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NO.607                Ryo Onishi              12/30/2007  

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雑貨屋のひとり言

2007年も終わりに近づきました。みなさん新しい年を迎える準備はできましたでしょうか?もう何回、この年末を迎えたことでしょう。年賀状をなかなか書かずになんとか年内に出さなければと思い、ちょっとあせっているのは私だけでしょうか?あれだけ暑くて長い夏が今は、寒く震える冬です。あの暖かい空気をどこかに貯めておけば、そして今の冷たい空気を貯めておけば年中快適なのに・・・・。
今年も雑貨屋をご愛読くださり、ありがとうございました。おかげさまで607号まできました。来年も発行し続けますのでどうぞ応援をよろしくお願いします。ではみなさんよいお年をお迎えください。(R.O.)

年末商戦と日系社会の歳末助け合い

 2007年もあと数日となりました。派手なことが大好きなこちらアメリカでは、クリスマス・年末シーズンということで、ショッピング・モールから一般住宅まで賑やかな飾り付けを施し、歳末を楽しんでいます。

今年のアメリカは所謂「サブプライム・ローン」に端を発した金融不安などの影響もあり、必ずしもも景気は良好とは言えませんが、それでも街のショッピング・モールや一般家庭は例年にも増して年末ホリデー・シーズンの飾り付けを派手に明るくしています。

 ところで、今年のクリスマスは既に終わってしまったので、話題としては遅い感じになりますが、米国ではキリスト教だけを重視する「クリスマス」という表現は、キリスト教以外の宗教に対し公正を欠くという理由で、公共の場所では使わないのが普通です。

アメリカには「ポリティカル・コレクトネス(political correctness、略してPC)という言葉があります。PC とは、性・民族・宗教などによる差別や偏見、またそれに基づく社会制度は是正すべきとする考え方のことです。クリスマスは国家の重要な祝日ですが、多民族・多宗教の存在するこの国ですので、このP.C.の考えにもとづき政府機関はもちろんのこと、商店街や一般企業の飾りも多宗教に配慮して「メリー・クリスマス」とせず「ハッピー・ホリデーズ」とするのが普通になっています。ですから「クリスマス・ツリー」も公共の場所では「ホリデー・ツリー」になるわけです。

キリスト教の個人や個別の家庭は当然のことながら「メリー・クリスマス」で「クリスマス・ツリー」と言っています。

★2007年年末商戦
さて、目下、こちらアメリカは歳末商戦たけなわです。アメリカの場合、通常、歳末商戦は11月の第3木曜日の感謝祭休日(サンクス・ギビング・デイ)の翌日の金曜日(ブラック・フライデー)から始まります。

「ブラック・フライデー」と言ってもこの場合は「暗黒の金曜日」という暗いイメージではなく、「感謝祭明けの金曜日はセールで小売店の収支が黒字になる」といった意味が含まれています。また最近では、その次の週明け月曜日は職場の高速回線を利用したウェブ通販でプレゼントを購入する人が多いことから感謝祭休み明けの月曜日を「サイバー・マンデー」と呼ぶようにもなっています。

一般に、小売店にとって感謝祭明けからクリスマスまでのひと月の売上だけで年間の約半分を占めると言われています。したがって小売店やその関係者にとって、歳末商戦の結果が年間ビジネスの死命を決するといっても過言ではありません。

 今年、2007年の歳末商戦はまだ終わっていませんので、結果はわかりませんが、少なくともブラック・フライデーとサイバー・マンデーの出だしは好調で、好況だった前年同期と比べても10%を超える売上増加だったようです。私たち夫婦も感謝祭明けの数日間、近くのショッピング・モールを数ヶ所まわってみましたが、どこも駐車場は車であふれ賑わっていました。

ただし、ここ数日のニュースによると、年末に近づくにつれて購買客の出足が昨年ほどは伸びていないとのこと、全米小売業協会(NRF)のレポートでも、買い物客数は昨年に比べて増加しているものゝ、1人当たりの平均購入額は同5%近く落ち込んでいるとのことです。

薄型テレビやゲーム機などの家電製品の売れ行きは好調のようですが、原油高、ドル安、住宅着工数の減少、前記の金融不安、さらには中国製玩具などの有害製品リコールなどのマイナス要因が購買意欲を殺いでいるのでしょうか。年明けに発表される歳末商戦結果の発表が気にかかるところです。

★日系社会の歳末助け合い
年末の街角からはサルベーション・アーミー(救世軍)のベルの音が聞こえ、年の瀬の募金活動が始ました。

慈善と互助とボランティアの先進国であるここアメリカでは特に年末になると各種団体が慈善事業の一環としての募金活動を盛んに行います。

私たち日系のコミュニティでも年末恒例の「歳末助け合い募金運動」を実施しています。この活動は当地の日系ビジネス団体の中心である南加日系商工会議所(今年は若尾龍彦さんが会頭です)を筆頭に日系諸団体が協力して行っているもので今年は13回目になりました。

先の12月1日(土)、ロサンゼルスと周辺の9ヶ所の日系スーパー・マーケット各店頭で一斉にスタートしました。今年は集まった募金は主として日系敬老シニア・ヘルスケアに寄贈、老朽化が進むボイルハイツ敬老引退者ホームの大食堂改修費にあてる予定になっています。

私たちの先輩である米国への日系移民は明治初年から始まり、戦前・戦中・戦後を通じて苦難の道をたどり今の日系人の基礎を築いてくれました。今では日系人も三世、四世の人たちが中心になっており、それ以前の皆さんは老齢化が進み、それらの皆さんのために日系の敬老施設があります。それが日系シニア・ヘルスケアであり、敬老引退者ホームです。

アメリカも国家や州レベルでの財政は逼迫しており、これら福祉施設への補助が充分ではありません。不足分はこのような慈善と互助とボランティアで補うことになります。

日系コミュニティによる「歳末助け合い募金」は私たちロサンゼルスとその周辺に在住する日本人が米国に基礎を築いてくれた日系諸先輩に対する感謝の運動であり、重要な行事として根付いています。

今年も募金活動のキックオフ・セレモニーでは日本商工会議所メンバーを始め、日系諸団体、県人会の代表など、さらに在ロサンゼルス日本国総領事館からも主席領事、今年の二世週祭りで選ばれた二世クイーンのお嬢さんたちが参加、助け合いの精神の大切さを訴え、協力を呼びかけました。この募金のために300人を超えるボランティアが協力しています。今年の募金は年末まで継続中ですので総募金額は確定していませんが、昨年は1万ドルを越える浄財が集まりました。この歳末募金運動は今では当地では歳末の風物詩としてすっかり定着した感じです。
  河合将介(skawai@earthlink.net)

さくらの独り 言「長いようで短い」

今年のテーマは“ステップ”だった。それは今年の初め、友人M.Oからのメッセージ「さくらさんは昨年ホップしました。今年はステップの年と認識しています」から頂戴したものである(2007年1月1日発行雑貨屋503号に記載)。“ステップ”をテーマにしたこの2007年も残すところ、あと1日、あっという間に過ぎてしまった。そして今、2008年のテーマを思い巡らしている、大晦日イブ・・・

“ステップ”をテーマにした今年、仕事の面では、プロジェクトの展開・拡大、プライベートの面では再婚と、まさに“ステップ”そのものの年だった。先日、91歳になる義母が私に「人生ってね、長いようで短い、あっというまに91歳よ。だからね、さくらさん、人生を楽しむのよ、息子(さくらの夫)と一緒に、う〜んと楽しみなさい」と言った。この言葉が耳を離れない、「長いようで短い・・・」。大正の初めから3つの時代を生きてきた91年、その91歳という年齢を感じさせない元気で気丈な義母が言うのだから、その言葉に重みと深みがある。だから今、“長いようで短い、だから楽しむ”ことを基盤にした2008年のテーマ探しをしているのだ。

ところで、2008年はねずみ年、ねずみといえば『ずいずいずっころばし』という手遊びで歌う童謡がある。日本人なら誰しも知っているだろう、と思っていたら、意外や、若い人たちの中には知らない人が多いと聞く。短いような手遊び歌だが、繰り返し楽しむと案外、長い手遊び歌ともなる。しかし、いったいどれぐらいの人が、この「ずいずいずっころばし」の歌詞の意味を知っているのだろか・・・実は私も知らなかったので、調べてみた・・・ら、様々な説があることを知り、びっくり!
♪ずいずいずっころばしごまみそずい、
ちゃつぼにおわれてとっぴんしゃん、ぬけたらどんどこしょ、
たわらのねずみがこめくってちゅう、ちゅうちゅうちゅう、
おっとさんがよんでもおっかさんがよんでもいきっこなしよ、
いどのまわりでおちゃわんかいたのだ〜れ
説の一つ・・・『ある農家でずいきのゴマミソあえを作っていたところ、表を将軍様に献上する"茶壷道中が"通りかかりました。驚いた家の人たちが急いで戸を閉めて奥へ隠れます。静まりかえった家の納屋の方では、ネズミが米俵を食べる音。井戸端ではあわてた拍子にお茶わんを割る音。息を殺している中でのいろいろな音。やがて茶壷道中は去って行く。それまでは誰が呼んでも出て来てはいけませんよ』・・・まるでパズル的な謎解きとしかいいようがないが、この意味が分かっていなかった幼少時代の私たちは、それなりに手遊びを楽しんだ。いやはや、英才教育やITの発展に伴い大きく変化する幼児教育の現場で今日も、この手遊びを楽しんでいる幼児はどれぐらいいるのだろうか・・・

実は私、今年は年女。テレビでおなじみの細木数子による子年の特徴は、『どんな環境にも順応する柔軟性を持つが、内面には少々強引な面もある。知的好奇心が旺盛でじっとしていられず、警戒心を持って行動するタイプ』だそうだ。当らずとも遠からず・・とさくらを知る人は笑っているかもしれないが。2007年のテーマがステップだったから、2008年は“ジャンプ”ということになる。どういうジャンプの仕方があるのか、ジャンプの結果がどうなるのか今は分からないが、ともあれ、どんな環境でも順応し、知的好奇心を持って“楽しむ”ことをテーマに考えている。だって、人生は、100まで生きたとしても、長いようで短いのだから・・・っと、つぶやく、さくらの独り言。

川柳(東京・成近)

 


( 川 柳 )

あすなろのかなわぬ夢に根の健気

焦ることないのに欲の勇み足

性善説我慢比べに耐えている

自分史の余白に小さなジャンプ台

シャンソンも演歌も僕の並木道

( ニュースやぶにらみ )

「日中首脳会談」
ガス田問題のガス抜きができなかった −福田首相

「有馬記念大穴」
来年は頑張るぞ −無印パパ

「有馬記念も駄目」
あとはジャンボ籤が頼りです −一年の計

河合成近
nakawai@adachi.ne.jp

http://www.adachi.ne.jp./users/itsukabz/index.htm

 

森田さんから


                   つづく                   

龍翁余話

 

ジャズの魅力−今週のお奨めジャズ

早いもので昨年の8月から毎週ジャズを紹介してから今回で71回目になりました。最低70アルバムをご紹介したことになります。たくさんジャズを聴いたとはいえ、毎週ご紹介するのは結構難しいものです。私はジャズの専門家ではないので聴きやすい曲、音のきれいな曲など飽きの来ないものを選んでご紹介しています。聴いた印象を大雑把に表現することしかできませんが、だれでも楽しめる曲をいつも探しています。紹介することで、ジャズの演奏者やそれにまつわることを知ることができるので、新たな気持ちでジャズ聴くことができます。
今回は、ジャズ・ギタートリオJoe Beck Trioの「Brazilian Dreamin'」のご紹介です。
この曲はアコースティックギターで奏でるボサノヴァです。全般にゆったり聴くことができます。9曲目の"愛の語らい"でのハーモニカは味わい深い演奏で、以前ご紹介したトゥーツ・シールマンを聴いてみたくなりました。

Brazilian Dreamin'
ブラジリアン・ドリーミン
Joe Beck Trio
ジョー・ベック・トリオ
1. 夢見る人生
Vivo Sonhando《A. C. Jobim 》( 5 : 13 )
2. カーニバルの朝
Manha De Carnaval《L. Bonfa 》( 4 : 48 )
3. アクエリアス
Aquarius《J. Donato 》( 6 : 46 )
4. オ・グランジ・アモール
O Grande Amor《A. C. Jobim 》( 4 : 49 )
5. フェリシダージ
Felicidade《A. C. Jobim 》( 5 : 26 )
6. アンド・ヒアーズ・トゥー・ユー
And Here's To You《J. Beck 》( 5 : 49 )*
7. ブラジル
Brazil 《A. Barroso 》( 5 : 47 )
8. 彼女はカリオカ
Ela E Carioca《A. C. Jobim 》( 4 : 50 )
9. 愛の語らい
Falando De Amor《A. C. Jobim 》( 6 : 21 )*
10. ザンジバー
Zanzibar《J. Beck 》( 5 : 14 )
11. ジャイアント・ステップス
Giant Steps《J. Coltrane 》( 5 : 07 )
12. ホワット・ウッド・アイ・ドゥ・ウィザウト・ユー?
What Would I Do Without You?《J. Beck 》( 4 : 37 )
ジョー・ベックJoe Beck《guitar 》
アイラ・コールマンIra Coleman《bass 》
ティエリー・アルピノThierry Arpino《drums 》
〈スペシャル・ゲスト〉グレゴワール・マレーGregoire Maret《harmonica 》*
録音:2005年9月27、30日 ザ・スタジオ、ニューヨーク

<R.O.>

編集後記

雑貨屋の創設のころ「健康の方程式」の執筆者であったサウスベイの西尾誠一郎さんが11月にご逝去されたことを知りました。とても残念です。西尾さんは勉強熱心でたくさんのことを学ばせていただきました。ありがとうございました。心からご冥福をお祈りします。
雑貨屋ニュースレターのバックナンバーは下記のURLでご覧いただけます。

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Zakkaya Weekly No.607

雑貨屋 店主 大西良衛   http://www.zakkayanews.com/
              
tenshu@zakkayanews.com