――― 前号からの続き ―――
サウスベイ経営セミナー(SBMS)15年のうちにはセミナーそのものとは別に、予期せぬハプニングも多々ありました。
2001年9月のセミナーは9月12日が開催日であり、北海道大学の根本
正史先生に「頭の良くなる話」というテーマでお願いしました。根本先生には予定通り会場であるHoliday Inn,
Torranceへおいでいただきました。本来なら、いつもの例で新会員とゲストの紹介から入るところですが、この日(2001年9月12日)の前日に私たちと米国民にとって忘れることの出来ない出来事が起こっていたのでした。セプテンバー・イレブン(9・11)の大惨事です。
当日の司会を担当していた私としては、講演も非常に大切ですが、この大事件に際し、会員各社がどのような対応策を講じ、また講ずべきか。さらにこれからアメリカと世界はどうなるのかについて、会員の現状、意見を集約するべきと判断しました。
そこで、講師の根本先生のご了解をいただいた上で、講演の前の限られた時間でしたが、私は次のようにミーティングを進めました。以下は、録音テープに残された音声の再生です。
*********************
≪私(河合)の発言≫:
(前略)昨日、アメリカの経済・政治・軍事、これの中枢部分に対するテロがございまして、たいへん私ども一同驚いた次第なんですけど、皆さま方の企業や関係なさる友人知人、その他の方々で特に被害がないことをお祈りするばかりです。この件について、私どもSBMSとして、なにか皆さま方のほうで情報、特に新聞に出ないような情報とか、またはそれぞれ皆さんの企業の情報をお持ちでしたらご披露いただきたけたらと思います。
最初にですね、私のほうから指名させていただき恐縮ですが、企業の対応ということで、IBMの永山さん、御社としてどんなことをなさっているか、ご説明をいただきたくお願いいたします。
≪永山繁雄氏、IBMマネージャーの発言≫
IBMの永山です。それほど前に立って話すほどのことはないのですが、昨日は会長から全米の社員には2回E-メールが届きました。こういうことをしなさい。こういうことはしてはいけないという内容でした。今日もメールで来たのですけど、報道陣の問い合わせに対しては勝手に答えるな。PRの専門家がいるから何か質問があった時はそちらに繋ぎなさい。また、あとは社員については東海岸にいる人、特に献血には答えてあげて欲しい。会社としては特に今すぐ何をするということはないんですけれど、IBMはビジネス・リカバリー・サービスというものをやってまして、お客様のシステムが壊れた時にデータを持ってきてもらって、IBMのコンピュータをお客様に使っていただくというサービスをやっています。それは昨日もスタンバイして、既にニューヨ−クのほうでは近くにシステムを持っていたところがIBMの施設で動かしたいというリクエストがあって、それには答えたりしています。
昨日は、社員は会社に出勤する必要のない人は家に待機して仕事をしなさい、ということで、今日からは通常に動いておりますが、昨日はそういう連絡がありました。
あとは、コンサルタントなんかの社員は殆どの人が出張ベースで仕事をしており、多分数千人の社員が毎日航空便を使って動いていますので、その人たちは全部足止めになっていますので、ホテルの手配とか、次の飛行機便の手配とかローカルのマネージャーにもコンタクトを取って次のアクションにつなげるように、といった指示が来ております。私のところはこんなところです。
≪私(河合)発言≫
はい、ありがとうございました。えーと、また、もう一人、今回はエアラインが特に関係しておりますので、ユナイテッド・エアラインの山小田さんにお願いいたしたく思います。
――― 以下、次号へ続く ―――
河合将介(skawai@earthlink.net) |