性に比べて圧倒的に多かったのも感心した。
さて、次回この高尾山に来るのは桜の頃か、もみじの頃だろうか…
茶子 スパイス研究家 |