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NO.622                Ryo Onishi              4/13/2008  

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雑貨屋のひとり言

大阪道頓堀の「くいだおれ」が閉店することになりあの有名な人形「くいだおれ太郎」がなくなるということで毎日報道されていますが、写真を撮っている人たちはあれが何の人形か知らないようです。愉快な人形だけが有名になってしまってお店の経営はうまく行かなかったんですね。
ひさしぶりにヨガ教室がありました。ちょっときついところがありましたが、血液の循環が良くなった気がします。(R.O.)

出 世 人 間

 以下の文章はだいぶ以前、このZakkaya Weekly に私のペンネーム(羅府の庄助)で書いたものゝコピーです。再登場をご容赦ください。今後も時々「羅府の庄助」として書いたものに多少手を加えたものを登場させますのでご了承ください。

鰤(ブリ)という魚は、成長するにつれて呼称が変わるので、縁起が良いとされ、「出世魚」 と呼ばれます。手許の国語辞典によると、この魚は 関東では、ワカシ、イナダ(=ハマチ)、ワラサ、ブリ。 関西では、ワカナ、ツバス、ハマチ、メジロ、ブリと呼ばれていると書いてありました。

そう言えば私達人間の世界も成長に従い呼び方が変わります。 例えば乳幼児、幼児、少年・少女、青年、壮年、中年、熟年、中高年、実年、初老、老年といった具合に・・。

でも、この場合の変化は単なる人間の成長過程を分類しただけで、呼称と言うより 区別・分類といったものであり、鰤の例とは少々違うように思います。人間の成長に伴う、こういう区別の仕方は多分、万国共通ではないかと思います。

でも、日本と日本語の場合、家庭内で夫婦が互いに相手を呼ぶ時の“呼び方”も時代と共に変化することが多いのに気がつきます。

日本人は新婚時代から子供が産まれるまでは お互いの名前を呼んだり 「あなた」、「きみ」 だったりしたのが、子供が産まれたとたん、「あなた」が「お父さん」、「きみ」が「お母さん」 になり、孫が出来ると、「おじいさん」、「おばあさん」 と お互いを呼び合う夫婦をよく見掛けます。あの情熱の歌人、俵万智さんですら“妻のこと「母さん」と呼ぶ ためらいのなきことなにかあたたかきこと”(歌集「サラダ記念日」)と詠んでいます。

日本以外の諸外国ではこんな場合、お互いをどう呼び合うのが普通なのか興味があるところですが、少なくとも英語を話すアメリカ人の場合、孫には自分達の事を「おじいちゃん」、「おばあちゃん」(もちろん英語で)と呼ばせても、夫または妻が相手をこんな風に呼び合うことは、それほど多くはありません。

日本と日本語ではどうしても個人よりも家、または家庭が中心になるのでこんなことになるのではないでしょうか。

あなた ⇒ お父さん ⇒ おじいさん (きみ ⇒ お母さん ⇒ おばあさん) と呼び名が変化するのだから日本人は 「出世人間」 なんですかね。
  河合将介(skawai@earthlink.net)

さくらの独り 言「音」

眠れない夜に、いつもは気がつかないモノが聞こえる。それは、時を刻む秒針の音。普段聞こえない、気にもしていないその音が、こんな時は、部屋中に響き渡っているような、私の脳の中に木霊(こだま)しているような気分になる。さらにその音が、色々と違ったリズムや意味を持っているような錯覚さえ覚える、眠れぬ夜の足音みたいに。それは決して楽しめるモノではなく、安眠を妨げる“うるさい”雑音にしか過ぎず、両耳をふさぎたくなるようなもの。そう言えば、私達の生活は、普段、様々な音に囲まれていることに気付くものだ。

休日に家に居て、掃除、洗濯、料理などをしていると、これまた今まで気がつかなかった“音”の存在が気になる。炊飯器がお米を炊き上げると”ピーピー“、洗濯機が脱水を終了すると”ピーピー“、乾燥機が有る一定の仕事を終えるごとに”ピーピー“、お風呂のお湯が沸くと”ピーピー“、ポットのお湯が沸いても”ピーピー“、冷蔵庫を長く開けていると“ピーピー、お魚が焼けると”ピーピー“、そして電子レンジも、お仕事を終えると”チーン“・・・ピーピーとかチーンとか、これらの音が同時に聞こえてくる場合もある。まさに音に囲まれた、いや、音にせきたてられる生活になっている気がする。夫婦や家族が団欒を楽しんでいる時、あるいは真剣な話をしている時、これらの音に邪魔される場合もあるだろう。これは、今の、どこの家庭にもある状況ではないかと、私は思う。生活機能を効果的に考慮された警告音かもしれないが、何もかもが音漬けだと、自分の時を刻む習慣に味がなくなるばかりか、人間としての機能や楽しみがなくなってしまうのではないか、と心配になる。

ところで、人間の耳というものは、自分の都合のいい音を選んで聴いているということにあまり気がついていない。正確に表現すると、収集している音(検知した音)を大脳へ送ったあと、大脳で音声記号を処理し、様々な音を音声として認知(選択したり・区別したり)するのは、人間の意識によるものだと聞いたことがある。つまり、私達は、数知れない音、様々な周波の音をキャッチしていて聞こえてはいるのだが、認識していない、選んでいないだけなのだ。なんと都合よくできているのだろう。このような事実は、私が知人の補聴器を耳に着けた時、全ての音を拾い上げる経験をしたことがきっかけで知ったこと。いかに私達が多種多様の“音”の中に埋もれているのか、そしてそれを整理してくれる大脳、それをつかさどる私達の意識・無意識の凄さを知ったものだ。全ての脊椎動物が持っているとされるこの耳は、生まれたばかりの赤ちゃんでも、五感の中で耳だけは成人と同じ形・機能を持っている。それは防衛と同人に他者とのコミュニケーション、親と子の関係維持のためだという。音を感じることと選び認知することの学習は違うらしく、誕生時に聴力の不十分な子どもが、後にその聴力を補われても、音声記号処理学習の経験が無いため、音としての認識が難しいということも、人間の耳と音の七不思議だといえる。

さて、加齢と共に、離せば見える、ふりむけば聞こえるようになる。今まで何も不自由を感じなかった読み書き作業は、48歳の刻と同時に不自然を感じるようになり、長年お世話になった眼鏡を頭に飾るようになった。そして生まれた時から小さな音にも敏感すぎて母を泣かせたという私の耳だが、仕事関係や家庭における役割からか、音の選択と洗濯が上手になった。特に仕事関係における雑音は、聞こえていても聞こえないことが多くなった。そして家庭においては、家庭機器のピーピーを聞きながら、人間の雑音を洗濯し、気持ちよくすることを心がけるようになったものだ。仮に、自分から発する“音”なるものがあるならば、それはどんな音なのだろうかと考えたりもする。その音が雑音ではなく、心地いいものであったらいいな・・・っと、乙女みたいなことを呟く、さくらの独り言。

川柳(東京・成近)

 


( 川 柳 )

日々好日鬼の異名も遠くなり

息抜きの碁も定石の几帳面

年金の枠を酒量が越えたがり

時効とはいえ自分史にある伏せ字

ヒーローと同姓同名凡夫です

( ニュースやぶにらみ )

「G7に出席」
何とか名刺が間に合った −白川日銀総裁

「聖火迷走」
五つの輪が途切れ途切れ −北京五輪

「今秋の再臨界は絶望的」
何かいい知恵ないですか −もんじゅ

河合成近
nakawai@adachi.ne.jp

http://www.adachi.ne.jp./users/itsukabz/index.htm

 

森田さんから

                                   

龍翁余話

龍翁余話(26)「恩師」

人間、生きている間には、学校や社会において幾人かの恩師に巡り会う。その数が多ければ多いほどその人間は幸せだ。ところが、自分と出会った人が恩師と呼ぶにふさわしい人物であるはずなのに、恩師と気付かなない人もいる。その人は実に不幸だし、相手に対しても失礼な話だ。そう言いながら、翁、ひょっとして、その不幸と失礼に気付かなかったこともあるのではないか、と、省みることしきり。だが、思い当たらないことをいいことに“俺は幸せなんだ”と勝手に決め込んでいる。そう、幸いなことに翁がこれまでに多くの薫陶を受けた恩師とお呼びするにふさわしい人物が幾人かおられる。神戸の高校3年生の時の担任だったN先生もそのお一人。現在、神戸市須磨区に住んでおられる90歳近い老婦人だが、現役の頃は、かなり頑固で曲がったことが大嫌いな女丈夫(じょじょうふ)、素行の悪い男子生徒に対しては担任クラス外の生徒でもガンガン叱り飛ばすコワイ先生だった。そして教職を天職と考える“誇り高き女教師”だった。かなり太り気味の体躯から(失礼ながら)ビヤ樽をイメージして、あだ名は“ビヤちゃん”。翁の高校時代の4人グループの一人だったY・M君(現在、東京在住)が付けたあだ名、と記憶している。

コワイ先生だったが、神戸っ子でない(九州から遊学してきた)翁に対しては優しかった。
度の厚い眼鏡の奥の温かい瞳が、いつも翁を見守ってくれていたような気がする。翁の志望大学(学部)が文系だったので、化学・数学(解析)の、いわゆる理数系授業は完全に放棄、その結果、学期末試験で解析2(だったかな?)は白紙回答。その時ばかりは教員室で、たっぷりお説教をくらった。補習を受けたが、多分、合格点は取れていなかったろう。受験のため卒業式には出ずに上京、後で卒業証書をいただいたが、思うに、N先生の“温情卒業”だったのかもしれない。高校卒業後、ご無沙汰が続いたが、20数年ぶりに東京で再会したことがあった。その頃、翁、映像制作プロダクションを経営するかたわら、某専門学校の教師をしていた。「へー、キミが教師を、ねえ、似合わないねえ。キミはやはりジャーナリストがいいよ」と冷やかされたものだ。それ以後(約30年間)、年賀状のやりとりだけで、一度もお会いしていない。

阪神淡路大震災(1995年1月17日)の時は、ほぼ1日中、電話から離れられなかった。翁のすぐ上の姉の家族、翁が在神中(中学・高校時代)に下宿をさせてもらった親戚、
高校時代の親友数名、そして勿論、恩師・N先生。ひっきりなしに(電話を)かけまくったが、まったく通じない。テレビは陸から空から生中継、特に、姉家族や親戚の住む長田区の大惨事が次々と映像に映し出される。いまだかつて経験したことがない翁の想像を超える大惨事と混乱に、翁は焦りが増幅する。“みな、無事でいてくれ”と祈るしかない。姉と、やっと電話が通じたのは地震発生の3日後だった。長田高校の体育館に避難していた姉の「みんな生きているよ」の第1声に、翁、「よかった!」と答えるのが精一杯、「電話の順番待ちが長いので、連絡が遅くなってごめん。九州(実家)にはあなたから連絡しておいてね」生死を潜り抜けた姉の方が、よほど落ち着いていた。いや、開き直っていた、と言う方が当っているかもしれない。友人の一人とは4日後に連絡がとれた。「ビヤちゃんは無事か?」の問いに「須磨区の被害は少ないようだから、多分、大丈夫だと思うよ」との返事。それから数日後、前述のY君から、N先生の無事を聞かされ、安堵したものだった。そのY君、今でも時々N先生に慰問電話をかけているとのこと。ひきかえ、翁は・・・申し訳ない。

つい先日、高校時代の友人・神戸在住のT君から珍しく電話をもらった。「同級生2人と初めて先生宅を訪問した。昨年秋の同窓会の案内状が、幹事の不手際で先生に届かなかったことを、先生は烈火のごとく怒った。持参したお土産にもケチをつけられ、“私は味にうるさいの。寿司はあそこ、和菓子はあの店のものでなければ食べない”・・・いや、驚いた。こんなに我侭で頑固な先生だったか知らなかった」が電話の主な内容。翁の返事「ご親戚も少なく、病弱なお体、孤独の毎日、そんな時、君たちの訪問は、よほど嬉しかったのだ。だから甘えたのだ・・・」そう言ったものの、翁、苦笑が止まらなかった。まるで、翁のことを言われたみたいで・・・N先生に負けず劣らず我侭と頑固、そして“誇り高き男”の翁、加齢とともにますますその傾向が強まっているのでは、と、反省するのだが、”これが俺の自然体だ“と(頑固に)思うのだから始末が悪い。それにしても(たとえ我侭、頑固であっても)50年以上経っても昔の教え子から訪問されたり、ご機嫌伺いの電話をもらったりなど気にかけてもらえるN先生は、それだけ教え子たちに多くの影響を与え親しまれた本当の”恩師“だ。「これから先、恩師の後ろをどれだけ追えるか、ビヤちゃんのご健勝とご多幸を祈りつつ」・・・っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。

ジャズの魅力−今週のお奨めジャズ

Branford Marsalis "Eternal"

落ち着いたサックスフォーンのジャズをご紹介しましょう。73分49秒と普通のアルバムの倍くらいあるアルバムです。一曲一曲が結構長いのが特徴で、Eternalは17分46秒の長さになっています。お酒を飲みながらゆったりとした気分で聴きたいジャズです。歩くときに聴くのには向いていないと思います。これは癒しの音楽かもしれません。

1 Ruby and the Pearl (08:55)
2 Reika's Loss (07:53)
3 Gloomy Sunday (12:43)
4 Lonely Swan (09:05)
5 Dinner for One Please, James (08:02)
6 Muldoon (04:16)
7 Eternal (17:46)
8 Body and Soul(05:09)


Branford Marsalis ( Saxophone )
Eric Revis ( Bass )
Jeff Watts ( Drums )
Joey Calderazzo ( Piano )
Branford Marsalis ( Producer )
Rob "Wacko" Hunter ( Engineer )

<R.O.>

編集後記

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Zakkaya Weekly No.622

雑貨屋 店主 大西良衛   http://www.zakkayanews.com/
              
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