weekly

NO.721                Ryo Onishi              3/7/2010  

 weekly
LAの観光スポット ホームページ バックナンバー
 
雑貨屋のひとり言

家の前のショッピングセンターに、KALDIコーヒーファームというお店があります。コーヒーを中心に輸入食材、ワインなどを販売しています。
ロスにいたころにこういう感じの店があったなあと思いながら買い物をしました。レジで「紙袋、ビニール袋どちらにしますか?」と聞かれたので、うれしくなりました。ロスのお店で「ペーパーorプラスティック?」と聞かれたときのことを思い出したからです。≪R.O≫

文化講演会、老いを楽しむ(2)

 ――― 前号から続く ―――
土岐雄三さんの講演『老いを楽しむ』の内容について、私が勝手に解釈しながら以下に書き記してみます。
***********************
『老いを楽しむ』といっても、別に楽しんで年を重ねているわけではありません。時は勝手にどんどん流れてゆきます。どんなに科学が進歩しても流れてゆく時間を止めることは出来ません。私が「カミさん」と一緒になって半世紀以上もたちました。これもお互いにうんざりです。

男が嫁さん(細君)に惚れて「愛情」を持つのは、せいぜい結婚して最初の10年間ほど、次の10年は「努力」をしなければならない、次の10年は「忍耐」です。そして次が「あきらめ」、そしてその次がようやく「感謝」の時代になります。私は今では「感謝」どころか、「大々感謝」です。

実はうちの家内というのはものすごい女なのです。一般に女性を大きく分類しますと、「青鬼型」と「赤鬼型」になるんです。「赤鬼」というのは非常に単純で、例えば亭主が夜遅く帰ってきたとき、ポケットの中に変なマッチが入っていたとすると、それをすぐ取り出し、「コレはナニよ!!」と叫ぶわけです。こういう風に言われればこっちは楽なのです。

ところが「青鬼」はそうではないんです。すぐには怒鳴らずに黙っています。カミさんは怒りを胸の中にしまいこみ、時間をかけて醸造・発酵させてタイミングのいい時に出すんです。私はひところ酒を飲むと、ところかまわず、すぐ寝てしまう癖がありました。私の自宅は浦和市(埼玉県)なのですが、東京から帰るとき、国電(JR)の大宮行きに乗っていたのですが、いつも目がさめると終点の大宮駅なんですよ。そこであるとき気が付いて、浦和より手前の赤羽止まりの電車に乗ることにしたのです。赤羽で降りて、ホームを歩いているうちに大宮行きの電車が来るので、それに乗るようにしたのです。そして車内は座席に坐らず立っていれば、眠らないので乗り越すことはないんです。

ところがある日、赤羽のホームを歩いているうちに居眠りしちゃったんです。そしてホームから線路へ落ちちゃったんです。たいした怪我もなく、よかったんですが、これを帰宅してカミさんに言うと怒られますから黙っていたんです。ところが私のところへ来る会社の若いやつにうっかりしゃべったものですから、それがカミさんに告げ口しやがって・・・。

普通だとその時点で奥さんは亭主に「気をつけなきゃダメ!」っていうでしょう。ところがうちの「青鬼」は黙っているんです。一年か二年たったころ、あるとき私がなにかの話のついでに「オレはこれでも慎重な性格なんだ」といったとたん、カミさんいわく「そうね、駅のホームからも落ちないし!」

私はもともと金融機関に就職していたのですが、途中から物書きになった人間なんです。そこでカミさんは「私は銀行員のところへ嫁に来たけれど、物書きのところへ嫁に来た覚えはない」と私を責めるのです。ですから作家になってから、私へかかってくる電話を受けてもメモをとろうともしませんし、とんちんかんなことばかりいうんです。あるとき、私の留守中にIBMから講演依頼の電話があったら、「FBI(米国連邦捜査局)から電話があったわよ」っていうんですよ。まるで毎日々々が法廷に出ている被告さながらなんです。しかも弁護士がいない被告ですからね。私は耐えに耐えているんです。

でもそうでありながら実は心の底では「すまない、申し訳ない」と思っています。私にはもう曾孫がいます。だから私は「ひおじいさん」なんです。そしたら誰かが私のことを「ヒヒジジイ」といってましたけど―――。

さて、「老」というのは必ずしも「ヨボヨボ」とか「ヨタヨタ」という意味ではありません。「老」とは世間の智恵をたくさん知っていることなんです。人は出会いを大切にしなければなりません。
     ――― 続く ―――
  河合将介(skawai@earthlink.net)

さくらの独り 言「」

今週はお休みです。

川柳(東京・成近)


 


( 川 柳 )

国勢調査向こう三軒老夫婦

せっかちとのんびり夫婦五十年

平成の森で昭和の靴迷う

八転びを伸びた寿命に励まされ

無印良品自分史が苦笑する


( ニュースやぶにらみ )

「口頭注意」
私にもしたい人がいる −前原国交相

「9億円、4億円、1600万円」
実力の差です −小林千代美議員

「宮里、アメリカツアー2連勝」
藍色に染まった −グリーン

河合成近
nakawai@adachi.ne.jp

http://homepage3.nifty.com/itukabouzu/

森田さんから

砂漠の傷跡               
森田のりえ
「地上絵を見に行きませんか」
 いきなり、友人に誘われた。
 一瞬、南米ペルーにあるナスカの地上絵が頭に浮かんだ。一月末、豪雨で河川が氾濫し、道路は分断されて多くのペルー観光客がマチュピチュに取り残されヘリコプターで救出されるテレビニュースを観たばかりである。
「ナスカの?」
すると友人は、地上絵はカリフォルニヤにもある。一九二三年に、あるパイロットがラスベガスからブライスへ飛行中、コロラド河に沿って飛んでいると砂漠に地上絵があることにはじめて気付いた。それを見に行こう。しかも、日帰りできるというのである。
この話を聞いた時から私の好奇心は活発に動きだした。早い方がいい。私たちは二月のある朝、インターステート十号線をひたすら東に向かっていた。パームスプリングを過ぎると、荒涼とした砂漠地帯に入る。山や丘はさしずめ海に浮かぶ島のようだと表現した人がいたが、その通りだ。
ブライスでガソリンを満タンにして、九五号線を北上した。右は緑豊かな耕作地、片や左は褐色の山肌が近づいてくる。二十分も走ったろうか、左手に、
「BLYTHE INTAGLIOS」
 と書かれた立て看板があった。
柵に沿って砂利道を入る。小型トラックが一台停まっていた。が、人気はない。地上絵のサインは小さいと聞いていたので、ゆっくりと走り注意深く見ていたのだが、いつの間にか柵が終わり、道がなくなってしまった。前もってインターネットの航空写真で調べていたけれども距離感がつかめない。この辺りであることには間違いない。もっと先かもしれない。石ころだらけのなかをわずかに車が走ったような形跡がある道なき道を進む。ひっくりかえりそうなほど車が揺れる。タイヤが千切れそうだ。大きな石があり、ついに進めなくなった。引き返すしかない。ここまできて諦めるのも口惜しい。車から下りて、地上絵らしいものはないかと眺めた。
愚痴をこぼしたくなった私は、胸の内とは裏腹に、何気なさを装って訊ねた。
「以前、きたことがあるのでしょう。 どんな場所にあったのですか。平地ですか丘ですか。それとも山肌ですか」
「三十年以上も前のことですから、それに仕事仲間と一緒でしたから・・・。たしか、丘の平地に金網で囲われていました」
「金網が目印ですね」
 台地によじ登って遠くを見渡すが、荒々しい山並みと、遠くにコロラド河沿いの緑が望まれるだけである。しだいに山影で陽が蔭ってきた。心細くなった。
「闇雲に走るより、いったん、ブライスの町へ引き返して観光案内所で確かな場所を聞いて出直した方がいいかもしれませんよ」
 そうと決めて、柵のある道まで帰って、スピードを上げたそのときだった。何気なく右方に目をやった。
「あった! ありました金網が、あそこに」
柵の横に地上絵の写真入りの案内版が隠れるように立っていた。腰の高さほどしかない。見つからないはずだ。こんもりした丘の平地にまず人物が一つ、近くに動物、そして人物がそれぞれ離れた場所で見つかった。全体像をみるには上空でなければ見えないけれど、紛れもなくカリフォルニヤの地上絵であった。
人物は両腕を伸ばし、ひょろりと背の高い男性のようだ。頭から足まで一七一フィートあるという。動物は長い四つ足と尻尾がある。いつ描かれたかははっきりしないが、すくなくとも四五〇年以前か、或いは、二千年以上経っているかもしれないといわれている。この地方に住む原住民の話では、人物は地球と生命の創造者を表し、動物は天地創造を助けたマウンテン・ライオンだという。彼らはかつて、地上絵の近くで創造者を崇拝する宗教的儀式のダンスをしていたといった。
後の調査によれば、南ネバダからカリフォルニヤ湾にかけて大小合わせて二百以上の地上絵が見つかっている。絵は人物や動物の他に、幾何学模様などもあるらしい。
「地上絵の周りに二重曲線があるのは、バイクや四輪駆動のタイヤ跡です。今では、金網を張って保護していますが、心なき人たちが貴重な民族文化財に気付かず、この辺りを乗り回していた証拠です。雨の降らない砂漠を一度傷つけると元には還りません。地上絵も人間がつけた傷跡と見てよいでしょう」
 一九八〇年四月に起きたソ連のチェルノブイリ原子力発電所事故以前、アメリカでも石油に代わるエネルギー源を原子力に求めようと模索していた時期があった。原子力発電所建設にふさわしい地を探すためにブライス周辺の砂漠の地質調査をする仕事に携わっていた友人がいった。
地上絵は、何千年もかかって太陽熱に焼かれて黒くなった地表面の砂利を掻き分けて、白っぽい砂地を出して描かれていた。
               おわり                        

龍翁余話

龍翁余話(120)「プロゴルフ界もドーピング検査」

女子プロゴルフの国内ツアーが始まった。開幕戦は5日から7日までの3日間、沖縄・琉球ゴルフクラブでの「ダイキンオーキッドレディス」。今年、米国ツアー開幕から2週連続優勝した宮里 藍や昨年の賞金女王・横峯さくら、僅差で賞金女王の座を逃した諸見里しのぶ、ほか、上田桃子や古閑美保、有村智恵らスタープレーヤーが顔を揃える賑やかなトーナメントだ。冬季オリンピックのニュースに押され、宮里選手の米ツアー開幕2週連続優勝という快挙の報道は、やや影をひそめた感があったが、実は、これは大変な偉業なのだ。米ツアーと言えば、世界中からレベルの高い実力派ゴルファーが集まる。米女子プロゴルフ協会(LPGA)によると、米ツアーでの開幕戦から2週連続優勝は1966年(マリリン・スミス選手)以来44年ぶりとのこと。勿論、日本選手の2大会連続優勝は史上初である。バンクーバーで1個の金も取れなかった日本だったが、宮里選手の連続Vは日本女子プロのゴルフ史に残るダブル・ゴールドと言ってよい。なお、米ツアーで年間2勝を挙げたのは岡本綾子、小林浩美、福嶋晃子に次ぎ4人目である。

ところで、日本女子プロゴルフ協会(LPGA)は、このほど「今季からドーピング検査を実施する」と発表した。「えっ?ゴルフ競技でもドーピングがあるの?」オリンピックなどで時折取沙汰されるドーピング問題、これまでゴルフ界では“無縁”と思われていたのだが、米国ツアーで検査が行われるようになった流れを受けて日本でも昨年、日本ゴルフ協会(JGA)に“アンチドーピング委員会”が設立され、現に昨年秋に、男女プロゴルファーが検査を受けた。勿論、男女とも全員“陰性”だった。「当たり前だよ、長丁場のトーナメントで、しかも人生を賭けるプロゴルファーが、一時的な薬物効果を狙って副作用による健康障害、社会的制裁、つまり人生を棒に振るような(危険を冒す)バカはいないよ」と、かつてのスタープレーヤーKプロ(現在はシニアトーナメントで活躍)は憤然としてドーピング検査導入の無意味さを指摘している、と聞く。

ドーピングとはどんなものかを調べてみた。スポーツ競技などで好成績を挙げるためアナボリックステロイドなどの薬物を投与すること。アナボリックステロイドとは、男性ホルモンをベースに、摂取した蛋白を筋肉に変え同化させる作用を更に強めることを目的に人工的に作られる男性ホルモンの類似物質、つまり筋肉増強作用をもたらす薬剤のことらしいが、筋肉質という肉体の見栄えをよくするだけでなく、トレーニング意欲など“やる気”を起こさせる一時的刺激(興奮)剤だ。しかし、このアナボリックステロイドには多くの副作用が懸念されている。もっとも一般的な副作用としては血圧上昇、コレステロール値上昇などで循環器疾患や冠動脈疾患のリスクの増大。その他、肝障害、高血圧、心筋梗塞、糖尿病、心臓病、睡眠時無呼吸症候群など肉体的障害のほか、精神障害、例えば鬱病、妄想、苛立ち、気分のバラつき、など資料を見るだけで、そら恐ろしくなる。一時的好成績を挙げ、うまくいけば世界的名誉を得られる、と、間違った発想でオリンピック選手などはドーピングに手を染める(中には国ぐるみでドーピングを推奨している小国もあるそうだ)がバレたところで汚名は着せられても、その後の彼らの“食うこと”には、それほどの影響はない。ところがプロゴルファーや野球選手、力士など、プロのスポーツ選手は正に“人生と生活”がかかっている。だから前出のプロゴルファーKさんの言葉「人生を賭けるプロゴルファーが一時的な薬物効果を狙って、副作用による健康障害、社会的制裁、つまり人生を棒に振るような(危険を冒す)バカはいない」が、よく分かる。とは言え、2008年に行なった力士のドーピング検査で、一部の力士から薬物反応が出たという事件の記憶はまだ新しい。

「ゴルフは紳士・淑女のスポーツ」と言われるように、数あるスポーツの中でゴルフは唯一、審判員が立ち会わない競技。即ち「ゴルフはフェアプレーを重んじるスポーツであり故意に不正を犯す者はいない」という基本的な考え方と歴史がある。いや、フェアプレーの精神は全てのスポーツに通じるものだが、ドーピング問題に限って言えば、ゴルフの世界とは別次元のもの、と考えられていた。それが何故、ゴルフの基本理念(思想)を根底から覆す不釣合いなドーピング検査制度導入か、という違和感が(翁は)拭い切れない。

カナダのモントリオールに世界アンチドーピング機構(WADA)という組織があり、日本アンチドーピング機構(JADA)もその組織に属する。それらの機構がドーピングを禁止する理由として、健康への障害、不誠実、社会悪、スポーツ精神を損ねる、などを挙げている。日本のゴルフ界のドーピング検査は、違反者を見つけようとするのではなく、自分自身の身の潔白を証明してもらうための活動、と位置づけているが、違反者に対しては罰金、1年間の出場停止、数年間の出場停止、永久追放などの厳しい罰則が待ち構えている。
制度が導入された以上は、今更ゴルフの精神論を持ち出して、その流れに逆らうこともあるまい。プロゴルファーたちよ、言わずもがな、だが、勝てない焦り、一時的なスランプからの脱出などで薬物使用という愚かしい行為に走らないよう、自分の人生、家族、ゴルフの歴史(ヨーロッパにおける560年、わが国における107年)を大切にしてもらいたい。

さて、今年の開幕戦ゴルフ・ダイキンオーキッドレディス最終成績は、アン・ソンジュ(韓国)が10アンダーで日本女子ツアー初優勝(賞金1440万円)。2位には諸見里しのぶ、有村智恵、青山加織、シン・ジエ(韓国)、朴仁妃(韓国)、期待された宮里 藍は7位だったが随所に“世界の技”を披露、大勢のギャラリーの喝采を浴びた。それにしても韓国選手の強いこと、今年もかなりの賞金を持って行かれそうな勢いだ。やがて男子ゴルフも開幕する(4月15日)。選手諸君に再度言う、ドーピングとは無縁であるばかりでなく私生活面においてもゴルフファン、子どもたちの夢を裏切らない“紳士・淑女のスポーツ精神”を貫いて貰いたい・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。

ジャズ&ポップ−今週のお奨 めアルバム

 

私は特別にジャズが詳しいわけでも、特別に好きなアーティストがいるわけではありません。そのときの気分や体調で、耳障りのいい音楽として聴ける曲が素晴らしいと思っているだけです。毎週、ご紹介するアルバムを選ぶときは、Xアプリに入れてある10000曲以上の曲の中からランダムに選び出しています。
先週、ご紹介したトランペットのマイルスデイビスをウォークマンに入れて通勤時に聴いています。なかなかいいです。今週も曲選びをしているとトランペット奏者で有名なClifford Brownにたどり着きました。
Clifford Brownは1930年アメリカデラウェア州生まれ。1956年、交通事故によりわずか25歳の若さで生涯を終えています。Memorial Albumはトランペットって素晴らしいなあと思わせてくれるアルバムだと思います。

“Memorial Album” Clifford Brown 

1.Hymn of the Orient (Gigi Gryce) 4:04
2.Easy Living (Robin Rainger) 3:43
3.Minor Mood (C.Brown) 4:32
4.Cherokee (Ray Noble) 3:24
5.Wait Bait (Q.Jones) 3:58
6.Brownie Speaks (C.Brown) 3:46
7.De-Dah (4:51) 4:51
8.Cookin' (Lou Donaldson) 3:14
9.You Got My Head (Coots-Gillespie) 4:19
10.Carving the Rock (Hope-Rollins) 3:55

雑貨屋ウィークリー537号から紹介をはじめたジャズのアルバムをリストにしました。
http://www.zakkayanews.com/jazzlist.htm
《R.O.》

編集後記

残念ながら宮里藍の日米3週連続優勝はなりませんでしたが、今年も女子プロの選手たちは楽しませてくれると思います。

雑貨屋のブログ→ http://zakkayanews.jugem.jp/
雑貨屋ニュースレターのバックナンバーは下記のURLでご覧いただけます。

http://www.zakkayanews.com/zwback.htm

Zakkaya Weekly No.721

雑貨屋 店主 大西良衛   http://www.zakkayanews.com/
              
tenshu@zakkayanews.com