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NO.726                Ryo Onishi              4/11/2010  

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雑貨屋のひとり言

昨日、神戸空港のすぐ近くにある「ラヴィマーナ神戸」というところで私の姪の結婚式が行われました。暑いくらいの陽気でまるでどこか南の国のリゾート地にいるような気分になりました。最近人気の結婚式場になっているようです。昨年の娘の結婚式を思い出しながら楽しいひと時を過ごしました。≪R.O≫

アメリカ医療保険改革法(2)

  ――― 前号からの続き ―――
現在アメリカでは、国や州が直接かかわる公的保険は、高齢者や障害者向けのものである『メディケア』と、低所得者向けの『メディケイド』などに限られています。その他は民間会社が販売する保険を利用することになっています。その結果、国民の60%以上が勤務先の企業が契約する民間保険会社の保険に加入しているといわれています。しかしここ数年、金融危機のため会社倒産などのため失業や転職のため、保険のカバーを失う人が急増するなど大問題となっています。

昨年一月の就任演説で、オバマ大統領は「裕福な人だけを優遇する社会では国家の繁栄はありえない」と述べ、医療保険改革の実現を国内政策の柱とする旨、宣言しました。

今回のアメリカの「医療保険改革法」成立について、オバマ大統領と民主党の大多数は当然ながら「歴史的快挙」と絶賛し、特にオバマ大統領はアメリカの医療保険制度上、自国の歴史に名を残す大統領の一人としての地位を確保したとともいえましょう。アメリカは先進諸国の中で唯一、国民皆保険制度のない国とされてきた汚名をはらす方向付けがなされたのです。アメリカは1912年に当時のルーズベルト大統領が国民皆保険を提案してから約1世紀の歳月を要したわけです。オバマ大統領支持率も、この法律成立によって5%上昇しています。(大統領の国民からの支持率は51%で、その前週の46%は就任以来最低の記録でした)

また、これも当然ながら、この医療保険改革法に反対する共和党や保守層からは今回の法律に対して激しい非難と怒りの声が続出しているようです。保険改革の是非をめぐる議論の背景には、貧富の差や不法移民、妊娠中絶など、アメリカの社会問題が複雑に影を落としているのです。

新聞・テレビのニュースによると、先の大統領選で共和党の副大統領候補でもあった、サラ・ペイリン氏(アラスカ州知事)などは声明をだし、『医療保険改革法に賛成した、許せない民主党議員たち』と題して17人の名前を発表したうえで、さらに彼女は「アメリカを愛する人たちにとって、この国が社会主義になるのは絶対に許せない。中間選挙では必ず逆転し、この法律を廃止します!!」と怒り心頭のご様子なのだそうです。

さらにフロリダ州を初めとする共和党が強い14の州では、今回成立した法律は州の主権を侵害しており違憲だ、としてそれぞれ連邦地裁に取り消しの訴えを起こしているようです。

法律成立の翌日からは、賛成した民主党の議員に対し、殺害予告や事務所の破壊行為などの嫌がらせが相次いでいることも明らかになりました。少なくとも10人以上の同党議員が嫌がらせにあったと報じられています。(尤も、メディアによれば、このような嫌がらせは何も今回に限ったことではなく、ほかの法案審議の際でも珍しくないようですが・・・)
社会主義を嫌う自由の大国アメリカ合衆国らしい反応です。
 
 私のような日本人には、国民だれもが医療保険の恩恵に浴するようにすることは国家の義務であり国民の権利と思えるのですが、今回のアメリカ医療保険改革の議論を報道で知るにつけ、この国(アメリカ合衆国)にとって国民皆保険制度の導入が、いかに困難な作業であるか知らされました 個人の自由を尊重し、保険事業への政府の介入を嫌うこの国特有の思想があるようで、特に「大きな政府」に反対する共和党は、この制度が国の支出を増大させ、増税につながるとして大反対なのです。この国は資本主義にこだわり、社会主義をきらう自由の大国なのです。

 アメリカはこの改革によってすでに肥大化している財政赤字がさらに膨らむことが予想されます。さすがにオバマ大統領自身からもコスト削減のための調整が必要である旨の発言があり、「改革に向けた第一歩」がそのまま「苦難に向けた第一歩」の様相です。
   ――― 次号に続く ―――  

  河合将介(skawai@earthlink.net)

さくらの独り 言「」

 

川柳(東京・成近)


 


( 川 柳 )

ロボットに老後を頼む少子国

縄張りを言い始めてる宇宙基地

遺伝子操作神に内緒の実が熟れる

パンドラの箱クローンの指が触れ

クローンにいつかは神の罰ゲーム


( ニュースやぶにらみ )

「立ち上がれ日本」
どっこいしょ −高齢化社会

「御柱祭の木落とし」
怖くて見ていられない −内閣支持率

「山崎直子さん宇宙に」
彦星さんどこを見てるの −織姫

河合成近
nakawai@adachi.ne.jp

http://homepage3.nifty.com/itukabouzu/

森田さんから


                              

龍翁余話

龍翁余話(125)「神宮外苑散策」

知らないことが多過ぎる。永く生きていて「こんな所に、こんな歴史があったのか」の場面に出くわすことが多過ぎる。それも、何回か来た所、何回も車で通った所で、けっこう知っている、と思っていたはずなのに、それは上っ面ばかりで、本当のことや詳しいことは何も知らなかった(ことが多過ぎる)・・・いかに関心度、注意力が希薄であったかを情けなく思う。しかし、遅ればせながらでも「ここに、こんな歴史があった」を知った時の感動・感激は、また、格別だ。知識(情報)を得て少しは賢くなった気分になる、ということは、多分、こんなことの繰り返しなのかも知れない。


昨年8月と今年1月の2回、東京・信濃町にある慶応義塾大学病院で厄介なガン手術を受けて以来、毎週火曜日が翁の通院日(検診と免疫治療)となっていたのだが、先日の火曜日(4月6日)、主治医(K博士)から突然「今日の治療は中止して検査しましょう。すでにガン退治は完了しているはずです」と言われ、早速、内視鏡検査を受けた。結果は嬉しいことに主治医の診たて通りだった。「よく頑張りましたね、もう大丈夫です。念のため今月○日にCT検査を受けて下さい。5月○日にまたお会いしましょう」・・・この時の翁の気持ち、どう表現したらいいだろうか、ガン再発防止とは言え、かなり苦痛だった免疫治療からやっと開放される喜びが、翁の心を弾ませた。暖かな春陽はまだ高い。浮き浮き気分の足が病院近くの神宮外苑へ向く。名残り桜を見物しながらの外周散歩のつもりだったが、さてさて随所に「ここに、こんな歴史があったのか」に出会うことになる。                  

外苑のシンボルは何と言っても明治天皇と昭憲皇太后のご遺徳を後世に永く伝えるために大正15年(1926年)
建造された『聖徳記念絵画館』。建物の規模は東西の長さ112m、南北の長さ34m、地上(中央ドーム頂点)の高さ32m、威風堂々たる構えだ。館内展示場は、延べ250mの壁面に畳3枚分ほどの大きな絵画80点が、明治天皇、昭憲皇太后の事績を伝えている。明治天皇ご降誕、王政復古、伏見鳥羽戦、五箇条ご誓文、江戸開城談判、即位礼、皇后冊立(天皇がご結婚されて皇后を正式に定める)、岩倉大使欧米派遣、西南の役、憲法発布式、陸海軍演習御統監、日清戦争(平壌戦、黄海戦)、靖国神社行幸、日露戦争(旅順開城、日本海開戦)など幕末・明治の歴史(近代日本のあけぼの)を時系列で見ることが出来る。(館内は撮影禁止)

約30万平方メートルの庭園内に、この絵画館のほか国立競技場(1964年東京オリンピックのメイン・スタジアム)、神宮球場、プール、テニスコートなどがあることはよく知られ
ており、特に、国道246号(青山通り)から白亜の絵画館を望む4並列街路樹146本のイチョウ並木はあまりにも有名。絵画館のチケット売り場で貰った『史跡でたどる明治――散策しながら過ぎし時代に想いを馳せて見ませんか』のパンフレットを手に、イチョウ並木が外苑中央広場の円周道路に至る右側『御観兵榎』へ(初めて)足を踏み入れる。  

1887年(明治20年)、ここに青山練兵場が出来て以来、明治23年、明治天皇がこの榎の場所で憲法発布観兵式をご覧になったそうだ(写真左)。このエリアは静かで落ち着いた小さな植物園といった感じ、翁、大いに気に入った。そこから円周道路へ出て信濃町駅方面へ歩くと(その時期の)目まぐるしい寒暖の変化に耐えて懸命に頑張っている枝垂桜を見る。思わず「おう!(美しい!)」と感嘆の声を発し、シャッターを切る(写真中)。絵画館の正面に向かって右側の角に『名木・ひとつばたご』というのがある(写真右)。モクセイ科の落葉高木で、幕末からこの付近にあった珍しい樹木、これを見た人たちが「これはいったい何の木じゃ?」と問答していたところから別名“なんじゃもんじゃ”と言われているそうだ(が、本当だろうか?)。初夏には、あたかも雪が降り積もったかのような白い花が、周囲の新緑に映える、と資料に書かれている。

 絵画館の裏手に回ると、そこには『葬場殿址』(明治天皇ご葬儀の際、御霊柩車が安置された場所)(写真左)があり、更に回ると『樺太日露国境天測標石』(明治38年、日露講和条約締結により樺太の北緯50度以南が日本領となった、その境界を標示する標石)(写真中)、そして絵画館の左(国立競技場側)からの入り口にある『御鷹の松』(徳川3代将軍・家光ゆかりの松)(写真右)の史跡を知る。恥ずかしながら、どれもこれもが新しい発見であった。

主治医から“安全宣言”されたことに気をよくしての神宮外苑散策で「ここに、こんな歴史があったのか」に出会えた。若い頃、関心度希薄、注意力散漫だったことの反省を、これからは少しずつでも感動・感激に替える行動力を高めたい。健康第一に「歩く・観る・聴く・語る・書く」を続けたい・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。

ジャズ&ポップ−今週のお奨 めアルバム

 

今週も先週と同じ曲タイトル"Spring Can Really Hang You up the Most"の入ったアルバム、George Cableの"Senorita De Aranjuez"をご紹介します。
George Cablesのアルバムはこれで3回目の紹介になります。
George Cableは私の好きなアーティストの一人だということです。
アルバムタイトルのSenorita De Aranjuezは彼のオリジナルで、しっとりと落ち着いた曲が素敵です。

このアルバムは2001年1月にリリースされ『スイングジャーナル』誌のゴールド・ディスクを獲得しています。

George Cables Senorita De Aranjuez
1.It Could Happen to You
2.Senorita de Aranjuez
3.Gymnopedie #1
4.Black Orpheus
5.Spring Can Really Hang You up the Most
6.Unchained Melody
7.It's Impossible
8.Summer Knows
9.All the Thing You Are
10.Sweet Rita Suite



雑貨屋ウィークリー537号から紹介をはじめたジャズのアルバムをリストにしました。
http://www.zakkayanews.com/jazzlist.htm
《R.O.》

編集後記

今年は今までのところ花粉症に悩まされるということがありません。まだ油断はできませんが、この調子で乗り切れたらうれしいです。

雑貨屋のブログ→ http://zakkayanews.jugem.jp/
雑貨屋ニュースレターのバックナンバーは下記のURLでご覧いただけます。

http://www.zakkayanews.com/zwback.htm

Zakkaya Weekly No.726

雑貨屋 店主 大西良衛   http://www.zakkayanews.com/
              
tenshu@zakkayanews.com