――― 前項から続く ―――
1995年5月に開催したSBMSの記念すべき第1回セミナーのテーマは「米国大統領選挙と自動車問題」であり、当時の時事通信社ロサンゼルス支局長の佐藤成文氏を講師にお願いしました。再選を期すクリントン大統領と当時の日米間の懸案であった自動車問題に焦点をあてた講演・解説でした。それから15年、今から振り返って過去のセミナー・テーマを辿るだけでも、変動する時代の流れを知る思いがします。
設立当初は駐在員や企業経営者の勉強会だけでなく、家族を含めた親睦行事も行いました。親睦ゴルフ、地ビール造り、チェリー・ピック(さくらんぼ摘み)、楽焼、等々、会員の滞米生活に深みを増す思い出作りにも力を注ぎました。(現在は会の性格の見直しにより、親睦行事はゴルフ大会のみに特化しています)
私の個人的思い出として残る企画のひとつは、私が会長職を務めた1996年に実施した「日本人駐在員・赴任者の処遇アンケート」と翌年にまとめた結果です。当時はまだ、日本の親会社からの駐在員は特別扱いされる傾向にあり、その基準は業種・企業間でまちまちで、日本から新たに進出する企業にとって大きな問題でした。そこで会員企業・団体の日本人駐在員・赴任者に対する各種処遇について、給与、住宅手当、教育費補助、医療費負担、車支給状況、貸付け・赴任支度金制度、一時帰国・家族呼寄せ制度、その他(赴任前の日本での処遇、赴任中のその他処遇、駐在期間の決め方、住宅や永住権取得への会社側対応、など)について会員企業にアンケートをし、細かく調べ纏め上げました。この資料はその後しばらくは多くの関係者からの問い合わせに対応出来、我ながら自負しているところです。
1997年1月の新年会パーティに谷内正太郎総領事(元、外務次官)も出席いただき祝辞を述べていただいた際、「昨今の日本の厳しいビジネス環境の中で、この会だけが会員数を大幅に増やしていると聞き、敬服します」とまでお誉めの言葉をいただき感激したことがいまだに忘れられません。
これまで15年あまりの間に実施した160回を超える月例セミナー(毎年1月は総会・新年会なのでセミナーは年間11回実施)で講演をされた講師の話はどれも貴重で意義のあるものばかりだったが、私にとって印象深い記憶となって残っているものを以下、いくつかご紹介したいと思います。 ――― 次号へ続く ―――
【追伸】:前回の当欄で、S.B.M.S.の発足の経緯を書きました。この文章を読んだ若尾龍彦さんが、S.B.M.S.発起人代表で、初年度会長をなさった山田正一さん(当時、米国パイオニア社長)の連絡先をご存知で、山田さんに私の文章をお送りくださりました。山田さんから早速、私にEメールが届きました。山田さんは初年度会長在任中に日本へご栄転され、その後、私とは連絡が断たれていたので、まさに15年ぶりのメールによる再会をはたせました。懐かしい方からのメールに感激しました。山田さんは現在東京にお住まいで、近々故郷の富山に家を建て引っ越そうと考えておられるそうです。橋渡しをしてくださった若尾さん、どうもありがとうございました。
河合将介(skawai@earthlink.net) |