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NO.771               Ryo Onishi              2/20/2011  

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雑貨屋のひとり言

日照時間が少しずつ長くなってきました。天気がよく、風がない日はもう春が来たように思えます。春はもうすぐです。これまでのところインフルエンザも風邪にもかからず過ごせていますが、これがヨガをやっている効果だったらうれしいのですが、実際のところすこし歳をとってきたので無理をしないでやっているからではないかと思っています。まだまだ油断は禁物です。そしてこれからの関心事は花粉症です。これをうまく乗り切れば素晴らしい春を迎えられると思います。≪R.O≫

 

くじけないで-―柴田トヨさんの詩集

 友人から借りた一冊の詩集が私の目の前にあります。「くじけないで」(飛鳥新社刊)と題する100ページそこそこの小冊子で柴田トヨさんという宇都宮市在住の白寿(99歳)の女性の詩集です。本に記された説明によると、この本は著者が詩を書き始めた平成15年から平成22年2月までの作品を集めた処女詩集なのだそうです。

全掲載42作品の多くは産経新聞「朝の詩(うた)」欄と下野新聞に掲載された作品で、見開きページ全体に大きな文字で十数行の詩が掲載され、それに著者ご本人による生い立ちや作詞の感想、あとがきを含めても100ページそこそこの詩集であり、一気に読めば30分とかかりません。昨年(2010年)3月に発刊以来、新聞やテレビなどで紹介されて反響を呼び、出版流通大手「トーハン」の週間ベストセラーで総合1位になったこともあるのだそうです。

 どこにでもいそうなごく平凡な女性が90歳を過ぎて始めた詩作がこんなに多くの読者の心をとらえ感動を与えているとは!
私も手にとってページを開き、つい夢中になって一気に全部読み終えてしまいました。著作権の問題もあり、無断で詩を引用することは不適切とは思いますが、詩の感動を皆さんと分かち合うため、いくつかの作品を以下記します。(この文章は営利を目的としたものではありませんので、ご勘弁ください)
 

☆ 風と陽射しと私

風が
硝子戸を叩くので
中に入れてあげた
そしたら
陽射しまで入って来て
三人で おしゃべり

おばあちゃん
独りで寂しくないかい?
風と陽射しが聞くから
人間 所詮は独りよ
私は答えた

がんばらずに
気楽にいくのがいいね

みんなで笑いあった
昼下がり
 


☆ あなたに(T)

出来ないからって
いじけてはダメ
私だって 九十六年間
出来なかった事は
山ほどある
父母への孝行
子供の教育
数々の習いごと

でも 努力はしたのよ
精いっぱい
ねえ それが
大事じゃないかしら

さあ 立ちあがって
何かをつかむのよ
悔いを
残さないために
 

感性豊かな発想力とみずみずしい言葉が次から次へとほとばしり、これがとても老女性の言葉とは思えません。トヨさんはご自分が百歳に近い年齢であり、体力の減退、物忘れの激しさを正直に認めた上で「忘れてゆくことの幸福、忘れてゆくことへのあきらめをむしろ楽しんでいる気配です。
 

☆ 忘れる

歳をとるたびに
いろいろなものを
忘れてゆくような
気がする

人の名前
幾つもの文字
思い出の数々

それを 寂しいと
思わなくなったのは
どうしてだろう

忘れてゆくことの幸福
忘れてゆくことへの
あきらめ

ひぐらしの声が
聞こえる

詩集の巻末に作者自らが記した自伝に相当する「私の軌跡」と題する文章からもわかる通り、トヨさんはどこにでもありそうな家庭で生まれ育ち、明治生まれの女性らしい苦難に満ちた人生を送っています。そのトヨさんが生きる元気を与えてくれる詩を生み出しているのです。発想力の豊かさとみずみずしい感性に富む一言一言は若さと清々しさすら感じます。
 
☆ 貯金

私ね 人から
やさしさを貰ったら
心に貯金をしておくの

さびしくなった時は
それを引き出して
元気になる

あなたも 今から
積んでおきなさい
年金より
いいわよ

詩集の最後に柴田トミさんは「朝はかならずやってくる(私の軌跡)」という文章の中で『90歳を過ぎて出会った詩作で、きづいたことがあります。どんな辛いこと、悲しいことがあっても、私は両親や夫、倅、嫁、親戚、知人、そして多くの縁ある方々の愛情に支えられて、今の自分があるのだということです』と記し、そして最後に次のように締めくくっています。『人生、いつだってこれから。だれにも朝はかならずやってくる。一人暮らし二十年。私しっかり生きてます』河合将介(skawai@earthlink.net)

さくらの独り 言

今週はお休みです。

川柳(東京・成近)


 


( 川 柳 )

 
哀しさを溜めておかめの面の裏

色即是さてその次に続く文字

寺巡り最後ポックリ寺に寄り

神の手に任す私の砂時計

情に棹差しゆらゆらと彼岸まで

( ニュースやぶにらみ )

「MINSYU16」
蹴って、吠えて −おじさんチルドレン

「新結成」
MINSYU16 −小沢チルドレン

「まさか」
方便? −マニフェスト

「独裁打倒デモ」
支持率20%ぐらいが丁度いい −菅首相

河合成近
nakawai@adachi.ne.jp

http://homepage3.nifty.com/itukabouzu/

句会場(千駄木)周辺散歩(45)
*山川惣治 ―少年ケニヤ
 昭和1桁、2桁生まれの人には懐かしい名前かと思います。
以下《》内の文章はウィキペディアを参照しました。《戦前は紙芝居作家だったそうですが、戦後、昭和22年に出した絵物語『少年王者』が大ヒットし、出版元の集英社はこの一作で経営の礎を築いたといわれています。そして昭和26年から産業経済新聞(産経新聞)に連載された『少年ケニヤ』が大ブームを起こしました》
 地元のタウン誌『谷根千』に、山川惣治が『少年ケニヤ』を書いていたのは、千駄木在住の頃という記事を見つけました。
以下地元のタウン誌『谷根千』10号(1986年12月号)の、団子坂上のたけや豆腐店の主人、石島克二さんの引き売りに同行した谷根千記者のレポート記事より。%烽ヘ石島さんの話です。
「まず須藤公園上の山脇邸前に立ち寄る。ここ林町(注:現千駄木3丁目)は、今もご用聞きや引き売りが頼りの邸町。(略)旧児玉希望画伯邸前に出る。この辺は名士が多くて引き売りしても楽しい所でした。宝井馬琴さんは男らしい豪放な方で、健康のためだからとよく自転車に乗っていた。児玉先生の奥さまは気さくな方で、我々といつも世間話を(略)数寄屋造りの立派な塀で、よく月光仮面の撮影をしていました=@宮本百合子の実家である中条家名残りのあずき色の門柱を抜ける。鶴の湯の手前でここは少年ケニアの山川惣治さんの家だった。オヤジにくっついてきて、この家で少年ケニアが描かれてるかと思うとワクワクしちゃって〜=v
 その後手塚治虫に代表されるストーリー漫画に人気が移り、惣治は第一線を退き、一時期、横浜市でドルフィンというレストランを経営をしています。このドルフィンは、荒井由美(現:松任谷由実)の初期の曲『海を見ていた午後』で「♪山手のドルフィンは、静かなレストラン。晴れた午後には、遠く三浦岬も見える」と歌われたことでも知られています。

龍翁余話

龍翁余話(168)「2・26事件に思う」

75年前の1936年2月26日に起きたクーデター未遂事件、いわゆる『2・26事件』について、久しぶりに翁の書棚にある『昭和史2万日の全記録』((全20巻)の第4巻に収録されている(副題)“日本を震撼させた4日間(2・26事件)”を開いた。大日本帝国陸軍内の派閥の1つ“皇道派”(尊王討奸=天皇親政を実現させるため、悪政を重ねる重臣どもを武力によって討伐し、明治維新のような政治主体を変える昭和維新を起こそうと考えた集団)の青年将校(いずれも20歳代の大尉・中尉・少尉)らが中心となって近衛歩兵連隊や野戦重砲連隊などから集めた約1400名の兵を指揮して決起、1936年2月26日から29日にかけて(第1次目標として)次の重臣たちを襲撃した。

(いずれも当時の)総理大臣・岡田啓介(官邸にて襲撃されるも危うく難を逃れたが秘書官が身替りとなって殺害された)、侍従長・鈴木貫太郎(侍従長官邸にて被弾し瀕死の重傷を負ったが奇跡的に一命を取りとめた。その後、終戦時の第42代内閣総理大臣)、内大臣・斎藤實(新宿の自宅にて被弾、死亡=享年77、海軍大将)、大蔵大臣・高橋是清(赤坂の自宅にて被弾、死亡=享年82、第20代内閣総理大臣)、陸軍教育総監・渡辺錠太郎(杉並区荻窪の自宅にて被弾、死亡=享年61、陸軍大将)、前内大臣・牧野伸顕(湯河原の旅館で襲撃されたが危うく受難を免れた。昭和天皇の信任厚く、数度、宮中にて意見を具申したという。麻生太郎・第92代内閣総理大臣の曾祖父)、元老・西園寺公望(“決起”情報を事前にキャッチ、静岡県警察部長官舎に避難して無事、第12代内閣総理大臣)、以上の6人。軍と政府は直ちに彼らを“反乱軍”として武力鎮圧を決め投降を呼び掛けた。反乱将校たちは、下士官や兵を原隊に復帰させ、一部は自決、大半は投降して法廷闘争を図るも、いずれも有罪(死刑・無期・数年禁固など)。なお、歩兵第3連隊の機関銃隊に所属していた小林盛夫2等兵は、のちの5代目柳家小さん、畑 和(はた やわら)2等兵は、のちの社会党衆議院議員、埼玉県知事。(第1次目標襲撃のあと直ぐに鎮圧されたので第2次目標として狙われていた三井・三菱財閥の当主らは無事だった)。

民主党の小沢一郎は最近の講演で「2・26事件は国民の生活を守りきれなかった政治家の責任だった」と述べた。その通りだ。戦前の2大政党(民政党と政友会)は政争に明け暮れ、足の引っ張り合いを続けた。選挙ではカネが飛び交い、国民の心は政治から離れていった。まさに今日の2大政党が、その二の舞いを演じている。小沢はそのことを肌に感じて(2・26事件に)触れたのだろう。正論だ。だが、小沢よ、キミはその正論を吐く前に、何故、政治不信のタネをまいたのが自分であることを認めないのか?(読売新聞・社説)国会で疑惑を晴らそうとせず、民主党倫理委の “党員資格停止”という処分(案)に反発してか、やたら菅政権批判、倒閣発言を連発、自分が(金力で)かき集めた烏合の衆(小沢チルドレン)を扇動して16人の衆院議員に衆院民主党会派からの離脱願いを出させた(2月17日)。どうやら小沢は、かつての新進党や自由党に続いて民主党もぶっ壊したい考えのようだ。まあ、そのほうがお国の為になるだろうが・・・

会派離脱とは離党はしないが国会運営に協力しないこともあり得るということらしいが、いかにも幼稚なパフォーマンス。むしろ、集団離党したほうが国民には分かり易い。テレビで16人の顔を見た。翁、彼らの顔も名前も知らない。それもそのはず、彼らは2009年の衆院選で比例東北、南関東、近畿ブロックから小沢に唆されて出てきた、つまり、彼らは選挙運動をした訳ではなく、政治理念も国家観も持たないまま(数合わせで)金バッジをつけることが出来た連中だ。こんな輩(やから)が“民主党政権交代に責任を持つ会”を結成する、と言う、笑っちゃうね。そんな責任は持たなくていいから、早く辞めて貰いたい。レンホウよ、税金の無駄使いは、まず身内(民主党内)の仕分けから始めよ。

最近の菅(首相)の眼には生気がない。菅よ、そんな寝ぼけ眼(まなこ)では総理の威厳も迫力もない。16人が造反すれば2011年度予算関連法案など重要法案が通らなくなる。そうなると困るのは国民だ。だが、菅よ、小沢の画策と小沢グループの揺さぶりに惑わされることなく、信念をもって提案する国家国民の為の重要法案ならそれに命を賭け、堂々と野党と論戦を展開せよ。国民は国会の動きをじっと視ている。野党が、今の民主党の弱体化に付け込んで党利党略に走り、国民不在の議論を持ち込もうものなら、国民は黙ってはいない。谷垣(自民党総裁)よ、「解散して国民に信を問え」「政府案、何でも反対」などという“野党根性の決まり文句”を吐くのは止しなさい。石原(自民党幹事長)よ、「造反組16人を抱き込んで民主党の自壊、衆院早期解散」を目論んでいるそうだが(2月19日)、キミはそんな小さな男だったか?もしそれが本当なら、そんな姑息で狭隘な考えに国民は呆れるだろう。(翁はけっして民主党、菅政権支持者ではないが)こんな時こそ国民目線・国際視野で真摯に、真剣に重要法案審議に取り組む大人心の姿を国民に見せなさい。そして各法案が、真に国家国民の為になるものなら躊躇なく政府案に賛成しなさい。それが本来の政治家というものだ。

“2・26事件”に思う――当時は軍国主義の真っ只中、銃剣を持つ青年将校たちは手段を間違えたが、彼らの憂国(愛国)心に限っては一定の評価を下す歴史家もいる。翁も(当然、殺戮という愚行は否定するが)彼らの国家を思う赤心には胸に迫るものを感じる。今日の政治家たちに、彼らのような無垢な赤心(誠心)が有りや無しや。“事件”勃発の報に接した昭和天皇は「朕(私)が信頼せる老臣を殺すは、朕の首を絞めるに等しき行為なり」と激怒されたあと「朕、不徳なり」とおっしゃったとか。昭和天皇の厳しさと優しさが偲ばれる逸話である。翁の好きな昭和天皇御製の1句を政治家諸君に贈る――― 『降り積もる み雪に耐へて 色変へぬ 松ぞ雄雄しき 人もかくあれ』・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。

ジャズ&ポップ−今週のお奨 めアルバム

しばらく邦人アーティストが続いたので今回はアメリカ人アーティストです。Joe Sampleはテキサス州ヒューストン出身のピアニスト。1939年生まれ。彼のジャズはフージョンです。このアルバムは1991年にGRPレコードから出されたもので私がサウスベイにいたころよく聴いたニューウェーブジャズステーションKTWV(84.7MHz)でも流れていたと思います。
透明感のあるさわやかな音色が好きです。
10曲目のOasisは雑貨屋ウィークリー711号でご紹介したアルバム"Oasis"の曲と同じです。

"Collection" Joe Sample

01-Carmel
02-Woman You're Driving Me Mad
03-A Rainy Day In Monterey
04-Sunrise
05-Melodies Of Love
06-Rainbow Seeker
07-Fly With The Wings Of Love
08-Burning Up The Carnival
09-Night Flight
10-Oasis


ジャズアルバムの紹介リスト
http://www.zakkayanews.com/jazzlist.htm
《R.O.》

編集後記

毎週iPadに関することを毎週書くのは大変ですが、探せばいろいろと出てくるもので、そのたびに新しい発見があり、うれしいですね。
≪iPad今週のアプリ≫
Google Mobile App
最近テレビでスマートフォンに向かって話して情報を入手するCMやっています。iPadでもそれができます。Google Mobile Appの検索画面の右上にあるマイクのボタンを押し、検索したいことを画面に向かって喋ると検索してくれます。たとえば「雑貨屋ホームページ」と喋ると、ちゃんと雑貨屋ホームページが出てきます。(これには感動しました!)音声認識が結構な精度なので驚きます。タイプして文字入力しなくてもいいのでとても便利です。
 

雑貨屋のブログ→ http://zakkayanews.jugem.jp/
雑貨屋ニュースレターのバックナンバーは下記のURLでご覧いただけます。

http://www.zakkayanews.com/zwback.htm

Zakkaya Weekly No.771

雑貨屋 店主 大西良衛   http://www.zakkayanews.com/
              
tenshu@zakkayanews.com