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NO.635                Ryo Onishi              7/13/2008  

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雑貨屋のひとり言

 ガソリンが180円台になりましたね。200円になるのはもう時間の問題です。原油の高騰と地球温暖化で食料危機が叫ばれ世界的に不安なことになっています。真冬の南半球では氷河が溶け出しているとニュースが伝えています。それなのに新興国だからとか経済優先だからとか、目先のことだけを考えて地球のことを考えているとは思えません。なるように成るといえばそれまでですが、この悪さ加減はどんどん加速しはじめています。なんで人間はこんなに愚かなんでしょうか?これに加えて食も教育も偽りだらけの今の日本は情けないです。(R.O.)

とりあえずビール

連日暑い日が続いています。こんなとき私など浴衣の袖をまくしあげ(できたらその浴衣さえ脱ぎ捨てて)『冷た〜〜いビール』、をぐっと飲みたい心境になります。それとも、気のおけない仲間と連れ立って居酒屋風の飲み屋に集まり、注文をとりにきたお嬢さんに「とりあえずビール!」と叫ぶのもよいかもしれません。

そんなビールを喉に流し込みながら、「《トリアエズ》というブランドでビールを売り出したら、キット売れるね!」なんて言ったりしたものでした。

 ところが先日、私が日本滞在中に見たテレビ(久米宏経済スペシャル“新ニッポン人現る”)によると、現代の若い人たちは仲間と連れ立って居酒屋へ行っても注文する飲み物は最初から「○○スカッシュ」とか「××割り」といったようなものを注文し楽しんでいるのだそうです。

日本では「とりあえずビール!」でそれから「日本酒をお燗して!」などというのは流行らないのだそうで、今やヤングの間では「とりあえずビール!」などという言葉自体が死語になりつつあるということです。

 ビールといえば、私がまだ30歳代の1970年ころ、日本では「キリンビール」がダントツのひとり勝ちの時代でした。当時圧倒的に人気のあった俳優の三船敏郎がCMで迫力満点に『男は黙ってサッポロビール!』と頑張っていましたが、仲谷昇と岸田今日子夫妻出演のソフトなCM 「ぼくら、どういうわけかキリンです」に軽くあしらわれていたのが印象的で、いまだに記憶にしています。

ここ数日の日本からのニュースによると、今年上半期のビール系飲料出荷のシェアで、そのサッポロビールがサントリーにまで抜かれ、業界4位に転落したとのこと。また、ビール大手の総出荷量も前年同期より4・2%減となり、過去最低を2期連続で更新したそうです。

尤もこれは低価格の「第3のビール」ほか新製品の出現によるところが大きいとは思いますが、若者を中心とする消費性向の変化も見逃すことにできない現象のようで、私には時代のうねりのようなものを感じます。

 いずれにしても、《トリアエズ》ブランドのビールで一儲けなどという発想はもはや通用しないようなので断念するしかないようです。
  河合将介(skawai@earthlink.net)

さくらの独り 言「」

 

川柳(東京・成近)

 


( 川 柳 )

美人の湯 偽装表示じゃないですか

地元産でした偽装がばれるまで

嘘ついた口とは見せぬミントの香

嘘隠す嘘 傷口が深くなる

真相はこう 今更の裏話

( ニュースやぶにらみ )

「金剛山観光」
命がけのスリルが味わえます −旅行会社

「採用試験」
反面教師も採ります ―大分県教委

「無事終了」
何事もなく  −サミットの中身

河合成近
nakawai@adachi.ne.jp

http://homepage3.nifty.com/itukabouzu/

 

森田さんから

                                     

龍翁余話

龍翁余話(39)「叔母のこと」

翁の叔母(今年90歳)が、昨年の秋から某施設で暮らしている。その叔母、翁の母の実妹で、母が8年前、92歳の長寿を全うするまで長年、母の面倒を看てくれた(翁にとっても、かけがえのない)恩人である。15歳で故郷を去り、中学(後半)・高校を神戸で過ごし、東京を生活の本拠地とした翁、母のことは兄や姉に任せっ放しで、好き勝手に都会暮らしをしていたが、25年前、ふと、親孝行・叔母孝行の真似事をしようと思い立ち、兄と相談して、二人のために、本家(兄の家)からスープの冷めない距離の所に家を購入、二人に住んでもらった。母と叔母は勿論のこと、兄夫婦や姉夫婦もともに喜んでくれた。翁も年2回、春の連休とお盆には必ず帰省していた。母が住んだのは17年間、叔母も龍翁宅を永遠の棲家(すみか)として、母亡きあとも更に昨年夏までの7年間を独り暮らししていた。その間、姉や兄夫婦が叔母の面倒を看てくれていた。6年前に兄が急死、姉や兄嫁も老年に入って、そう度々、足を運ぶことが出来なくなった。一時期、ヘルパーに来てもらい、夕食や掃除などの世話をしてもらったが、危ないのは痴呆症の初期症状による不測の事態。何回か転倒して腕を骨折したり、ご近所に迷惑をかけたり、火の不始末による火災発生の危機もあった。夜間の電話、救急車のサイレンのたびに、姉は肝を冷やし、ノイローゼ気味になった。姉は再三、「私の家に越してきなさいよ」と頼んだが、叔母は拒否し続けた。昨年の春、姉は友人から某施設の話を聞いた。その施設は、姉の家から車で40分ほどの、宝泉寺温泉郷(大分県九重町)のエリアに在り、渓谷美に恵まれた素晴らしい環境、月額も安く、勿論、風呂は温泉であるという。翁、昨年夏に帰省した折、姉と一緒に叔母を連れてその施設を見学した。確かに環境抜群、施設長もスタッフもみんな良さそうな人物ばかり、叔母も気に入った様子だった。ここなら安心、と翁、(叔母には申し訳ない、と心の中で詫びながら)契約を済ませ、入居時期(順番)を待つことにした。叔母は直ぐに龍翁宅を去り、施設入居が決まるまで姉の家で世話になる。幸運にも2ヶ月後の10月の半ばに施設から入居受け入れの通知が来た。叔母は涙を見せることなく施設の人となった(と、姉から報告された)。

姉は月に1度、叔母を訪ねてくれている。が、他人との共同生活の経験のない、しかも痴呆症の初期症状が見られる叔母のことが心配で、東京からたびたび姉に電話。「心配いらないよ。皆とも仲良くしているようだし、帰りたがらないし、けっこう気に入っているみたい」と言う姉の返事に翁、胸をなでおろす。そして今年6月、兄の七回忌法要で帰省した際、姉と甥(姉の息子)と一緒に、かの施設の叔母を訪ねた。玄関を入ると左に事務室。施設長が翁を覚えていて歓迎してくれた。右側のホールに10数人のお年寄りたちが集まって、童謡を歌っていたが、翁を見て歌が止まった。「皆さんこんにちは。お邪魔します。私はY子の甥です。叔母が大変お世話になっています」と挨拶した、その途端「あらまア」と叫んで立ち上がり、翁のそばに寄ってきた(ひと周り小さくなった)叔母、目に嬉し涙をいっぱいためながら「あんた、元気じゃったね? よう来てくれたねえ」と翁の手を握り締めた。翁、胸がつまり「叔母さんも元気そうで・・」と言うのが精一杯。手洗いとウガイを済ませた翁たちは、スタッフの案内で面会室に通された。約30分、翁は10ヶ月ぶりの叔母との対面である。

「私の顔を見てごらん、温泉のおかげで、艶々しているじゃろ?」と自慢する叔母は、確かに色艶もいいし、しゃべりも流暢で、少しも衰えていない、と思ったが、実は、姉の話によると、時々、物忘れ(食べたことを忘れる)、物盗られ妄想などの症状が出てくるとのこと。姉が夏物を届けた数日後に、「こんなに暑うなって来たのに、夏着がない。持ってきておくれよ」と催促の電話。姉「×日に持って行って、叔母さんのタンスにちゃんとしまってあるでしょう」と言ったら「へー、あんた、いつ来てくれた?」「タンスにないということは、盗られたんじゃろうか・・・」姉、スタッフに頼んでタンスを調べてもらったら、5段引き出しの2段目に、バスタオルを覆って夏物がしまってあったそうな。「だんだん、ボケがひどくなりそう」と姉が顔を曇らせた。

施設長の話によると、当施設入居者の大半が、多少の痴呆症をきたしているとのこと。叔母はまだ軽い方で、中には(物忘れ、物盗られ妄想のほか)夜と昼の取り違え(夜眠れなくて騒ぐ)、徘徊、幻覚、失禁(お漏らしや、トイレ以外の場所で用を足す)、夕方症候群(夕刻になると家に帰りたがる)、何でも集め癖(ガラクタを拾ってきて大切に仕舞い込む)、火の不始末(数人、タバコを吸う老人がいるそうだ)などなど。施設長の言う「ここのスタッフは認知症(痴呆症)についての知識を充分に習得し、その人たちには慎重に接し、その人たちの気持ちになって問題を処理しています。大変な仕事、というより、ほとんどボランティアですが、根本は“人間愛”です」に、翁、頭が下がる。帰り際(ぎわ)、施設長へ挨拶、童謡の練習を再開しているお年寄りたちと数人のスタッフたちに感謝の一礼をして叔母に「また来るからね」と別れを告げた。叔母は笑いながら「“また”、と言うのは捨て言葉(当てにならない、という意味)と婆ちゃん(翁の祖母)が、よう言おったね」確かに、翁も聞いた記憶がある。叔母は言葉を続ける「でも、また来ておくれ、この次は来年じゃろうが、私は待っちょるからね」そう言って手を振ってくれた。涙がなかったことが翁を安堵させた。もしかして叔母は今頃、翁の訪問を忘れ去っているかもしれない。それでいい。ただただ翁は祈るだけ「そう長くない余生を、元気で、あなたなりに精一杯楽しんで下さい。“また”が実現しますように」・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。

ジャズの魅力−今週のお奨めジャズ

モダン・ジャズ黄金期を築き上げた名門レーベルから、ジャズ・ジャイアンツたちの名演奏が凝縮されたアルバムをご紹介します。

「Jazz The Best Legendary Box」は3枚組で、スタンダード編、ピアノ編、インスツルメント編があり、全部で41曲収録されていて聴き応えがあります。
今週はスタンダード編です。
すでにこのコーナーでも紹介したものもありますが、どれも名曲ばかりです。サックスあり、ピアノあり、ギターあり、ボーカルありで楽しめます。

01)Sonny Rollins/St.Thomas (MONO)
from UCCO-5002「サキソフォン・コロッサス」(プレスティッジ)
ソニー・ロリンズ(ts), トミー・フラナガン(p), ダグ・ワトキンス(b), マックス・ローチ(ds)
1956年6月22日、ニュージャージーにて録音

02)Miles Davis/My Funny Valentine (MONO)
from UCCO-5015「クッキン」(プレスティッジ)
マイルス・デイヴィス(tp), ジョン・コルトレーン(ts), レッド・ガーランド(p), ポール・チェンバース(b), フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)
1956年10月26日、ニュージャージーにて録音

03)Sarah Vaughn/Autumn Leaves
from UCCO-5142「枯葉+2」(パブロ)
サラ・ヴォーン(vo), ローランド・ハナ(p), ジョー・パス(g), アンディ・シンプキンス(b), ハロルド・ジョーンズ(ds)
1982年3月、ハリウッドにて録音

04)Tommy Flanagan/You Go To My Head
from UCCO-5056「トミー・フラナガン・トリオ」(プレスティッジ)
トミー・フラナガン(p), トミー・ポッター(b), ロイ・ヘインズ(ds)
1960年5月18日、 ニュージャージーにて録音

05)Wes Montgomery/Days Of Wine And Roses (MONO)
from UCCO-5051「ボス・ギター+2」(コンテンポラリー)
ウェス・モンゴメリー(g), メルヴィン・ライン(org), ジミー・コブ(ds)
1963年4月22日、ニューヨークにて録音

06)Abbey Lincoln/Don't Explain
from UCCO-5138 「ザッツ・ヒム!」(リヴァーサイド)
アビー・リンカーン(vo), ケニー・ドーハム(tp), ソニー・ロリンズ(ts), ウィントン・ケリー(p), ポール・チェンバース(b), マックス・ローチ(ds)
1957年10月28日、ニューヨークにて録音

07)The Modern Jazz Quartet/I'll Remember April (MONO)
from UCCO-5030「コンコルド」(プレスティッジ)
ミルト・ジャクソン(vib), ジョン・ルイス(p), パーシー・ヒース(b) コニー・ケイ(ds)
1955年7月3日、ニューヨークにて録音

08)Ghet Baker/Polka Dots And Moonbeams
from UCCO-5090「チェット・ベイカー・イン・ニューヨーク+1」(リヴァーサイド)
チェット・ベイカー(tp, vo), ジョニー・グリフィン(ts), アル・ヘイグ(p), ポール・チェンバース(b), フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)
1958年9月 ニューヨークにて録音

09)Barney Kessel With Shelly Manne & Ray Brown/Satin Doll
from UCCO-5061「バーニー・ケッセル・ウィズ・シェリー・マン・アンド・レイ・ブラウン」(コンテンポラリー)
バーニー・ケッセル(g) レイ・ブラウン(b) シェリー・マン(ds)
1957年3月、ロサンジェルスにて録音

10)Kenny Dorham/Lotus Blossom
from UCCO-5024「静かなるケニー」(プレスティッジ)
ケニー・ドーハム(tp), トミー・フラナガン(p), ポール・チェンバース(b), アート・テイラー(ds)
1959年11月13日、ニュージャージーにて録音

11)John Coltrane/Violets For Your Furs (MONO)
from UCCO-5026「コルトレーン」(プレスティッジ)
ジョン・コルトレーン(ts), ジョニー・スプローン(tp), サヒブ・シハブ(bs), レッド・ガーランド(p), マル・ウォルドロン(p), ポール・チェンバース(b), アル・ヒース(ds)
1957年5月31日、ニュージャージーにて録音

12)Jaki Byard/Lullaby Of Birdland
from UCCO-5145「ハイ・フライ」(プレスティッジ)
ジャッキー・バイアード(p), ロン・カーター(b), ピート・ラ・ロッカ(ds)
1962年1月30日、ニュージャージーにて録音

13)Joe Pass/Night And Day
from UCCO-5100「バーチュオーゾ」(パブロ)
ジョー・パス(g)
1973年11月、ロサンジェルスにて録音

14)Bill Evans/My Foolish Heart (LIVE)
from UCCO-5001「ワルツ・フォー・デビイ+4」(リヴァーサイド)
ビル・エヴァンス(p), スコット・ラファロ(b), ポール・モチアン(ds)
1961年6月25日、ニューヨークにてライヴ録音
<R.O.>

編集後記

河合さんご提案の「とりあえずビール」、私は大賛成です。今でも私といっしょに飲みに行く人たちはそうやっています。
雑貨屋ニュースレターのバックナンバーは下記のURLでご覧いただけます。

http://www.zakkayanews.com/zwback.htm

Zakkaya Weekly No.635

雑貨屋 店主 大西良衛   http://www.zakkayanews.com/
              
tenshu@zakkayanews.com