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NO.638                Ryo Onishi              8/3/2008  

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雑貨屋のひとり言

先週、消防署で二日間、防火管理者の講習を受けてきました。防火管理に関する座学は決して面白いものではなく疲れました。しかし、時間が経つにつれて防火管理の重要性を意識するようになりました。皆さんも記憶にあるホテルニュージャパンの大惨事、歌舞伎町の大惨事等で多くの犠牲者が出たのはいずれも、経営者の防火に対する意識の低さであり、利益を優先して防火に対し、何の対策も講じていなかったことが原因です。二日目の実技研修では垂降式救助袋で3階の屋上から降りる訓練をしましたが、実際にこんな非難器具を使うときは最悪の事態なんだそうです。日頃からの準備が大事だということが良くわかりました。そして無事、甲種防火管理者の修了書をいただきました。(R.O.)

桂林荘雑詠諸生に示す

 前回のこの欄(Zakkaya Weekly No.637)に寄稿された龍翁氏による玉稿『龍翁余話(41)ああ、情けなや大分県教育界』で、龍翁氏は昨今の大分県教育界を蝕む不祥事に対し、痛恨なる危惧の念を表明されていました。

私もまったく同感です。教育システムを根底からゆるがす、このような不正は絶対に許すことのできない犯罪であり、国の将来にも不安をのこす不祥事です。教育界もついに落ちるところまで落ちたという絶望感すら感じました。教育先進国であるはずの日本は世界に向かってなんと言えばよいのでしょうか。

ところで、この玉稿に紹介されていた敬天の士(師)広瀬淡窓の文字を見て、私は思わず息を呑みました。なぜなら私もこれまでに何度かこの広瀬淡窓という名前に出会い、親しみを感じていたからです。

 私はビジネス引退後、趣味のひとつとして詩吟のクラスへ通い、吟詠を学んでいます。広瀬淡窓師作の漢詩も何度かお目にかかりました。私の心ひかれる作者のひとりです。

 前回のこの欄で龍翁氏も述べていましたが、淡窓師は江戸後期の儒学者であり、教育者また漢詩人としても後世に名をとどめている人物です。

師は生地・日田に私塾『咸宜園(かんぎえん)』を創設する前の2年間ほど、その前身となる『桂林荘(けいりんそう)』を創設したと聞いています。この桂林荘時代に学寮生活の厳しさと楽しさを詠った「桂林荘雑詠諸生に示す」と題する漢詩が四首残っており、このうち冬の情景を詠ったもの、いわゆる「休道の詩」はのちに教科書にも採用されたことのある有名な詩です。私も大好きな漢詩のひとつです。

休 道 他 卿 多 苦 辛  
同 袍 有 友 自 相 親  
柴 扉 暁 出 霜 如 雪  
君 汲 川 流 我 拾 薪  

道(い)うを休めよ 他郷(たきょう)辛苦(くしん)多しと
同袍(どうほう)友あり自(おのずから)から相(あ)い親しむ
柴扉(さいひ)暁(あかつき)にいづれば 霜(しも)雪のごとし
君は川流(せんりゅう)を汲め 我は薪(たきぎ)を拾わん

(大意)
志を立てたのだから、他郷での勉学は苦しみ多いなどと愚痴ってはいけない
ひとつの着物を分けあって着るうちに友ができ、親しみあうものだ。
朝早く粗末な柴の扉を開いて外に出れば、雪のように霜が降りて冷たいが、さあ朝
餉の支度だ。君は川に水を汲みに行け、僕は薪(たきぎ)をとりに行く

 学を志し、修行をすることの厳しさと、互いに学びあい励ましあう楽しさ・喜びがにじみでた詩であると思います。私はこの詩を吟ずるとき、『男児志を立てて郷関を出づ・・』で有名な
『壁に題す(釈 月性作)』を思いうかべます。
男子たるもの(人間たるもの)、ひとたび志を立てて故郷を出たからには、学業が成るまではたとえ死んでも決して帰らない決心だ。広い世間には、どこへ行っても骨を埋めるところがあるではないか。――― 昔の人は人生の修行をどれほど真剣に考えていたか。現代の私たちもこの精神を大切にしなければならないと痛感します。
 
ところで、私はこれまで学んだ詩吟のクラスで広瀬淡窓師作の漢詩はまだ『隈川雑詠(其の二)』、『桂林荘雑詠諸生に示す』『同(其の二)』『故国の春(桂林荘雑詠諸生に示す、其の四)』などですが、どの詩にも心打たれるものがあり、これらの漢詩は私にとって一生の宝といえるものばかりです。 
  河合将介(skawai@earthlink.net)

さくらの独り 言「」

 

川柳(東京・成近)

 


( 川 柳 )

エンドレステープ根性論続く

フライングばかり気合いの空回り

頃はよし飴玉一つしゃぶらせる

海を見た日から河童の宗旨変え

飽食の猫が金魚と遊んでる

( ニュースやぶにらみ )

「安心実現内閣」
安心実現無い閣 ときこえた −国民

「プロ野球オールスター戦」
視聴率は? −オールスター改造内閣

「猛暑、炎暑」
火を吹いた −新日鉄八幡

河合成近
nakawai@adachi.ne.jp

http://homepage3.nifty.com/itukabouzu/

 

森田さんから

              つづく                                    

龍翁余話

龍翁余話(42)「国民の目線」

福田改造内閣が発足した。何のための改造だったのかメディアや政治評論家間でも確たる理由が判らず“福田色を見せたかった?”、“待ち人へのポスト提供?”、お家(自民党内)の事情?“など、国民とは全く関係のない理由憶測が飛び交った。“挙党体制で国民目線の政治を実行していく所存”と、福田さんは組閣直後(1日夜)の記者会見で胸を張ったが、
本当に“国民の目線”を正しく見据えた政治をやってくれるのだろうか・・・

7月29日配信の『福田内閣メール』(第41号)の書き出しに―――
「政治も、行政も、国民のことを考えていないのではないか。多くの国民のみなさんが、このような不信の念を抱いておられると思います」・・・
とある。その通りだ、国民の政治不信が極に至っていることを、福田さんは知っている。
しかし、『福田メール』は次のように続く―――
「昨年9月、総理就任以来、私は、今までの政治や行政のやり方を変えねばならない、という決意のもとで、国民目線での改革を推し進めてきました。年金記録の問題や、薬害肝炎被害者の皆さんへの対応、防衛省の相次ぐ不祥事、食中毒や食品偽装の問題、行政による税金の無駄遣いなど、一つひとつの課題に直面するたび、政治・行政のリーダーとして、国民の皆さんと同じ目線に立って考えるよう努めてきました」・・・
人間の行動パターンには、“考える前に行動する”、“行動しながら考える(あるいは、考えながら行動する)”、“考えても行動しない“の3つがあると言われる。「福田さん、考えるだけなら、誰にでも総理は務まるよ」と翁は言いたい。

1日夜の記者会見で、総理は“国民の目線”をたびたび口に出し強調した。『福田メール』の全文30数行の中にも“国民の目線”が5回も出てくる。“国民の目線”を念頭に置くことは政治家として当然だが、その目線(庶民感覚)の基準をどこに置くかが問題だ。
『福田メール』次の文―――
「そうした国民目線の改革は、今、具体的な政策として像を結んできました」・・・
“像を結んできた”? おいおい、そんな日本語、翁は知らないよ。“像”(かたち、姿)とは輪郭、骨格のこと、まだ実を結んでいない。実像(成果物)を得るために、像(ビジョン)を描くことは大切だが、それは、”結実“ではない。福田さん、飛んでもない勘違いをしているのではないか?それに、首相就任後10ヶ月もかけて、やっと”像ができた“と自慢したいのか?あなたが”国民目線“で像を考えている10ヶ月間、国民はどれだけ辛酸を舐めさせられてきたと思うのか?国民は、能書きだけでは潤わない。実が欲しいのだ。絵を描くのは事務方(役人)でよい。実(行動と成果)をもたらすのが政治家、とりわけ首相の務め。なのに、絵を描いただけで“結んだ”と言い切るあたり“国民の目線”から、大いにズレている、と福田さん、そうは思わないか?

さらに『福田メール』は続く¬―――
「救急医療における“たらい回し”の問題や、子育て世代が抱える待機児童の問題、今なおたくさんの若者がパートや派遣といった不安定な仕事を余儀なくされている問題など、暮らしの安心を守るために必要となる具体的な政策については、一昨日、“5つの安心プラン”としてとりまとめました」・・・
“5つのプラン”とは、@高齢者政策(65歳以上を雇う企業に対する支援、在職老齢年金
制度の給付減額基準を緩和)、A医療(僻地派遣医師の手当て財政支援、救急患者を多く受け入れる医療機関への支援)、B子育て支援(「子ども交付金」の創設、自宅で子どもを預かる「保育ママの制度化」、C非正規雇用対策(ネットカフェ難民への就労・住宅支援、非正規労働者に対する社会保険の適用を拡大)、D厚労省改革(仮称:「厚生労働行政の在り方懇談会」の設置)・・・
いずれも重要課題。だが、今、一番先に取り組まなければならない政治課題は何か、言うまでもなく国民経済を危機に陥れている諸悪の根源『ガソリンの高騰問題』だ。原油価格は、市場経済により需要と供給のバランスで決まる。需要面では世界経済の景気動向やガソリン・プラスチックなど様々な石油製品の需要動向が影響し、供給面では産油国での供給動向(戦争・内戦による減産、タンカー襲撃、新しい油田開発、世界相場を見計らっての生産調整など)が影響する。また、投機的資金によっても上下する。原油価格の高騰は、産油国は潤うが、消費国での経済混乱はオイルショックと呼ばれ、それが“今”なのだ。
日本の一国だけで事が治まるわけではないが、少なくとも、政治判断による急場凌ぎ(臨時特別措置)の策はあるはずだ。「政治は中長期戦略が肝要、カンフル手段は邪道だ」などと言う常識論なんかを吐いている場合ではない。国民は、今、潤いの実感を得たいのだ。今年の春の“暫定税率の一時凍結、25円の国民還元”が懐かしい。「道路財源はどうするのだ?」と族議員は目を剥くだろうが、翁は言いたい「国民の血を吸ってまで道路を造りたい本当の理由は何か?地方の活性化のために道路整備の必要な地域もある。が、農・畜産・漁業、中小・零細企業経営の破綻、国民生活の困窮をきたしたのでは活性化も何もあったものではない。優先順位を考え、この時期、微かでもいいから国民に一息つかせる優しい政治を行なうのが“国民目線の政治”ではないのか」と。

そして『福田メール』の結びは―――
「(中略)私の“国民目線の改革”は、新たな段階へと移りますが、国民の皆さんとともに一歩一歩着実に前に進んでいく決意です」・・・
福田さん、これまでのような評論家的スタイル(発言)を止め果敢な行動を示しなさい。支持率も選挙も怖れる必要はない。庶民が実感できる“国民目線の政治”を行なえば結果
(数字)は自ずとついてくる。政治家、とりわけ首相は一命を投げうって国家国民のために尽くす、それが第2次福田内閣の命題だ!・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。

ジャズの魅力−今週のお奨めジャズ

今週はWillie Pickens TrioのDark Eyesをご紹介します。
元々はロシア民謡だった「Dark Eyes」は哀愁を感じさせる曲です。
Willie Pickensはマイナーなアーティストなのかもしれません。偶然見つけた一枚です。

Willy Pickens(p) George Mraz(b) Joe Fansworth(ds)

1.Dark Eyes
2.Someday My Prince Will Come
3.Don't Explain
4.Smilin' Billy
5.Mr.P.C
6.Un Poco Loco
7.Polka Dots And Moonbeams
8.Do Nothing Til You Hear From Me
9.Blues March

<R.O.>

編集後記

お墓参りをしてきました。国道2号線から住吉駅近くで北上し、都賀川に沿って住吉霊園に向かいます。この都賀川は先日、集中豪雨で河が増水し、多くの人が流され4名の死者を出したところです。この時期になると川で遊んでいる子供や両岸の遊歩道を散歩している人を見かけるごく普通の川です。YOU TUBEで増水の様子を何度も見ましたが自然の力は本当に怖いですね。
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Zakkaya Weekly No.638

雑貨屋 店主 大西良衛   http://www.zakkayanews.com/
              
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