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NO.599                Ryo Onishi              11/4/2007  

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雑貨屋のひとり言

今年は不二家から始まって、ミートホープの牛肉偽装、比内鶏、赤福餅、ミスタードーナッツ、高級料亭の吉兆などなど、次から次へと消費者をバカにしたような偽装やウソがいっぱい出てきます。いい加減にしろよといいたくなります。自分のところの儲けばかり考えている経営者はいずれ大きなツケが回ってくることにどうして気が付かないのかなあ・・。(R.O.)

南カリフォルニア山火事

 猛暑が続いたロサンゼルスの夏も終わり、朝夕など寒さを覚える時季になりましたが、毎年10月後半ころの晩秋から初冬にかけて南カリフォルニアには、もう一度、暖かい日和(ひより)が訪れるのが常で、これをこちらでは「インディアン・サマー」と称しています。

今年の「インディアン・サマー」は10月20日ころに始まりました。特に今年のそれは内陸からの乾燥した熱風(サンタアナ・ウインド)が吹きこみ、日中の気温が30℃を越える日が続きました。

ただでさえ湿度が低くカラカラに乾燥しきったロサンゼルス周辺の山々では、毎年このころには数件の山火事が発生するのが恒例になっていますが、今年は上記のとおり例年よりも厳しい高温、強風、乾燥の条件が災いし、大きな山火事が発生してしまいました。数件の放火もあったと言われています。

 カリフォルニア州南部各地の大規模な山火事は10月21日から始まりました。例年より雨が少ないことや強い季節風で火の勢いがなかなか衰えず、5日間以上にわたって燃え続き、米メディアによると最終的にはあわせて東京都に匹敵する面積を焼き尽くし、民家や商業施設など約二千棟以上を焼失、90万人以上が避難する大災害となってしまいました。死者、負傷者も数十人に達しました。

 州最南部サンディゴ郡では、サッカー・スタジアムに1万人以上が避難。米連邦緊急事態管理局(FEMA)が簡易ベッドをスタジアムに搬入するなど大騒ぎでした。

 また、ハリウッド俳優のリチャード・ギアさんや歌手オリビア・ニュートン・ジョンさんら富裕層が多く住むロサンゼルス郊外の太平洋岸マリブでは、豪邸の近くまで山火事が迫り、俳優メル・ギブソンさんの避難も報じられていました。

ブッシュ大統領は10月24日、今回の山火事を「大規模災害」に指定し、25日には被災地を視察し、被災者を励まし国家レベルの支援を約束していました。今回の災難は多分カリフォルニア州史上最悪のものとなったようです。

 この災害の影響で、被害の大きなサンディエゴ地区に拠点を置くソニーや京セラ、松下電器産業など、日系企業も被災地に住む従業員の安全確保や混乱回避のため休業日を設けるなどの影響も出ました。
 
アメリカに滞在する日本人のために、北米でテロや大災害などの緊急事態が発生した場合、在留邦人が安否のメッセージを日本にいる家族に伝えられる「邦人安否確認システム」というものがアメリカ各地の在外公館(総領事館など)に準備されており、今回の災害にあたってこのシステムも稼動状態に置かれました。

 10月26日(金曜日)、火勢が終息に向かったとの報道を受け、私たち夫婦は郊外の砂漠地帯であるパームスプリングス方面へドライブしてみましたが、途中の山肌が黒く焼け焦げていました。途中、もはや火を見ることはありませんでしたが、山沿いなどはまだ薄紫色の煙状にかすみ、晴天のはずなのに空が煙に覆われているようにどんよりしていました。

近年、ロサンゼルス周辺は山林地帯や山沿いなど郊外にまで宅地開発が進み、この種の山林火災が住宅を巻き込む被害が多くなっているのも現実です。そういう意味では今回の大規模火災は、放火によるものは当然のこと、自然発火によるものも、必ずしも自然災害であると断じるだけでは済まないところがありそうです。人災であるのかもしれません。私たちのように昔ながらの一般住宅地は新興住宅開発地から離れており、この種の山林火災の心配はなくありがたい限りです。

 互助精神の先進国であるアメリカでは、このような非常時にあたり、多くのボランティアが活躍します。今回も多くの住民がごく自然のかたちで、しかし積極的に各方面で参加している様子を見たり聞いたりしました。このような面はさすがと感心させられました。

また、企業も従業員を災害地に派遣したり、経済的・物理的援助に熱心です。娯楽大手のウォルト・ディズニー社は被災者救援や復興のため、計200万ドル(約2億2800万円)を米国赤十字社などに寄付すると発表したと新聞が報じていました。在米日系企業も三菱東京UFJ銀行とUBOC(子会社)が30万ドルを提供したのをはじめ、多くの企業が義援金の申し出をしています。

先日、近くのスーパー・マーケットへ買い物に出かけた際、今回の災害被災者への寄付集めがマーケット主催で行われていました。私たちも心からの気持ちを込めて些少ながら浄財をいれてきました。毎年のように発生するこの種の災害を防ぐため、カリフォルニア州としての対応策が緊急の課題となっています。  河合将介(skawai@earthlink.net)

さくらの独り 言「文化の日」

11月3日は“文化の日”、“国民の祝日”である。温暖化による気象異常で例年にない暖秋とはいえ、この文化の日にもなると、流石に山々が衣替えをはじめ、この季節独特のイベントに色が添えられる。その色合いに重なったように、特に、芸術の稔りの季節が深まる気さえする。それも、幼い頃から“文化の日”は、文字通り文化活動(イベント)漬けで、色々な文化の想い出の詰まった記念の日だったからだろう。今年の“文化の日”、それは私にとって人生で大きな記念の日になりそうだ。

私の小学校から高校を卒業するまでの12年間は、この“文化の日”、もしくはそれを挟んだ前後は、各学校と地域(市・県)の“文化祭”が目白押し、絵画や陶芸などの美術、書道や華道などの日本文化、弁論や読書感想文などの文学、そして演奏や演劇などの芸能といった活動などの、大会や展覧会への参加や出品に大忙しだった。九州の田舎で過ごしたその12年間は、どの分野でもそれなりの成績を収めるちょっとした花形で、親や先生を喜ばせたものだ。末っ子の私をこよなく愛してくれた亡き父の、私が記念に持ち帰った表彰状を受け取る目が細くなっていった顔も懐かしい。この“文化の日”は、幼いながらも自分にとっては、自分の芸術活動の具現化であり、評価であり、つまりは稔りの最盛期だったように思う。学校の先生は良きアドバイザーであり、級友(同窓生)は良きライバルでありよき協力者・共同作業者でもあり、そこから学ぶものは目に見えないものだが数多く、芸術の原動力でもあった。記念の表彰状より重い意味のあるものだった。聞くところによると今では、過剰な“差別”意識により、作品に入賞などを設けない文化祭が主流の学校・地域もあるというから、何かしら味気ない気もする。

ところで、“文化の日”とはどんな日なのか、調べてみた。『自由と平和を愛し、文化を薦める祭日と定められた。これは、昭和21年(1946年)のこの日に、戦争放棄・主権在民・基本的人権を宣言した新憲法が公布されたが、これを記念して平和への意思を基盤とする文化を発展、拡大させようというのがその趣旨である』とされている。またこの日は、明治天皇の誕生日でもあるそうだが、これはあまり強調されていないから不思議。日本国の行事としては、文化勲章表彰式がおこわなれる日でもあることは周知のとおり。さらに、この日は、祝・祭日の中でも晴れの日が一番多い“特異日”でもあるという。そしてなんと、23日の勤労感謝の日を11月1日もしくは5日に移動して、秋の大型連休なるものの誕生もささやかれているというから、驚きだ。ビジネス界においては“ありがた迷惑”のムキも多かろう。

さて、さくらは私事ながら今年の11月3日を、我が人生の稔りを記念するとても大切な日として選んだ。これからこの地上で生活する道のりで、人生という舞台(ステージ)の、様々な文化の祭りを、独りではなく二人で楽しもうと決心したのだ。11月3日・文化の日、さくら流の自由と平等、文化を愛する記念の日とでもしようかな・・・っと呟く、さくらの独り言。

川柳(東京・成近)

 


( 川 柳 )

語彙不足クロスワードに遊ばれる

単三の電池でそれなりのやる気

十手先読んでこの歩が頼もしい

明日というドラマに気まぐれな女神

弔辞読むまたも昭和が一人減り


( ニュースやぶにらみ )

「悪夢」
自・民党 −公明党

「食欲の秋」
ハムが美味しかった −名古屋の竜

「ガソリン値上げ、ビールも値上げ」
乗るなら飲むな 飲むなら乗るな −家計簿

河合成近
nakawai@adachi.ne.jp

http://www.adachi.ne.jp./users/itsukabz/index.htm

 

森田さんから

                    

龍翁余話

龍翁余話(9)「無線従事者免許証」

前号の『龍翁余話』(8)「アマチュア無線」をお読みいただいた読者の中から、さまざまな読後感をいただいた。「龍翁さん、頑張れ!」の励ましや「年寄りの冷や水」という悪友たちからの冷やかし、団塊の世代(後輩)からは「龍翁さんのチャレンジ精神に刺激された」の嬉しい反応・・・特に翁を喜ばせたのは、翁が昭和50年からの10年間、某専門学校の教師をしていた頃の先生仲間たちからの驚嘆メール。「あの龍翁さんが、まさかアマチュア無線とは」・・・各位が驚かれるのも無理はない。「俺は、“工学”とニンニクは大嫌いだ」とうそぶいていたのだから・・・

『龍翁余話』(7)「コンサート」で紹介したように、某専門学校というのは、もともと由緒ある工学系の学校だ。その中に畑違いの芸術学部を設置したのだから、工学系の先生たちは、かなり戸惑われたと思う。とりわけ傍若無人で、教師と映像プロデューサーの2足のワラジを履いていた翁(当時は、もちろん若かった)は相当の異端児に見えたに違いない。そんな翁を、彼らは暖かく(教師仲間に)迎え入れてくれた。“工学系の先生たちは、みな紳士だな”と感心したものだ。翁が教職を離れて20年余、芸術系の幾人かの先生たちとの交流は当分続いたが、工学系の先生方とは、以来、疎遠になった。翁がWebエッセー『龍翁の独り言』(最近は「龍翁余話」も)を配信するようになってから、工学系の先生お二人、TさんとKさんには読者になっていただいた。そのお一人、Kさんが、前号の「アマチュア無線」を、当時、教師仲間だった工学のSさんに転送した。驚いた!そのSさん、なんと、著名な無線工学(特に航空無線通信)の権威者なのだ。現在も某大学で教鞭をとっておられる。そのSさんからメールをいただいた。もちろん「驚きと懐かしさとハム(アマチュア無線)歓迎」の暖かいお便りだった。更に嬉しいことに、Sさんが、当時の先生仲間に呼びかけて“旧交を温める会”を計画して下さっているとのこと、その日が待ち遠しい。

さて、遅くなったが本題に入ろう。遂に“無線従事者免許証”(第4級アマチュア無線技士ライセンス)が届いた。日本は世界一のアマチュア無線王国。世界にはアマチュア無線局が280万局以上あるそうだ。翁が開局(12月開局予定)すれば、その中の一局になる。
電話が今ほど発達する前から、世界を軽々と電波で結ぶコミュニケーションを成立させていたのがアマチュア無線。国や性別、年齢を超えて世界の人々と語り合えるアマチュア無線は、インターネットのルーツとも言えるのではあるまいか。無線は、電波という貴重な資源を利用するため、国内的にも国際的にも法律で電波の使い方が決められている。しかも電波法では、仕事や金銭上の利益目的は禁止され、純粋な趣味の無線通信であることが明記されている。もちろん、国家資格を必要とする。ただし、アマチュア無線は単なる趣味(遊び道具)だけではない。1995年の阪神淡路大震災の時、あらゆるライフ・ラインが寸断され、ほとんどの通信手段が途絶えた中、アマチュア無線家たちの連絡網が情報伝達や人命救助に大きく貢献した。災害、非常時に有線通信(携帯電話を含む)が使用不能に陥った場合、アマチュア無線は有効な通信網である、と今あらたに脚光を浴びているのだ。翁が無線従事者免許の取得を思い立った第1の動機は、そこにある。翁が理事を務めるNPO法人日本災害情報サポートネットワーク(J−DINS)も能登半島地震、新潟県中越沖地震の教訓から、地元FM局やアマチュア無線家とのネットワーク構築を急いでいる。

ところで、前号のエッセー「アマチュア無線」で、翁の近くにアマチュア無線家がけっこういることを知らされた。前述の教師仲間をはじめ、テレビ局員、コンピュータ業務関係者、アメリカの友人で金融関係の経営者やジャーナリストなど。そんな中で『龍翁余話』掲載でお世話になっている“雑貨屋ウイークリー”の店主(主宰者)大西さんが、なんと30年も前に第2級のライセンスを取得されたという。彼はハムで世界の人と話をしたいという夢がかなって某社の海外駐在員になったとか。今も、カナダで使っていた無線機を大切に手元に置いているそうだ。そういうアマチュア無線の先輩たちと早く交信を開始したいのだが、不特定のアマチュア無線局を呼び出す時に発する「CQ,CQ,CQ、こちらは○○○○です」が、最初は、声が震え、自分のコールサインがスムーズに出てこないので、片手にメモを持っていなければ、と言われているそうな。しかし、普段、あまり物怖じしない翁、どこまで気取って落ち着いたコールができるか、とにかく開局の日が楽しみだ、っと、そこで結ぶか『龍翁余話』。

ジャズの魅力−今週のお奨めジャズ


Alan Broadbent
You and the Night and the Music


1 You and the Night and the Music (07:06)
2 I Wish I Knew (08:53)
3 With the Winf and the Rain in Her Hair (06:40)
4 Baubles, Bangles and Beads (06:38)
5 Ceora (07:55)
6 What's New (08:00)
7 Dearly Beloved (07:50)

Alan Broadbentの軽快なピアノとBrian Brombergの迫力あるベースが加わり、ドラムもバランスのいいジャズだと思います。私の好きなアルバムのひとつです。女性が写っているジャケットは日本盤のアルバムで、もうひとつはUSA盤のジャケットです。ずいぶん違うものですね?

Alan Broadbent ( Piano )
Brian Bromberg ( Bass )
Joe La Barbera ( Drums )
Brian Bromberg ( Bass (Acoustic) )
<R.O.>

編集後記

日本シリーズ、セリーグの中日が優勝しました。
信じられないようですがこの10年間、日本シリーズでセリーグが日本一になると年末の株価が年初に比べ下がり、パリーグだと上がるという統計が新聞(フジサンケイビジネスアイ)に載っていました。偶然かもしれませんが・・・。

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Zakkaya Weekly No.599

雑貨屋 店主 大西良衛   http://www.zakkayanews.com/
              
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