weekly

NO.580                Ryo Onishi              6/24/2007   

 weekly

 

河合さんの さくらの独り言 川柳 & コント 森田さんから ホームページ
  雑貨屋のひとり言 ジャズ 編集後記 バックナンバー
 .
雑貨屋のひとり言

先週の木曜日、ロスから一時帰国されていた浜野さんに京都で会い、高島さん、森山さんといっしょに祇園で飲食を楽しみました。久しぶりの再会でした。浜野さんとは10数年前、サウスベイにいたときに一期会という勉強会で知り合ったのですが、今回いっしょだったみなさんは共通して大変勉強熱心そしてチャレンジャブル、とてもいい刺激になりました。最近、すばらしい人にいっぱい出会えるのでうれしく思っています。(R.O.)

忘却力の充実

年を重ねるにしたがって記憶能力が減退し、最近は昨日の出来事さえ思い出すのに時間が必要だったりすることがしばしばです。

最近のわが家では夫婦揃って目の前のテレビ画面に登場している有名役者の名前が言えず、それから数時間、思い出すまで気になって他の仕事が手につかなかったりします。そんな些細な度忘れでも思い出せないと気になるものです。

記憶力の減退は加齢による脳細胞の減少が主要因なのかもしれませんが、私の場合はビジネスの現役から引退して10年、緊張感の欠如による脳の活力低下も見逃せない要因なのかもしれません。

認知症などを患っている場合、もの忘れに対する苦痛は通常の人間にはとうてい理解し得ないほど辛いものだそうで、度忘れ程度で愚痴る私は贅沢と言うものでしょう。

 考えてみるに自分に都合の悪いことを意識的に記憶せず平気でいられるのも私のような高齢者の特権なのかもしれません。

人が一生の出来事をすべて覚えていたらたいへんです。 私自身、過去の人生を振り返ってみるに、どうでも良いこと、無意味なこと、出来たら忘れたいことの連続であり、これだけは一生の記憶に留めたいと思える有意義な出来事なんぞ100のうち1つか2つ位のものです。

「物忘れが多くなった」という後向き発想は「忘脚力が充実した」という前向き発想に変えるのも意義あるではないでしょうか。それだけで人生は180度変わります。

人は「時を忘れ、我を忘れる」状態でいるのが最も幸せなのだといわれます。今、私が自分にとって都合の悪い記憶を忘れ去り、平気な顔をしていられるのも「忘却力が充実」したおかげなのかもしれません。

また、有意義な記憶力を高めるためにも既存のジャンク・メモリー(不要な記憶)を上手に廃却、即ち「忘れ去る」 ことが重要なではないでしょうか。

記憶力を高める最高の秘訣は「忘れ上手」になることだといわれます。多くを記憶したかったらそれ以上に忘れることが必要のようです。ある時、同時通訳の関係者に同時通訳の極意を聞いたら、「前に行った通訳を早く忘れ、今の通訳に専念すること」と言っていました。

 「忘脚力の充実」は結果として、過去のいやな思い出から開放され未来思考の人生を開き、過去にとらわれない発想が出来るという効果が期待できます。

 私はもの忘れを前向きにとらえ、その代わり忘れては困ることを必ずメモしておくことにしています。
     河合将介( skawai@earthlink.net )

さくらの独り言「 柔軟」

先日、ゴルフプレー直前のストレッチをやっている時、足腰は勿論、首や肩が「硬くなった」と実感した。日ごろの運動不足は言うまでもないが、年齢とともに筋肉の柔軟性が欠けてきていることは否めない。逆に、生活慣習やリズムといったプロセスや方法手段、または価値観などといった精神的な心の部分では、若い頃のような拘りから解き放たれて、少しずつ柔軟な側面が見え隠れする。年齢に比例する“諦観”の部分的現象かもしれないが。さらに仕事では、昔と違った役割と責任のある立場のためか、物事に柔軟でなければ身がもたないと痛感。今までの自分が苦手だった柔軟への挑戦は、柔軟と手抜きの違いを知ることだと知らされる今日この頃だ。

たまたま観たテレビ番組では、シャンソン歌手で料理愛好家でもある平野レミのアイディア・クッキングが紹介されていた。週末や休日は一週間の献立を考えて料理・保存することが多い料理好きの私は、彼女の名前やそのユニークな調理スタイルについて知ってはいた。しかし、昔からの自分の調理スタイルに自信と拘りを持っていた私は、平野レミのクッキングはどうも手抜きスタイルに見えて、私の性に合わないと全く興味を示さなかった。しかし不思議なものである。今日の20品スピードクッキング紹介の番組に釘付けになってしまい、挙句には番組終了するや否や、近所の本屋へ走って行き、2冊も彼女の本を買って来た。それは、自分が手抜きと柔軟の違いを、自分なりに納得したからだと思う。

ところで、ここで、手抜きと柔軟の違いを示唆してくれたもう一人の知人がいたことを紹介しよう。その人は劇作家の堤春江さん。世界を代表するチェロリスト・堤剛氏の妻であり、1男1女の母でもある主婦作家、そしてサントリー(株)会長・佐治敬三氏の長女でもある。あれは、今から15年ほど前になるだろうか、「さくらさん、出版を考えてみませんか」と言って一冊の本を渡してくれた。『主婦作家として成功する方法(原作:How to be a Successful Housewife Write・エレーヌ・ファントル・シンバーグ薯・赤尾秀子訳/講談社出版)だった。この本は、妻であり、5児の母でもある主婦作家エレーヌ自身の経験がベースであるだけに、精神面だけでなく的確な実践方法が説得力を持つ。残念ながらこの本は絶版、なかなか手に入らないものとなってしまった。この本、著者、そしてそれを実践し成功した堤春江さん、それは、“主婦作家”として成功するためだけではなく、一個の人間として、女性として、複雑な社会事情にある生活基盤(ライフスタイル)をシンプルに変え、賢く、あらゆる役割をこなすことが出来る成熟への道標を教えてくれたのだと、感謝する。今になって、実感するこの重み、なんとも悟りに遅いものだと自己反省しきり。

さて、先に紹介した平野レミのクッキングメソッドとの遭遇も、堤さんが紹介してくれた一冊の本との出会いも、柔軟な自分へのチャンスを目の前にしながら、自分の生活に活かせなかったことが多い。そこで、今日気がついた。柔軟になるということは、アイディアにまずは耳を傾けること、それが第一歩だろうなと。工夫や発見を拒絶せず、知ってみる、分かってみる、試してみるという自分の変化への挑戦が、柔軟な自分へと導いてくれる気がした。歳をとるごとに頑固さが増す自分に、洗濯仕上げで使うような“ソフター“なんてものをドラえもんからもらいたいな・・・っと、呟く、さくらの独り言。

川柳(東京・成近)

 


( 川 柳 )

後継に多士済々が纏まらず

後継に帯に短い顔ばかり

抜擢の若さ本音を滑らせる

任せると言いつ手を出し口を出し

豪快に飲んだ上司の泣き上戸

( ニュースやぶにらみ )

「予定通り」
会期延長、審議拒否  −与野党

「議院選に向けて」
胸算用、皮算用 −与野党の計算機

「取締役の賞与ゼロ」
日産は厳しいな −社保庁役員

河合成近
nakawai@adachi.ne.jp

http://www.adachi.ne.jp./users/itsukabz/index.htm

 

龍翁余話「いざ、12秒」

 『雑貨屋』の愛読者から厚かましくも寄稿者へ。レギュラー執筆者のお二人・さくらさんとはゴルフ仲間、ロサンゼルスの河合さんとは“七夕友人”。去る日、さくらさんの兄貴分Cさんグループが主催する“落語・講談名人会”で皆さんとお会いした際、「私も書いてみようか」の呟きが『雑貨屋』主宰者・大西さんのお耳に。そしてご快諾を頂戴し、本号より寄稿させていただく「龍翁余話」。いえ、毎号ではなく月1回ていどの“きまぐれ寄稿”につき、編者(大西店主)や読者のリズムを狂わせるのでは、と懸念しつつも敢えて「余話」(こぼれ話、あまり役に立たない話)を書きたがる我儘本尊・龍翁。だが、『雑貨屋』の品格だけは汚さないように、と心がけ、いざ・・・

2代目市川猿之助が昭和37年に孫・団子に3代目猿之助を譲り、自らは「猿翁」を名乗った。その時彼は「翁の文字、まだ身にそはず、衣がへ」と詠った。74歳だったと記憶する。龍翁は68歳で翁を名乗った。その時詠んだのが「翁とは、まだ10年先の、呼び名かな」。だが、3年経った今、「翁とは、わが身にそえし、呼び名かな」を実感する齢である。長年、映像制作(特に海外ドキュメンタリー番組)を手がけてきた翁、古希を過ぎたとはいえ、いまだに野次馬根性が衰えず、興味関心事には“見たり聞いたり試したり”と飛び回ってビデオカメラを回すのが好きだ(本業は演出・プロデュース)。

先日、翁が理事を務める『日本災害情報サポートネットワーク』というNPO法人の役員会で「龍翁さんのビデオ撮影講座を開こう」という話が出た。理由は、同法人の理事長・渡辺 実(防災・減災ジャーナリスト)が、3月の能登半島地震の時に撮影したビデオが“船酔い映像”だったことを翁が批判したことによる。(某テレビ局の現地レポートを兼ねての撮影だったから、急ぎ撮りで無理もなかったのだが・・・)活字も言葉も大切だが、ドキュメント映像こそが、ありのままを物語る。それだけに視る人に、正確に、心地よく伝え、事実認識と理解への深まりを期待する。それが、映像効果(映像使命)である、と翁は強調する。自然災害には地震とそれに伴う津波、台風、豪雨、豪雪、竜巻、などあるが、やはり地震が最も脅威。予想される“東海地震”は、フィリピン海プレートの沈み込みに伴う歪みが解放されていないままになっているため「いつ起きても不思議ではない」と専門家は言う。また、“南関東(首都圏)地震”は、大陸プレート、フィリピン海プレート、太平洋プレートが互いに接し、複雑な応力集中が生じているため「かなり切迫性を有している」と言われている。それだけに、このNPO法人に対する各方面からの期待は大きく、有事の際の情報サポートの仕方いかんで、被災者の生命・財産が左右されることを考えれば、責任も思い。防災・減災情報提供の中で映像情報加工・伝達(啓蒙)システムの確立が龍翁の担当分野と自認しているが故に“映像使命の重要性”をアピールしている。

同法人理事長・渡辺氏が某紙に連載している『減災に挑む』の中に、気象庁が今年の9月から本格的に運用を開始する“緊急地震速報”が取り上げられている。「“12秒後に、震度5強の揺れが襲ってきます“という情報が発表されたら、さあ、あなたはどうしますか?」
の問いに対して”たったの12秒“と思って、ただ立ちすくむか、”12秒もある“と思って冷静に行動するか、生命・財産の明暗を分ける”12秒の使い道“を渡辺氏は訴えている。いみじくも、”12秒“は映像構成の基本でもある。フィックス(カメラを動かさない画像)4秒+パンニング(カメラを上下左右に動かす画像)またはズーミング(被写体に寄る、離れる)4秒+フィックス=12秒で、一つのストーリーを表現する。ゴルフ・スイングが乱れた時、気持ちを落ち着かせる間合いを12秒取れたらいいかな?・・・と、そこで結ぶか「龍翁余話」。

ジャズの魅力−今週のお奨めジャズ

今週も新しいアルバムに出会って聴いています。大阪通天閣の近くに、ジャズ専門店があると聞いたので、次の週末には行ってみようかなと思っています。そのときにはご紹介したいと思います。
今週は力強いタッチとルックスで多くのファンを獲得している女性ジャズピアニスト、大西順子の曲をご紹介します。大西順子は1967年生まれ、京都府出身 '93年にアルバム"WOW"でデビューしました。94年4月、「クルージン」を米ブルーノートより発売もしています。同12月 、スイングジャーナル誌読者投票で史上最も人気のある女性ジャズ・ミュージシャンに選ばれています。
"WOW"は力強いピアノでとても印象に残ったアルバムです。

"Onishi Junko Trio" "WoW"

1 The Jungular 07:10
2 Rockin' in Rhythm 05:51
3 B-Rush 06:01
4 Prospect Park West 03:25
5 Point-Counter-Point 04:56
6 Brilliant Corners 06:36
7 Nature Boy 08:37
8 Broadways Blues 08:48

<R.O.>

編集後記

一日おきに雨だったりいい天気だったりで、おかしな梅雨です。でも確実にあの蒸し暑い夏に近づいています。
雑貨屋ニュースレターのバックナンバーは下記のURLでご覧いただけます。

http://www.zakkayanews.com/zwback.htm

Zakkaya Weekly No.580

雑貨屋 店主 大西良衛   http://www.zakkayanews.com/
              
tenshu@zakkayanews.com