ロサンゼルスに恒例の真夏の祭典、二世ウイークの季節がやってきました。今年も二世週クイーンの選出、グランドパレード、ねぶた、七夕まつりなど、心ときめく行事が予定され祭を盛り上げてくれます。これらのメイン行事はもちろんですが、祭りの期間を通して開催される茶道、生け花、書道、盆栽、和太鼓などの同好会による実演や展示、カラオケ大会、日本食コーナーなど日本文化を紹介する各種イベントも見逃せないものです。
私もそれら諸行事のひとつに参加します。南カリフォルニア詩吟連盟主催の吟詠大会です。連盟に加入している七つの詩吟会が年に一度、二世ウイーク行事のひとつとして一堂に集い、日ごろ吟道に励んだ成果を披露しています。
詩吟とは、漢詩に独自の節をつけて吟ずるもので、数百年の歴史を持つ日本古来の伝統文化です。東洋古今の偉人、賢人や詩仙・詩聖たちの磨きぬいた詩からは品位と人生に対する幾多の教訓を学ぶことができます。まだまだ経験の浅い私ですが、週一回詩吟クラスに通い、師範の先生に迷惑をかけながらも和気あいあいと楽しく研鑽に励んでいます。
詩吟の一番の魅力はなんと言っても高吟することによる爽快感でしょう。丹田(下腹)に力をこめ、思い切り大きな声を出して詩を吟ずる呼吸法は内臓の血液循環を良くし、新陳代謝を高め活力を生むだけでなく、日ごろのストレス解消にも役立ち、心身最高の健康法のひとつといえます。
詩吟というと、どうしても古いイメージがつきまとい敬遠されがちですが、前記のごとく健康向上に役立ち、その上、歴史とその教訓を知り、一般教養が身につくのだから健康指向・教養指向の現代人にもピッタリな趣味になりうるものです。最近は伴奏付きの詩吟など、カラオケ時代に合わせた工夫もされています。
詩吟本来の基本はきちんと守りながらも、時代の趨勢にも合わせた詩吟の形式を工夫してゆけば、若い世代の心を捉えることは確かであり、詩吟の前途は明るいと期待を込めて思っています。今年の連盟吟詠大会は八月三十日(日)、九時半からベニス日系人会館ホール(12448
Braddock Dr. L.A.)で開催されます。興味ある方はぜひ覗きにおいでいただきたく思います。
河合将介(skawai@earthlink.net) |