龍翁余話(247)「尖閣、長期戦に備え日米同盟結束を!」
暴徒化したデモ隊が駐中国日本大使館や領事館に投石、投物して器物を破損したり、日本大使の車を襲い日本国旗を奪うなど許しがたい無礼行為を働いたり、日本(関連)企業や店舗を襲撃して建物を破壊したり強盗を働いたり、日本人を傷つけたり・・・これはデモではなく、もはや“テロ”だ。このような“恥ずべき野蛮行為”を世界にさらけ出したにもかかわらず、中国政府は“愛国無罪”などという身勝手な方便で、これらのテロ行為を(事実上)黙認した。陸だけでは物足りないのか、各港の漁師をかき集め“油代金”を払って漁船団を編成、大挙して尖閣諸島周辺に近づけようと企てたり、漁業監視船と称する公船約20隻(9月20日現在)が接続水域(領海の外縁にあり基線から24海里=約44kmの範囲にある水域、国連海洋法条約に規定されている)をウロチョロし、海上保安庁の巡視船の隙を見て日本の領海を侵犯したりなど、まるで(翁がかねてから言っている)薄汚い“ドブネズミ”行為を続けている。
中国の蛮行に対して海外メディアは痛烈な批判記事を掲載している。「中国は“大国としての責任”とか“平和的な発展”を標榜しているが、今回の強硬態度は国としての成熟度に疑いを抱かせる」(英紙エコノミスト)、「中国は強大な経済力、軍事力をもって南シナ海(南沙諸島問題)や東シナ海(尖閣諸島問題)の小さな紛糾を大々的な地縁政治紛争に拡大させた。このことは、中国が依然として民族主義に起因する領土問題で絶え間ない紛争を演じる専制国家、覇権主義国家であることを世界に知らしめた」(米紙ワシントン・ポスト)。
それでも中国政府は「中国国民の愛国的行動の責任は全て日本側にある」とほざき、威圧行為を止めようとしない。そこで翁、中国政府に吼える『『子曰く、君子は諸(これ)を己れに求む、小人は諸を人に求む』(概訳=孔子が言った。学徳共に優れた人物は全ての責任を自分に求めるが、学徳なく、器の小さい者は全ての責任を他人のせいにする)。約2,500年前、儒教の祖・孔子の高弟たちによって編纂された孔子の遺訓『論語』は“人とはかくあるべき”の導き書である。それを中国政府の高官たちが、よもや知らない筈はあるまいが、どうやら彼らは“論語読みの論語知らず”と見える。いまだ論語学習の途にある日本人の一介の野人(龍翁)に論語を説かれ、中国の為政者たちよ、悔しくないか?
中国の次期最高指導者と目されている習近平(国家副主席)が19日、パネッタ米国防長官との会談で、日本政府の沖縄県・尖閣諸島の国有化を「茶番」と批判した。翁、その記事を読んで失笑した。“茶番”(底の見え透いた馬鹿馬鹿しい猿芝居)を演じているのはお前たちではないか。更にこの男、臆面もなくパネッタ長官に「言動を慎み、主権問題に介入しないように」と高圧的な要求を行なった。厚顔無恥も甚だしい、外国(米国)の要人に対して無礼千万な発言であるばかりでなく、尖閣問題で日米同盟の分断を狙った愚かな発言である。翁、習近平にも噛み付く『小人、人たるべき道(“仁義礼智信”)を知らず』。
これからの日本にとって、この習近平は極めつけの要注意人物と見做さなければならない。何故なら彼は、歴代の主席以上に対米・対日強硬派である、と言われているからだ。もしかして今回の尖閣に関する“テロ行為“はこの男のシナリオではないか、とも囁かれている。ともあれ、彼が中国共産党中央軍事委員会副主席に就任して以来、中国は、米国や日本との対決姿勢を強め始め、一方、北朝鮮の核開発を批判しなくなるなど、中国の外交に明らかな変化が生じてきた。温家宝首相の影が薄くなって、習が“次期主席”と目されるようになってから、中国は極端に北朝鮮やミャンマーなど独裁国家を擁護し、豊富な資源を有する発展途上国との結びつきを強めている。それは“国益”を狙っているからだ。
前号の『余話』(246)「尖閣、中国の実力行使に備えよ」で翁、次のように吼えた「@国際社会に“尖閣諸島は歴史的・国際法上に日本の固有の領土である”旨をPRし、国際世論を味方にせよ。A中国の実力行使(領海侵犯、不法上陸)に備えるべく法改正に伴う海保の権限(活動)強化、巡視船や保安官の増強、装備のグレードアップ、並びに集団的自衛権をもって自衛隊の海保支援活動態勢強化を急げ。B日米安全保障条約に基づく米軍の支援態勢強化を確立せよ。そのためには普天間基地問題もオスプレイ問題も(政府は、日本がおかれている危機的側面から)沖縄に対して懸命な説得を急がねばならない・・・尖閣を狙った中国の攻勢の長期化を覚悟した上で日米の結束強化を図り、有効な対抗措置を講ずるべきだ(読売新聞)。頼もしいことに、パネッタ米国防長官は「日米安保は尖閣を適用する」と明言し、キャンベル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)も「尖閣諸島は日本の施政下にあり、明らかに(米国の日本防衛義務を定めた)日米安保条約第5条の適用範囲である」と述べている。折りしも陸上自衛隊と米海兵隊は22日、グアム島で初めて離島上陸合同訓練を実施した。「特定の島を想定したものではない」と言っているが、この時期、翁は尖閣諸島がちらついて嬉しくなる。(未だに米国頼みも情けないが、今は仕方ない)
政府(内閣府)は上記@の国際PR戦略に乗り出した。玄葉外相は国連総会に出席する野田首相に同行して、ニューヨークで諸外国の外相と会談を持ち“尖閣に関する日本の立場を説明し理解を求める”そうだ。更に翁が力強く思うのは、自民党総裁選の立会演説会で候補者全員がABを取り上げたことだ。翁はかねてより野田佳彦に対しては好意的であったが、もうここに来ては、ひ弱な民主党政権では内政も外交も好転するメドは立ちそうもない。日本がかつての“大国”に生まれ変わるための一大改革は、やはり自民党しか出来ないだろう、という気になっている。ただし、維新の会などという(民主党よりもお粗末なシロウト集団)子どもたちの遊戯に振り回されるようでは困る。今度こそ党利党略・私利私欲を捨て、主権国家としての誇りと責任をもって国家国民のために命を賭ける“日本国民党”に成熟して貰いたい・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。 |