ロサンゼルスとその周辺に滞在する日本人、日系人が組織する都道府県人会は最長老格の鹿児島県人会をはじめ、先月百周年を祝った福岡県人会にいたるまで、一世紀以上の歴史を誇る会が数多くあります。
私は東京生まれで、「LA東京会」の設立にかかわった一人ですが、この東京会はようやく10月10日に満10歳の誕生日を迎えることになりました。
「LA東京会」1998年(平成10年)10月10日に東京出身のロサンゼルスで活躍する有志によって設立されました。東京を故郷とする人々の心のよりどころとなり、また東京を愛する人たちのためのソーシャルクラブとして、新年総会、お桜花見大会、映画鑑賞会、ハリウッド・ボウルの夕べ、ハイキング、講演会などなど、リフレッシュできる様々なイベントを企画運営してきました。
会員資格は東京出身者に限らず、東京が好きな人なら誰でも入会できることになっています。現在の会員数は約110家族で、起業家、駐在員家族、芸術家、専門職、引退者など幅広いライフスタイルの人が参加しています。
先輩たちの話によると、これまでもここロサンゼルスには東京会に相当する団体として「江戸っ子会」、「武蔵野会」などと言った名称で結成されたことがあったそうですが、いつのまにか消滅してしまったようです。また先日、知人宅で見せてもらった『南加州日本人70年史』という古い本には県人会の一つとして1907年に発足した『東京人会』の名がありました。同じ本の別の表には、その『東京人会』は1926年には会員72名、幹事名は『半田太三郎』と記されていました。
百年以上の歴史を誇る多くの県人会の中で、わが東京会はようやく10周年であり、大騒ぎするほどのことではありませんが、もともと郷土意識の乏しい東京関係者の集まりで今回は10年も会が続いたのだから、もしかしたら大健闘ものかも知れないし、それはそれで誇っても良いのではないか、ということで約2年前から準備委員会を立ち上げ記念行事を実行することになりました。そしてロサンゼルス小東京内の京都グランドホテルでの記念行事はいよいよ10月26日(日)に迫っています。
当日のアトラクションとして東京会顧問の金井さん(共同貿易社長)と親しい菊水酒造の高澤社長のご尽力で、五代目三遊亭円楽の総領弟子で円楽一門を率いる古典落語の実力派、近く七代目三遊亭円生を襲名予定と言われている三遊亭鳳楽師匠を招き、10周年にふさわしい格調高い江戸落語の公演「LA寄席」が実現することとなっています。
また、「東京」をテーマにした写真コンテストも行い、入賞者は当日会場で発表、1位には日本国総領事より表彰状が授与され、優秀作品は会場に展示されます。
ロサンゼルスには「ロサンゼルス着物の会」という趣味のグループがあります。「LA東京会」の会長はじめ多くの会員がこのグループのメンバーですし、また着物の着付けの先生も主要メンバーの一人です。当日は和服姿の会員も多数見られるのではないかと今から楽しみです。
祖国を離れていても、否、祖国を離れているからこそ、普段会えない同胞と日本語で語り合え、懐かしさが実感できる機会を大切にしたいものです。
河合将介(skawai@earthlink.net) |