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NO.724                Ryo Onishi              3/28/2010  

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雑貨屋のひとり言

先週は寒い日がありましたが、今日、街の桜は花が咲き始めています。風を受けながら歩いていても体が震える寒さではなく心地よく感じます。ようやく春が来たなあと実感できるようになりました。≪R.O≫

暮れなずむ

春分の日も過ぎ、これからは日一日と昼の時間がながくなります。米国では3月14日からハワイ州、アリゾナ州(の大部分)を除いていわゆる『夏時間』(米語では"Daylight Saving Time《DST》"デイライト・セービング・タイムと呼びます)がスタートしました。この日から日没が1時間遅くなるわけであり、明るいうちに仕事が終わり得をした気分になれます。

DSTは日照時間が長くなる時期に時間を進めることで、太陽の出ている時間帯を有効活用しようというものであり、電力ほかのエネルギーを節約することを目的としていますので、エコ時代を迎え、省エネ対策の一環として、日本でも議論・検討してみるのも良いのではないでしょうか。一般的に米国の労働者の場合、労働と労働時間に対する概念がはっきりしているので、昼が長くなったと言うそれだけの理由で長時間働く人はいません。まだ明るいうちに職場から家に戻り、夕方から家族で公園にでかけ楽しむ人々の姿はどこにでも見られる自然な風景です。

 春といえば日本は卒業式の季節であり、海援隊の『贈る言葉』が卒業式の定番ソングとして歌われた時期がありました。武田鉄矢さんが歌う声が耳の奥に残っています。 

♪ 暮れなずむ町の 光と影の中
    去りゆくあなたへ 贈る言葉
   悲しみこらえて 微笑むよりも
   涙かれるまで 泣くほうがいい
   人は悲しみが 多いほど
   人には優しく できるのだから
   さよならだけでは さびしすぎるから
   愛するあなたへ 贈る言葉

 この歌詩にある『暮れなずむ』とは、『暮れ泥む』とも書き、日が暮れそうで暮れないでいる状態のことで、これは春や夏の空をさす言葉であるのだそうです。一般に秋の日は『つるべ落とし』と表現しますが、「つるべ」とは井戸水を汲むために、縄や竿(さお)などの先につけておろす桶(おけ)であり、「つるべ」が井戸にストンと落ちることから秋の日暮れが早いことをさした言葉といわれます。

NHK放送文化研究所のページ『ことばQ & A』に「暮れなずむ」について、次のように説明されていました。
 

「暮れなずむ」ということばのなりたちについて考えてみましょう。まず「なずむ」という動詞があります。これは「水・雪・草などに阻まれて、なかなか思うように前に進めないこと」を表す伝統的なことばで、古事記や万葉集にも出てきます。このような意味から広がって、物事がなかなかうまく進まなくなること、また、しようとしていることがうまくいかずに思い悩むこと、なども表すようになりました。
 「暮れなずむ」というのは、この「物事がなかなかうまく進まなくなること」の意味を生かしたことばです。「暮れなずむ空」「暮れなずむ春の日」などのように使います。
 なお「暮れなずむ」と近い意味のことばとしては、「春の季語」の「暮れかぬる(「暮れかねる」という意味)」「暮れ遅し」「夕長し」なとがあります。これらも、暮れそうでなかなか暮れない状態のこと、春の日足の長いことを表します。
 「暮れなずむ」の本来の意味を覚えておいてください、というのが、私からのささやかな「贈ることば」です。

私たち日本人は、暮れなずむ時間を有効活用する智恵を昔から持っていました。
春から夏にかけて花火、夕涼み、夜店、蛍狩りなどは夕方から夜にかけての風物詩であり、楽しい時間でした。このような心のゆとりを私たちは忘れることのないようにしたいものです。 
  河合将介(skawai@earthlink.net)

さくらの独り 言さくら まだ つぼみ

一週間のほとんどを過ごす東京・隅田川ほとりの佃島、川沿いに並ぶ桜の木々、その花はまだつぼみ。枝先には、萼(がく=花の最も外側に生じる器官)にしっかりと覆われた桃色の花弁が頭を垂れて、桜の木全体を薄紅色に染めているかに見える。今から、一つ、ひとつ、息づかいが花へ、花から結実へと、まるで夢を形にするように春のかほりを運んでくれるだろう。ここ佃島に住んで10年が過ぎようとしている。親しんだこの隅田川の桜の木は、その10年の、私の春夏秋冬をじっと見守ってくれたような気がする。今年の桜が満開の時を迎える頃、五十路の節を迎える私にとって一段と感慨深き花見となる。

日本の国花である桜の花は日本人なら誰しも愛してやまないだろう。勿論、私もその一人。『願はくば 花の下にて春死なむ その如月のもちづきの比』は、鎌倉時代、武士を捨て出家し旅に出た西行法師(1118年〜1190年)の歌。愛する桜の花にかこまれて、その姿を見つつ息を引き取りたいものだという自分の理想の“死”の状況を歌い上げ、その歌の通り彼は桜の花を見ながら亡くなったと伝えられている。私も西行に負けず劣らず、桜をこよなく愛するが故に、色々とこだわったりもする。だから、主人は勿論、親しい友人知人からは桜に関する情報や事項のお知らせ、また「桜の季節になったので、思い出しました」というお便りや電話をもらったりもする。桜の季節に生を授かり、その日を祝う(あるいは祝ってもらう)のだから、命の誕生、人生の春夏秋冬、そして人との出会いや別れを、どうしても桜の木に重ねて思いめぐらしてしまうのだろう。願わくば、桜の木の下で息を引き取るという夢よりも、自分を通り過ぎた風が“さくらのかほり”であるような、そんな人間でありたいとも願う私(さくら)がいる。

ところで、毎朝読む日本経済新聞、最初に目を通すのは、三面記事でも政治・経済面でもない。『春秋欄』と『私の履歴書』である。今朝の『私の履歴書』〜高原慶一郎氏〜(ユニ・チャーム会長)の文中に心が揺さぶられた。それは、「志を立てて行動するのが20代、色々な人に出会い学ぶのが30〜40代、仕事や夢を実現して心の豊かさを実感するのが50〜60代。人生のそれぞれのステージでの戦略、心構え・・・(中略)5つの『ション』は、ビジョン(構想)、パッション(情熱)、ミッション(使命)、アクション(行動)、そしてディシジョン(決断)だ。5つがおぼえられないと思うなら、こうすればどうだろうか。『すべてのことを恋愛感情でやりとげよう』・・・」(部分抜粋)と。五十路を迎えることなんて、若い頃は予想もできなかった自分。その現実の中で今この記事を読み、自分の夢を実現し、心の豊かさを実感する・・・そのためには恋愛感情でなんでもやりとげようと思うこと。もう、こんな年齢になってしまったのだと、鏡に映った自分を嘆いたりせず、まだまだ、夢を追いかけ、心の深みを求めて、愛を燃やしてみるかと眼を見開いた今朝だった。

さて、私のペンネーム“さくら”は、この雑貨屋123号(1998年9月20日発行)初投稿で自己紹介した通りだが、その後、兄貴分の中條さんが、ひょんなことから“つぼみ”を付け加えてくださり、知る人ぞ知る“さくら つぼみ”というニックネームが生まれた。そして近日、五十路を迎えるにあたり、今朝の佃の桜を眺めながら、そのニックネームにミドルネームを考えた“さくら まだ つぼみ”・・・っと呟く、さくらの独り言。

川柳(東京・成近)


 


( 川 柳 )

再会に時が消してたわだかまり

機嫌よく酔って垣根が取れていく

付き合ってみれば鬼にもある弱み

ケセラセラ渡る世間に甘え切る

老残を晒したくない投了図


( ニュースやぶにらみ )

「もたもた内閣」
カメの独走とは −郵政改革

「反面教師」
連立内閣が −高島屋、H2O

「卒業式」
早く職が見つかりますように −送辞

河合成近
nakawai@adachi.ne.jp

http://homepage3.nifty.com/itukabouzu/

森田さんから

今週はお休みです。
               

龍翁余話

龍翁余話(123)「靖国の桜」

気象庁(東京管区気象台)が今年の、東京の桜の開花を宣言したのが3月22日、昨年より1日遅く、平年より6日早い開花発表だったそうだ。その開花を見定める標本木が靖国神社にある。靖国神社は黒船来航以後の、戊辰戦争に至る幕末期において「国家のために一命を捧げた人々の霊を慰め、彼らの遺徳を長く後世に伝えよ」との明治天皇の思し召しによって明治2年(1869年)、『東京招魂社』として創建された。創建に最も尽力したのが明治天皇の信望の厚かった木戸孝允や大村益次郎(いずれも長州藩)。大村は建立地を現在地(九段)に求め、木戸は翌年(明治3年)、神苑に染井吉野を植え“靖国桜”の源を造る。現在、靖国神社の境内には、染井吉野をはじめ山桜、寒桜、富士桜、緋寒桜、枝垂桜など約600本の桜が毎年、東京の春を彩っている。なお『東京招魂社』は明治12年(1879年)、「国家の安泰と平和を願う」明治天皇の大御心(おおみこころ)によって『靖国神社』と改称された。それより2年前(明治10年)、日本最後の国内戦争『西南の役』(2月15日〜9月24日)の最中、木戸孝允は盟友・西郷隆盛の命運と明治新政府の行く末を案じながら44歳の若さでこの世を去った。ご承知の読者も多かろうが、木戸孝允(桂小五郎)は吉田松陰の愛弟子、坂本龍馬らの仲介で薩摩の西郷隆盛や小松帯刀と手を結び“薩長連合”から倒幕へと導く。明治新政府にあっては参議、文部卿などを兼務しながら五箇条御誓文、版籍奉還・廃藩置県、四民平等、憲法制定と三権分立及び二院制の確立、教育の充実などを提言し明治政府(新生日本)の基礎を固めた人物の一人。 
能楽堂横の“標本木” 神門前のソメイヨシノ

さて、昨日(27日)の土曜日、心地いい春日和に誘われて靖国の桜見物に出かけた。朝早く、親友のJさんに電話してお付き合いをお願いしたら快諾、Jさんは靖国神社擁護派の翁の良き理解者であり、7年前に翁が制作(編集)した戦争記録映画『私たちは忘れない』(現在も遊就館=戦史資料館の第2映像ホールで毎日上映中)の大ファンでもある。そのJさんと昼、遊就館の喫茶ルームで待ち合わせ、“海軍カレー”を食べたあと境内を歩く。“開花宣言”から5日も経っているので、そろそろ見ごろになっているのではと期待したのだが、残念ながらまだ3〜4分咲き。それでも見物客の多いこと、外苑から内苑に到る参道や境内名所の各所は大勢の観光客でごった返していた。その名所の1つが『神池庭園』。ここの枝垂桜は必見の価値がある。その隣に『相撲場』がある。明治2年の鎮座祭で大相撲が奉納されて以来、現在に到るまで毎年の“春の例大祭”には横綱以下全力士による奉納大相撲が行なわれている。それとこの場所は(あまり知られていないが)例大祭に際して本格的な競馬興行(明治31年まで続く)やフランス・スリエのサーカス興行が催された場所というから、一般的な靖国のイメージとはほど遠い、のどかな歴史もあったのだ。
   
相撲場  回遊式庭園『神池』  鎮霊社

更に翁、この機会に是非クローズアップしておきたいのが『鎮霊社』。戦争で亡くなられ、靖国神社本殿に祀られていない国内及び諸外国全ての人々の霊を慰める社で昭和40年(1965年)拝殿・本殿脇の『元宮』(靖国神社の前身)の隣に建立された。この存在を日本国民や諸外国(特に中国や朝鮮半島の人たち)は、どの程度知っているだろうか?いや、殆どの人が知らない。それは、本殿と同じように朝夕の慰霊詞奉納を欠かさない『鎮霊社』の存在を広く知らしめなかった靖国神社の不必要な謙虚さ、つまり広報ベタ、怠慢の結果である。古来、日本には人が亡くなった時には敵も味方もない、みな同じ仏様として冥福を祈るという美風がある。だから諸外国に対して「あなたの国の戦没者の祭礼も行なっていますよ」と、ことさら言いふらす必要もなく、神社として当然の祭儀であるとするのが日本的神道文化であるという解釈もあるのだが、『鎮霊社』の存在と靖国の精神(日本の美風)を知ることによって“アンチ靖国”の人たちの靖国神社に対する心の在りようが少しは変わるのでは、と思うのだが、どうだろうか?

「靖国の桜」と言えば、どうしても英霊たちに思いが往く。軍歌『同期の桜』(西条八十作詞、大村能章作曲)の5番に“貴様と俺とは同期の桜 離れ離れに散ろうとも 花の都の靖国神社 春の梢に咲いて会おう”という雄々しくも哀しい歌詞がある。(27日現在)まだ4分咲きではあるが、靖国の桜の花びらの1枚1枚に英霊たちの魂が宿り、やがて寄り添い(満開となり)、今日の日本の平和と繁栄を見届けて(来春まで)また静かな眠りにつく。
春風が運ぶ『同期の桜』のメロディが翁の胸を衝き、英霊たちへの純粋な感謝と慰霊の心を強める。おそらくJさんも同じ心情だったろう。しかしJさんも翁も、その心情は戦争讃美とは全く関係ない。それどころか、2度とこのような英霊施設が作られない平和な世の中を構築、継続させることが靖国に眠る英霊たちへの最大の供養であり恩返しであることをJさんも翁も充分に知っているから・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。

ジャズ&ポップ−今週のお奨 めアルバム

 

ソニーのウォークマン用、音楽ソフト"Xアプリ"を開き、今週もどんなアルバムを紹介しようかと探しました。
いろんな探し方がありまして一番オーソドックスな方法はジャンル検索でジャズやジャズボーカル、フュージョン等で探す方法です。今回は"ダイナミックプレイリスト"でタイトルにSpringがついている曲を検索してみました。
29曲あり、これらのほとんどがジャズでした。
Spring Can Really Hang You Up The Mostというタイトルのついた曲が4つもありました。同じタイトルで4人のアーティストが演奏または歌っているということです。
その中から今週はJane Monheitのアルバム"Come Dream With Me"をご紹介します。
彼女の声はうっとりする歌声です。

"Come Dream With Me"   Jane Monheit
1. Something to Live For
2. Hit the Road to Dreamland
3. If
4. I'll Be Seeing You
5. Nobody Else But Me
6. So Many Stars
7. Waters of March
8. Spring Can Really Hang You Up the Most
9. Blame It On My Youth
10. Somewhere Over The Rainbow
11. I'm Through With Love


雑貨屋ウィークリー537号から紹介をはじめたジャズのアルバムをリストにしました。
http://www.zakkayanews.com/jazzlist.htm
《R.O.》

編集後記

イタリアのトリノで行われていたフィギアスケート世界選手権で浅田真央選手が優勝しましたね。キムヨナ選手は2位だったのでオリンピックの雪辱を果たしたことになりますね。

雑貨屋のブログ→ http://zakkayanews.jugem.jp/
雑貨屋ニュースレターのバックナンバーは下記のURLでご覧いただけます。

http://www.zakkayanews.com/zwback.htm

Zakkaya Weekly No.724

雑貨屋 店主 大西良衛   http://www.zakkayanews.com/
              
tenshu@zakkayanews.com